2023年12月の配信シングル(後編)

2023年残りのシングル(HKT48、星野源、KinKi Kids)は1月に順次更新予定。

シュガーソルト/sumika

2023年12月16日
2か月半ぶりの新曲。ツアー開催中だったが10月半ばの2公演をボーカル片岡健太のインフルエンザにより延期、続く10月末の2公演は急性声帯炎の診断で延期、11月頭の2公演も「回復にさらに若干の安静が必要」として延期、バズリズムライブは「回復にさらに若干の安静が必要」で出演キャンセル、11月8日についに「長時間の歌唱が困難なため一定期間のリハビリが必要」として年内全ての公演延期、出演キャンセルを発表。イベントに関しては荒井智之と小川貴之を中心としたsumika[roof session]として出演するとした。

名古屋のFMラジオ局「ZIP-FM」の開局30周年を記念して10月から3か月連続で発表されているANNIVERSARY SONGのラスト第3弾として発表された。同時期に発表されていた「マシロ」ではなく今作が先に発売された。作曲:小川貴之、作詞:片岡健太、編曲:sumika。3月にアナログと配信限定のEP『Sugar Salt Pepper Green』をアコースティックセッションのsumika[camp session]名義でリリースしており、そのタイトル『Sugar Salt Pepper Green』の一部が使用されているがこの曲は収録されておらずsumika名義での純粋な新曲である。

ウィンターソングっぽい出だしだが本格的にバンドが入ってからはブラスサウンドが彩り、サビは合唱系のノリもあってsumikaらしい暖かみのある1曲。
★★★☆☆

マシロ/sumika

2023年12月22日
10月からOAされていたドラマ『ポケットに冒険をつめこんで』主題歌。未発売のまま先に「シュガーソルト」が配信されていたが、ドラマ最終回に合わせて「シュガーソルト」から6日で立て続けに配信された。『ポケットモンスター』シリーズを原案にしたドラマだったのでそれに合わせたのか昔のファミコンのようなザ・ゲーム音と言えるピコピコ音が盛り込まれていてsumikaとしてはかなり変わった雰囲気の1曲になった。どうしても王道ポップ続きになりがちなのでこういう試みは引っ掛かりがあって面白い。
★★★☆☆

Y☺︎u & I/倉木麻衣

2023年12月22日
2ヶ月ぶりの新曲。アニメ『名探偵コナン』エンディング。各配信サイトでは作品名も曲名も”O”が顔文字の方で固定されているが、公式ディスコグラフィーでの作品タイトルは「You & I」表記となっていて曲名部分で”O”がニコちゃんマークの顔文字☺︎になっているという表記泣かせの仕様。一応どっちでも検索に引っかかるようにはしているようだ。作曲は本山清治・Chris Meyer・川口大輔、編曲は本山清治。

Oをニコちゃんマークにしてカワイイ感じを醸し出しているのに曲調は割とクールなアップナンバー。コナンタイアップにしてはあまりに引っ掛かりがなくてキャッチーさにも欠けていてするっと流れていってしまう。いや普通にらしい曲ではあるんだけど、C/Wやアルバムで印象に残らない普通の曲オブ普通の曲みたいなそんな感じで…。
★★★☆☆

adrenaline!!! – From THE FIRST TAKE/TrySail

2023年12月25日
7月21日に「THE FIRST TAKE」で公開された映像の音源配信。2017年の6thシングル。「THE FIRST TAKE」の演奏って基本的にオリジナル(のアレンジが派手な場合)は音数少なめになる事もあるんだけど今作はオリジナルのオケ同様にブラスも鳴っているがそれ以外の演奏がやはり控えめに。元気に歌唱していて勢いは変わっていないが「THE FIRST TAKE」向けでは無かった気もする。
★★★☆☆

SuperBloom – From THE FIRST TAKE/TrySail

2023年12月25日
8月2日に「THE FIRST TAKE」で公開された映像の音源配信。7月に発売されたばかりのアルバム『SuperBloom』表題曲。同じような感じのオケ。打ち込みのオケを生演奏主体+ブラス引っ張ってきて作り直しているのだろうかこれ。今年のアルバムのリード曲だが、代表曲「adrenaline!!!」と続くとさすがに勝てない。
★★★☆☆

君がサヨナラ言えたって…/櫻坂46

2023年12月25日
卒業を発表している小林由依の初ソロ曲。配信では単曲配信だが、CDでは10月のシングル『承認欲求』特別仕様盤を新たにSony music Shop限定で追加発売し、全種2曲目固定だった「マモリビト」をこの曲に差し替え(5曲目のOFF VOCAL verも同様)。これにより『承認欲求』に売上が加算される事になる。既に前作を上回り、日向坂46を改名後初めて上回っている中でさらに差を広げ、改名後最初のシングル以来となる50万枚突破&改名後最高売上更新する事が確定的となった。昨年11月の菅井友香の卒業曲(ソロではない)は普通に単独の配信シングルとしてリリースして今年2月のシングル『桜月』C/Wに収録する(乃木坂46の秋元真夏で配信で出す→シングルCDのC/Wという同じパターンを採用)というやり方をしていたが、今回は明らかに『承認欲求』での50万枚突破&改名後最高売上更新を確約させたい意向が垣間見える。

卒バラではなくセツナ系ウィンターソングみたいな曲。00年代全盛期だった頃のエイベックスの女性シンガーが毎年年末にかけて誰かしら出していたようなエイベクシー(?)な冬の曲といった感じもあってちょっと懐かしい気分になった。欅坂46時代の初期にゆいちゃんずとして今泉佑唯とデュオで2人でアコースティックギター持って歌っており、欅坂時代末期には代理センターの1人としても活躍したが、櫻坂46以降は櫻エイトシステムの常連メンバーとして活躍するもエイトシステムでのセンターには1度も選ばれていなかった。『承認欲求』通常盤のみC/W「隙間風よ」(1・2期生全員曲)で初のセンターとなっていて、最後はソロ曲となった。中期頃よりちょっと怖い感じ(大宮のヤンキー感)、クールな感じを前面に出していてアイドルっぽさはあまり無かったが冗談が通じないタイプではなく、冠番組のバラエティノリにはしっかり乗っかってくれるので素行不良っぽく辞めていった一部の先人達よりもしっかりグループのためにやりきってくれた感はある。
★★★☆☆

HEART BEAT/YOASOBI

2023年12月26日
25日放送のNHK『18祭』用に書き下ろした新曲。小説を原作にする絶対設定はここでも徹底され、YOASOBIからの「心音」というテーマで、日本全国の18歳世代1,000人からこの企画に参加したいというメッセージ、そしてパフォーマンスやテキストでの動画を送ってもらい、それらを原作として制作したとされている。なあ…“原作”ってさ…”原作”って…なんだろうな…。

若者と合唱するようなアンセム的合唱曲。ゆったりしたシンプルな演奏+YOASOBIっぽいピアノアレンジに乗せて大合唱が被さっていくスタイルで王道感は薄めだが、18祭感は強い。「18祭」用新曲としてYOASOBIが作ってくれそうな曲という期待に真正面から応えてくれたような1曲といえる。

今作が今までと違うのは大合唱しまくるために曲が長くなっている事で実に5分半を突破する。YOASOBIの楽曲は大ストバラ時代の真逆を行く、大ストバラ時代の曲を1曲かけている間にYOASOBIは2曲聞けるといっても過言ではないような3分台、長くて4分越えというのが基本で、過去4分半を大きく越えていくことは無かったと思うが、今作は最長記録を1分以上も更新した事になる。
★★★☆☆

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