新作シングル感想

SPEED STAR/Quarter Century

2020年7月1日
初登場91位 売上0.02万枚

2003年にデビューし、2004年までのシングルわずか3枚で解散した晴晴゛のギター寺田岳史とLINDBERGドラマー小柳”cherry”昌法による新ユニットのデビュー作。“年の差25歳ユニット”と称されており、デビュー時点では寺田36歳、小柳60歳(寺田が4月生まれ、小柳が10月生まれなので双方誕生日を迎えた時点で25歳差となる)。

晴晴゛ではギターだった寺田岳史だが今作ではボーカルギターを担当。また作詞作曲編曲を一手に手掛けているが、「SPEED STAR」の共同編曲と「雨」の単独編曲はサポートベースのshinpeiが担当。

これ以外に寺田岳史にはRecord Producer(トップ表記)、Mixing Engineer in Chief(肩書なしのミックスエンジニアとしてサポートベースのshinpeiも表記されている)、General Manager、Executive Producerと様々な役職でクレジットされている。小柳”cherry”昌法はドラムとコーラスという演奏以外には一切関与していないためスタッフクレジットには名前が出てこない。

1.SPEED STAR

90年代J-POPを目指したという王道ストレートなポップロックチューン。元々メインボーカルではなかった寺田岳史のボーカルは声もさほど高くない特徴無きイケメンボイスといった感じだが、近年は高音系の男性ボーカルが多いのでこれも1つの90年代っぽさという事になるのかもしれない。ストレートに売れ線全開ないい曲だと思う。有線で好調だったらしく、7月の間は何度か店でかかっているのを聞いたけど、それで耳に残ってくるくらいのパワーも感じられた。

ただGoodbye holidayもイトヲカシもあっさりと敗れ去ってあっさり解散・活動停止。結局90年代のヒットチャートにたくさん入っていたようなこういう王道J-POPを掲げてやっても大して話題にならない。あんだけ90年代は良かったとか回顧特集とかやりまくっているのに昔は良かった系リスナーとはあくまで昔を良いと言っているだけで昔じゃないとダメで、結局現代で90年代王道J-POPをやっても見向きしない。世知辛い世の中である。是非とも頑張ってほしいがよほどドカ当たりのアニメタイアップを奇跡的にゲットできるくらいじゃないと売れないだろうなとも思う。寺田岳史が社長でほぼすべての権限を持っているので晴晴゛のようにシングル3枚で活動できなくなった挙句に切られる立場ではない、経営が傾くほどの赤字じゃない限りは情熱の限りに続けやすい環境ではあるとは思うんだけど。

小柳”cherry”昌法に対してはあまりベテラン感を出さないようにLINDBERG当時くらいの感じでドラムをたたくようにお願いしたというが、それにしてもせっかくのユニットなのだからドラマーとして以外にも作編曲辺りは2人で作りこむスタイルでも良かったような…。なんか今回の感じだと寺田岳史が1人で張り切って1人で進めていて寺田岳史のラブコールと熱意に賛同したチェリーさんにドラム叩いてもらっているだけみたいな感じになっちゃってるので25歳差ユニットの化学反応という意味ではまだ今後に期待かも。
★★★★☆

2.ヒーロー

アニメタイアップを狙いたいというコメントもしていたが、まさにそういった関係者へ向けたような少年向けアニメの王道主題歌のようなポップロックナンバー。アニメに限らず、ウルトラマンとか戦う特撮モノでもありかもしれない。同系統での突き抜けるポップロックだ。
★★★★☆

3.雨

一転して2倍近くある長めのバラードナンバー。序盤は軽い打ち込みで進行し、後半はバンド全開で盛り上がる構成。違う一面を見せた1曲といったところか。しかし3曲聞くとボーカルが別に悪くは無いんだけど、どこかメインではない割と歌えるギタリストがソロ活動で歌っているみたいな感覚になってしまうところもある(整った若々しい金髪イケメンな風貌も合わせてホスト風でもあるが、晴晴゛のボーカル井田の方がボーカルは爽やか、ポップな要素が強かったのもあって王道J-POPやりたいなら04年当時のイメージではあるが井田のボーカルで聞いてみたいなと思ってしまったところがある)。

Record Producer、Mixing Engineer in Chief、General Manager、Executive Producer、作詞、作曲、編曲、ボーカル…ここまで1人でやれる立場まで来ているのは凄いが…。
★★★☆☆

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