HAYABUSA JETT
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 原曲、備考 |
1 | Youngbloods(New Recording) Youngbloods |
佐野元春 | 佐野元春 | 15thシングル 2024/6/5配信シングルVer. |
2 | つまらない大人にはなりたくない(New
Recording) Generations |
佐野元春 | 佐野元春 | 2ndシングル「ガラスのジェネレーション」改題 2015/1/17先行配信 |
3 | だいじょうぶ、と彼女は言った(New
Recording) Don't Think Twixce It's Over |
佐野元春 | 佐野元春 | 38thシングル |
4 | ジュジュ(New Recording) JuJu |
佐野元春 | 佐野元春 | 6thアルバム『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』収録曲 |
5 | 街の少年(New Recording) Down Town Boy |
佐野元春 | 佐野元春 | 5thシングル「ダウンタウン・ボーイ」改題 |
6 | 虹を追いかけて(New Recording) Chasing Rainbow |
佐野元春 | 佐野元春 | 5thアルバム『Cafe Bohemia』収録曲 |
7 | 欲望(New Recording) Desire |
佐野元春 | 佐野元春 | 9thアルバム『The Circle』収録曲 |
8 | 自立主義者たち(New Recording) Individualists |
佐野元春 | 佐野元春 | 5thアルバム『Cafe Bohemia』収録曲、6th12インチシングル(カット、Extended
Mix) 「インディビジュアリスト」改題 |
9 | 君をさがしている-朝が来るまで(New
Recording) Looking For You |
佐野元春 | 佐野元春 | 2ndアルバム『Heart Beat』収録曲 |
10 | 約束の橋(New Recording) The Bridge |
佐野元春 | 佐野元春 | 22ndシングル、30thシングル(再録音) |
リリースデータ
2025年3月12日 2025年5月7日(7inch Single Collection Box) |
初登場14位 | 売上0.8万枚 | Produced by Moto'Jet'Sano | Daisy Music |
佐野元春&THE COYOTE BANDメンバー
Vocal,Guitar | 佐野元春 |
Drum | 小松シゲル |
Bass | 高桑圭 |
Guitar | 深沼元昭 |
Guitar | 藤田顕 |
Keyboards | 渡辺シュンスケ |
佐野元春1st再定義アルバム。佐野元春 & THE COYOTE BAND名義。デビュー45周年、THE COYOTE BAND結成20年目のタイミングで過去の楽曲をTHE COYOTE BANDでセルフカバーしたアルバムとなるが、テーマが「元春クラシックスの再定義」で本人による「これはセルフカバー・アルバムじゃない。オリジナル盤と匹敵するくらいのコンセプチュアルな作品だ。これまでのファンだけじゃなく、新しい世代の音楽リスナーにも聴いてほしい」というコメントもあり、2010年の『月と専制君主』、2018年の『自由の岸辺』に続く3作目のセルフカバーアルバムという位置づけではなく、自身のクラシックスを新世代にプレゼンテーション佐野元春 & THE COYOTE BAND による “再定義“ アルバムと銘打たれた。一部楽曲はタイトルが改題されている。CDは1種発売。2ヶ月後にA面B面に1曲ずつ収録した5枚組7inch Single Collection Boxも発売。
「Youngbloods(New Recording)」を配信した際にはまだ今作の告知は出ていなかったが、示唆はされており、レコーディングは2024年前半までで既に終了していたようだ。「つまらない大人にはなりたくない(New Recording)」は先行扱いで今作の告知後に配信されている。
「Youngbloods」「ジュジュ」は2010年の『月と専制君主』でも取り上げていたり、それ以外にも「約束の橋」は大ヒットした1992年盤シングルは1989年の初出シングルからボーカルを再録音したものだったり、「インディビジュアリスト」「君をさがしている(朝が来るまで)」は共に『The 20th Anniversary Edition』収録時にThe Hobo King Bandで新録音したり、「ガラスのジェネレーション」は『THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004』でボーカルとピアノ以外をThe Hobo King Bandで再録音したりと過去に1度セルフカバーしていた曲も多いが、THE COYOTE BANDにおいては何気に新作のみを作り続けており、セルフカバーをやった事はなかった。『月と専制君主』『自由の岸辺』は既に新作はTHE COYOTE BANDで制作していた時期ながらこの時だけわざわざThe Hobo King Bandやその前のTHE HEARTLANDメンバーとの混成で制作していた。ライブではTHE COYOTE BANDでも当然過去の曲は演奏するので、現在のライブのアレンジを基にして今作がレコーディングされている部分もあるようだが、レコーディング音源においてTHE COYOTE BANDで過去の楽曲を録り直すというのは初となるのでその辺りで明確な線引きもあるのかもしれない。またオリジナルの要素を全く無くすのではなくどこまで残すかにいちばん気をつけたとも語り、オリジナル音源からサンプリングしてTHE COYOTE BANDの演奏に重ねるという手法も取り入れられている。インタビューでは「Youngbloods」のストリングスとハープがオリジナルからのサンプリングと明言されている。
本人が再定義だと言い張っているので再定義ではあるが、広義にというか一般的にセルフカバーアルバムと呼ばれる内容のアルバム。ここに来て初めてTHE COYOTE BANDで前の2バンドの曲をスタジオレコーディングを行ったという事で"再定義"するのに機は熟したという事か。作り替え方にはかなりの差異があるが、「ガラスのジェネレーション」改題の「つまらない大人にはなりたくない」がそこそこ新しくなった感じがあるのに対して「街の少年」と改題された「ダウンタウン・ボーイ」が最初のシングルバージョンを踏襲したアレンジになっているのは驚いた。どの曲も奇をてらった事をせずに古い曲を新たな世代にも聞いてもらうために改めて今の感覚と今の声に合わせて提示したような1作なのでセルフカバーでありがちな攻めすぎて微妙な曲なんかはない印象。
声が枯れた味わいになったのは過去曲をやると余計に際立つ。しかも1つ2つ下げたって感じじゃないくらいにガッツリキー下げしていてだいぶ別物感もある。さすがにこんなに下げなくてもまだ歌えそうな気はするんだけど、あえてかなりの余裕を持たせて下げたのだろうか。重低音の響きを重視したバンドサウンドと相まって渋くてこれはこれでカッコいい仕上がり。
印象度★★★★☆
※今作はAmazon Musicのみで視聴したためCD(ブックレット)を手に取っていません。