SINGLES
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 離したくはない | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 2ndシングル(カット) 最高15位 売上47.2万枚 | |
2 | じれったい愛 | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・明石昌夫 | 5thシングル 最高2位 売上68.4万枚 |
3 | Bye For Now | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・明石昌夫 | 6thシングル 最高2位 売上118.3万枚 |
4 | マリア | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・明石昌夫 | 12thシングル 最高3位 売上78.2万枚 |
5 | おさえきれない この気持ち | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・明石昌夫 | 7thシングル 最高1位 売上82.6万枚 |
6 | 傷だらけを抱きしめて | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・明石昌夫 | 9thシングル両A面曲 |
7 | SHAKE IT | 森下桂人 | 森友嵐士 | T-BOLAN・明石昌夫 | 13thシングル 最高4位 売上26.3万枚 |
8 | すれ違いの純情 | 森友嵐士 | 織田哲郎 | T-BOLAN・葉山たけし | 8thシングル 最高2位 売上74.3万枚 |
9 | LOVE | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・葉山たけし | 11thシングル 最高3位 売上58.0万枚 |
10 | わがままに抱き合えたなら | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・明石昌夫 | 10thシングル 最高3位 売上40.4万枚 |
11 | 刹那さを消せやしない | 森友嵐士 | 森友嵐士・ 五味孝氏 |
T-BOLAN・明石昌夫 | 9thシングル 最高1位 売上73.2万枚 |
12 | 愛のために 愛の中で | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN・葉山たけし | 14thシングル 最高2位 売上24.4万枚 |
Hold On My Beat | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 1stシングル『悲しみが痛いよ』C/W シークレットトラック(10分18秒から収録) |
リリースデータ
1996年8月8日 | 初登場2位、最高1位 | 売上121.4万枚 | ZAIN RECORDS |
メンバー
Vocal | 森友嵐士 |
Drums | 青木和義 |
Guitar | 五味孝氏 |
Bass | 上野博文 |
T-BOLAN1stベストアルバム。『夏の終わりにU』以来2年ぶりのアルバム。93年12月の『LOOZ』を最後にオリジナルアルバムのリリースが最初に停止し、『夏の終わりにU』(94年後半)以降はシングルのみのリリースが続いていて、3月にリリースされたシングル『Be Myself/Heart of Gold 1996』から5ヶ月で今作が発売された。ここまでのシングル15作(A面17曲)から12曲を収録。「離したくはない」「マリア」のシングルバージョン、「LOVE」「SHAKE IT」「愛のために 愛の中で」はアルバム初収録。1st「悲しみが痛いよ」、3rd「JUST ILLUSION」、4th「サヨナラから始めよう」、15th「Be Myself/Heart of Gold 1996」が未収録。『LOOZ』以降のシングルのうち最新作である「Be Myself」「Heart of Gold 1996」の2曲のみアルバム未収録のままとなった。「Be Myself」は解散時のベスト『T-BOLAN FINAL BEST』でアルバム初収録を果たしたが、「Heart of Gold 1996」は2014年のBOXにすら未収録のままで完全に忘れ去られてしまっている。
「愛のために 愛の中で」は本来5分50秒ほどの曲だが今作では15分半程度のトラックになっていて、「愛のために 愛の中で」はオリジナルと同様に演奏終了し、長い無音を経て10分18秒付近からシークレットトラックとして「Hold On My Beat」が収録されている。この曲は1stシングル『悲しみが痛いよ』C/Wでアルバム初収録となった。
「SHAKE IT」は2022年の配信版ではシングル盤と今作の音源が『LEGENDS』の音源に差し替えられた。これは最後のサビ前の森友の"そんなんじゃ綺麗にはなれないぜぃ"の部分のバックでガヤガヤザワザワしていた音がシングル盤と今作には元々あったものが『LEGENDS』以降消されていたもの。また配信版ではシークレットトラックも削除されている。
間隔を開けて続いていたシングルでは売上が激減し、『Be Myself/Heart of Gold 1996』は初登場10位とついにトップ10入りも危ぶまれるほどだったが、初のベストアルバムとなった今作は大ヒット曲満載で潜在需要が高かったのか、初動23万枚を記録。これでも『LOOZ』は下回っていて、V6の1stアルバムに及ばず初登場2位となった。しかし2週目もほとんど数字を落とさずに20万枚を記録するも今度はSMAPに及ばず2週連続2位。3週目も16万枚を記録して1位に浮上、4週目も15万枚で2週連続1位を記録。この時点で『LOOZ』の売上を突破し、5週目も12万枚で2位となり、ついに最高売上を突破し、7週目に自身初のアルバムでのミリオンを達成した。封入されていたZAINのリリースリストは今回はT-BOLANの全アルバムディスコグラフィーとなっていて、バラードを集めたスペシャル・アルバムを年末発売予定と次の『BALLADS』発売の予告が書かれていた。
99年『T-BOLAN FINAL BEST』、02年『complete of T-BOLAN at the BEING studio』リリース後は、今作でしか聞けないシングル曲は「SHAKE IT」のみとなっていたが、09年『LEGENDS』がリリースされたことにより今作にしか収録されていない楽曲は無くなっている。
外された4シングルは単純にO社の売上ワースト4作であり(3作がトップ10落ち)、大ヒット曲だけをシンプルに固めたヒットシングルコレクションとしての価値が高かった1作だが、末期のアルバム未収録シングルをアルバムで聞くためには「SHAKE IT」「愛のために 愛の中で」のために今作、「Be Myself」のために『T-BOLAN FINAL BEST』などベストアルバムを組み合わせる必要があった(『complete of T-BOLAN at the BEING studio』には「愛のために 愛の中で」が収録されたが「SHAKE IT」「Be Myself」は収録されていないのであまり変わらず)。このため「JUST ILLUSION」(2ndアルバム『BABY BLUE』収録)と「Heart of Gold 1996」(このバージョンは8cmシングルでしか聞けない)以外が一気に聞ける『LEGENDS』が2010年に発売されるまでは最も古いベスト盤である今作の価値も高いままだった。『LEGENDS』が出た現在ではわざわざ今作を手に取る必然性は薄れたが、それでも入手のしやすさ、ヒットシングルだけ1枚にまとめたお手軽に聞けるベスト盤としては音にこだわらなければ聞きやすい1作ではある(もっと迫力のあるリマスターで聞きたいという場合は今作は向かない)。中古市場で最も安いのも今作で、うまく行けば1コイン、さらに運が良ければハードオフのジャンクで110円なんてこともあるし。
こうしてシングルを並べるとやはり渋く熱い森友のボーカルの熱量が最大の特色。サウンドは古臭さを感じてしまうアーリー90's全開でシンセが多用されて生のバンドっぽくない機械的なものも多いが、森友の熱い歌声でだいぶ中和されて一定の熱量はある。熱いバラード、激しいアップテンポの二軸を王道としているが、やはり「マリア」「LOVE」「SHAKE IT」「愛のために 愛の中で」といった新しめの曲からは変化の兆しも感じられる。
A面を差し置いてシークレットでアルバム初収録となった「Hold On My Beat」だが、特に別バージョンというわけでもないようでそのままのようだ。何故収録されたのかは不明だが、思い入れが強かったのだろうか。解散時の『T-BOLAN FINAL BEST』、森友がソロで復活した際の『LEGENDS』にも収録されていて現在はレアでもないが当時はプレミア感は強かったものと思われる。
印象度★★★★☆
2021.12.14修正