或る秋の日
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 私の人生 What is Life |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | 16/11/11配信限定EP『或る秋の日』3曲目 |
2 | 君がいなくちゃ Nothing Without You |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | 15/3/4配信シングル |
3 | 最後の手紙 The Last Letter |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | |
4 | いつもの空 I Think I'm Aright |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | |
5 | 或る秋の日(Alternate Mix) A Long Tim |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | 16/11/11配信限定EP『或る秋の日』2曲目 |
6 | 新しい君へ The Gift |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | |
7 | 永遠の迷宮 Labyrinth |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | |
8 | みんなの願いかなう日まで Our Christmas - Happy That We're Here |
佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 | 13/12/4配信シングル |
Keyboards & Strings Arrangment:佐野元春(1,5)
Keyboards Arrangment:佐野元春(2,6,7)
Horn & Keyboards Arrangment:佐野元春(3)
Keyboards & Orchestral Arrangment:佐野元春(4)
Strings & Keyboards Arrangment:佐野元春(8)
リリースデータ
2019年10月9日 2019年12月18日(LP) 2022年12月21日(Blu-spec CD2) |
初登場14位 - 初登場267位 |
売上0.8万枚 - 売上0.02万枚 |
Produced by 佐野元春 Co-Produced by 大井洋輔 |
Daisy Music(ユニバーサル) Daisy Music(ユニバーサル) Daisy Music(ソニー) |
佐野元春18thアルバム。『自由の岸辺』から1年5ヶ月、オリジナルアルバム『MANIJU』からは2年3ヵ月ぶり。前作以降の新曲として8月に配信されていた「愛が分母」は未収録。今作は2013年〜2016年のアルバム未収録配信シングル4曲とこの間にレコーディングされていた未発表4曲を収録。2017年以降に制作された新曲は収録されていない。配信限定EP『或る秋の日』3曲目「新しい雨」は『MANIJU』に収録済み。また配信時は佐野元春 & THE COYOTE BAND名義だったが、今作はソロ名義となっている。
永続販売は配信のみで、CDは受注生産限定盤。受注生産となっているが実際には予約なしでも各ショップで購入可能だったため初回限定生産に意味合いが近かったものと思われ、早期に売り切れて入手困難となっていた。2020年頃に1度再生産されて再度入手可能になっていた時期があった模様。2021年にはDaisy Musicの委託先がユニバーサルからソニーへ移動する事が発表されたが、2022年12月にBlu-spec
CD2仕様でソニーから再発された際に限定盤であった今作もラインナップに含まれた。これにより今作はしれっと限定盤扱いではなくなった。
12月には初回受注生産限定盤でLPでも発売された。
作風としてソロ色が強いという事でソロ名義になっているだけで、配信時は佐野元春 & THE COYOTE BAND名義だったように演奏は全てTHE COYOTE BANDメンバーが行っている。ただし一部の共作では藤田顕が不参加でギターは佐野元春本人のみという編成になっていたりとバンドメンバー全員が参加していない曲もある。また各楽曲に掲載されたレコーディング日は2013〜2016年まで全てバラバラ。時期としては『Blood Moon』と『MANIJU』の時期に制作されていて配信シングルで出すもアルバムに合わず収録を見送られたか発表されないまま完全お蔵入りしていた未発表曲。40周年を越えての次のアルバムに入れるとなるとかなり時期が離れてしまうし、しかしそのままお蔵入りするにはもったいない曲なので40周年を前にして一挙それらを集めたという事と思われる。
そんなわけなので2019年発売ながらも直近数年間の曲が無く、『Blood Moon』と『MANIJU』の時期の未収録曲の清算みたいな感じもするが、公式には2019年、来る40周年を目前にしてあえてソロ名義で届ける人生の秋を生きる男女の8篇のラブストーリーと言うコンセプトアルバムの新作のように扱っていた。3〜6年前のバラバラな曲たちだが不思議とよくまとまっていてアコースティックやフォーク寄りの大人の落ち着いた味わいの楽曲が並んでいてそのまま季節の秋っぽくもある。ただ歌詞の面では通常以上に人生の後半を生きる5,60代、すなわち人生の秋を生きている者の出逢いや別れ、想いなどが綴られていてメッセージ性では無くパーソナルな感じが強い。本人そのままではなくフィクションではあるんだろうけど、離婚する妻への最後の手紙を表現した「最後の手紙」と1人になって過ごす日々を綴った「いつもの空」には妙なリアルさがある。実際には「いつもの空」が14年3月、「最後の手紙」が15年1月にレコーディングされていて時期は1年近く離れているんだけど同時期に制作したかのような連続性が感じられ、ここまでハッキリとした連続性は無いものの今作は『Blood Moon』と『MANIJU』の時期に制作されていた未発表曲を集めただけの作品ではない確かなアルバムとしてのまとまりがある。CDを限定盤にしたのは通常時よりも同世代向け要素が強かったせいだろうか。両親世代であるこの世代まではまだ遠く、今作に漂う哀愁の本当の体感は分からないし、そもそもそこまで生きているかも分からないので永遠に分からないままの可能性もあるが、それでも何か感じるところのあるアルバムだった。
印象度★★★★☆
2022.10.21更新