HEAVY GAUGE Anthology

※表記上は5.HAPPINES Demo、6.LEVEL DEVIL SE Demo、7.BE WITH YOU Demo、8.BE WITH YOU Demo2、9.BE WITH YOU Demo3、10.Will Be King Demoだが
制作ミスにより「Will Be King Demo」の収録位置が5曲目にズレており、実際は上記の収録順になっている。交換対応は行われておらず、発表のみ。

リリースデータ

メンバー

GLAY5thアルバムのアンソロジー。Anthologyシリーズの一般発売では6作目(『GLAY Anthorogy』が2011年にFC&公式通販限定で発売されているので通算では7作目)。発売20周年に合わせてのリリースとなったが、今回はツアーやデビュー25周年企画のスケジュールの都合もあって発売日である10月よりも早いタイミングでの発売となった。オリジナル盤は光に当てると暗闇で輝きを放つ特殊ジャケット仕様だったが、今作でも暗闇で光る仕様が施されたジャケットになっている。1種発売だが予約特典として光るジャケット仕様のステッカーが付属する。またこれまでのAnthologyシリーズはレンタル禁止だったが、今作はレンタル解禁されている(入荷されるかは店次第なので結局都会の超大型店レベルじゃないと入荷はされないと思われる)。

DISC-1は本編12曲+C/W「毒ロック」「ストロベリーシェイク」「Young oh! oh!」「HELLO MY LIFE」の4曲を追加収録してリミックス&リマスターを施した内容。5作連続で当時録音とミックスを担当していたMichael Zimmerlingが自らリミックスし、リマスターも担当(当時はTim Youngがマスタリングを担当していた)。シングル盤では「ストロベリーシェイク〜It's dying It's not dying」として、『rare collectives vol.1』では単独で収録されていた「It's dying It's not dying」のみ何故か未収録となった。該当時期のC/W追加収録に際して別アレンジの未収録はあったが、完全未収録になるのはシリーズ初となり、理由は明言されていない。

DISC-2はデモ音源を収録。今回は全曲ではなく一部の楽曲のデモは収録されていない。また制作上のミスにより曲目表記と実際の収録順に違いが生じている。お詫びと訂正文の掲載のみで作り直しての交換対応は行われなかった。DISC-2は4作連続で山崎翼がマスタリングを担当していたが、今作では前田康二に交代となった。

DISC-3は当時のドキュメント映像4本を含んだ「Document of HEAVY GAUGE Days」、2000年当時のインタビュー映像と最新のメンバーインタビュー映像を収録した「Member Interview」、当時のツアーから2曲のライブ映像をマルチアングルで収録した「GLAY ARENA TOUR "HEAVY GAUGE" Multi Angle」、今作収録のシングルと今作の当時のCM映像を収録した「HEAVY GAUGE CM」、当時のアウトテイクを使用してのアウトテイクミックスによるアルバム本編12曲の音源「HEAVY GAUGE GLAY Ver.」を収録したBlu-ray。

ブックレットには恒例となる当時の写真や雑誌のインタビューや新聞の記事等が掲載されている。

DISC-1
リミックス&リマスターは相変わらずのマイケルサウンド。なんとなく聞こえなかった音が際立っていたりはしているんだけど、引っ込み気味のボーカルの処理含めてどこかモヤッとした感じはあり、少なくともこれが最新最高のサウンドというようには思えず、オリジナルに取って代わるリミックス&リマスターではないかなぁ…。

「HAPPINESS」の冒頭にオリジナルには無いTERUのフェイクをぶち込んだりするのもそうだけど、「summer FM」と「LEVEL DEVIL」は「summer FM」のピアノのアウトロから「LEVEL DEVIL」の冒頭SEへクロスフェードしていく演出だったのを思いっきり全削除してしまったりするのはかなり大胆な変更だと思う(DISC-2にデモ音源として別々に収録はされている)。この2曲の繋ぎって当時のメンバーのこだわりじゃなかったのか…(そんな事を当時インタビューで答えていたような)。正直なんかオリジナルとは変えなきゃな〜って感じであまり明確な方針も無いままにバランスをいじったり、一部の音を消したり、未使用だった音を足したりしているんじゃないかなというのは何となくずっとあったけど、リリースのたびにそんな印象が強くなってきた。「HEAVY GAUGE」のイントロからギターとストリングスの左右を逆転させているのも、特にイヤホンで聞けば1発で違うって分かるような処理なんだけど、オリジナルと違うんですよリミックスしてるんですよというのを強調する以外にそれに意味あるのかな〜って…。まだ佐久間正英が存命で関わっているとかメンバーが立ち会っているとかなら納得できるんだけど、マイケルがほぼ独断でリミックスやっているっぽいので回を追うごとに段々気になってきた。

今作自体の感想は半年くらい前に書き直したばかりなので、改めての印象のみにしておくが、GLAY人気絶頂期の勢いに混沌とした世紀末の世相や大きくなりすぎたGLAYに対するメンバー自身の疲弊なども加味されて前作に比べると重みも感じられるがやはり1曲1曲の存在感が圧巻。改めて名盤。

DISC-2　デモ音源
今回は全曲ではなくかなり飛び飛び。しかもSE部分のみだったり歌のないデモもあったりとデモっぽいデモが多め。これはアウトテイクミックスによる「HEAVY GAUGE GLAY Ver.」が今回あるのでそれとの兼ね合いもあったのかもしれない。「SURVIVAL」や「Winter,again」など需要が高そうなデモが入ってないのは残念ではあるが、3バージョンもある「BE WITH YOU」ではかなり曲が書き換えられて変化していく様子が分かったりして面白い。今回のハイライトはここだと思う。

「HAPPINESS SE Demo」が何故か「summer FM」のアウトロのピアノ演奏部分なのは謎だ。このタイトル自体はミスとはされておらず公式に修正されていないんだけど、「HAPPINESS SE Demo」じゃなくて「summer FM SE Demo」じゃないのかこれ？元々「HAPPINESS」用の演奏だったのを転用したのがあのピアノ演奏なの？

一方で「毒ロック」のデモ音源は表記は無いがそのまま「ストロベリーシェイク〜It's dying It's not dying」に繋がって収録されている。どうやら「It's dying It's not dying」の存在が抹消されたわけではないようだが何故に本編でカットされてしまったのかは謎のまま…。

Blu-ray
これまではライブフル収録やロングドキュメントなど、一点特化で長尺のものが続いていたが、今回は1つ1つはそこまで長いものではないが多数のコンテンツが収録されてボリュームたっぷりな内容。ドキュメントはPVメイキングや年末年始のドキュメントなど当時の多忙っぷりが伺える内容だが、前2作に収録されていたドキュメントのようなひたすら長時間収録ではなく、どれも程よくまとめて編集されているのでとても見やすかった。なお全てが初出し映像ではなく、例えば2000年インタビュー映像やマルチアングルライブ映像のALL Membersの部分などは過去DVD化されている映像からの抜粋のようだ。

メンバーインタビューも当時のものと最新のものが入っていて良かった。このアンソロジーシリーズ、TAKURO以外はあまり関わっていないという話も出ていたが、やはり当時を振り返っての話は4人全員の言葉を聞きたいし、むしろ毎回必須にしてほしいくらいだったが、今回シリーズで初めて満足の行くインタビュー量になっていて良かった。過去のインタビューが99年の発売時ではなくその1年後くらいの2000年になっているのはツアーが終了して『HEAVY GAUGE』リリース後の展開が一段落し、ベスト盤『DRIVE』を経て21世紀へ向かうという区切りのいいタイミングだったためこれだけガッツリとインタビューを収録していたものと思われるが、逆にツアーも終えたタイミングなので完成直後よりもどういうアルバムになったかがメンバー自身も考えがまとまっているので良かった。

一方で思っていた以上に2000年→2019年という時の流れを感じたのがTERU。メンバー3人がそのまま加齢していてイメージ自体に変化が無いのに対して、近年やや太っTERUとか、老けTERUと言われるくらい容姿が1人だけ激変しているのは把握していたし、まあ年を取ればそのくらいはね…と思っていたんだけど、思っていた以上に人相が変わっていてちょっとビビった。いつの間にこんな別人レベルでトランスフォームしてたんだ…？ていうか喋り声まで別人みたいに変わっているじゃないか。ここまで変わっても歌えばキーが変わってないのだからなんだかんだボーカリストとしては凄い。

今回シリーズでも初の試みなのがアウトテイクミックスによるアルバム本編12曲の音源「HEAVY GAUGE GLAY Ver.」という音源。映像は無く、静止画仕様で音源のみなんだけど、アルバム本編12曲がフル収録されている。商品説明だけではイマイチどういった音源なのか分かりにくかったが、1曲目の「HEAVY GAUGE」からストリングスなしのバンド演奏のみのバージョンになっているという分かりやすい違いがあった。これ以外にも例えば「Will Be King」にはTERUのメインボーカルが入っておらずインスト状態になっていたりもするが、大まかな印象はいつものデモ音源以上完成版未満といった感じで、完成版にある演奏がいくつか抜けていたり、ちょいラフめだったりと、完成手前の音源集といったところか。今回このGLAY Ver.があったのでDISC-2に無い曲がいくつかあったのかも。

ただ結局なんでこれをGLAY Ver.と名付けているのかは何の説明も書かれていないので良く分からない。佐久間正英が合流する前にGLAY(とドラムのTOSHI NAGAI)だけで演奏したバージョンという事なのだろうか。

予約特典ステッカー付　　 　

印象度★★★★☆

2019.7.15更新

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