WHY +1

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Close Up 長戸秀介 織田哲郎 北島健二  
2 Lonely Love 長戸秀介 北島健二 織田哲郎 2ndシングルB面(カット)
3 春・秋 北島健二 織田哲郎 長戸秀介  
4 Mad City 織田哲郎 織田哲郎 北島健二  
5 Shine On 長戸秀介 織田哲郎 北島健二 1stシングル 記録なし
6 愛しき人よ(どどめん) 長戸秀介 織田哲郎 北島健二  
7 さよならぐらいは 織田哲郎 織田哲郎 北島健二  
8 無言劇 長戸秀介 長戸秀介 北島健二  
9 Workin' For Money Eddy Blues 織田哲郎 北島健二 1stシングルB面 全英語詞
10 Last Page 長戸秀介 織田哲郎 北島健二  
BONUS TRACK
11 Milky Baby 織田哲郎 織田哲郎 北島健二 2ndシングル 記録なし

リリースデータ

1979年6月21日(LP)
2008年5月20日(初CD化)
100位圏外
チャート対象外
PRODUCER:長戸大幸 ソニー
ソニー(オーダーメイドファクトリー)

メンバー

Lead Vocal,Side Guitar,Keyboard&chorus 織田哲郎
Lead Guitar,Side Guitar,Acoustic Guitar,chorus&percussion 北島健二
Side Guitar,Acoustic Guitar&chorus 長戸秀介

WHY唯一のアルバム。79年5月21日にシングル『Shine On』でデビュー。1ヶ月後に今作がリリースされた。織田哲郎が自身の経歴を振り返ったインタビューではこれ以前の活動にも触れており、スピニッヂ・パワーに参加していた事にも触れているが、公式に織田哲郎のプロデビューとして扱っているのはこのWHYでのデビューとなっている。バンドではなくユニット形態で主に織田哲郎がボーカル・作曲・編曲、北島健二がギター・編曲、長戸秀介が作詞をメインで担当していたが、3人全員が作詞・作曲・編曲それぞれを1曲は単独で担当している。

「Shine On」、「Last Page」は後にTUBEが『BOYS ON THE BEACH』でカバーした。織田哲郎もメンバーとして参加した渚のオールスターズでは『NAGISA NO CASSETTE VOL.1』で「Milky Baby」を「My Sweet Milky Baby」としてカバー、『Nagisa no Cassette vol,2』で「Last Page」が再びカバーされている。

ベース・ドラム・キーボード・シンセ・サックスはサポートメンバーが参加しており、Special Thanks枠でメンバーが表記されている。

Drums:KIYOSHI TANAKA、YUHICHI TOGASHIKI、SHIGETOSHI IMAI
Keyboards:KENTARO HANEDA、KAZUO OHTANI、HIROYUKI NANBA、YAYOI YOSHIDA、HAJIME IWASAKI
Synthesizer:JUNICHI SUZUKI
Electric Bass:AKIRA OKAZAWA、TSUGUTOSHI GOTOH、HIROKI ITOH
Tenor Sax:YASUAKI SHIMIZU

ローマ字なので誰が誰だか分からないが、YUHICHI TOGASHIKI=渡嘉敷祐一、KENTARO HANEDA=羽田健太郎、HIROYUKI NANBA=難波弘之、TSUGUTOSHI GOTOH=後藤次利だろうか。

今作リリース後、9月に2ndシングル「Milky Baby」をリリースしたがこれを最後に解散した。そのまま20年近くCD化もされていなかった2008年オーダーメイドファクトリーの企画でCD化が実現。アルバム未収録になっていた「Milky Baby」を追加収録した『WHY +1』として初CD化となった。商品紹介ページでは「Milky Baby」がB面扱いされているが、織田哲郎の公式サイトディスコグラフィーによれば「Milky Baby」は2ndシングル表題曲であり、B面は「Lonely Love」のシングルカットだった模様。いずれにせよこれでWHYの全曲がCD化された。

織田哲郎はTUBEへの86年に提供した「シーズン・イン・ザ・サン」の大ヒット以降ヒットメイカーとして知られるようになった。北島健二は様々なミュージシャンにサポートとして参加しており、FENCE OF DEFENSEメンバーとしても活動しているが、水樹奈々のバックバンドcherry boysの実質的なリーダーとして長年参加しているので水樹奈々ファンの間ではかなり知名度が高いかもしれない。長戸秀介は長戸大幸の弟で間もなくレイズインという音楽制作会社を立ち上げて社長となっている。

当時ベースドラムなしでロックをやるというユニット形式が全く一般的ではなく、説明にまず苦労したと語られている。"作詞作曲アレンジ、コーラス、ギターまで責任もってやります、というあくまでレコーディングにおけるプロデュースワークを最初から念頭に置いたユニット"とインタビューで織田哲郎が振り返っているが、織田哲郎の経歴を紹介する際に使われているWHYを指して"プロデュースユニット"という形容は現在でも正直分かりにくいような…。プロデュースユニットという紹介では他者をプロデュースする制作集団みたいな意味合いで現在は理解されているだろうし、シンプルに3人組ロックバンド(ユニット)っていうなら現代でもすんなり理解されると思うんだけど。

そんなわけで今作は比較的ポップなメロディーにガツンとしたロックサウンドが炸裂する79年発売にしてはかなりストレートなロックなアルバム。08年のCD化の際に"早すぎたロックバンド"と形容されたが確かに現在では普通でも79年当時ではこういう姿勢で世に出てくるのは早かったんじゃないかと思う。多少の録音の古さはあるにしてもエレキギター中心のバンドサウンドは意外と聞きやすく、まだ若いが特有のくどさも既にある織田哲郎の歌声もよくハマっている。さすがに有名なヒット曲ほどのインパクトは無いにしても思った以上に古さを感じずにカッコよさを感じられるアルバムだった。

追加収録になった2ndシングル「Milky Baby」はピアノやアコースティックなサウンドが印象的な爽やかな曲調やアレンジになっていてアルバムでのロックなサウンドとは随分方向性が違う。アルバムが売れなかったのでこの時点で違う方向性を狙おうとしたものの結局これで終了になった…という事なのだろうか。

ホワイ/WHY+1  

印象度★★★☆☆

2019.2.2更新

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