DEEN The Best DX〜Basic to Respect〜
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 原曲、備考 |
1 | このまま君だけを奪い去りたい | 上杉昇 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 1stシングル |
2 | 瞳そらさないで | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 5thシングル |
3 | 夢であるように | 池森秀一 | DEEN | 池田大介 | 13thシングル |
4 | ひとりじゃない | 池森秀一 | 織田哲郎 | 古井弘人 | 9thシングル |
5 | 未来のために | 池森秀一 | 池森秀一・ 宇津本直紀 |
古井弘人 | 7thシングル |
6 | Teenage dream | 坂井泉水 | 栗林誠一郎 | 葉山たけし | 6thシングル |
7 | Memories | 池森秀一・ 井上留美子 |
織田哲郎 | 葉山たけし | 3rdシングル |
8 | 素顔で笑っていたい | 池森秀一 | 織田哲郎 | 池田大介 | 11thシングル |
9 | 君がいない夏 | 小松未歩 | 小松未歩 | 池田大介 | 12thシングル |
10 | 君さえいれば | 小松未歩 | 小松未歩 | 池田大介 | 15thシングル |
11 | 翼を広げて | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 2ndシングル |
12 | RUN RUN RUN | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | 新曲 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 原曲・備考 |
1 | スタンダード・ナンバー | 松本隆 | 南佳孝 | 侑音 | 南佳孝(1984) 新録カバー |
2 | 夏の終りのハーモニー | 井上陽水 | 玉置浩二 | DEEN | 井上陽水・安全地帯(1986) 11thアルバム『クロール』収録曲 |
3 | 悲しみがとまらない | 康珍化 | 林哲司 | 大平勉 | 杏里(1983) 3rdカバーアルバム『POP IN CITY〜for covers only〜』収録曲 |
4 | 真夏の夜の夢 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 浅田晶子 | 松任谷由実(1993) 16thアルバム『バタフライ』収録曲 |
5 | プラスティック・ラブ | 竹内まりや | 竹内まりや | 大平勉 | 竹内まりや(1984) 3rdカバーアルバム『POP IN CITY〜for covers only〜』収録曲 |
6 | 白い恋人達 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | 侑音 | 桑田佳祐(2001) 20thアルバム『シュプール』収録曲 |
7 | 恋人がサンタクロース | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 侑音 | 松任谷由実(1980) 20thアルバム『シュプール』収録曲 |
8 | 夢で逢えたら feat.原田知世 | 大瀧詠一 | 大瀧詠一 | DEEN | 吉田美奈子(1976) 23rdシングル(カット) 最高44位 売上0.8万枚 配信版未収録 |
9 | 見上げてごらん夜の星を feat.ダイアナ湯川 | 永六輔 | いずみたく | DEEN・時乗浩一郎 | 坂本九(1963) 22ndシングル 最高18位 売上2.0万枚 配信版未収録 |
10 | 切手のないおくりもの | 財津和夫 | 財津和夫 | DEEN | 財津和夫(1978) 1stカバーアルバム『和音〜songs for children〜』収録曲 配信版未収録 |
11 | 君は1000% | 有川正沙子 | 和泉常寛 | 侑音 | 1986オメガトライブ(1986) 3rdカバーアルバム『POP IN CITY〜for covers only〜』収録曲 |
12 | 風になりたい | 宮沢和史 | 宮沢和史 | 曽根裕 | THE BOOM(1994) 16thアルバム『バタフライ』収録曲 |
13 | Hello,my friend | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 田川伸治 | 松任谷由実(1993) 37thシングル『coconuts feat.kokomo』C/W |
14 | The Loco-Motion | Gerry Goffin・Carole King | 山根公路 | Little Eva(1962)、Grand Funk(1974) 2ndカバーアルバム『君がいる夏-Everlasting Summer-』収録曲 | |
15 | Reality | Jordan Jeff・ Pimper Carola |
Cosma Viadmir | 山根公路 | Richard Sanderson(1980) 2ndカバーアルバム『君がいる夏-Everlasting Summer-』収録曲 |
16 | Nothing's Gonna Change My Love For You | Gerry Goffin・Michael Masser | DEEN&大平勉 | George Benson(1984) 新録カバー |
完全生産限定盤・通常盤disc3
DEEN The Best Studio Live 30th<off
vocal version>
disc 1のオフボーカル(カラオケ)バージョン
初回限定盤disc 3
Premium Disc
DEEN
The Special Tracks
完全生産限定盤disc
4 Blu-ray
THE
GREATEST CLIPS 2018-2022
リリースデータ
2023年3月8日 2024年2月7日(アナログ盤) |
初登場12位 初登場223位 |
売上0.4万枚 売上0.03万枚 |
Produced by DEEN | Epic Records |
メンバー
Vocal | 池森秀一 |
Keyboards,Programming&Back-up Vocals | 山根公路 |
DEEN30周年ベストアルバム。バラードベスト、セルフカバーベスト含めて通算9作目のベストアルバム。原曲アレンジのまま再録音した『DEEN The Best Studio Live 30th』、カバーベスト『DEEN The Best Covers』の2枚に加え、形態により3枚目以降の収録内容が異なる。下記のように通常盤でも3枚組5500円と気軽に手に取りにくい発売形態となったためか、トップ10入りを逃し、5000枚にも届かない売上となったが、『シュプール』で0.2万枚まで落としていたので一応2倍は売れた事になる。
完全生産限定盤はカラオケCD『DEEN
The Best Studio Live 30th<off vocal version>』、6thクリップ集Blu-ray『THE GREATEST
CLIPS 2018-2022』付属。LPサイズ豪華デラックスパッケージ、36P
Photo & History Book仕様(歌詞+写真+ディスコグラフィー+ライブヒストリー)。Blu-spec CD2仕様。Blu-spec
CD2仕様は完全生産限定盤のみで、初回盤・通常盤は普通のCD。
初回生産限定盤はカラオケCD無し、未CD化曲を集めた『DEEN The Special Tracks』付属。三方背BOXスペシャルパッケージ仕様。
通常盤はカラオケCD『DEEN
The Best Studio Live 30th<off vocal version>』』付属。事実上完全生産限定盤の下位互換盤でBlu-rayを抜いて通常CD仕様、通常パッケージにしたものとなる。
配信は通常盤を踏襲しているがBERGレーベル所属時の音源で配信を許可していない「夢で逢えたら」「見上げてごらん夜の星を」「切手のないおくりもの」の3曲はカット。『DEEN
The Best Studio Live 30th』→『DEEN The Best Covers』→『DEEN
The Best Studio Live 30th<off vocal version>』の順番に37曲収録されている。
アナログ盤は2024年2月に2枚組で発売。タイトルはそのままだが、アナログ盤の構成は『DEEN The Best Studio Live 30th』全12曲をDISC-1のA,B面、DISC-2のA面に4曲ずつ収録、残ったDISC-2のB面には初回限定盤付属の『DEEN The Special Tracks』から「DEEN Greatest Hits アカペラメドレー feat.とおるす」と「ふたりだけのダンスフロア with paris match」の2曲を追加した内容に変更されており、『DEEN The Best Covers』やoff vocal音源は含まれていない。ただし「スタンダード・ナンバー」のみ2週間後の『POP IN CITY〜for covers only〜』アナログ盤に追加収録された。
完全生産限定盤パッケージについて
20周年時のBOXに続く迷惑LPサイズ再び…。今回はそもそも4枚しかないのでT-BOLANやZARDのBOX、2017年のビートルズのBOXなどここ10年ちょいで入手した全てのLPサイズボックス仕様作品の中では最薄となっていて必要最小限の大きさなのは良かったが…。History
Book仕様のディスコグラフィーとライブヒストリーは前回2018年の25周年ベストの完全生産限定プレミアム盤(FC限定)に掲載していたものにその後の5年間を追記しただけのもの(ディスコグラフィーは15周年や20周年ベストからずっと追記しているだけ)。25周年ベストでは長いメンバー個別インタビューも掲載されていた事を考えるとデカくなっただけで内容はグレードダウンしているような…。
DEEN The Best Studio
Live 30th
30周年ベストとしてはメイン企画。B-Gram時代のシングル15作の中から11曲を原曲キー原曲アレンジのまま現在のサポートバンドメンバーと共にスタジオライブ形式で再録音した内容+新曲1曲。全曲同じスタジオライブ映像でのMVが制作されているがこれが実際のレコーディング映像とイコールであるとか1発録音である…とは実は一言も言っていないため実際のレコーディングの詳細は不明。明らかにギターとか重ねているように聞こえる部分もあるが、通常のライブ時と同様に足りない音のオケをあらかじめ用意した上で同期でライブレコーディングしていると捉えるのが自然な解釈か…?
2002年〜2017年まで2000年以前の曲は軒並みキーを下げて演奏していたが、田川伸治が脱退した2018年25周年武道館ライブから突如原曲キーに戻した。以降、この5年間も軒並み原曲キーでのライブ演奏、ピアノとストリングスのみでリメイクした『Ballads in Love The greatest love
songs of DEEN』でさえも驚異の全曲原曲キーとなっていた。取り戻した原曲キーでの歌唱のは5年間でクオリティが増しており、やや不安定だった平メロ部分での引っ掛かり歌唱も無くなり、全編通してスムーズに声が出ている印象にまで復活。今作ではその状態を生かした30周年にして最良の声の状態での原曲再現が実現している。当然当時と同じではなく年季は入っているものの、一体何をどうしたら40代終盤で失われた原曲キーを取り戻して、50代で迎えた30周年でここまで違和感なく歌えるまでに復活できるのか。蕎麦なのか?蕎麦森健康術を会得したのか?
これは確かに今の状態だから出来る企画だ。そしてこの時期、初期はそもそもメンバーが定まってないのもあるし、ビーイングはプロデューサー長戸大幸の意向でドラム打ち込みを基本としていたので、ドラマーがいてもCDではリズム隊打ち込みだったり、誰が演奏していたのか実は不明だったりする曲が初期ほど多い。特にベーシストがメンバーにいなかったのでベースはほぼ打ち込みだったと思われる(『SINGLES+1』頃の当時のインタビューでベースはコンピューターという発言もあったはず)。今作では全てバンドメンバーによる生演奏になっているので、リズム隊が特に生演奏っぽさ、ライブっぽさは増しているように思う。
主な明確な違いは以下。
このまま君だけを奪い去りたい
→テンポを落としている。オリジナルは4分40秒程度だが今作では4分57秒。オリジナルと今作で大幅に演奏時間が異なるのはこの曲のみ。
瞳そらさないで
→間奏アコースティックギターソロはサックスソロに変換。
ひとりじゃない
→ラストのBe Alright!が池森シャウト。
Memories
→元が打ち込みサウンドが目立っていたため、生バンド演奏になっただけでリアレンジ感が強い。
といった現行バンド体制ならではの変更もされていて、そういった変化も楽しめる。11曲ではなくメイン企画としてこれ1本だけで今作は最高だったんじゃないかなと思う。
一方でベストの新曲はミディアム〜バラード系が多かったためか今回の新曲「RUN RUN RUN」はまだまだ走っていくぜ的な陽気なスカナンバーとなっていて異色。何故かギターソロのみTUBE春畑道哉が招かれているが、曲提供込みとかでもなく、TUBEがスカを得意としているわけでもないのに何故スカ曲で春畑ギターソロを欲した…?という疑問はある。普通にいい曲ではあるが、ここまでの11曲の流れとは合ってないし、『バタフライ』以外では浮くようなスカ路線が唐突過ぎてちょっと戸惑った。Aメロ部分は「そばにいるだけで」Aメロと印象被るし、新作においてはアレンジを全面丸投げしてもなお作曲が山根さん1人負担状態で正直ここに来て印象が弱くなってきているのは気になるところ。
DEEN The Best Covers
30周年の特設サイトでは何故かオリジナル曲とカバー曲から1曲ずつ投票を募っており、オリジナル曲の結果がどう生かされたのかはイマイチ不明だが(30周年武道館の鉄板曲以外の選曲の参考にした?)、カバー投票の方は今作に生かされた模様。といっても歴代そんなにカバー曲数が多いわけでもなく、ベストというほどベストな感じはしない。それでもまあ特に代表的なのは選曲されたのかなと。知名度で言うと昨今シティポップブームの流れで筆頭作である「真夜中のドア/Stay With Me」は何故かライブでやらなかった上に今作でも外されるなど露骨に避けているっぽいのがちょっと謎なくらいか。
どれも原曲を尊重しながらその時々のDEEN流も含みつつなんだかんだで池森さんのボーカルが乗っかればDEENになるというようなそんなカバーが並んでいる。良曲揃いなのは当然ではあるし、1枚のカバーベストアルバムとしては良い企画なんだけど、30周年ベストの企画としてやる内容なのかはかなり疑問。『POP IN CITY〜for covers only〜』『シュプール』とここ数年で出したばかりなんだし、このカバーベストは今じゃなかったんじゃないかな…。新録カバーだけで十分だったような。
あと「夢で逢えたら feat.原田知世」「見上げてごらん夜の星を feat.ダイアナ湯川」に対して「切手のないおくりもの feat.上松美香」だったはずなのに何故上松美香の名前だけ綺麗さっぱり消されているのだろうか…。
off vocal version
配信でもくっついてくるカラオケバージョン。個人的にはこれはこれで楽しみ方はあるのでいいんだけど、なんで急にこんなの通常盤にまでくっつけたのだろうか。シングルのカラオケバージョンすら意外と聞かないファンも少なくないだろうに需要があるとは思えないのだけど…。全曲のオリジナルバージョンを収録して聞き比べできるようにするとか権利的に面倒だったのかもしれないが…。
前述のように当時は打ち込みで済ませていた主にリズム隊の生演奏をより演奏に特化して堪能できる事、コーラスは残されているので普段山根さんがどのようなコーラスをしているのかをしっかり堪能できる事…という主に2つのマニアックな価値はある。
過去に何度もベスト盤を出している事から今回ばかりはさすがにまたシンコレという企画にはならずに色々考えた結果、原曲アレンジでのセルフカバーという企画に決まったそうだけど何故そこで止まらなかったのか、色々と付け足した事でゴチャゴチャした1作になってしまったように思う。率直にセルフカバー企画の1枚モノで十分だったのに過去のベスト盤が2枚組3枚組で豪華だったので1枚では寂しかったのか、DX感を出すために企画を継ぎ足したところ、余計なものが付属した挙句に高額化して手に取りにくくなったという本末転倒な企画作になってしまったように思う。中途半端なMV集と中途半端なプレミアム音源集で無理やり複数商法にしてしまうのも今回はさすがにちょっと残念だった。セルフカバー企画だけなら大満足の1作だっただけにちょっと目的がぼやけた作品になってしまった印象ではあった。
印象度★★★★☆
2023.4.30更新