SMAP 25th Anniversary 1994-1996(前)

徐々に認知度を広げ、CDセールスも向上していった時期だが、6thアルバム『SMAP 006〜SEXY SIX』の数曲で試みたNYセッションは初のベスト盤『COOL』で全面展開。これは主にシングルは打ち込みでリリースし、アルバムはNYセッションで制作し、アルバム曲及びシングルのオケをNYのスタジオミュージシャンの生演奏に差し替えて制作するというもので、参加ミュージシャンは7,80年代洋楽のジャズ/フュージョンの世界では伝説的プレイヤーだったため、まさか最新の演奏がこんなところで聞けるとは夢にも思わずアイドルには見向きもしないような洋楽リスナーが驚愕した、という逸話も。

個人的にその偉業は知らなかったんだけど、確かにこの時期のアルバムのバックトラックは異様に凝っていてゴージャス。個人的にも98年頃まで続いたこの時期のSMAPサウンドが最も好きだ。シングル曲がアルバム収録やベスト盤収録で生演奏に差し替えになるというのもこの時期の聞きどころの1つであり、『Smap Vest』でシングル曲を網羅するだけではこの時期の魅力の半分も伝わらなかったりもする。

※2016.7.26〜8.10更新

11th 君色思い
94年1月1日
作詞作曲:林田健司、編曲:CHOKKAKU
「姫ちゃんのリボン」の後番組だったアニメ「赤ずきんチャチャ」OP。前作に続いて林田健司を起用しているが、今回は書き下ろしの提供曲(後に林田がセルフカバー)。これ以降もいくつか林田が先に自分で歌った曲をSMAPがカバーするパターンはあるが、今作は最初から提供前提だったせいか、アニメタイアップありきだったせいか、他の林田曲に比べるとアイドル色が強い。作風が少し前に戻ったようでもある。音痴ネタを解禁した90年代末期以降では衝撃的なほぼアカペラの中居ソロから始まるというのがインパクト。しかしまだ声は枯れておらず危ういといえば危ういが音痴ネタ解禁以降にイメージされる中居ボイスとは異なっている。「赤ずきんチャチャ」は「姫ちゃんのリボン」よりは記憶が鮮明で、お子様サイズの男2名、女1名が敵を倒す時に融合して、長身のお姉さんに変身。ビューティーセレインアローという弓矢で毎回トドメを刺す話だったと記憶している。たしか進むにつれて弓以外にも2つくらい武器が出て来た気もするが…。けっこう楽しいアニメだった記憶はあるが結末も内容もあまり覚えてない。とにかく、3人で変身、お姉さんになってビューティーセレインアロー、かっこい〜という印象だけ覚えてる。当時は知らなかったが香取慎吾はその3人のうちの1人の声優を担当。その関係か、最後のサビ前の大サビ("Oh 神様〜")ではシングル初の香取ソロパート。最年少だけあってまだ声が若いが、曲中のいいアクセントになっている印象。

5thアルバムではイントロにピアノが追加され、そのまま中居ソロにもピアノ伴奏がついているが、それ以外はあまりシングルと違いが無い。『COOL』では冒頭にアカペラコーラスが加えられたほか、土岐英史によるアルトサックスが加わり、随所でテクニカルな演奏を披露している。2バージョンともそれ以外の音源はシングルの打ち込み音源のまま。
★★★★☆
5thアルバム『SMAP 005』(Remix version)
1stベスト『
COOL』(新録)
3rdベスト『
Smap Vest
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W 忘れないでよ
作詞:小倉めぐみ、作編曲:CHOKKAKU
この時期としては標準的なポップス。さすが安定以上のCHOKKAKUといった感じのキレキレのアレンジに珍しく作曲まで担当しているがこれまたサビのメロディアスさが秀逸。前2作のC/Wに比べるとインパクトは薄めだがこれまたいい曲だ。
★★★☆☆
アルバム未収録

君色思い

2016.7.26更新


ギョーカイ地獄いちどはおいで
作詞作曲:川村結花、編曲:鈴木宏昌
5thアルバム1曲目を飾ったゴージャスなジャズナンバー。ここまでのアルバムでも色々な曲調に手を出していたが全く質感が異なるゴージャスなサウンドは編曲にジャズマン鈴木宏昌を招いているためだろう。ジャズをやろうということでお抱え作家にそれっぽく作らせるのではなく、このためだけにその世界の一人者を引っ張ってくるのが凄い。ゴージャスなサウンドに対して芸能界の裏側をコミカルなノリで描くというミスマッチ感がインパクト。作詞作曲の川村結花は後の「夜空ノムコウ」作曲者として有名だが、自身の歌手としてのデビュー作は95年1月。92年頃から曲提供は先に行っていたのでデビューまでには数年時間がかったことになるが、ここで描かれるギョーカイ模様はデビュー直前に見たギョーカイの実態が反映されているのか、誇張しているのか、完全に空想の産物だったのか。
★★★★☆
5thアルバム『SMAP 005

2016.7.27更新


君が何かを企んでいても
作詞:森浩美、作曲:楠瀬誠志郎、編曲:長岡成貢
猜疑心全開なタイトルだが、主人公はこの恋を信じているし、たぶん相手が思っているよりも自分は相手の事を理解しているという自負もあるような歌詞も曲調も優しく聞き心地のいいメロウなナンバー。個人的には『WOOL』に収録されていた際にこの曲を発見して何故か勝手に初期のシングル曲だろうと思い込んでいた時期があった。

『COOL』ではアコースティックピアノ(Phillipe Saisse)、アルトサックス(Phil Woods)、ストリングス(スコアアレンジ:Rpbert Freedman)が海外勢に差し替えられ豪華な雰囲気に。『WOOL』ではこれに加えてドラムとして神保彰が追加されている。
★★★★☆
5thアルバム『SMAP 005
1stベスト『
COOL』(再録音)
2ndベスト『
WOOL』(『COOL』Ver.にドラム追加)

2016.7.27更新


12th Hey Hey おおきに毎度あり
94年3月12日
作詞:庄野賢一・えのきみちこ、作編曲:庄野賢一 アルバム・バージョン編曲:岩田雅之
SMAP主演映画『シュート!』挿入歌(いくつか初期の曲が使用された中で唯一の新曲)。ゾロ目リリースにこだわっていた中で11日ではなく12日発売にしたのは映画の公開日ピタリに合わせたためと思われる。12枚目にして初の1位を獲得、初の40万枚突破を果たした。異色の関西弁HIP HOP風味。Bメロがラップになっており、中居・森・草gが1番、稲垣・香取・木村が2番のラップを歌い繋いでいる。全員がソロで歌詞のある部分を歌唱しているA面曲は6人時代ではこれが最初で最後。メンバーの間でこれがソロパートという認識は無いようで、草gの初ソロは「セロリ」(当時のメディアの紹介)、稲垣の初ソロは「青いイナズマ」(2013年スマスマで本人談)とされている。この時点で中居のイキイキぶりがハンパじゃなく、ラップの素養=リズム感が抜群であったことが伺える。それにしてもこの曲で当時の最高ヒットって。飛び道具としてウケたのか、高まりつつあったSMAP人気は何を出しても売れる時期に突入していたのか…。実際メンバーも受け取った時に「だっせー!こんなの売れねーよ!!」とけちょんけちょんに言っていたらしいが、当時の最大ヒットになってしまい驚いたと後に再現VTRまで制作して語っている。個人的には『SMAP Vest』まで聞いたことが無かったのでなんだか影が薄かった。ただ地味にファンクなイントロ含めてトラックは意外とカッコいい

6thアルバムでは岩田雅之により全く別のアレンジへ変更された。これが何だか妙に暗いアレンジになってしまい、陽気なエセ関西ノリとアレンジが完全にかみ合わなくなってしまっている印象。『COOL』収録時は「がんばりましょう」と共にシングルバージョンでそのまま収録されている。
★★☆☆☆
6thアルバム『SMAP 006〜SEXY SIX〜』(アルバム・バージョン)
1stベスト『
COOL
リミックスアルバム『
BOO』(#3)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W 泣きたい気持ち
作詞:相田毅 作曲:太田美智彦 編曲:土方隆行
4thアルバム『SMAP 004』での中居のソロ曲だったが、映画『シュート!』主題歌に使い回起用された事で、特に何の表記変更もせずにしれっと全員歌唱バージョンとしてボーカルだけ差し替えてシングルカットされた。ド頭や最後のサビなど中居にだけソロパートがあるのは元が中居ソロ曲だった名残と思われる。「心の鏡」を手掛けた土方隆行のアレンジだが、直球のロックバンド的な爽快な曲調は「心の鏡」と繋がるものがある。『ウラスマ』に収録されたのは今作と同じ全員歌唱バージョン。中居ソロバージョンも好きだが、曲調的にはユニゾンで歌っている方がパワーが出る曲だとは思う。
★★★☆☆
4thアルバム『SMAP 004』(中居ソロ曲)
4thベスト『
ウラスマ』(全員バージョン)

Hey Hey おおきに毎度あり

2016.7.28更新


13th オリジナルスマイル
94年6月6日
作詞:森浩美、作曲:MARK DAVIS、編曲:CHOKKAKU
オロナミンCのCMタイアップ。とにかく元気いっぱいで駆け抜け、キャッチーで覚えやすいのでカラオケ需要も高そうだがかなり高音連発のサビはカラオケで歌おうとすると意外としんどい。このサビの高音攻めはなんとなくV6っぽいイメージがある。同世代の働く女性へ向けて、仕事上ではないオリジナルの笑顔を大切にしようと励ましているような歌詞で、学生よりも若い社会人向けの応援歌としても機能すると思う。そんでオロナミンC飲んで活力アップ!2011年の東日本大震災直後、暗いムードが漂う中では元気づけ・復興支援の一環としてよくTVで歌われ(最初は「がんばりましょう」を歌っていたけど徐々にこの曲押しに切り替わったような記憶が…)『SMAP AID』では見事に1位を獲得した。

当時は『COOL』にも『WOOL』にも選曲されなかった。生音リテイクもされておらず、唯一のバージョン違いは6thアルバムでのスペシャル・エディションで、冒頭にアコースティックギターをバックに木村がソロでバラード調に歌うサビが追加されている(それ以降はシングルと同じ)。東日本大震災後にTVで歌われていた冒頭サビを木村が歌うというのはこのスペシャル・エディションに近い形となる(完全に同じではない)。
★★★★☆
6thアルバム『SMAP 006〜SEXY SIX〜』(スペシャル・エディション)
3rdベスト『
Smap Vest
5thベスト『
SMAP AID
16thアルバム『
SAMPLE BANG!』DISC-2『KAIZOKU BANG!』(Phasio REMIX)(「青いイナズマ」とのメドレー)
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W Major 
作詞:森浩美、作編曲:庄野賢一 2001 version編曲:知野芳彦
C/Wの中では人気が高いと思われるポップでカワイイ雰囲気のナンバー。サビの言葉の乗せ方のハマりがキャッチーで馴染みやすいが"メジャーな気持ち"とは何なのかいまだに良く分からない。Bメロ部分のソロパートは木村・森が担当。

『WOOL』では打ち込みのシングルバージョンのまま変更なしで収録された。『ウラスマ』ではアレンジャーも変更されてガッツリとリアレンジ。落ち着いたバンド風になり、7年経過してボーカルも落ち着き全体に大人っぽくなった。森のソロパートは稲垣が引き継いだ。これはこれでかなりいいんだけど、オリジナルのちょっとかわいい感じが無くなってしまったのでオリジナルの方が鮮度はあったし…しかしこの落ち着きも魅力が…と甲乙つけがたい。
★★★★☆
2ndベスト『WOOL
4thベスト『
ウラスマ』(2001 version)

オリジナルスマイル

2016.7.29更新


働く人々
作詞:小倉めぐみ、作編曲:岩田雅之
野音のライブ(日比谷野外音楽堂の事か)が終わっての帰り道、ふとビル群に目をやるとポツポツと灯りが見えてまだ働いている人がいるんだなぁと思ったところから働く事をあれこれ考え、働く事の当たり前さや大切さ、目的などを再認識するという若きサラリーマンのワークソング。"自分のために働こう"と歌っているが、アイドルソングにありがちな君を守る系のフレーズに関しては"せめて君を幸せにしたい"と控えめで働く動機の1つとしているが絶対的な事とは扱われていない。アイドルがこんな現実的な曲歌うなんて前代未聞だったんじゃないかと思うんだけど、こういう曲を歌うようになってSMAPはグッと身近になったと思う。やけにファンクで凝った演奏も聞きごたえがあるが、ベースJames Genus、ドラムJuju House、サックスMichael BreckerとNY一流ミュージシャンを起用。Smappies路線の始まりの1曲でもあり、『WOOL』でも1曲目を飾った。
★★★★☆
6thアルバム『SMAP 006〜SEXY SIX〜
2ndベスト『
WOOL

2016.7.30更新


イルカに逢った夏
作詞:相田毅、作曲:野崎昌利、編曲:小林信吾
森・木村のユニット曲。森がメインで歌っていて2人で歌っていても森の声がメインになっている(同じアルバム内で「それが痛みでも」は木村・森の表記になっていて木村メイン)。土砂降りの中で今年の夏をあきらめた主人公がイルカのような君に出会って夏がやってくるというさわやかサマーラブソング。"帰る日を聞くのが辛い"と別れを示唆する言葉が入っていることからひと夏の恋のようなムードも。さわやかな曲調だけでも十分にいい曲だが、演奏もまた豪華。ドラム(Omar Hakim)とホーンセクション3名はNYの海外ミュージシャンが担当しているが、ベース(青木智仁)、ギター(今剛)、キーボード(アレンジャーの小林信吾)、パーカッション(浜口茂外也)は国内のスタジオミュージシャンが集結している。実際に同じ現場でレコーディングされたかは不明だが豪華な共演だ。
★★★★☆
6thアルバム『SMAP 006〜SEXY SIX〜

2016.7.30更新


14th がんばりましょう
94年9月9日
作詞:小倉めぐみ、作編曲:庄野賢一
前2作の40万台から5,60万を飛び越えて一気に70万枚を突破した代表曲の1つ。6人時代はSMAPといえばこの曲だった。同世代の働く若者に向けたような等身大、日常の延長の応援歌。"仕事だからとりあえずがんばりましょう"という現実感全開の歌詞は少しずつ出していた同世代の若者目線だがこれがいよいよ開花したような1曲。ソロパートは「10$」に続いて木村・森の2トップ体制。翌1月に阪神大震災が起こった時にTVで歌われたそうで、2011年の東日本大震災の直後のTV出演でも真っ先にその時を回想しながらこの曲を歌った。が、若者の日常応援歌にジャストフィットしているこの曲は終末感漂いまくりだったあの時ややお気楽すぎる感じも漂ったためか「オリジナルスマイル」の方が重宝されるようになった。

NYセッションによるリテイクは存在せず、『COOL』にもシングルバージョンでそのまま収録されたが、リミックスアルバム『BOO』では他の曲と異なりアレンジ表記がCHOKKAKUに変更になった実質的なリアレンジバージョンで収録されている。終始重たいエレキギターが鳴り響くロック色の強いアレンジになっており、かなりイメージが変わっている。カッコいい事はカッコいいが、曲の気軽さとは全く合っていない。
★★★★☆
1stベスト『COOL
リミックスアルバム『
BOO』(#2)
3rdベスト『
Smap Vest
5thベスト『
SMAP AID
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W 君と僕の6ヶ月
作詞:三井拓 作編曲:馬飼野康二
個人的には96年頃に初めて聞いた時に他のシングルを差し置いてこの曲が1番好きな曲として君臨したほど1発で引き込まれた曲。SMAPにおいては初期のシングルを手掛けていたものの、ここのところは新進気鋭の作家たちに押され気味にも思えたベテラン作家の馬飼野康二が意地を見せたような傑作だ(それどころかHey! Say! JUMPやSexy Zoneなど21世紀以降でもジャニーズデビュー作といえば馬飼野さんというくらい現役という…)深夜のコンビニで偶然出会って付き合うようになった2人だけど、彼女の方は卒業と同時に故郷に帰ることになっていて…という若き2人の切ない6ヶ月の恋模様が描かれる。ストーリーが切ないんだけどとびきり明るい曲調というところが絶妙。

シングル盤のクレジットが無いのでオリジナルの詳細は不明だが、『WOOL』での演奏はシングルとは少々違って聞こえる。これは海外勢ではなく日本の演奏陣で固められている。『ウラスマ』に収録されたのはシングルと同じ音源っぽい。
★★★★★
2ndベスト『WOOL』(新録)
4thベスト『
ウラスマ

がんばりましょう

2016.7.31更新


15th たぶんオーライ
94年12月21日
作詞:小倉めぐみ、作編曲:庄野賢一
前作が目立って今作はやや影が薄くなってしまっているが、当時は前作に続くヒット曲だった。前作同様に若きサラリーマンの日常を歌っているが今作の方が主人公はお疲れ気味。それでもまあなんとかなるだろう、たぶんオーライだという「たぶん」で片付ける楽観志向が救いになっている。個人的には「がんばりましょう」ほどお気楽に物事を片付けられない性格なので幸せが小さくてもいいとか夕焼けが綺麗なのでほのぼのしながら行くとか「たぶんオーライ」程度な思考がしっくり来る。大人になってから存在感が増した曲の1つ。ソロパートを木村と香取が担当しているのがこの時期としては珍しい。

今作はシングルバージョンの段階でNYセッションによるDennis Chambers(Dr.)、Mike Campbell(G)、Bob Berg(T.Sax)による生演奏なのが最大の特徴。『Smap Vest』を聞くと前後のシングルに比べてやたら間奏の高速ドラムやサックスがテクニカルなのはこのため。『SMAP 007』ではクレジットはそのままだが、Bob Bergのサックス演奏はイントロから違うものに変わっていてより自由度が増している。『WOOL』ではほぼシングル音源に聞こえるがどことなくミックスが違うような気がしなくもない。
★★★★★
7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜』(新録音)
リミックスアルバム『
BOO』(MOD Mix)
2ndベスト『
WOOL
3rdベスト『
Smap Vest

C/W 僕の自転車の後ろに乗りなよ
作詞:相田毅、作編曲:CHOKKAKU
情景描写が多いので夕焼けをバックに自転車2人乗りで海に向かっていく2人の姿が浮かんでくる曲。名作量産期だっただけに埋もれがちな曲だがこれも普通にいい曲だ。ちょっと現実に疲れてリフレッシュ!みたいな空気も。主人公は自転車しか移動手段が無いわけではなく、今日は車じゃない気分だと歌っており、学生時代のような童心に帰りたい若き社会人の歌だと推測できる。このため「これから海へ行こうよ」の主人公が少し社会に揉まれて変化したみたいな印象もある。
★★★☆☆
アルバム未収録

たぶんオーライ

2016.8.2更新


過去の人
作詞:小倉めぐみ、作編曲:庄野賢一
初のベストアルバム『COOL』の最後に収録された唯一の新曲。NYミュージシャンによる生演奏リテイクを中心にリアレンジ、ボーカルの再録音を連発した手の込んだベストアルバムにおいて最後の新曲は全面打ち込みによるやけに地味目な楽曲。ただどこがクールなのか分からない温かみを増した人力演奏が繰り広げられまくる『COOL』内において、この曲の一定以上盛り上がらない低めのトーンはアルバムタイトルをそのまま表現したような文字通りにCOOLな空気感。地味だが意外とクセになる。
★★★☆☆
1stベスト『COOL

2016.8.1更新


16th KANSHAして
95年3月3日
作詞:戸沢暢美、作曲:林田健司、編曲:清水信之、wah whr version編曲:岩田雅之
前年の林田健司のカバー曲。Aメロを木村と森でソロパートを分け合うこの時期の定番パターン。ファンキーで凝ったアレンジが相変わらず聞きごたえがある。連続でソロパートをもらっている木村はこの辺りから以前よりも俺様ムードをかもし出してきた感がある。恋愛における男女の本音を分かった風に並べ立てる歌詞は方向性こそ違うもののシニカルな視点が前作までとも一致しているか。

『007』では単なる演奏差し替えに留まらずにアレンジャーを変更したリアレンジで収録。Vinnie Colaiuta(Dr.)、Wah Wah Watson(G)、エリック宮城(Trumpet Solo)に加えて、John Wheelerのホーンアレンジによる4thホーンセクションが導入された。wah wahというのはギターのWah Wah Watsonの事で、ワウペダルを駆使したギター奏法の達人(もちろん本名ではなく愛称だが愛称がステージネームになっている)。そんなWah Wah Watsonのワウペダル奏法がフューチャーされているのも聞きどころだ。チャーララチャーララ鳴ってた音が一掃されパッと聞きはシングルよりシックな感じなので当初はあまり印象無かったけどな『WOOL』ではバージョン名の表記が外されたが同じ音源が収録されている模様。
★★★★☆
7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜』(wah wah version)
リミックスアルバム『
BOO』(MOD Mix)
2ndベスト『
WOOL』(007収録Ver.)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W 仰げば尊し
作詞作曲:作者不詳、編曲:TEDDY & MELVIN
最近はJ-POPや「旅立ちの日に」などに押されて歌われない事も多いと聞くが明治時代半ば頃に誕生したとされ、明治・大正・昭和・そして平成序盤10年くらいまでは卒業式の大定番曲といえば「仰げば尊し」だった。個人的には小学校の印象が強く(97年3月卒)、中学校では歌ったかどうか記憶が定かではなく、高校では歌わなかったし、少し下の世代になると急速に「旅立ちの日に」押しになってて、「仰げば尊し」ナニソレ?VS「旅立ちの日に」ナニソレ?な構図になったりもしたので00年前後頃から徐々に定番から外れ始めたのかなという気も。古い言葉遣いから伝統的な曲なんだろうなと思っていたが、今作の「作者不詳」クレジットを見てこの曲の出自が不明だったのかよ!と驚いた。近年は研究が進んで「Song for the Close of School」というアメリカの曲がメロがほぼ同じなのでそれが原曲なのではないかと言われている。

そんな当時定番だった卒業歌を大胆にもノリのいい跳ねた雰囲気でカバー。アレンジだけでも学校で歌ったものと同じ曲とは思えない異様なでの変貌っぷりで知る者ほどインパクト絶大。というかイントロ部分ではまず分からないし、「あお〜げば〜♪」と明るく歌いだすもんだから驚く。終盤ではオリジナルの歌詞で木村によるラップまで挿入(歌詞カードには無表記)されていて、完全にHIP HOPになってしまう。「今日やっとこの学校卒業できて」とか「今までいろんな仕打ちされたけど」とかラップパートは不良少年の心情吐露みたいになっているが、いったいどんな仕打ちをされた学生生活だったのだろうか…。歌詞カードにはこのラップ詞を掲載していないため、いったい誰がこのラップ詞を手掛けたのかも「作者不詳」…。大胆にやりたい放題で面白い1曲だ。またこの時点では既に少年っぽさは残ってなくて、すっかり若い社会人目線の曲が中心になっていたとはいえ、この曲で完全に学生の空気が終わったと言えるかも。
★★★☆☆
アルバム未収録

KANSHAして

2016.8.3更新


17th しようよ
95年6月6日
作詞:森浩美、作曲:Jimmy Johnson、編曲:CHOKKAKU
タイトルは「話をしようよ」の意味で、倦怠期を迎えていることを感じている彼氏が彼女にとにかくちょっと話をしようと訴えかける心情が歌われる。安定以上のメロディー、アレンジ共にこの時期のSMAPとして盤石の仕上がり。終盤ではサビメロをフェイク交じりに改変して盛り上げた後にAメロに戻るという構成が個人的には好きなんだけどこの戻ったAメロパートではバックでメロに乗せた歌詞と同じ歌詞が何故か語りでも聞こえるという謎の仕掛けが。昔はカセットテープとかで聞いていたので聞こえてなかったんだけど改めてCDで聞くようになってこんなん入ってたっけ?と妙に気になってしまった。

また音痴ネタを解禁した後の中居は90年代末期のCDTVで何かの賞をもらった時のコメントで「「夜空ノムコウ」と…あと「しようよ」という曲には参加してますが、後は特に参加して…ない…のでこのような賞を頂いても…」などとネタなのかマジなのか棒読み調にコメント出演していた。実際には「君色思い」や「Hey Hey〜」などでも中居の声が確認できるのでネタだと思われるが、わざわざソロパートが無い「しようよ」を提示したということは中居にとって参加した意識が強かったのだろうか。

アルバム『007』ではサブタイトルLet's do itが付記されるも追加演奏はBob Bergによるテナーサックスのソロのみでトラックは打ち込みのまま。間奏のサックスが暴れまわる。『WOOL』収録の際は神保彰によるドラムがさらに追加された。シングルの打ち込みドラムもそれなりに聞きごたえがあったんだけど、人力なめんなよとばかりに複雑に叩きまくる神保彰の壮絶なドラミングは圧巻。
★★★★☆

7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜』(Let's do it)
2ndベスト『
WOOL』(007収録Ver.にドラム追加)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W Let's go to 週末ヘヴン
作詞:戸沢暢美、作編曲:岩田雅之
若者のユルさやダルっとした雰囲気を具現化したようなナンバー。歌詞には無いが間奏のラップを香取が担当。弟キャラだった当時のカワイイ雰囲気が初々しい。C/Wでラップを2曲導入したのはラップソングで大ヒットを飛ばしていたEAST END×YURIの影響だったんだろうか。
★★★☆☆
アルバム未収録

しようよ

2016.8.4更新


ルーズなMorning
作詞:戸沢暢美 作編曲:CHOKKAKU
サビのみ森と香取、それ以外は香取のソロパートで構成されている楽曲。夏の休日の朝のけだるさをルーズに描いた(?)若者の日常路線。ルーズと言ってもドラムにOmar Hakim、ベースにWill Lee、ギターはChokkaku(アレンジャー)の生バンド演奏にホーンセクション+Jay Beckenstain(アルトサックスソロ)というサウンド構成は果てしなく優雅。豪華すぎる休日である。
★★★★☆
7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜

2016.8.5更新


雨がやまない
作詞:久和カノン、作曲:寺田一郎、編曲:長岡成貢
木村・森のデュオ曲。ドラムにOmar Hakim、ベースにWill Lee、ギターにNick Morock、ピアノにPhilippe Saisseと豪華な生演奏を軸にしてせっかくの日曜日なのに雨がやまない憂鬱さをけだるい雰囲気に乗せて歌うレインオブレインソング(なんだそれ)。初期からいくつか木村と森のデュオはあるけどその中でも今作は代表格になってくると思う。雨ソングというと個人的には真っ先に浮かぶのがこの曲。
★★★★☆
7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜
2ndベスト『
WOOL

2016.8.5更新


切なさが痛い
作詞:久保田洋司 作編曲:ZAKI
木村・中居のデュオ曲。この2人だけで歌うというのは珍しいというか確かこの1回ポッキリだった。Bernard Purdie(Dr.)、Chuck Rainey(B)、David T.Walker(G)、Philippe Saisse(Fender Rhodes)、Jay Beckenstein(Alto Sax Solo)、Don Alias(Percussions:)による相変わらず優雅すぎるサウンドに乗せて木村が1番を歌い、2番を中居が歌うという構成になっているんだけどこの組み合わせがこれっきりだったのが正直分かるというか…。同じ曲を歌っているのに1番と2番で雰囲気がガラッと変わってしまい混ざりあわない。この時点での中居はまだそんなに声は枯れていないんだけど、それでも木村が悠々と歌い上げた後に、なんだか一生懸命な中居の歌が来るとズッコケるというかどうしても歌唱力差が目立ってしまう。個人的には中居ボーカル好きなので中居パートの方が味があって好きだけど。
★★★★☆
7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜

2016.8.5更新


人知れずバトル
作詞:戸沢暢美、作編曲:岩田雅之
木村・森のデュオ曲。ドラムにVinnie Colaiuta、ベースにWill Lee、ギターにDavid T.Walker、テナーサックスソロにBob Berg、さらにJohn Wheelerのアレンジによるホーンセクションが導入されたグルーヴィーなナンバー。見た目クールに決めてても実はかなり内面ではうまく行かない現実に対して様々な葛藤が繰り広げられている事を表現した歌詞が秀逸。そんなにメロディーが飛びぬけた曲では無く、燻っているような感じなんだけどこれが「人知れずバトル」している内面の葛藤を表現していてなかなかいい感じ。
★★★★☆
7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜
2ndベスト『
WOOL

2016.8.5更新


A Day in the Life
作詞:日々安里、作編曲:ZAKI
全面打ち込みによるアルバム内では異色ナンバー。ラップのようなメロディーのようなリラックス気味なメロディーに乗せてタイトル通り日々の生活描写がひたすら綴られ、"普通の生活です"と締める。SMAPも初期は王子様のようなラブソングやらひたすらがんばれ負けるなと無根拠な夢を歌ったりもしていたが、偶像だったアイドルが「普通の生活」を歌うという現実感。当時はなかなか革新的だったんじゃないかと思う。さりげにベスト盤にも収録された事から制作サイドにおいても重要な意味合いの曲だったのかも。
★★★★☆
7thアルバム『SMAP 007〜Gold Singer〜
2ndベスト『
WOOL

2016.8.5更新


18th どんないいこと
95年9月9日
作詞:大倉浩平、作編曲:庄野賢一
この時期のシングルでは珍しいミディアム系のシングル曲。メロウな曲調や極々普通の日常の1シーンを切り取ったような描写と"ほんとうの事だけ映して消える いつでも"という締めに現れた妙な達観と切なさ、どれも最高だ。この時期のシングル曲としては格段に強いわけではないんだけどとても印象的。

8thアルバムではOmar Hakim(Drums)、Anthony Jackson(Bass)、Wah Wah Watson(Guitar)、Phil Woods(Alto Sax)、Ralph McDonald(Percussion)と主要な楽器を生演奏に差し替えておりかなりゴージャスな味わいになっている。個人的にはこのテイクが1番好き。

『WOOL』ではドラムとベースをシングルの打ち込み音源に戻し、ギターサックスパーカッションが008音源という合体ミックスバージョンになっている。これはこれで軽快さが増した感じはある。

これ以外にEvery Youという全英語詞バージョンもあり、当時ライブで歌われていたがCD化されていなかった(96年のライブビデオ『SMAP 010 "TEN"』の最後に収録されていた)。01年の『ウラスマ』で初CD化されたが、アレンジは英語詞を意識したのか01年当時の流行を取り入れたのかかなり軽めになっていてこざっぱりした印象。あまりしっくり来ないが、これは日本語の歌詞が良かったからだろうか。
★★★★★
8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX』(新録)
2ndベスト『
WOOL』(シングルと008Ver.の合体ミックス)
3rdベスト『
Smap Vest
4thベスト『
ウラスマ』(Every You)

C/W 泣いてごらん
作詞:森浩美、作編曲:ZAKI
辛い時は構わず泣いていいよ、というユニゾン高音で押しまくるアイドルポップソング。この時期どんどん上質な味わいが極まっていていわゆる普通のひたすら君肯定系のアイドルナンバーが気がつけばあまり出ていなかったが、久々に「オリジナルスマイル」系統の1曲が来たような感じ。とはいえトラックはこの時期らしく凝っていてアウトロもすぐには終わらないぞ的なソロ演奏が。1発で耳に残るインパクトもあり、アルバム未収録がもったいない。
★★★☆☆
アルバム未収録

どんないいこと

2016.8.6更新


19th 俺たちに明日はある
95年11月11日
作詞:相田毅 作編曲:岩田雅之
ドラマ『人生は上々だ!』主題歌。ダウンタウン浜田雅功が主演で、木村が2番手として出演した。ドラマは平均20%程度のそこそこのヒットとなり、主題歌である今作は「がんばりましょう」を上回り、6人時代最大のヒット作となったが、当時は「がんばりましょう」の印象が強かったので、売上は上回ったものの双璧かそれに続く代表曲といった感じだった。5人以降にもヒット曲が生まれていくと段々埋もれていき現在は数あるヒット曲の1つといった程度の扱いになっている。

木村が出たドラマだったためか、Bメロは木村の俺様オーラが曲でもかなり強く出たソロパートになっている。全体にキムタクの曲という印象が強いのは、なんか全然いいことないんだけどそれでも転がりながらでも明日はあるぜ!と強気に前向きに生きている歌詞や曲調の世界観と「キムタク」のイメージが妙に重なるせいかもしれない。この曲に限ってはSMAP6人というより「キムタク」のイメージに思えるのだ。ここ2年くらいで出演ドラマにも恵まれて「キムタク」のイメージがかなり広がって、翌年のロンバケで完全に不動のポジションへ…といったところか。
★★★★☆
8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX』(新録)
2ndベスト『
WOOL』(『008』Ver.)
3rdベスト『
Smap Vest
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W この街で今も君は
作詞:相田毅 作曲:谷本新 編曲:CHOKKAKU
ロッテシュガーレスガムのCMソング。当時けっこうOAされていたのか手に取る前からどこかで聞き覚えがあった。昔の恋人と住んでいた町を何年ぶりかに訪れた主人公が時を経て変わった街並と当時を重ねながら今も彼女は待っていてくれているんじゃないかと淡い期待を抱いて彼女の家に出向いてみたが既に別の恋人と住んでいるようで今度こそ本当にこの恋が終わっていたことを実感して会わずに去っていくというストーリー調。若干勝手な思い込みでもあるセンチメンタルな歌詞に対して曲調はさわやかで清涼感溢れる仕上がり。カッティングギターが心地よくCHOKKAKUのアレンジがキレッキレ、メロも素晴らしいだけにその後アルバム未収録なのが惜しい。『WOOL』のLoo sideとか絶対ハマってたと思うんだけどなぁ…。
★★★★☆
アルバム未収録

俺たちに明日はある

2016.8.7更新


20th 胸さわぎを頼むよ
96年2月2日
作詞:戸沢暢美、作曲:寺田一郎、編曲:CHOKKAKU
カネボウテスティモCMタイアップ。ゴージャスなミディアムナンバー。006、007路線極まるといった感じだが渋すぎるというかまったり感が先に立ってしまい、シングル曲としては向いてなかった気がしなくもない。この曲に関してはリアルタイムでどこかで聞いたことがある程度だったが初めてちゃんと聞いた時になんかもう少しテンポ早くなかったっけ?と思ったほど。なお発売前の95年末の紅白でSMAPは「がんばりましょう」「俺たちに明日はある」「どんないいこと」の3曲をメドレーで歌ったがこのメドレーのタイトルが「胸さわぎ'96」だったので年末の時点で今作を予告していた…?というか96年をやたらアピールしたかったのか、今作のジャケットのグループ表記は「SMAP'96」になっていたりも。

シングルの時点ではPhilippe Saisse(Piano)、Phil Woods(A.Sax)が既に生演奏で入っているため他のシングルに比べるとシングルの時点で上質な味わい。アルバムではOmar Hakim(Dr.)、Will Lee(B)、Wah Wah Watson(G)のバンド演奏が加わってよりいっそう豪華になった。
★★★☆☆

8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX』(新録)
2ndベスト『
WOOL』(『008』Ver.)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W まったくもう
作詞:小倉めぐみ、作曲:寺田一郎、編曲:CHOKKAKU
エレキギターがうねる若者の日常系ロックテイストのナンバー。ギターが強めなところを除くと比較的この時期の王道的な楽曲だと思う。注目はシングルにおける森の最後のソロパートが今作である、という点だろうか(参加は次回作までだがソロパートは無い)。『WOOL』収録時も演奏の差し替えは行われずCHOKKAKU単独でのオケ制作のままとなっている。また25周年を迎えた2016年にAKB48の「翼はいらない」Type-A,BのみC/Wの「Set me free」のサビ頭の部分と今作のサビにはかなり近いものを感じる。
★★★☆☆
2ndベスト『WOOL

胸さわぎを頼むよ

2016.8.8更新


気になる
作詞:小倉めぐみ、作編曲:岩田雅之
定番の若者の日常&ファンク路線。William "JUJU" House(Dr.)、Will Lee(B)、Michael Brecker(T.Sax Solo)に加えてホーンセクションを加えた編成。2番で歌われている街で買い物していいものを見つけたんだけど迷ってる間に無くなっちゃったというのは今でも通じる話だけど1番で歌われているナイター中継でビデオ取り損ねてドラマの後半が録画できなくて続きが気になるという話はだいぶ古くなってしまった。そろそろビデオテープって何?という時代に突入してきているが当時はHDDとか無いのでビデオだった。優勝が決まるとか日本シリーズなどスペシャルな試合では今でも無制限で放送時間が延長されるが、当時巨人戦の野球中継は通常の試合でも全試合30分まで延長がデフォだった。今みたいに予約録画が自動で追いかけてくれるはずも無く、番組表を見ながら自分で予約設定をする必要があった。一応Gコードという番号がありこれを入力すれば良かったんだけど延長までは保証してくれないのであらかじめ90分予約しておくとか、自分で対策する必要がありそんな時代がこの曲には記録されている。なのでこの曲の1番は80年代生まれくらいまでの世代だとなんだか懐かしいのである。
★★★★☆
8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX
2ndベスト『
WOOL

2016.8.9更新


それじゃまた
作詞:小倉めぐみ、作編曲:岩田雅之
ライトな雰囲気のお別れソング。Steve Ferrone(Dr.)、Jim Beard(P)、Jay Beckenstain(A.Sax Solo)に加えて総勢25人程度の大量のストリングス隊が参加。ライブのラストに似合うような曲で実際終盤で歌われた事もあったようだ。Smappies路線が深化しすぎて大人っぽい曲が増えていた中では親しみやすい曲の1つ。『WOOL』に入ってそうな曲でもあったが何故か選出されず、後に『ウラスマ』に収録された。
★★★★☆
8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX
4thベスト『
ウラスマ

2016.8.9更新


21st はだかの王様〜シブトク つよく〜
96年5月5日
作詞:森浩美、作編曲:庄野賢一
日テレ系「劇空間プロ野球'96」テーマ曲。この4月から「SMAP×SMAP」が始まったばかりだったが、オートレーサーになる夢をかなえるために森が脱退を表明しこれが最終参加シングルとなった。楽曲においては特に最後らしい部分は無く通常営業。実は作編曲の庄野さんも何故か今作が最後の参加に…。

janjanjamajanjan…とそのまま英字表記されたサビは特に意味は無くパッションである。今作における未熟な若者像はサブタイトル通りにかなり図太いヤツ。童話における「裸の王様」とは自身が裸の王様であることに気づいておらず周囲から見た評価なわけだけど、今作の主人公は自身が未熟な若者でありはだかの王様であることを自覚しながらそのままでいいと自己肯定していて実に図太い。失敗がバレて怒られても一応反省するだけで心の中では舌を出し、文句を言う目上に対しては気が済むならさあどうぞと言わせておいて忘れてくれるのをただ待っているというノー反省っぷり。当時だから成立した楽曲だと思うし、「ゆとり」という便利なワードが誕生して以降では無条件に未熟な若者=ゆとりで一括りされてしまい、なんか色々なレッテルを張られた曲になっていた可能性も…。少なくともHey! Say! JUMP以降がこの曲を歌ったら「ゆとりの開き直りソング」とか言って叩かれそう。個人的にはこの徹底的なお気楽志向にはとても憧れたが実践できなかった。

今作時点で予告されていた『SMAP 009』収録時は特に表記変更も無く、Bernard Purdie(Drums)、John Patitucci(Bass)、Dean Brown(Guitar)の生演奏を加えてリテイクされ、ついでに森を除く5人で歌い直している。結局オールユニゾンなので正直ボーカルの違いは分からない。
★★★☆☆
9thアルバム『SMAP 009』(演奏リメイク&5人で再録音)
3rdベスト『
Smap Vest
16thアルバム『
SAMPLE BANG!』DISC-2『KAIZOKU BANG!』(SPACE COWBOY REMIX)

C/W 急がば回れ
作詞:相田毅、作曲:野崎昌利、編曲:CHOKKAKU
TVのチャンネルを変えた瞬間に劇的なシュートが決まっていたり、傘を持たずに出かければ雨が降ったり、タクシーに急いで乗ったのに渋滞で歩行者に抜かれたりといったなんだかうまく行かない日常描写が並べ立てられ、結論は「急がば回れ」。どうせ焦っても変わらないからドーンと構えてのんびり行こうとポジティブシンキンを提唱する生活系ソング。この時期に多い庶民感全開の作風が親しみやすい。
★★★☆☆
アルバム未収録

はだかの王様〜シブトクつよく〜

2016.8.10更新

森の夢だったオートレーサーになるための養成所への入所が年齢制限的に最後のチャンスという時期だった。脱退に際しては会見が開かれ、スマスマなどでも涙ながらに盛大に送り出し、メンバー全員応援するという姿勢を打ち出していたが、事務所の上層部は森の勝手な行動にキレたとされ、6人時代はタブーなのかというくらいに、これ以降昔の映像をわざわざ加工してまで森を映さないという徹底措置が取られるようになった。

SMAPが徐々に国民的と呼ばれるようになり、さらにジャニーズ事務所内でも独立した自由な立場になって年齢も重ねた00年代後半頃からは唐突に生放送で森くんの名前を出すなどゲリラ的に触れる機会も増えていった。10年代に突入すると長年VTRで消されていた森の姿が普通に登場するようにもなってきた。

そして2014年夏のフジテレビ27時間テレビでは冒頭から森の脱退について触れ、フィナーレでは森からの手紙という形でアナウンサーが森からメンバーへのメッセージを読み上げた。いつか6人揃った姿が見れる日も近いかもしれないと誰もが思ったのだが…。

 

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