2020年9月2日
Type-A,B
初登場1位 売上19.3万枚
前作から7ヵ月ぶり。新コロで握手負債が返済不可能になったことで次のシングルが出せなくなりがちな48/46系で初の2020年2作目のシングルとなった。
Type-A,B,劇場盤の3種だが、A,Bに初回・通常があるため全5種。初回はスペシャルプレゼント応募券封入、通常盤は生写真1枚封入。劇場盤はオンライン個別お話し会参加券となっている。
3種でC/W3曲目が異なる。
前作では3曲から2曲仕様へグレードダウン、DVDはMV2曲固定からさらに1曲固定へグレードダウンするなど48史上最も省エネ化が進行していたが、今作では表題曲を1期生・ドラフト3期生歌唱ver.、2期研究生歌唱ver.と2組に分かれて歌唱する事で曲数を水増しし、3曲(+カラオケ3曲の6曲)仕様に戻すという新錬金術を発動させた(とはいえ初ではなく歌唱メンバーを変えてC/Wに入れるのはDefSTAR~キングの移籍前後の時期のAKB48が多用していた)。Aと劇場盤は1期生・ドラフト3期生歌唱ver.が1曲目、Bは2期研究生歌唱ver.と曲順も入れ替えられている。
DVDの内容は3作連続で2種全く同じものでC/WのMV制作は2作連続で一切行われなかったが、今作では1期生・ドラフト3期生歌唱ver.、2期研究生歌唱ver.の2種を現在と過去という設定で別々にする事でMVも2分割する工夫がされている。この試みは初。
YouTubeにおいてはこの2種を混ぜたMix ver.として公開されている。Mix ver.は未商品化、今作に収録の別々のVer.はYouTube非公開と住み分けされた。
配信では3種別々に配信されていて全曲セット販売は無い。
また8月19日に先行配信されたバージョンでは3曲目に未CD化のMix ver.が収録されている。Mix ver.のMVもこの音源が使用されているものと思われる。
Type-Bのみ1,2が逆
1.思い出せる恋をしよう(1期生・ドラフト3期生歌唱ver.)
さわやかで甘酸っぱさの漂うアイドルポップ。年数だけなら意外と時間が経過しているが、新人のような初々しさが漂いまくっていてデビュー曲のようにも聞こえるのは曲調のせいだろうか。メロディーの良さもあるが、盛りすぎないアレンジもいい。
編曲は野中“まさ”雄一なので驚いたが、やはりこの人少し作風が変わってきたのか、以前のような煌びやかにぎっしり元気元気元気48!48!48!といった埋め尽くす感じから少し抜いた感じになってきていてザ・AKB48みたいな曲自体が完全に飽きられてきたのもあってさすがにテンプレの多用は止めて変えてきているのかもしれない。
★★★★☆
2.思い出せる恋をしよう(2期研究生歌唱ver.)
全く同じ歌詞・編曲で歌っているメンバーだけ全とっかえ。さすがに1桁人数だとユニゾンでも特徴は出るが、正直48グループが楽曲を入れ替えて同じことやったら全く区別がつかないだろうし、20人以上のユニゾンはほとんど違いが分からない。ただ新人メンバーがC/Wを歌う機会は48には多く、そういう曲は大概初々しさがあったりするので、てっきりこっちの方が初々しさがあるかなと思ったらなんかこっちの方がどこか固い感じはする。アイドル経験の差?
★★★★☆
Type-Aのみ
3.青春各駅停車(青い向日葵)
少し懐かしいフォークの時代の匂いが漂うような珍しい楽曲。のどかな時間が流れている都会とは違う空気感がSTU48の持ち味なのかもしれない。
★★★☆☆
Type-Bのみ
3.あの日から僕は変わった
庄田ゲゲゲというインパクトある作家の作編曲。ジャニーズWESTのC/Wで近年起用が多い新鋭の作家のようだ。新鋭だけあってスピード感と少し不思議な空気が漂う48系ではありそうでなかった新風を感じる1曲。船の件など経営面でヤバそうな事が多い(※ようやくオープンしたばかりなのに来年での船の廃止が決定した)が楽曲面ではSTU48けっこう面白いかもしれない。他のような感じに走らなければ…(そういう意味で群舞とか言って集団ダンスを押し出してやりすぎなかった欅坂46の延長戦にあるような方向性の前作は面白みが無かった)。
ていうかC/Wの曲数も省エネで減ってるのに少人数ユニット曲しか用意せずに瀧野さん2曲とも参加ってさすがに優遇し過ぎじゃない?この曲に参加している薮下楓も劇場盤C/W「短日植物/ふうちほ」で石田千穂とデュオ組んでてやはり少人数ユニット2曲参加してるし、今回バランス悪いな。
★★★☆☆
DVD
Type-A
思い出せる恋をしよう music video(1期生・ドラフト3期生歌唱ver.)
広島県呉市豊町の御手洗町並み保存地区を舞台に同窓会で久々に地元高校を訪れたというストーリーが展開する。センター瀧野由美子は何やら下駄箱に思い出があるようで、過去に手紙を書いて告白した事が示唆され、仲良し4人組と教室や周辺観光で盛り上がる中で時折浮かない顔をしていて、エンディングでは何故かこの手紙を今も所持していてこれを紙ヒコーキにして飛ばすという当時の失恋にようやく別れを告げたかのようなラストになっている。
メインのダンスシーンは埠頭。でかい水溜まりにメンバーが映し出されて綺麗な映像になっているが用意したものではなく、前日高の雨で出来ていた自然な水溜りがいい感じに作用したらしい。また瀧野由美子や岡田奈々らフロント4名(他2人誰か分からん)以外は教室のシーンで集合している様子はあるもののそれ以外の周辺観光シーンは別行動をしていてそれぞれ思い出の場所で懐かしんでいるという感じ。
自然風景が圧倒的でやはりSTU48、瀬戸内を舞台にして広いだけにいくらでも素敵ロケーションがあってこの点は強みだと思う。散々難儀してようやく昨年始まったばかりの船上劇場が来春破棄されることが発表されるなど、あまりに見切り発車すぎた事による弊害もあって船上劇場周辺だけで多額の負債を抱えていそうな苦しい事情も見え隠れするし、48というだけでもう今以上売れることはありえない状態だけに先行き不透明すぎるのは気になるところ。
Type-B
思い出せる恋をしよう music video(2期研究生歌唱ver.)
こちらではメンバーが在校生として登場する「過去」を描いた内容。何やらじゃんけんに負けて好きな人に告白する事に決まったらしいセンター立仙百佳がクラスメイトの投票で手紙で告白する事に決定、仲良し4人組メンバーらの手を借りて渾身の手紙を書きあげて下駄箱にイン。ラストでは相手の少年が手紙を持ってやってくる(1期生・ドラフト3期生歌唱ver.のラストと同じ場所)というところで終わる。
メインのダンスシーンは丘の上の展望台。一応立仙百佳=瀧野由美子の同一人物設定で、主要なメンバー全員が同一人物としてリンクされているようだがさすがに同一人物を演じるには年齢差に無理がある。なんだかんだ瀧野22歳、立仙15歳と離れてはいるものの、見た目はあまりに顔が違い過ぎるのでリンクしているシーンでの立ち位置で同一人物設定を判断するしかない。
YouTube限定のMix ver.ではこの2つのMVがリンクしてどの人物とどの人物が同一設定なのか、このシーンとあのシーンが繋がっているなど示唆した編集になっているのでもう少し分かりやすい。告白の結果が描かれていないものの、現代の瀧野由美子が何故か渡したはずの手紙を今も所持していて紙ヒコーキにして飛ばした事から、過去ではあの後フラれて手紙も返却され、ショックを受けた立仙百佳は瀧野由美子にトランスフォームする現代まで引きずって所持していた、という事になるのか。意外と切ない話だな…。