新作シングル感想

半月(In Acoustic)/藍坊主

2021年5月29日(タワーレコード川崎店限定先行販売)
2021年6月5日(公式通販Luno Records Store限定販売)

2019年7月のミニアルバム『燃えない化石』以来の作品。

半月酒場(hozzy&田中ユウイチ)による藍坊主セルフカバーシングル
hozzy&田中ユウイチはかねてから半月酒場を名乗ってライブ活動をしていたが今作は一応藍坊主名義のシングルとしてプロデュースもバンド名義となっている。しかしメンバーはhozzy&田中ユウイチの2人しか参加しておらず、ベース藤森とドラム渡辺は不参加。クレジットではThanks to枠に藤森・渡辺が表記されている。

hozzyはボーカルのみ、田中ユウイチはアコースティックギターとコーラス。共同プロデュースとして今回も事務所グッデイ時代のプロデューサー時乗浩一郎が参加。キーボードやAll other instruments、プログラミングを手掛けているほか、当時も参加していた下川美帆らストリングス隊5名(カルテット+チェロのソロ奏者)もサポート参加している。

店頭販売は彼らの地元である神奈川のタワーレコード川崎店のみで5月29日に先行販売された。
通常販売は公式通販Luno Records Storeのみで程なくして完売した。

同日に1曲目の「ホタル(Acoustic ver.)」のみが各サイトでDL配信&サブスク配信された。この「ホタル(Acoustic ver.)」単独配信版は別にジャケットが制作されている。

6月24日にドラム渡辺が8月のライブで脱退すると発表された。これに伴い不参加である今作が渡辺在籍時最終作となり、在籍時の最後の参加作は2019年のミニアルバム『燃えない化石』だったという事になる。

1.ホタル(Acoustic ver.)

原曲は2012年のシングル。メンバーが20代最後で書き下ろした青春ソングだったが落ち着いたオリジナルとは違った味わいの1曲に。アコースティックというのでもう少しシンプルなのかと思ったらストリングスがアレンジの中心になっている感じ。加えて時乗さんによる簡易な打ち込みリズム等も入ってくるので、これなら普通に4人でアコースティックスタイルで演奏しても良かったのでは…ていうか4人+ストリングスじゃないとライブで再現できないのでは…というくらいはアレンジされていたのは予想外だった。
★★★★☆

2.アメーバ(Acoustic ver.)

原曲は2015年のシングル『魔法以上が宿ってゆく』C/W。アルバム未収録C/Wを持ってくるとはコアファン向けな…。原曲はそんなに印象的では無かったが、研ぎ澄まされた感のあるこのバージョンはなかなか印象に残る。ウォーウォーコーラスもそのままで、割と打ち込みアレンジも入っているのでこれも4人で演奏した方が良かった気はする。
★★★☆☆

3.オレンジテトラポット(Acoustic ver.)

原曲は2010年のアルバム『ミズカネ』収録曲。3曲の中では最古かつ2011年のベスト盤『the very best of aobozu』以前の楽曲となるがベスト盤には選曲されなかったが、2015年のツアーFINALで披露されたので2010年のライブDVDと合わせて2回もライブDVDに収録されている楽曲でもある。「ホタル」同様にアコースティックギターというよりストリングスアレンジが中心になって盛り上がっていく感じ。
★★★☆☆

総じて3曲とも正直アコースティックギターの演奏よりも時乗さん担当部分のアレンジで引っ張っている印象で改めての時乗さんとの相性の良さと今後ドラム渡辺脱退で厳しくなる状況下での新作は時乗さんの力が絶対に必要なのではないかと思えるほど時乗さんやっぱ名プロデューサーだなというのが1番強い印象だったかも。3曲とも改めて魅力に気づかされたという意味でもいい企画だった。

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