対談レビュー第21弾 Beautiful Dreamer×unnamed Stories〜永遠の明日へ〜
ポルノグラフィティ シングルレビュー X3(クロススリー)

この対談は2014年3月に行われました。

27th 今宵、月が見えずとも
08年12月10日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:ak.homma、Porno Graffitti

今宵、月が見えずとも(初回生産限定盤) 今宵、月が見えずとも 久々のデジロックヒットチューン

柊朱雀->映画版『BLEACH』主題歌。
MOMA->1曲+カラオケ(カラオケは3rd以来)だけでBLEACH特典がついて1020円、通常盤で816円(消費税5%時代)もする
ポルノ史上最大規模に暴利なシングル
柊朱雀->その暴利の割に年末歌われまくって08年シングルの中では一際爪痕を残しましたね。
MOMA->前後の作品の倍以上売れて、現時点で
最後の10万以上のヒット作ですからね。ak.homma曲ではなく自作で売上が跳ね上がったのは初。よほど曲のウケが良かったのかなと。
柊朱雀->久しぶりにデジタルロック調路線なのがハマりましたね!初期を思い出して。歌詞もGoogle検索で世界を見たりと面白かったです。
MOMA->
A面では本気出して考えて以降では唯一のドラム打ち込み。これによりスリリングさが増して新鮮さもありました。
柊朱雀->今でも「ハネウマライダー」や「ジョバイロ」以外に友達と04年以降のポルノの話になるとすればこの曲かな〜という印象です。
MOMA->初期のヒット曲のイメージに近いんですよね。初期が進化したような。これまでならラテン&ak.hommaな前作がそうなるはずったんでしょうけど
柊朱雀->いつからかhomma×ラテンが今の進化系になるという完全催眠をかけられていたんですね…。
MOMA->ベスト後としては絶妙な曲だったなと。これ以降、自作に移行するのもこれだけの曲が出来たら自然な流れだったんだろうなと思います。
柊朱雀->「リンク」に続いて年末のライブ番組パフォーマンスもかっこよくてインパクトありましたし、
「今宵」がロックバンドポルノとしての一つのターニングポイントになったのかもしれませんね。

この曲の評価は…
MOMA★★★★☆->打ち込みドラムというのもたまにやってもいいんじゃないかと思います。このカッコよさは生ドラムじゃたぶん出せない。
柊朱雀★★★★☆->08年連作の多くをスルーした中でこれは迷いなくレンタルしたのは、やっぱり本能的にこういうかっこいい曲が好きなんだなって。

収録アルバム:
8thアルバム『∠TRIGGER
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


28th この胸を、愛を射よ
09年9月9日(品番SECL999、値段999円)
作詞作曲:新藤晴一、編曲:ak.homma、Porno Graffitti

この胸を、愛を射よ デビュー10周年記念バラード

柊朱雀->デビュー10周年を掲げてリリースしていたような。
MOMA->デビューが99年9月8日だったので、10周年翌日にひたすら
9にこだわってリリース。この当時のSECLの品番って800番台だったので32ndまでよりも品番が先っていう。
柊朱雀->9縛りに徹底したら1曲入りの
前作より安くなったんだな…。
MOMA->世間的には前年にベスト出ちゃったのでやや地味な10周年でしたが、このタイミングでコンプPV集を出したりとそれなりに盛り上がっていたようです。
柊朱雀->音楽番組でもそこそこ盛り上げてたような。Mステ(レギュラー放送)では10周年ソングとしてこの曲…を前座に「アポロ」を歌っていました!
MOMA->紅白では「アニマロッサ」が歌われました!    
…あ れ ?
柊朱雀->ポルノ史上最大に壮大な力作バラードだったんで…すが…。
MOMA->サビが力強いなぁとまず思いました。今までの晴一バラードに比べても格段に強い気がします。
柊朱雀->「今宵」に続いて即決でレンタルしました。当時受験直前シーズン真っ只中でしたが(笑)
MOMA->ただサビ以外が印象薄いのとアレンジ面でも安定感はあるものの、これといった引っ掛かりが無いので全体的にちょっと地味な印象になってしまうのかなと。
柊朱雀->
「雷がまさに君を貫こうと唸っているのなら 切り立ったビルに僕が登ってその的になろう」 なんてかっこいいんだ。
MOMA->カッコいいような…よく分からないような…(汗)
柊朱雀->中二心をくすぐられたのかな(笑)「Winding Road」よりも夕方アニメのEDに向いてそうな曲でしたね。
MOMA->ラブソングとも取れますが、10周年ということで
リスナーに向けてのメッセージとも受け取れますね。締めの「ほんの少し勇気が必要な時には いつだって君のほんの少しになろう」とかね。
柊朱雀->受験シーズン中にグッと心を揺さぶられたのは、無意識にそういうところに魅かれていたのかな…?
MOMA->揺さぶられるものはありますよね。いつも以上に感情がこもった力作という印象もあるので、そういったところが響いたんじゃないでしょうか?
柊朱雀->ちょうど同じ頃に真逆な方向性のコブクロ「STAY」に何故かハマっていたので、心の底ではこういったものを求めていたのかな。あっちは不安な精神状況に上手く入っていった曲として(笑)
MOMA->当時それどころじゃかった(笑)

この曲の評価は…
MOMA★★★★☆->サビは本当に素晴らしい。これでサビ以外とアレンジでもう少し引っ掛かりがあれば大名曲になってたかも。
柊朱雀★★★★☆->受験勉強期を思い出すとパッと頭に浮かぶということは、やっぱり当時の心境とリンクさせていたのかなと。この手の壮大ポルノバラードはもう一回聴いてみたいです。

収録アルバム:
8thアルバム『∠TRIGGER
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


29th アニマロッサ
09年11月25日
作詞作曲:岡野昭仁、編曲:ak.homma、Porno Graffitti

アニマロッサ キャッチーなようでマニアック

柊朱雀->アニメ『BLEACH』OP。
MOMA->初回特典のBLEACH特典、興味ない人はちょっと飽きてたんじゃないか(笑)
柊朱雀->今宵に続いてのBLEACH!放送始まったら早速チェックするぜ!と勝手に息巻いていたんですが…当時の第一感想「…う〜ん?」
MOMA->
キャッチーなようで案外そうでも無いというか。メロディーというより全体の構成やアレンジで凝っている印象ですね。
柊朱雀->妙にあっさりして突き抜けてしまうような感覚がしてしまいました。
MOMA->さらっと聞くと流れていってしまいますね。最初そうでした。チュ〜ルチュッチュチュ〜ル♪くらいしか記憶に残らなかった(汗)
柊朱雀->色々とアレンジが凝っていたのも忙しなく聴こえてしまって(汗)しかしロック路線ということもあって、MステSUPERLIVEや紅白では軒並みこっちでしたね。
MOMA->前作でじっくり聞かせた方が良かったと思いますけどねぇ。この曲をTVサイズで披露しても何だか忙しない割にイマイチ残らないとか思われそう…。
柊朱雀->あんだけ壮大な前作がレコチョクのCMソングでこちらはBLEACH+年末プッシュ。何故差がついた…と思わずにはいられなかった受験近づく年末下がり。
勉強しろ。
MOMA->とりあえず停止していた日記をようやく再開させたような暗黒極まる病み下がり(全然うまくない)。
柊朱雀->「今宵」がずば抜けてた反動で…ってのもあるかもしれないですね。このあっさり感は。
MOMA->バンドとしてのポルノグラフティの意欲作っていう感じはするんですよ。メロディー中心で聞くとなんかハッキリしないし、バックはゴチャゴチャしてるしで分かりにくい曲だったのかなと。「リンク」はそれでもサビが明確いキャッチーだったんですけど、そうじゃない版みたいなね。
柊朱雀->アルバムに入っていたらポルノロックとして映える曲なのかも?
MOMA->そうですね。収録された「∠TRIGGER」で久々にオリジナルアルバム聞いたらだいぶ印象上がりました。

この曲の評価は…
MOMA★★★☆☆->全体の印象はさほど強くないけどじっくり聞くとなかなか凝ってて聞き応えのある1曲。
柊朱雀★★★☆☆->アニメBLEACHにもっと思い入れがあったら重ね合わせたり歌詞を味わったりできたのかもしれない…?

収録アルバム:
8thアルバム『∠TRIGGER
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


30th 瞳の奥をのぞかせて
10年2月10日
作詞:新藤晴一 、作曲:岡野昭仁、編曲:ak.homma、Porno Graffitti

瞳の奥をのぞかせて 狂い咲く ソロヴァイオリン

柊朱雀->ドラマ『宿命1969-2010』主題歌。ドラマ主題歌も割と久しぶり…「ジョバイロ」以来?
MOMA->そんなになりますか。意外とドラマタイアップの印象無いです。個人的に「渦」しかドラマで見た事ない…。「ジョバイロ」もそうだけど今回も若者向けというよりかは大人のドラマでね。
柊朱雀->テレ朝のドロドロめなドラマだったような。親が観ていたような記憶が。歌謡曲調なのが「ジョバイロ」同様にこの手のドラマにハマってそうですね。
MOMA->曲調もアダルトというか。
狂い咲くようなソロヴァイオリンが印象的。
柊朱雀->これまでよりガンガンとした勢いがなくて、ゴージャスに聴かせてくれたのが新鮮でした。
MOMA->リズムにしても今までに無いシングルの中では似た系統の無い曲だなと。
柊朱雀->ゆったり身を任せられるような。愛を射て以来にレンタル即決、この頃は受験真っ只中〜高校卒業前だったのでこの心地よさが良かったのかな。
MOMA->えらく大人なポルノを打ち出してきたなぁとは思いましたが…どこか煮え切らない感じもしたかな。
柊朱雀->確かに煮え切らない感じは…前作もあったのでいろいろと模索してたのかな。

この曲の評価は…
MOMA★★★☆☆->曲調は印象的だけど単純にあまり好みじゃない…。
柊朱雀★★★★☆->高校卒業補正もあれど、一回きりの路線だったからこそ今も際立って響くのかな。

収録アルバム:
8thアルバム『∠TRIGGER
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


31st 君は100%
10年10月27日
作詞作曲:岡野昭仁、編曲:ak.homma、Porno Graffitti

君は100% 妙に軽い…

柊朱雀->えらくハイテンションなポップに回帰。
MOMA->ポップなんだけど…やっぱどこか煮え切らないなぁと。「ワンモアタイム」以降を知ってると余計にそう思ってしまいます。
柊朱雀->なんか前作から相当振り切れて
中高生にターゲットを向けたなと感じました。
MOMA->確かに随分と中高生向けだなと思います。応援歌なんですけど今回は全く響きませんでした(汗) 
柊朱雀->「ギフト」ほど葛藤していた曲を出して2年後、
「100%うまく行くという人生ってどうなんだろう?」って方向性は同じなのかもしれませんがどストレートに来たなと(笑)
MOMA->今までのような「僕」が自問自答してるんじゃなくて、
「君」を励ましてるんですよね。そこが大きな違いかと。
柊朱雀->かなり応援歌応援歌してるように感じたのはそうだからか!
MOMA->出だしのくだりとか随所に「僕」視点に思えるような箇所はあるんですけど、最後は「君」に向けてるんですよね。
柊朱雀->これが1年前2年前の受験シーズンならまさに響いたのかもしれませんが、大学に入った途端妙にペラく響いた…(汗)
MOMA->今までみたいに主人公が葛藤しているわけじゃないから妙に余裕があるように感じられてしまう。極端な話、初期の就活セミナーでやたらポジティブな講師が「君たちはできるさ!君たちはできるさ!えい!えい!ウオオオオオ!!」とか言ってるあの感じにも近いかも(汗)  いきなりそんな前向きの押し売りされても引いちゃう…みたいな。
柊朱雀->曲自体は突き抜けてポップロックに爽快に進んでいくんですけどねぇ。
MOMA->サビの前半でうまくいかない事を描いているのはいいんですけど、それに対するポジティブさがちょっとキラキラすぎるっていうか。まあこれは歌詞が晴一じゃないっていうのが大きいのかもしれません。
柊朱雀->その辺り詞も曲も担当メンバーによって個性が現れていて面白いですね。
MOMA->そういやこれってタイアップ無いんですね。進研ゼミ中学講座とかなら凄い合ってたと思います。
柊朱雀->年末番組プッシュで耳に残りまくってたけどそういえばタイアップなかったのか。ついてたらそれこそまたヒットが狙えてたかも?
MOMA->う〜ん、ポップロックで聞きやすくはあるけど…わりと普通な気もするんですよね(汗) C/Wではak.homma離れを一足先にやってみてたりもするし、何か変えようという意識がこの時期はずっとあったような感じが今になってみるとしています。
柊朱雀->因みにこの年のMステSUPERLIVEではこの曲+「サウダージ」でした。年末過去曲が増え始めました。
MOMA->28th以降は5万を割り込んでいくようなジリ貧固定ヒットしか出てな

この曲の評価は…
MOMA★★★☆☆->ポップロックで聞きやすい…だけど何だか物足りない…。
柊朱雀★★★☆☆->10年選手を越えたポルノがやるには若すぎる曲だなと思いました。

収録アルバム:
9thアルバム『PANORAMA PORNO
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


32nd EXIT
11年3月2日
作詞:新藤晴一、作曲:新藤晴一、ak.homma、編曲:ak.homma、Porno Graffitti

EXIT(初回生産限定盤)(DVD付) EXIT 色々な意味でEXIT!

柊朱雀->月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』主題歌。
MOMA->共作ではありますが、
ak.hommaの関与は08年のベスト盤の新曲以来。そしてアレンジャーとしてのA面関与はまさかの最終作になるとは当時は思いもしなかったです。
柊朱雀->ここにきてポルノ初の月9主題歌!なお評判は…。
MOMA->若者向け王道のドラマタイアップというとこれだけなんですね。ドラマは見てないんだけど確か…えっと…うん(汗)
柊朱雀->三浦春馬と戸田恵梨香がW主演した月9だったのにどうしてああなった…。
MOMA->
凄い評判が悪かったそうで(汗)
柊朱雀->新人の武井咲がいきなり3番手役、バーターに剛力彩芽でこのオスカーコンビの猛プッシュの開幕序章でもあったのか。剛力彩芽が女子高生役とか全然想像できない
MOMA->ご、剛力も出てた…だと…!?
柊朱雀->武井の親友役という。武井は1年ポッキリでしたが剛力は翌年も月9出演、その翌々年には主役に出世…という。出世したら一桁台の戦犯扱いになったけど!
MOMA->
ごり押しごり押し言われた原点はここでしたか…。個人的には「三浦と戸田が教師同士の婚約者だけど三浦が生徒の武井と浮気して修羅場…」っていう筋書きだけ見て見るの辞めた記憶が。
柊朱雀->曲はそのドラマの作風もあってか暗いミディアムバラードで。
MOMA->月9主題歌という気合もあってか、ak.hommaと共作したわりに…やっぱり近作に続いて煮え切らない(汗)
柊朱雀->
煮  え  切  ら  な  い
MOMA->「やるせのない日々」という歌詞がそのおかげでハマってはいるんですけどね。
柊朱雀->ストリングスもこの煮えきらっぷりを引き立ててると言えなくもない気が。
MOMA->ak.hommaとの共同アレンジがもうマンネリに陥っていた…んでしょうかねこれは…?もちろんドラマに合わせていった部分も大きいんでしょうけど。
柊朱雀->どうにも勢いが停滞したまま時が経ったな?と思えてきてしまいましたが…まさか先述通り
これを持って今までの体制から「EXIT」するとは(ドヤ)。
MOMA->綺麗にまとまった(笑) 象徴的な曲だったかもしれませんね。

この曲の評価は…
MOMA★★★☆☆->この先を知ってから改めて聞くとこのak.homma編曲末期の煮え切らなさがより鮮明になります
柊朱雀★★☆☆☆->次回作の破竹の勢いに完全に霞んだ。当時レンタルも「EXIT」(もういい)

収録アルバム:
9thアルバム『PANORAMA PORNO
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


33rd ワンモアタイム
11年9月21日
作詞作曲:岡野昭仁、編曲:田中ユウスケ、近藤隆史、Porno Graffitti

ワンモアタイム 勢い復活!!

MOMA->新たな挑戦!
柊朱雀->ak.homma…ってあれ? この張り裂ける衝動感!
MOMA->
プロデュースに名前は残っていますが、ak.hommaを離れて編曲・演奏は新たなアレンジャーとやってます。こうも変わるとは…。
柊朱雀->ここの辺り落ち着いたかどこか冴えない曲が続く…と思っていたので最初に聴いたときは「うおおおおおお!!」って。
MOMA->まさに目が覚めたかのようなね。ジリ貧売上に変化はありませんでしたが、音楽大賞で7位にランクインしたので、一定のリスナーはこの新鮮さを感じ取ったんじゃないかなと。
柊朱雀->そういう側面でも、勢い痛快な曲そのものも聴いていると無類のパワーが湧いてきますね。味わい深い、浸れて…という曲はありましたが、ここまでエンリピ上等なのは久々。
MOMA->震災を受けて何ができるかを考えて書き下ろした曲らしいのでやはりパワーが感じられます。そして震災以降のモードでは「君は100%」のような歌詞は出てこないだろうなとも思いました。
柊朱雀->そういうメッセージもあったんですね。それだけにこれもアニメタイアップがついていたらもっとヒットしたんじゃないかという説も…。
MOMA->
「スッキリ!!」エンディングタイアップ…だと…!?
柊朱雀->朝の情報番組には勢いありすぎてくどくね?
MOMA->むしろここで「BLEACH」来いよ!当時ちょうど死神代行消失編始まったところだったみたいだし、死神の力を取り戻したい一護の思いに通じただろぉぉぉ
柊朱雀->「この胸を、愛を射よ」「君は100%」といいタイアップに恵まれてない感があります、ポルノグラフィティ。
MOMA->サウンド面では一応生バンドではありますがデジタルサウンドが前面に出ているのがいいですね。近年のak.hommaに無かった勢いを感じるのはまずこの部分では?
柊朱雀->デジタルサウンドをこれぞ活用!してますね。真っ先にこの路線で思いついたのは「今宵、月が見えずとも」ですが、この手の曲でもTHE 売れ線王道!というかどこか落ち着きを感じさせていたので、どちらにも良さはありますが
こういったがむしゃらなタフネスさはhomma氏には無かったかも。
MOMA->初期は打ち込みサウンドと言えばak.hommaの得意技だったのになぁ…(遠い目)
柊朱雀->時代は回りますねぇ…(遠い目)

この曲の評価は…
MOMA★★★★☆->本当に目が覚めるかのような勢いを感じました。このキャリアで新しい人と組むっていう決断がまず凄い!
柊朱雀★★★★★->完 全 復 活

収録アルバム:
9thアルバム『PANORAMA PORNO
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


34th ゆきのいろ
11年11月23日
作詞作曲:新藤晴一、編曲:Tomi Yo、Porno Graffitti

ゆきのいろ(初回生産限定盤)(DVD付) ゆきのいろ 初の本格ウィンターバラード

柊朱雀->ウィンターなバラード。ここまで暖かくもしんみりなバラードをポルノが出すとは。
MOMA->秋のバラードが多かったので、
真っ向から冬の曲っていうのは初めてですか。
柊朱雀->「愛が呼ぶほうへ」がウインターバラードとして思いつきましたが、あれともまた違いますよね。
MOMA->Tomi Yoはアレンジが薄い(特にリズム周り)っていう印象があって苦手なんですけど、これに関してはその薄さや軽さがいいように作用しているかなと。こってりしすぎないというか。
柊朱雀->
This is ス ト バ ラ !な曲でもあるのですがポルノでは新鮮に感じるというか。それでもくどすぎずに聴けるのはそういうところが良かったのかな?
MOMA->けっこう地味ではあるんですが、サビメロはけっこうじわじわ来ます。
柊朱雀->サビで持っていくところは感じましたね。90年代バラード風+ポルノ+2010年代ストバラのような風格が…?
MOMA->大げさな感じがあんまりしないところが違うかなと。同時期に本間昭光はいきものがかりの「歩いていこう」編曲してますけど、あんな感じのアレンジされてたらこの曲にとってはイマイチだったかもなぁ…。
柊朱雀->嫌味にならないぐらいのストリングス具合が絶妙で良かったです。

この曲の評価は…
MOMA★★★☆☆->雪の美しさと静けさが同居したこれまでにない冬のバラード曲。佇まいがやや地味ですが、じんわり来ます。
柊朱雀★★★★☆->アレンジだけでなく、楽曲の路線まで振り切って挑戦しているのが「復活」していると感じさせてくれました。

収録アルバム:
9thアルバム『PANORAMA PORNO
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


35th 2012Spark
12年2月8日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku、Porno Graffitti

2012Spark(初回生産限定盤)(DVD付) 2012Sparkすぺぇく!!

柊朱雀->映画『逆転裁判』主題歌。
MOMA->すぺぇく!
柊朱雀->すぺぇく!!
MOMA->すぺぇく!
柊朱雀->全てがこのフレーズに集約されちゃったぜ。
MOMA->サビの歌詞通りに火花がスパークしているようなサウンドと勢いがすさまじい!
柊朱雀->勢いを復活させたポルノサウンドに確かなキャッチーさとインパクトがあるともう
無敵
MOMA->個人的に好きな曲はもちろん多くありますが、これは世間的にも初期ヒット群に並ぶ代表曲になるんじゃね?と思えるほどでした。残念ながらそこまでヒットはしませんでしたが…。
音楽大賞では2位で過去最高の票を獲得したので、読者さん的にもウケは良かったのかなと。
柊朱雀->そもそも映画が特殊すぎて賛否両論巻き起こしていたという話がまさに「ワンモアタイム」の進化系!と思いました。サビまで絶えないワクワクさが絶品。
MOMA->ストリングスがスリリングさを演出しているのも昨今のストバラシーンの中ではやたら新鮮で(笑)
柊朱雀->この年出たアルバムもストリングスをこれぞ活用した曲を連作していて、あるべきな姿なはずなのに新鮮に(笑)アニソンシーンではこういうストリングスは多いんですけどね。
MOMA->あと2012と年号が入っているのは今を強く生きるんだ!という強い決意がリアルタイムではより際立った一方で、時が進むにつれて「昔の曲」感が際立ってしまうかもしれないですね。後追いリスナーは共感しにくそう。
柊朱雀->映画のジャンル的にもそういう層をうまく取り込めた…んでしょうかね?
MOMA->どうなんですかね。売上見てもタイアップほとんど関係なくなってますからね。
柊朱雀->ライブやテレビで年ごとに年号を変えていったりバージョン違いが作られていくのなら面白そう(笑)
MOMA->まあ歌詞2箇所変えればいいわけですが(笑) 
震災のあった2011年が終わり、迎えた2012年に対する決意っていうあの並々ならぬ強い印象は当時だけのものかなとも思うんですよね。
柊朱雀->屈強な今に負けず生きていこうぜ!というメッセージな曲ですが、確かにそれほどの感覚は2012ならではですね…。

この曲の評価は…
MOMA★★★★★->ベストのDISC-3の中ではこれがダントツ傑作。
柊朱雀★★★★★->りるすぱー!久しぶりにカラオケでもよく歌ったポルノ曲。

収録アルバム:
9thアルバム『PANORAMA PORNO』(PANORAMA ver.)
5thベスト『
PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


36th カゲボウシ
12年9月19日
作詞作曲:岡野昭仁、編曲:馬場一嘉、Porno Graffitti

カゲボウシ(初回生産限定盤)(DVD付) カゲボウシ アコースティックスタイル

柊朱雀->NHKドラマ『つるかめ助産院 〜南の島から〜』主題歌。NHKドラマ主題歌ということで紅白ではすぺぇく!ではなくこちらが歌われました
MOMA->それがちょっと残念でしたね。これはこれで新しいポルノグラフィティ像ではあったと思いますけど。
柊朱雀->シンプルなアコースティックに昭仁の変わらないボーカルで歌い上げるしんみりバラード。
MOMA->クレジットにシンセやプログラミング、アザーインスト表記もないし、これは打ち込みを完全に使ってないんじゃないでしょうか。生音アコースティックスタイルで。
柊朱雀->まさかポルノがこういった曲をシングルで出すとは思いもしませんでした。…が、こういった曲も復活してからの挑戦の賜物なのか。
MOMA->今までにない母のような暖かさを感じる曲だなと思ったら、本当にその辺り意識してたみたいですね。タイアップもあって。
柊朱雀->ポルノがタイアップに絶妙にマッチした曲を書き下ろす機会に恵まれたなんて…(感涙)すぺぇくすぺぇくばかりずっと聴いて連呼してましたが、年を追うごとに化ける曲になる…かも。
MOMA->まあ見てないから本当に合ってたかは分かりませんが(汗) テーマ的にもこれは外してないでしょう。ただちょっとね、2012年も残暑厳しすぎたんで、この暖かみのある曲調がイマイチハマれなかったんですよね。発売が1ヶ月くらい早かったんじゃないかなと。
柊朱雀->9月になっても猛暑と残暑を繰り返すわ、方や春でも3月に雪を繰り返すような天候じゃぁね…。派手派手にせずシンプルに聴かせる楽曲というのも今後増えていくかもしれませんね。
MOMA->こういう曲があれば「ワンモアタイム」や「2012Spark」のような派手さもより際立ちますからね。ak.homma末期には単に秋にはバラード的なルーティン化しかけていたそこら辺のバランスを色んなアレンジャーと組むことで取れるようになって風通しが良くなったんじゃないかと。
柊朱雀->パターンに囚われずにいろんな曲を送り出せるという環境はもう固まっていたみたいですね。

この曲の評価は…
MOMA★★★★☆->シングルとしては1番シンプルなんだけどそこに味わい深さがある。
柊朱雀★★★☆☆->ポルノグラフィティの新たな可能性。30代が近づくにつれ曲の深みにはますます魅かれていきそう。

収録アルバム:
5thベスト『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


37th 瞬く星の下で
13年3月6日
作詞作曲: 新藤晴一 、編曲: 田中ユウスケ、立崎優介、Porno Graffitti

瞬く星の下で(初回生産限定盤)(DVD付) 瞬く星の下で 晴一A面では初の王道ポップロック

柊朱雀->アニメ『マギ』OP。
MOMA->世界観が少年向け冒険アニメっぽい感じです。
柊朱雀->実に
3年半ぶりのアニメタイアップですよ。Twitterでは「ポルノって誰?新人?」とかいう呟きが当時飛び交ったとか飛び交ってないとか…。
MOMA->そんなバカなバカなバカバカバカバカな(某46風)
柊朱雀->ギターが効いたロックバンドサウンドに煌めいた空気を感じさせる爽快ブルーな曲ですね。
MOMA->晴一のアップテンポ曲ってどうも滑ったノリというかぶっちゃけイマイチな印象があったので、今回はなんか普通にいいぞ!と。
柊朱雀->男子がバカ騒ぎしてる間に女子が女を磨いてた曲から8年ですか… リリース時期もあってか旅立ちを思わせるような。
MOMA->そのままズバリ少年漫画的な希望に満ちているなと思いました。ハガレンやBLEACHタイアップでは無かった前向きな世界観ですね。
柊朱雀->ファンタジーっぽい世界観がね。非常に開放感。
MOMA->どういう作品か知らないけど、たぶんかなりアニメに合わせてるんじゃないでしょうか。
柊朱雀->これまでポルノって歌詞に励まされることが多かったんだけど、ファンタジーちっくな歌詞でもメロディーと旋律で胸を押される感覚は今までになかったかも。「メリッサ」は「かっこいい曲(小並感)」だったので。
MOMA->これまた新しいポルノグラフィティでしたね。

この曲の評価は…
MOMA★★★★☆->アップテンポ晴一(他にはサマガー、CRAZY、立ち位置、花道)の中では唯一直球なポップロックであり、普通に好きな曲。
柊朱雀★★★★☆->童心に満ち溢れたワクワクが詰まっている曲。

収録アルバム:
5thベスト『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


38th 青春花道
13年9月11日
作詞作曲:新藤晴一、編曲: tasuku, Porno Graffitti

青春花道(初回生産限定盤)(DVD付) 青春花道 ギミッギミッギミッギミッ

MOMA->ポルノ恒例ベストリリース前の枚数合わせ(?)連続リリース。今回は2連発。
柊朱雀->ギミッギミッギミッギミッ
MOMA->メキッメキッメキッメキッ
柊朱雀->
THE 歌謡曲!2012年に比べて薄味感はありましたが、これまた面白いポルノグラフィティでしたね。
MOMA->なんていうか古い歌謡っぽさが漂ってますが、2人が青春を過ごした80年代がテーマになっているようで。そっち行っちゃうかぁ…って感じもしたんですが以前ほど80'sサウンドに苦手意識も無くなったなぁと実感しました。
柊朱雀->Mステでこの曲を聴いた姉
「これはアニメの曲とかじゃないの?」 それぐらい一発でインパクトがある曲だったようです。
MOMA->サマガーや立ち位置に比べてもインパクトもありますし、地に足がついた感じもありますね。
柊朱雀->露骨に紅白を狙ったような曲調でもありましたし、この曲が紅白に選ばれてよかった。…いや本当に良かった…。SUPERLIVEで回された「アポロ」「サウダージ」じゃなくて良かった…
MOMA->他の歌番組での扱いからかなり際どかったですからね。紅白ではTOKIOが懐古送りの犠牲に
柊朱雀->
2013年、その年の曲を年末番組で歌うという当たり前の事実に感動した年の瀬であった(ドキュメンタリー風)

この曲の評価は…
MOMA★★★☆☆->あんまり好みの曲調ではないけど、インパクトはある。
柊朱雀★★★☆☆->ギミッギミッギミッギミッでご飯3杯ぐらい食える(意味不明)

収録アルバム:
5thベスト『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


39th 東京デスティニー
13年10月16日
作詞作曲:岡野昭仁、編曲: 宗本康兵, Porno Graffitti

東京デスティニー(初回生産限定盤)(DVD付) 東京デスティニー 渋さが味わい深い

柊朱雀->これも80年代オマージュソングですか。
MOMA->何か似たような歌謡路線で2連発したせいか、後から出たこっちの方は影が薄くなってしまいましたが…。
柊朱雀->…ベスト年明けに借りて初めて聴いたような…。割とゴージャスな曲なんですけどね。
MOMA->こっちの方が
夜のイメージで抑え目な曲調になっていて渋いです。演奏とかかなりオシャレです。
柊朱雀->
I need you I want you あ・な・た・に♪のフレーズがクセになりますね(笑)昔のB'zというかゴールデンボンバーというか。
MOMA->歌詞の世界観はまさにTHE 昭和っていう印象カナ。
柊朱雀->
東京オリンピックが決まった時期での「東京」ソングというのは狙ったのか偶然だったのか。かつて行われた東京オリンピックの時代を彷彿させるものもあるのかな?と。
MOMA->メンバーでさえ生まれる10年前ですから少なくとも実感は無いかと。なんとなくイメージ的にはそのくらい昔な感じですけど。
柊朱雀->薄味ながら2013年のポルノはそういうShow和方面も行けるぜとアピールしましたね。
MOMA->ベストの先行シングルとしては…どうだったのかなという気もしますけどね(汗) 結局ベストのプロモーションはアポダージ蝶ばっかりだったし…。
柊朱雀->ちょい懐古ちっく路線を狙ったら年末に立ちはだかる現実は本当の懐古主義選曲路線だったのである!(全然うまくない)

この曲の評価は…
MOMA★★★☆☆->インパクトで前作に劣りますが、意外とサウンドがオシャレで聞き込める1曲。
柊朱雀★★★☆☆->I need you I want you あ・な・た・と♪みたいなクセになるフレーズがあるのがツボでイイ。

収録アルバム:
5thベスト『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


ひとひら
作詞作曲:新藤晴一 編曲:宗本康兵, Porno Graffitti

PORNOGRAFFITTI 15th


                Anniversary“ALL TIME SINGLES”(初回生産限定盤 ) PORNOGRAFFITTI 15年の重み

柊朱雀->ベスト盤『ALL TIME SINGLES』に収録された新曲。
MOMA->ポルノ史上最大の6分43秒の大作バラード
MOMA->まさに15年目(14周年)を飾る曲といいますか、
過去の記憶の断片がハラハラと舞っていくような曲です。
柊朱雀->
「あの頃と変わらないものが ひとつくらい残ってないかと 思いを巡らせてみても ポケットを探してみても」というフレーズがグッと来ますね。わかっていなかった歌の意味が少しわかるようになったり。
MOMA->
「変わらなきゃいけなかった」んですよね。沁みます。歌の意味が年を重ねて分かるようになるとかもそうだよなぁと共感。
柊朱雀->変わっていった自分を振り返りながら大サビに向かい、確かな希望を感じさせてくれるような。
MOMA->不思議と長さを感じさせない、むしろ聞き入ってしまいます。これも年月を重ねたからできる新しいポルノグラフィティでしたね。
柊朱雀->聴き込めば聴き込むほどグッとくる曲が本当に増えました。こういう路線でオリジナルアルバムを今作ったらとんでもない名盤が生まれるのでは…。
MOMA->「SONGS」に出た時1曲目が「サウダージ」だったんで、どうせ「アポロ」「アゲハ蝶」だろ…と思ってたら次が「ハネウマライダー」で締めがこの曲だったのがメチャメチャ感動的でした。NHKグッジョブ!
柊朱雀->絶妙な選曲で今過去も未来もお伝えしたのか…そして紅白で「青春花道」。NHK万歳!

この曲の評価は…
MOMA★★★★★->晴一はやはりバラードがいいですね。15年目にふさわしき名曲。
柊朱雀★★★★☆->進化を遂げたポルノグラフィティでこそ完成した名曲。晴一はやっぱり最高のリリックメーカー。

収録アルバム:
5thベスト『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"


まとめ
柊朱雀->15年長かった!
MOMA->初期のインパクトの凄さはすさまじいですが、メンバーが進化してきたことも確かに感じられました。
柊朱雀->脱hommaを決行し、「ひとひら」に至るまでの進化具合が目覚ましいことも改めて実感しました。晴一の歌詞の良さも。
MOMA->
10年以上経過したタイミングで自分たちより若手のアレンジャーと新たに組むとかなかなかできる事じゃないですからね。でも本当に正解だったと思います。いなくなって偉大さが分かったというより、いなくなってak.homma末期はけっこうどん詰まり感があったんだなと気づいてしまったといいますか…。
柊朱雀->ストリングスも使いこなしていたりとポルノマジポルノグラフィティ。homma氏が作風ガラリと変わってオーバーストリングスアレンジャーに名を連ねていったのを思うと
MOMA->もちろんデビュー初期に作家としての全盛期が当たったこともあり、
ak.homma無くしては今は無かったわけですけど。ちゃんとそこから旅立って行けたというのが素晴らしいわけですよ。
柊朱雀->homma氏が総合プロデューサーとして、アレンジャーから身を引くタイミングとしてもどれだけポルノを成長させたかってことですよね。最初の打ち込みアレンジは本当に神懸っていました、hommaさん。
MOMA->離れなければ良かったのに…という事にはたぶんならないと思うんですよ。かといっていい加減離れれば?っていうほどウンザリされてたタイミングでも無かったんですよね。絶妙でした。
柊朱雀->これからも更なるポルノグラフィティの進化を期待しましょう。
MOMA->というわけで15周年シングルレビュー対談でした!
柊朱雀->大長編おつかれいなでしたー
MOMA->今年は他にも周年アーティストが…(ボソッ)

 

戻る