君の居場所(Have a Good Time Here)/竹内まりや

2023年12月20日
初登場9位 売上0.9万枚

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4年2ヶ月ぶりの新作。作品リリース自体は2020年1月1日のシングル『いのちの歌(スペシャル・エディション)』(DVDつけた再発)、2020年11月のBlu-ray『souvenir the movie』、2022年8月の『Quiet Life (30th Anniversary Edition)』と旧作の再発や映像化が続いていた。

この間、唯一の新曲は2021年に杏里とのユニットPeach&Apricotとして「Watching Over You」を配信していた。

新曲2曲とクリスマスシーズンに合わせた過去曲2曲を2023 New Remasterとして収録した4曲+カラオケ4曲。シングルは演奏クレジットまでしか記載が無いのでNew Remasterとされても誰がリマスターしたか不明なのは山下達郎と同様。

配信では「君の居場所」単曲配信のみとなった。また何故かサブタイトルの”Have a Good Time Here”が削除されており、「君の居場所」表記のみ。

「すてきなホリデイ」は初出の『Bon Appetit!』はST未配信でDLのみだが2008年のベスト盤『Expressions』音源でSTでも配信、「The Christmas Song」は2022年の『Quiet Life(30th Anniversary Edition)』音源で配信されている。よって2023 New RemasterではないがC/Wは2曲とも前のリマスター音源がSTで聞ける状態だが、「Brighten up your day!」は完全に未配信となる。

1.君の居場所(Have a Good Time Here)

12月28日配信のNetflixシリーズ「ポケモンコンシェルジュ」主題歌。編曲は山下達郎、ストリングス&ブラスアレンジに牧戸太郎。前作では牧戸太郎がアレンジで山下達郎はギター&コーラスのみだったが、今回は近年の達郎サウンドと同じでほぼ山下達郎が1人で手掛けるスタイル(コンピュータープログラミング、ドラムプログラミング、エレキギター、キーボード、パーカッション、コーラス)。今作ではアコースティックピアノとマリンバソロを難波弘之、シンセプログラミングを橋本茂昭が担当。ストリングスは今野均としか書かれていないが、ブラス隊は各楽器5人が個別に表記された。

という事でサウンド的にはいつもの達郎サウンド。達郎の今夏のシングル「Sync Of Summer」が久々にバラードではなくそろそろこういうのも聞きたいと思っていた曲調だったのに呼応するかのように今作もまたバラードではない軽快なポップス。バラードイメージ以外でのこれぞ竹内まりやな王道的なポップ感が嬉しい

リゾート感のある歌詞になっているがこれは完全に「ポケモンコンシェルジュ」に寄せたタイアップ歌詞のようだ。また曲のエンディングで突如奇妙な鳴き声が聞こえてきて何事かと思うが、これもコダック&ピカチュウとクレジットされている。鳴き声の後半はピカピカ、ピカチュウと言っているのでピカチュウと分かるがコダック知らなかったのとピカチュウの鳴き声も何か知っているピカチュウの鳴き声よりもあざと度が増しているような…(「めざせポケモンマスター」のイメージだけど26年前だからかな)。
★★★★☆

2.Brighten up your day!

テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」メインテーマ。2023年4月から使用されていた。編曲は山下達郎。こちらはシンプルに達郎のコンピュータープログラミング、ドラムプログラミング、アコースティックギターエレキギター、キーボード、パーカッション、コーラスと橋本茂昭のシンセプログラミングの2人オケ制作。跳ねたリズムで爽やかな朝らしい曲調って…アレンジがかなり「毎日がスペシャル」っぽくてなんかイントロからそのまま”雨で始まるウィークデイは~♪”とか歌い出せそうな…。

朝の番組のテーマ曲なので意図的に寄せたのか、近年のタイアップ職人っぷりからしてこれは具体的に「毎日がスペシャル」っぽいやつをお願いされたのか。バラードではない2曲の新曲というのは好印象だったが、偉大なるマンネリな印象ではある。それでも期待通りではあるし衰えも感じさせないところには確かな安心感がある。もう68歳だし、ユーミンの声の状態を考えればもっとおばあちゃん声になっててもおかしくないわけで。揃って声が変わらないとか恐ろしい夫婦だぜ…。
★★★☆☆

3.すてきなホリデイ(2023 New Remaster)

2度目のC/Wでのシングルカット。2001年の『Bon Appetit!』収録曲で31stシングル『ノスタルジア』C/Wで1度シングルカットされ、2008年のベスト盤『Expressions』にも収録。2001年当時よりクリスマスシーズンのケンタッキーCMソングとして毎年使用され続けていた。2008年のベスト盤『Expressions』以来のリマスターとなる。カラオケバージョンは初収録ではなく、『ノスタルジア』C/Wに収録されていた。

今作では新曲2曲のタイアップ表記だけでなく、今作のKFCクリスマスキャンペーンタイアップである旨も同列に表記されていて大々的にアピールされている。毎年CMで曲は聞いていても『ノスタルジア』C/Wの時は正直埋もれていたしシングルになっていた事を知らない人も多かっただろうし、“「ク~リスマスが今年もやってくる」のKFCの曲”として知っていてもタイトルを知らない人も多いだろうから今一度フルサイズを聞いてもらえる機会は必要だったかもしれない。

実は山下達郎完全不参加案件の1つであり、ギターベースピアノパーカッションは入っているものの編曲は服部克久(2020年没)のオーケストラアレンジのみ(朝ドラ『ブギウギ』では草彅剛の息子役として出ている子供カツオが名前的に克久氏に該当すると思われる)。また1番の”クリスマスが今年もやってくる♪”は知っているやつよりもキーが低い。CMで毎年聞いているあの”クリスマスが今年もやってくる♪”は最後の最後のサビで転調して出てくるのでCMになじんだ状態で聞き始めると最後の最後で何かピタリとハマるような感覚が味わえる。
★★★★☆

4.The Christmas Song(2023 New Remaster)

1992年の『Quiet Life』収録曲、21stシングル『家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)』C/Wでシングルカット。1944年に作られて1946年ナット・キング・コールの歌唱で広く知られているスタンダードのカバー(現在広く流通しているナット・キング・コールのバージョンは1961年4度目の録音バージョンとされる)。竹内まりやとしてはこの1回限りの収録だったが、山下達郎の『クリスマス・イブ(2014 version)』のみの変更C/Wとして山下達郎による「Have Yourself a Merry Little Christmas」カバーとの2曲メドレーの形式で収録された事はあった。『Quiet Life』当時の表記は全部大文字の『THE CHRISTMAS SONG』だったが、『クリスマス・イブ(2014 version)』に続いて「The Christmas Song」となっている。『Quiet Life』は2022年8月に30周年リマスター盤が発売されたばかりのため1年ちょっとでの新たなリマスターと言う事に…。カラオケバージョンは『家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)』のカセット盤のみの収録だったためカラオケ初CD化となる。

クリスマスのスタンダード曲の1つではあるんだけどさすがに古すぎて実はあまり馴染みがない。ワム!やマライアやジョン&ヨーコの曲のようにオリジナルのまま日本でもヒット曲として浸透していたり、達郎が「クリスマス・イブ」のC/Wに収録していた「White Chrismas」のように広くカバーされているかというと案外この曲の有名なカバーは無かったりするしなぁ…。『Quiet Life』でもあまり覚えてない曲の1つだったりする。
★★★☆☆

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