Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”

Disc 1
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 犬はアイスが大好きだ 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 18thアルバム『Heart to Heart』収録曲
2 林檎の花 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 41stシングル(サークルKサンクス限定) チャート対象外
3 風は名前を名乗らずに 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 18thアルバム『Heart to Heart』収録曲
4 軒下のモンスター 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 18thアルバム『Heart to Heart』収録曲
5 Remember My Name 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 2011/5/25配信シングル、18thアルバム『Heart to Heart』収録曲
6 どんなときも。キャラメルVer. 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 41stシングル『恋する心達のために』C/W収録Ver. 3rdシングルのリメイク
7 ゼイタク(Album Ver.) 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 43rdシングルC/W、19thアルバム『Dawn Over the Clover Field』収録Ver.
8 まったくどうにもまいっちゃうぜ 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 19thアルバム『Dawn Over the Clover Field』収録曲
9 四つ葉のクローバー 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 43rdシングル 最高26位 売上0.8万枚
10 ミタテ 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 20thアルバム『Lovable People』収録曲
11 Life Goes On〜like nonstop music〜 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 44thシングル 最高31位 売上0.5万枚
12 Fall 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 45thシングル 最高33位 売上0.95万枚
13 君への愛の唄 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 44thシングルC/W
14 一歩一会(Renewed) 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 47thシングルC/W、21stアルバム『Believer』収録Ver.
15 運命の人 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 21stアルバム『Believer』収録曲

Brass Arrangement:村田陽一(1)
Strings Arrangement:トオミヨウ(3,7,10)

Disc 2
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 不器用な青春時代 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 21stアルバム『Believer』収録曲
2 信じようが信じまいが 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 21stアルバム『Believer』収録曲
3 理由 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 47thシングル 最高48位 売上0.3万枚
4 超えろ。 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 46thシングル 最高27位 売上0.4万枚
5 In The Snowy Site 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 22ndアルバム『Design & Reason』収録曲
6 微妙なお年頃 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 22ndアルバム『Design & Reason』収録曲
7 記憶(Album Ver.) 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 48thシングル 最高22位 売上0.4万枚、22ndアルバム『Design & Reason』収録Ver.
8 ハロー!トウキョウ 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 23rdアルバム『宜候』収録曲
9 悲しみは悲しみのままで 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 23rdアルバム『宜候』収録曲
10 わさび 須藤晃 槇原敬之 槇原敬之 23rdアルバム『宜候』収録曲
11 HOME 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 23rdアルバム『宜候』収録曲
12 宜候 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 23rdアルバム『宜候』収録曲
13 Sakura Melody 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 セルフカバーアルバム『Bespoke』収録曲 加藤ミリヤ×清水翔太(2014年)へ提供
14 Love & Peace Inside? 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 セルフカバーアルバム『Bespoke』収録曲 SMAP(2010年)へ提供
15 うるさくて愛おしいこの世界に 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之/
トオミヨウ
2024/5/1配信シングル 初CD化
16 You Are the Inspiration 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 新曲

Strings Arrangement:トオミヨウ(6,11,12,15)

リリースデータ

2025年2月12日 初登場8位 売上1.0万枚 Produced by 槇原敬之 Buppu

槇原敬之15thベストアルバム。『Bespoke』から2年11ヶ月ぶりのCD作品。デビュー35周年企画の一環だが、今作単体ではBuppu Label設立15周年を記念した初のベスト盤という位置づけで自主レーベルBuppuを設立した2011年以降から時系列に選曲されている。CDシングルA面では41st「恋する心達のために」のみ未収録配信シングル「No.1」(リメイク)はアルバム未収録、未CD化のままとなる。C/Wの「どんなときも。キャラメルVer.」、直近の配信シングル「うるさくて愛おしいこの世界に」がアルバム初収録。ラストに新曲「You Are the Inspiration」を収録。Buppuレーベル作品ではカバーアルバム『Listen To The Music 3』のみ対象外となっているが、既に対象になったカバーベスト『The Best of Listen To The Music』がかつて所属したユニバーサルからリリース済となる。シングルの一部はアルバムバージョンが採用されているが、「四つ葉のクローバー」「超えろ。」にはシングルバージョンが採用されるなどアルバムバージョンがある曲は曲ごとの判断でどちらかを採用している模様。ブックレット巻末に1曲ごとの演奏クレジットが記載されていて「軒下のモンスター」だけクレジットの記載が無く飛ばされているが、当時もこの曲にはクレジット記載が無かったためミスではない(=一括クレジットの"All Instruments:槇原敬之"のみ)。

通常盤1種発売。透明スリーブケース仕様でブックレットが別冊になっている。SMAPに提供した「Love & Peace Inside?」、「世界に一つだけの花」(直近のライブアルバムの音源)はこれまでST配信から外されてDLも単曲DLなしの扱いとなっていたが、発売前日に通常配信を開始すると発表。これに伴い今作に選曲された「Love & Peace Inside?」は最初から通常配信された。

今作は収録範囲的には20周年時にリリースした『Best LOVE』『Best LIFE』のほぼ続きとなる(厳密にはこの2作の後でエイベックス最後のアルバム『不安の中に手を突っ込んで』が対象外)。ただし同アルバム収録の40thシングル「ムゲンノカナタヘ〜To infinity and beyond〜」は『Best LIFE』にも先に収録されていたのでシングル単位では今作に繋がる。

選曲はスタッフ選曲に加えて本人の意見を入れたもので、本人は1枚に収まるくらいのつもりがスタッフが選べないと言ったため2枚組のボリュームになった模様。ヒット曲が無いのは自覚しているようで、帯には"実はこんなに出してました(笑)"と書かれている。これは2019年の『Design & Reason』リリース時に「2011年から2018年ぐらいまでアルバムを出してないと思ってた」と友人に言われて、自虐的なシャレとして「Showcase!」というタイトルも決めたという。

ベストアルバムとしては正直選びすぎであり、確かにショーケースだな…と。2枚とももう1曲も収録できないCD限界の80分ギリギリまで収録されている。その時々のオリジナルアルバム単位ではそこそこ好印象というのが続いていたが、1曲1曲ではそこまで残りにくく、曲数の多さがさらに印象の薄さに拍車をかけてしまう。「林檎の花」「四つ葉のクローバー」「宜候」辺りは当時から曲単位でも残っていたが、それ以外ほとんど初めて聞く感覚になるほどあまり覚えていなかった。同時にもうずっとヒット曲も出ていなかったんだなぁ…と改めて思ってしまった。宣伝が足りない、ということではないんじゃ

これ以前ほどの説教っぽさは無くなり、ライフとラブの区分けもあまりしなくなっていった時期ではあるんだけど、後半は"老い"の視点を見せ始めたのは1つの進化だろうか。それでも今思うとどこか停滞しつつあったところでの身辺整理、逮捕による環境の変化を経て、何かに何度もさよならを告げる「宜候」は大きなターニングポイントであり、今作屈指の名曲。リリース順の時系列なのでその後にセルフカバー2曲が出てくるが、実際には『Design & Reason』→『The Best of Listen To The Music』→逮捕で『Bespoke』発売中止…だったので、「宜候」に直結する次の新曲は「うるさくて愛おしいこの世界に」となる。新曲「You Are the Inspiration」は2023年秋からやっているラジオ『槇原敬之・Sweet Inspiration』のBGMとして使っていた曲を原曲にしたもので正直そこまでではないんだけど「うるさくて愛おしいこの世界に」は今作の中でも屈指のみんなが思う槇原敬之っぽい曲に回帰しており、一際印象に残る。直近の状況の良さからもここからにはまだ期待できる。新曲の「You Are the Inspiration」はどうにもパッとしないが、元々自身のラジオ番組用のBGMに歌詞とメロディーをつけたというインストを歌モノに作り直したものらしいので仕方ないか。

 

録音ミックスに関しては2005年よりずっと滝澤武士が担当していたので今作も大半が滝澤武士だが、『宜候』では連名ながらも沢田知久が約20年ぶりに復帰。沢田は中学時代の同級生でアマチュア時代の録音ミックスを担当し、槇原デビュー後に彼もまたプロのエンジニアとなって主に1997年のソニー時代〜2002年頃まで担当。飯尾芳史の起用が多くなってフェードアウトしていた。そして飯尾もまたフェードアウトして2005年には滝澤武士メインになっていった。今作で判明した「うるさくて愛おしいこの世界に」のクレジットでは沢田知久、飯尾芳史、谷川充博の3人が連名で録音、沢田知久、谷川充博の連名でミックス、「You Are the Inspiration」は滝澤武士、沢田知久が連名で録音、沢田知久が単独でミックスを担当。また先のインタビューで滝澤武士が"昔は基本的な打ち込みを槇原さんがして、その後にマニピュレーターさんがデータを細かくトリートメントするスタイルでやっていたんですけど、このスタジオができた頃からは、ご自身ですべてプログラミングしていますね"と語っていたように、2005年(『LIFE IN DOWNTON』)よりシンセ担当がいなくなり、"All Instruments:槇原敬之"になった。今作も一括クレジットで"All Instruments:槇原敬之"になっているが、曲ごとのクレジットでは「超えろ。」までは無かったプログラミング担当者が「In The Snowy Site」以降に復活しており、これを一手に担当しているのが毛利泰士。毛利泰士は『太陽』〜『EXPLORER』頃までシンセ担当していた人物でこれまた復帰であった。

飯尾芳史もしれっと久々に関わっていたのは驚きだが、毛利泰士も今やブレーン的存在となり、ライブの選曲等にも深く関わっていて信頼が厚いようだし、ここに来て原点のコンビである沢田知久との仕事も継続するようになり、かつての仲間との関係性を取り戻していったのも後半〜終盤にかけての隠れたトピックと言える。1999年に一緒に逮捕された"友人"を事務所社長にして公私ともにパートナーとなったタイミングで制作体制が一新されると同時にかつての仲間が離れていき(ただしこれはプライベートスタジオ設立のタイミングでもあったので心機一転の意味合いはあったと思う)、社長を解任したタイミングで毛利泰士を再起用するようになり、2度目逮捕後に沢田知久が再起用され、さらに飯尾芳史まで…となると偶然が過ぎる気はしてきた。単に色々と巡り巡って一昔前の体制に戻したくなっただけかもしれないが…。

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印象度★★★☆☆

2025.3.22更新

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