2020年1月1日(スペシャル・エディション)
2012年1月25日(オリジナル)
初登場27位 最高1位 売上2.1万枚
2012年発売のシングル初回盤を復刻して新たに「人生の扉」ライブ映像収録DVDをつけたスペシャル・エディション。
NHK紅白歌合戦で「いのちの歌」を披露するのに合わせて発売された。
初回盤はボーナストラックの「いのちの歌(ピアノ&ボーカル・バージョン)」、ピアノ譜の封入というのものだったが、今回はこれらがそのまま復刻されている。しかしリマスター等はされず、2012年音源のままの模様。なお「いのちの歌」自体はアルバム『TRAD』『Turntable』収録時に2度リマスターされているので既発より古い音源で発売されたという事に…?
O社ではオリジナルとは別集計となった。元旦発売ながら年内に出回っていたため本来登場しないはずの集計期間が12月29日までの前週に初登場27位でランクインした(オリジナルは176位に浮上)。そして翌週に1位に浮上。シングルでの1位獲得は98年「カムフラージュ/Winter Lovers」以来。また0.7万枚を割り込む売上枚数での1位獲得は1位の売上枚数の史上最低記録大幅更新となった。
1.いのちの歌
09年に茉奈 佳奈に提供した曲のセルフカバー。当時2人が主演していた朝ドラ『だんだん』での劇中歌で持ち歌という設定で使用されていた。『だんだん』自体の主題歌は竹内まりや「縁の糸」だったが、放送時及び茉奈 佳奈としてシングル発売した時は“作詞:Miyabi、作曲:村松崇継、編曲:前嶋康明”とクレジットされていたので竹内まりやは無関係と思われていて、歌っている茉奈 佳奈にも知らされていなかった。しかしドラマ打ち上げ時に竹内まりや本人から茉奈 佳奈にMiyabiが自分だと明かされ、その後も世間には伏せられていたが2010年12月に竹内まりやがライブでセルフカバーを披露した際にMiyabi=竹内まりやだと世間にも公表された。
CD化を望む声が高まる中で2012年にNHK BSプレミアムドキュメンタリードラマ『開拓者たち』主題歌に起用されて満を持してセルフカバーとなったのが今作。今作では作曲を担当した村松崇継がアレンジとピアノ演奏も担当、さらに茉奈 佳奈もコーラス参加し、作詞はMiyabi(竹内まりや)と正体を明かした表記に変わった。こういった経緯もあり、竹内まりやが作曲をしていないどころか通常時アレンジを手掛けている山下達郎は一切関わっておらず演奏も編曲もプロデュースも完全にノータッチ。プロデュースも竹内まりやの単独名義になっている。紅白出場時に夫婦での共演が一部で期待される声も上がったが、達郎アレンジやコーラスがガッツリ入っている曲ならまだしも、一切ノータッチの今作を披露することが決まった時点で元々関わってない曲のギターやコーラスを入れるために山下達郎がわざわざやってくる理由は無かったりする。
バンド+ストリングスによる雄大な雰囲気の楽曲で文字通りに命そのもの、人生観を歌っている。TV披露時1番の後に大サビでそのままラストサビになるので2番がカットされたTVサイズかと思うが実はこれがフルサイズ。色々と使われてきた楽曲ではあるが、正直朝ドラ『だんだん』当時はあまり知らなかったし、セルフカバーした時点でもまだ知らなかったし、2014年の『TRAD』最終曲で聞いた時にこれが1番いい曲だなと思った程度だったんだけど、『souvenir the movie~Mariya Takeuchi Theater Live』で大ラスに使用されて実質新規MVみたいな映像でクライマックスを飾ったり、NHK特番でも同様の扱いを受け、『Turntable』の目玉楽曲のようにも扱われたので、40周年展開で近年の最大の代表曲みたいな扱いまでさらに駆け上がった感がある。ミーハーなもんで『TRAD』以降からそれだけ改めて何度も聞かされると元々いい曲だなぁという印象だったのが、扱い同様に駆け上がってとんでもない名曲だという好印象に変わった。ていうかなんか自然と泣けるんだよなこの曲。
★★★★★
2.輝く女性よ!
当時コーセーのCMタイアップで使用された曲。これは自作曲で編曲が山下達郎という従来通りのナンバー。山下達郎が自身の楽曲でも頻繁にストリングスアレンジを入れていた時期の曲なのでこの曲でも服部隆之によるストリングスアレンジが加えられていて00年代後半~10年代前半頃のJ-POPストリングス時代らしい雰囲気。まあ竹内まりやらしい王道のミディアムバラードで女性賛歌ではあるんだけど、スペシャルエディションになって「人生の扉」の映像を付属した流れだとちょっとこの曲だけ浮くのでなんかもうちょっと違う曲に差し替えての再発でも良かったんじゃないのかとも思わなくもない。
★★★☆☆
初回盤、スペシャル・エディションのみ
3.いのちの歌(ピアノ&ボーカル・バージョン)
ピアノ伴奏のみのシンプルなバージョン。今作の高需要が長年続いたため初回盤が完売してしばらくプレミア化していたのであっさり聞けるようになったのは嬉しいところ。シンプルでも響くとても強い楽曲だと思う。
★★★★★
DVD
人生の扉(souvenir the movie~Mariya Takeuchi Theater Live~より)
2018年末に期間限定で公開した映画『souvenir the movie~Mariya Takeuchi Theater Live~』からの映像で2014年のツアー時のライブ映像。映画は好評につき2019年にも各所でアンコール上映がされたが、作品化はされていない。このツアーでは山下達郎がギターで参加しているため、紅白で期待してたのに達郎見れなかったよというリスナーは今作を買えば達郎の姿を拝むことができる。まあ2020年になるともう6年前の姿っていう事になるけどな…。
NHK特番でもこの曲は確かフルで放送されていたような記憶があるので既に2回くらい見たような気もするが、安定感のある演奏と歌声、そして人生を歌った歌詞は何度見ても感動的。今作自体は50歳を越えた2007年に発表された曲(アルバム『Denim』収録曲で3ヶ月後に「チャンスの前髪/人生の扉」としてシングルカットされた)なので曲中で歌われている事は50代到達までは実感を伴って、60代以降はそうなるだろうという未来予測で書かれている部分もあるが、加齢と共に味わいが増していく。7年経過した2014年時点でCD当時よりも味わい深さが増しているがさらに5年以上が経過して歌われればさらに味わい深くなっているはず。また両親の方が同世代なのでくるものがあるらしく、普段あまり好きな曲とか一致しないのに「いのちの歌」とこの曲は揃って名曲だと言っていた。
映像自体は1曲ポッキリでメニューもクレジットも何もないが、新たにこの曲の歌詞カードが封入されていて歌詞と演奏メンバークレジットが書かれているのは割と丁寧だと思った。