中島みゆき コンサート「歌会 VOL.1」-LIVE SELECTION-
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ![]() |
中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 47thシングル |
2 | 病院童 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 40thアルバム『問題集』収録曲 |
3 | 銀の龍の背に乗って | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 38thシングル |
4 | LADY JANE | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 41stアルバム『組曲(Suite)』収録曲 |
5 | 愛だけを残せ | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 41stシングル |
6 | リトル・トーキョー | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 未発売曲 2019年1,2月上演『中島みゆき 夜会VOL.20「リトル・トーキョー」』(全20公演)オリジナル曲 |
7 | 慕情 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 45thシングル |
8 | 体温 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 44thアルバム『世界が違って見える日』収録曲 |
9 | ひまわり"SUNWARD" | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 22ndアルバム『LOVE OR NOTHING』収録曲 |
10 | 心音 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 48thシングル |
11 | 地上の星 | 中島みゆき | 中島みゆき | 瀬尾一三 | 37thシングル |
リリースデータ
2025年3月12日 | 初登場9位 | 売上1.3万枚 | Produced by あいらんど Musical Producer:瀬尾一三、Stage Producer:竹中良一 Recording Producer:瀬尾一三 中島みゆき |
ヤマハ |
中島みゆき7thライブアルバム。『世界が違って見える日』から2年ぶり。単独Blu-ray、単独DVDと同時発売。2024年1〜5月まで東京国際フォーラム ホールA、大阪フェスティバルホールの2会場で合計16公演行われたコンサートの中から5月8,10日東京国際フォーラム ホールA公演をBlu-ray/DVDには全19曲収録、CDでは本人セレクトによる11曲を収録。マスタリングは今回もStephen Marcussen。「リトル・トーキョー」はスタジオ音源未発売曲で2019年の『夜会VOL.20』のタイトル作として書き下ろされた曲だったため同公演のBlu-ray/DVDには収録されていたが、CD収録は初となる。
2024年12月27日から『歌会 VOL.1 劇場版』として映画館で上映していた。Blu-ray/DVDは映画と同内容となり、Blu-ray/DVDの初回盤付属のボーナスディスク『中島みゆき コンサート 「歌会 VOL.1」 16/16+(コンサート・ドキュメンタリー映像)』は映画には無かった初公開映像となっている模様。
2020年途中中止となった『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』は銘打っていた通りにラストツアーであったが、全国ツアーが最後なだけでそれ以外のコンサートは今後も行うつもりであることは当初から示唆されていた。結果的には他がライブ活動を再開する中でも2023年までコンサートは開催されなかった。2023年の『世界が違って見える日』リリース後もツアー開催の報は無かったが、2024年についに4年ぶりコンサート開催となり、新たなコンサートのスタイルとして「歌会 VOL.1」と題された。ツアーではないため東京国際フォーラム ホールA、大阪フェスティバルホールの2会場のみ、1〜3月まで東京国際フォーラム ホールAで月2日ずつ開催で6公演、大阪フェスティバルホールで3月末〜4月末まで6公演、5月に東京国際フォーラム ホールAで4公演の合計16公演。2公演は連続せず必ず1日おきの2日間で10日〜1ヶ月程度の間隔を開けながら行うというかなりゆったりめのスケジュールとなっていた。今作に収録されているのは最後の5月29,31日公演の1つ前、大阪から東京に戻っての5月8,10日公演となっている。セットリストは共通のため、2日間からいいところ取りでの全曲収録(CDは抜粋)と思われる。
前ツアーを最後に瀬尾一三が右腕として信頼していた小林信吾が亡くなってしまったが、前作に続いてバンドメンバーのクレジット直下に引き続き"In Memory of 小林信吾"と表記された。小林信吾が担当していたConductor,KeyboardsのうちConductorは瀬尾一三が引き継いだ。瀬尾一三はラストツアー時は総合プロデューサー的な役割のみでツアーに帯同はしていたがステージには上がっていなかったようだが、今回は中島みゆきの右側で観客には背を向ける形で指揮をしているのが公開されている映像からも確認できる。Keyboardsはラストツアー時でも十川ともじ、中村哲も担当していてそこにPiano,Keyboardsとして坂本昌之が新たに加わっている。
ライブ当時72歳(2月誕生日なので前半の東京公演時は71歳)となり、4年ぶりの重みはだいぶ違う。ラストツアーからほぼそのままのバンドメンバー(コーラス(表記上はVocal)とヴァイオリンのメンバーが一部入れ替わったりはしている)となっているが、ベースの富倉安生が72歳、ドラムの島村英二が73歳とリズム隊の2人も70代に突入、そして瀬尾一三は76歳となった。しかし衰えはまだまだ感じさせない圧巻の演奏と歌唱だ。ラストツアーでもがなり立てるような曲はそもそも選ばれなくなってきていて、以前ほど終始力強く勇ましい歌唱を繰り広げる事はなくなり、全体には優しい雰囲気に変わってきてはいる。しかし平メロの抑えた部分はこれまで以上に抑えて優しく歌い上げ、サビでグッと力強く歌い上げるという抑揚をつけた歌い方が目立つようになりこれが素晴らしい。1曲目「」とか歌い出しの力の無さにまあ70代まで来ると仕方ない衰えたのかと思ってしまったが、曲が進むにつれて力強くなっていくという圧巻の表現だった。AメロBメロ抑えてサビでドカーンってベタなようだがそれが今のスタイルとしてシンプルに良くてCDよりドラマティックでこんないい曲だったのかと。全体にそんな風に改めて良さに気づく曲がこれまでより多く、比較的新しめの「慕情」とかあまり覚えてなかった最新シングル「心音」でもCDより心に迫るものがあるようなそんな歌唱だ。「銀の龍の背に乗って」「地上の星」が揃ったのはベストでさえ『前途』1作のみ、ライブ盤ではスタジオライブ盤の『中島みゆきライヴ! Live
at Sony Pictures Studios in L.A』1回ポッキリだったので、かなり貴重な機会で、そこ含めて選曲の良さもあったのかもしれないが、これまで以上に圧巻のライブアルバムだった。
Vol.1と銘打っているからにはVol.2も開催するつもりだろうけど、リズム隊が本人より年上で、さらに欠かせない存在である瀬尾一三が最年長で80も見えてくるところまで来ているだけにどこまでやれるか。
印象度★★★★☆
2025.4.13更新