ひこうき雲

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ひこうき雲 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ 2ndシングルC/W
2 曇り空 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ  
3 恋のスーパーパラシューター 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ  
4 空と海の輝きに向けて 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ 1stシングルC/W
アルバムバージョン
5 きっと言える 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ 2ndシングル 100位圏外
6 ベルベット・イースター 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ 7thシングル『翳りゆく部屋』C/W(カット)
7 紙ヒコーキ 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ  
8 雨の街を 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ  
9 返事はいらない 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ 1stシングル 100位圏外
アルバムバージョン
10 そのまま 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ  
11 ひこうき雲 荒井由実 荒井由実 荒井由実&キャラメル・ママ 1分未満のデモ音源

リリースデータ

1973年11月20日(LP)
1976年1月25日(カセット)
1983年11月28日(CD化)
1987年2月25日(CD再発)
1989年9月10日(ゴールドCD)
1993年3月21日(CD再発)
1994年7月27日(CD再発)
1998年6月24日(紙ジャケCD)
2000年4月26日(リマスターCD)
2013年7月31日(40周年記念盤CD+DVD)
2013年8月14日(40周年記念盤LP+CD+DVD)
2013年10月2日(2000年リマスター盤の廉価盤)
2018年9月24日(圧縮リマスター配信DL/ST)
2019年9月18日(ハイレゾリマスター配信DL/ST)
最高9位
最高26位
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最高113位
初登場12位
↑と合算
初登場204位
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売上25.9万枚
売上1.0万枚
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売上0.6万枚
売上1.0万枚
↑と合算
売上0.19万枚
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Produced by 村井邦彦 東芝EMI
アルファレコード
アルファレコード
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アルファレコード
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東芝EMI
EMI RECORDS
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荒井由実1stアルバム。1972年7月に「返事はいらない」でデビューしたがそこから1年以上空いて1973年11月5日に「きっと言えない」が発売されて今作が発売された。シングル2作4曲が全て収録されたが1stシングルの2曲はアルバムバージョンとなっている。また「ベルベット・イースター」は3年後にC/W(B面)としてシングルカットされている。キャラメル・ママというのはバンド名でメンバーはベース細野晴臣、キーボード松任谷正隆、ギター鈴木茂、ドラム林立夫の4人。加えてボーカル&ピアノで荒井由実というのが今作の基本編成となっている。当時はレコードで発売され、その後CDとして何度も再発されてきた。他の作品も同様だったが99〜00年にかけて一斉にリマスター再発され現行盤が統一された。現行CDは2000年にバーニー・グランドマンによるリマスターで再発された2000年盤となっており、2013年には全作品が廉価盤として期間限定で発売された。荒井由実時代は2000年、松任谷由実の80年代まで(『LOVE WARS』まで)は1999年のリマスターがCDでの最新リマスターとなるが、2013年のジブリ映画『風立ちぬ』主題歌に「ひこうき雲」が起用された事から、今作は2013年に40周年記念盤も発売されており、CD/LPでの最新リマスターは今作のみ2013年の40周年記念盤となる。

配信では2018年9月にGO HOTODAによる圧縮音源用のリマスターで全曲一斉配信され、1年後の2019年には同じくGO HOTODAによるハイレゾ用(24bit/96kHz)の新規リマスターで全曲配信された。現在はハイレゾ対応のDLサイト及びハイレゾ対応のSTサイト(Apple Music、Amazon Music)で24bit/96kHzのハイレゾ音源で聞く事ができる。

2013年の40周年記念盤でも改めてリマスターされているが聞いたのは2000年盤CD、そして2019年の24bit/96kHzハイレゾ用リマスターをAmazon Musicで改めて聞いた

元々が素朴な味わいのバンドサウンドで、2000年盤でもけっこう持ち上げている印象だったがGO HOTODAによるリマスターはさらに丁寧に綺麗に派手過ぎずに仕上げている印象。B'z松本とZARD坂井泉水がコラボした「異邦人」のC/Wで松田明子のボーカルで歌われた「雨の街を」以外は正直あまり知らず、2012年の40周年ベストのラスト付近に収録されたことでようやく「ひこうき雲」をちゃんと認識した程度だったんだけど、同じくベストに「ベルベット・イースター」を収録した一方で当時の1st、2ndシングル表題曲の影の薄い事…

感覚的には名曲「ひこうき雲」を中心としたアルバムといった印象だったので、後で調べたら「返事はいらない」と「きっと言える」がシングルだったと知って驚いた。一般的にも現在は「ひこうき雲」が収録されたアルバムというイメージになっているかと思われるが、当時からしばらくはあまり代表的な扱いはされていなかったようで、アルバムタイトル曲にして1曲目なのに内容が重めなせいか扱いが悪く、売れた後にリリースされたベスト盤『YUMING BRAND』に選曲されず、CD化されず廃盤になった『ALBUM』にも選曲されていなかった。公式がベスト盤で取り扱わなかった上、『YUMING BRAND』の続編としてレコード会社側が勝手にリリースした『YUMING BRAND PART.2』『YUMING BRAND PART.3』でも選曲されず、荒井時代の全42曲から『YUMING BRAND』シリーズ3作に合計34曲選出して選ばれなかった残り8曲の1曲という公式にも非公式にもベスト盤に選曲してもらえないような扱いだった。その後の非公認ベストでは選曲されるようになっていたが、公式では時を経て1996年に荒井由実名義で一時活動した際のライブで歌われ、ライブ盤『Yumi Arai The Concert with old Friends』にも選曲されており、この時に非公認でリリースされ後に公認作に昇格した『Super Best of Yumi Arai』では1曲目に選ばれていてヒットもしたので1996年に初めて後追いで広く聞かれる機会が生じたものと思われる。その後はコンセプトが合わない事もあってのベスト盤への選曲が無かったが、2012年に久々の大ヒットでミリオンを突破した『日本の恋とユーミンと。』では新録音曲を除く最終曲の位置に収録され、続けて2013年に前述のジブリ映画『風立ちぬ』主題歌起用で『日本の恋とユーミンと。』の売上を引っ張りあげるほどの注目を集め、40周年記念盤もリリースされ…という流れで一気に代表曲の地位を確立した感がある。

「ひこうき雲」や「ベルベット・イースター」が特に際立つが全体に各楽曲に大きな差は無く、3分前後の超コンパクトな楽曲が並んでいるのであっという間に聞き通す事が出来る。時代がおかしかったとしか思えない80年代のバブリーさと異なり、70年代の素朴な良さを感じられるサウンドは味わい深く、色褪せない良さがある。当時19歳とは思えない落ち着きや達観しているかのようなところもあって、どこか世間から距離を置いたかのような孤独さや空虚さも感じられる。1stにして既に才能は光っていた事が十分に分かる名作。

「返事はいらない」「空と海の輝きに向けて」は長らく入手困難で聞き比べが面倒だったが、配信では差し替えされずにシングルはシングルバージョンで配信されている。特に「返事はいらない」はだいぶ印象が変わっているが、ボーカリストとしても手探りな時期で1年以上開いていた事もあって、今作のバージョンの方がユーミンっぽいイメージになってきている感じはする。

B00005GMFM2000年リマスター盤  B00EZMG2SS2013年廉価再発盤  B00DIMSF7M40周年記念盤  B00DIMUING40周年記念盤(LP) 

印象度★★★★☆

2023.11.27 発売50周年(と1週間)を記念して修正

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