QUARTER CENTURY
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | RAISE THE ANCHOR | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | KOBUKURO | 8/7先行配信 |
2 | エンベロープ | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 ・黒田俊介 |
KOBUKURO | 35thシングル 最高3位 売上1.9万枚 |
3 | Mr.GLORY | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | KOBUKURO | |
4 | Soul to Soul(布袋寅泰 feat.コブクロ) | 小渕健太郎 ・布袋寅泰 |
布袋寅泰 | 布袋寅泰 19thアルバム『Soul to Soul』収録曲 | |
5 | Blame It On The Love Song | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | 小渕健太郎,笹路正徳 | |
6 | 雨 | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | KOBUKURO | |
7 | 足跡 | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | KOBUKURO | |
8 | ベテルギウス-Over the GLORY DAYS- | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | 山口寛雄 | 16thシングルC/W、7thアルバム『CALLING』収録曲 リメイク |
9 | 雨粒と花火 | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | KOBUKURO | 7/19先行配信 |
10 | Moon Light Party!! | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | 山口寛雄 | インディーズ3rdアルバム『ANSWER』収録曲 リメイク |
11 | Days | 小渕健太郎 | 小渕健太郎 | KOBUKURO | 8th配信シングル、34thシングルC/W |
12 | この地球の続きを | 小渕健太郎 ・黒田俊介 |
小渕健太郎 ・黒田俊介 |
KOBUKURO | 9th配信シングル、35thシングル 最高12位 売上1.6万枚 |
Strings & Horn Arrangement:小渕健太郎,笹路正徳(2)
Strings & Brass Arrangement:笹路正徳(3)、小渕健太郎,笹路正徳(11)
Strings Arrangement:笹路正徳(6)、小渕健太郎,漆原直美(7,9)、山口寛雄,漆原直美(8)
Horn Arrangement:山口寛雄,武嶋聡(10)
初回盤DVD
ALL
SEASONS BEST” Premium LIVE at umeda TRAD 2024.4.27
リリースデータ
2024年9月4日 | 初登場8位 | 売上2.6万枚 | Produced by KOBUKURO Except「Soul to Soul」Produced by 布袋寅泰 |
ワーナー |
メンバー
Vocal,Guitar | 小渕健太郎 |
Vocal | 黒田俊介 |
コブクロ11thアルバム。『ALL SEASONS BEST』から半年ぶり、オリジナルアルバムとしては3年1ヶ月ぶり。前作以降に発表されていた3曲を収録。加えて2020年に布袋寅泰のアルバムにゲスト参加した「Soul to Soul」、リメイク「ベテルギウス-Over the GLORY DAYS-」、インディーズ時代の楽曲のリメイク「Moon Light Party!!」を収録。7月19日に「雨粒と花火」、8月7日に「RAISE THE ANCHOR」が先行配信された。
初回盤はライブ映像「"ALL
SEASONS BEST" Premium LIVE at umeda TRAD 2024.4.27」収録DVD付。スリーブケース仕様。未だDVDとなっておりBlu-rayでの発売は無い。
通常盤はCDのみ。
ファンサイト会員限定盤はインディーズデビュー前の音源を収録した全11曲のCD「秘蔵デモテープ
Recorded at KBS京都 1999.04」付属、小渕自らデザインした5296のモノグラム柄でコブクロ25年間の旅をイメージした旅行バックのような豪華BOX仕様、アクリルスタンド付。
コブクロはインディーズデビュー1999年、メジャーデビュー2001年だが結成1998年を周年起点としており、10周年記念ライブは2008年、15周年記念もギリ2013年12月のアルバムキャンペーン、20周年オールタイムベストも2018年に行ってきた。よって25周年は2023年となるが何故か2023年9月8日の結成記念日は通常のツアー「KOBUKURO LIVE TOUR 2023 “ENVELOP”」を行っていて当日のライブも無かった(翌9日が北海道公演)。一応25周年特設サイトを同日公開して、今後の予定を大雑把に告知。この時点で2024年夏の今作発売が予告されており、2023年に25周年展開は行わずに2024年に移行させることは決まっていたようだ。この特設サイトはそのまま放置・放棄され、2024年になって改めて25周年のツアーや今作発売が正式告知され、「RAISE THE ANCHOR」は25th Anniversary Songと銘打たれ、今作のタイトルもそのまま25周年から取ったものとなっている。
1曲ごとに恒例の小渕によるコメントが掲載されているが、「ベテルギウス-Over
the GLORY DAYS-」はリメイクしたにも関わらず『CALLING』掲載コメントが転載されており、『ALL
SINGLES BEST 2』でも転載していたので2度目の転載となる。何故リメイクしたのかとかサポートベースの山口氏がリアレンジしてくれた説明とかそういうのを語る場じゃないのかここ…。
ここのところアルバムの間隔が開くので毎回シングルが溜まりすぎて新曲が少なくなる、シングルもマンネリな長尺バラードの連発で世間には完全に飽きられてしまい(不倫報道もトドメになった感)、一応毎回アルバム制作の佳境で何かに開眼して新たな変化の兆しを見せたりもするんだけど覚醒が直前過ぎ&一時的でアルバムにほとんど反映されず、結局またマンネリなシングルが溜まっていき…という無限ループに突入してしまっていた印象だったが…。今作は思ったより早くリリースされた(3年)のと、シングルが3曲しか出ていなかったので、2曲先行配信してもまだ初収録曲が多い状態。リメイク2曲と布袋寅泰のアルバムに参加した曲をそのまま持ってくることで曲数を二桁に乗せており、むしろ25周年に合わせてのリリースを決めるも新曲揃わなかったんじゃないかとも思えてくるが(ライブのみの未発売曲はそこそこあるみたいだけど1度出さない判断をしてしまっている曲を改めてアルバムに持ってくるのはあまりしたくなさそう)、これが結果的に久々にオリジナルアルバムらしい聞き応えのある1作になった。
万博に引っ張られまくっている「この地球の続きを」はノーストリングスでブラスだけで盛り上げるというシングルとしては革新的な試みを見せていたものの、「Days」「エンベロープ」はいつものバラード以上の印象は抱けなかったが、先行配信された2曲は目の覚めるような気合の入った楽曲で一気に期待が高まった。25周年記念曲「RAISE THE ANCHOR」の力強さ、「雨粒と花火」の歌謡ロック感は"最近のいつものコブクロ"を越えていく勢いがあり、今作は25周年にふさわしい久々の傑作オリジナルアルバムに仕上がったと思う。中盤はミディアム〜バラード続きになり、あまり印象に残らない部分もあるにはある。それでもセルフになってから時々ストリングスアレンジで招いていた笹路正徳を「Door」以来のメインのアレンジで招いた「Blame It On The Love Song」の落ち着き、演奏のバランス感からはセルフ以降の肥大化で失われたものが確かにあるし、リメイク2曲ではレコーディング/ツアーのベースのサポートメンバー山口寛雄に2曲アレンジを委託するなどかなり変革を意識した攻めの起用をしており、特にリメイク2曲はいずれもオリジナルよりも出来が良いように思う(まあ「ベテルギウス」は絶頂期の後の楽曲の肥大化と疲労がMAXだった時期だし、「Moon Light Party!!」はインディーズ時代だったので、よほどヘンな事しない限りは絶対に前より良くなる曲ではあったけど…)。
また今作、6分を越えるような大作はゼロで、5分越えはいくつかあるが5分半を越えたのは1曲だけ。以前ギターインストのソロアルバムでもシンプルに行こうと思っていたのに音を足してしまうと言っていたように特盛癖が染みついてしまっている小渕にとって曲を短くまとめるのは至極困難であるようだが、それでもここしばらくは意識しつつあり、前作でも6分越えは1曲だけ、前々作はゼロだった。それでも5分台はまだまだ多くて既出曲も溜まってしまうため前2作は15曲に達して75分程度のかなり重いアルバムになってしまっていたが、今作は12曲56分。なんと「時の足音」で言うなら"君(長い針)"が1周する前に聞き終える事ができる。これは革新的だ。
そんなわけでここに来て目の覚めるような久々の傑作。「RAISE THE ANCHOR」「雨粒と花火」は久々に好きな残る1曲になったし、1曲単位での好きな曲では『One Song From Two Hearts』『5296』『NAMELESS WORLD』辺りの方が数は多いが、アルバムトータルでは個人的最高傑作『MUSIC MAN SHIP』は不動にしても2番手を争うかもしれない1作になったんじゃないかと思う。
印象度★★★★☆
2024.12.29更新