TWILIGHT IN CITY 〜for lovers only〜(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | about long night | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | 6/23先行配信 |
2 | drive alone | 池森秀一 | 山根公路 | 篠崎裕 | |
3 | off limit | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | 6/16先行配信 |
4 | urban honey night | 池森秀一 | 山根公路 | 大平勉 | |
5 | tokyo wind | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | |
6 | twilight chinatown | 池森秀一 | 山根公路 | 大平勉 | |
7 | cosmic rendez-vous | 池森秀一 | 山根公路 | 杉山洋介 | |
8 | cause | 池森秀一 | 山根公路 | 大平勉 | |
9 | dawn patrol | 山根公路 | 山根公路 | 小川清邦 | 山根公路ボーカル曲 |
10 | city Lights | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | |
BONUS TRACK | |||||
11 | 埠頭を渡る風 Live at Zepp DiverCity Tokyo | 松任谷由実 | 松任谷由実 | DEEN | 3rdカバーアルバム『POP IN CITY〜for covers only〜』収録曲 ライブ音源 ※初回盤・FC限定盤・通常盤・配信版で異なる |
※通常盤は「プラスティック・ラブ」
完全生産限定盤は「君は1000%」
配信版(DL/ST)は「悲しみがとまらない」
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
DEEN NEWJOURNEY TOUR “duo+”〜Ballads
in Love〜追加公演 2019/12/1 室町三井ホール |
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1 | 夢であるように | 池森秀一 | DEEN | 13thシングル セルフカバーベスト『Ballads in Love』収録Ver. | |
2 | MC | ||||
3 | もう泣かないで | 池森秀一・ 川島だりあ |
山根公路 | 41stシングル セルフカバーベスト『Ballads in Love』収録Ver. | |
4 | このまま君だけを奪い去りたい | 上杉昇 | 織田哲郎 | 1stシングル セルフカバーベスト『Ballads in Love』収録Ver. | |
5 | 星の雫 | 池森秀一 | 山根公路 | 6thアルバム『UTOPIA』収録曲 セルフカバーベスト『Ballads in Love』収録Ver. | |
6 | MC | ||||
7 | 君の心に帰りたい | 池森秀一 | 山根公路 | 2ndアルバム『I wish』収録曲 セルフカバーベスト『Ballads in Love』収録Ver. | |
8 | 君がいない夏 | 小松未歩 | 小松未歩 | 12thシングル セルフカバーベスト『Ballads in Love』収録Ver. | |
9 | MY LOVE | 池森秀一 | 山根公路・ 宇津本直紀 |
19thシングル セルフカバーベスト『Ballads in Love』収録Ver. | |
Music Video | |||||
10 | 悲しみがとまらない | 康珍化 | 林哲司 | 大平勉 | 杏里(1983)のカバー |
11 | 埠頭を渡る風 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 侑音 | 松任谷由実(1978)のカバー |
12 | プラスティック・ラブ | 竹内まりや | 竹内まりや | 大平勉 | 竹内まりや(1984)のカバー |
13 | 真夜中のドア/Stay With Me<Special Edit> | 三浦徳子 | 林哲司 | 大平勉 | 松原みき(1979)のカバー イラスト映像ショートサイズ |
リリースデータ
2021年7月7日 | 初登場6位 | 売上0.27万枚 | Produced by DEEN Co-Produced by 山口育孝 |
Epic Records |
メンバー
Vocal | 池森秀一 |
Keyboards,Back-up Vocals,Vocal&Chorus Arrangement | 山根公路 |
DEEN19thアルバム。『POP IN CITY〜for covers only〜』から半年ぶり、オリジナルアルバムとしては2年4ヵ月ぶり。シティポップのカバーアルバム『POP IN CITY〜for covers only〜』に続いて今作はシティポップのオリジナル曲で構成された作品となる。元々2020年に先に制作されていたのは今作でほぼ完成しつつあったが、A&R山口育孝の提案でシティポップのカバーアルバムを先に出そうという事になり、後から『POP IN CITY〜for covers only〜』が制作されていた。先行シングルは一切なく、2曲が先行配信されたが専用ジャケットは用意されずシングルとしてもカウントされていない。
極度な低レベル週だったため05年の『The Best キセキ』以来となる奇跡のトップ10入りを果たす結果となった。オリジナルアルバムとしては1st〜4th以来。前作より300枚ほど上昇したのみ、51位に終わった2016年の『Another Side Memories〜Precious Best U 〜』の初動よりも数百枚上回っている程度であり、今作の売上が好調だったわけではなく、C/W集で買い控えが発生した同作で記録した最低水準に並ぶところまで緩やかな下降を続けている状態である。また2週目には191位まで吹き飛び3週目には300位圏外となった。
初回盤は2019年に行われた2人+バイオリンの3人編成による東北ツアー「DEEN
NEWJOURNEY TOUR “duo+”〜Ballads in Love〜」の東京での追加公演から7曲を抜粋収録、前作収録曲のMV4曲を収録したBlu-ray付、スペシャル紙ジャケット仕様。この紙ジャケは『クロール』初回盤、『バタフライ』初回盤A、『POP IN CITY〜for covers only〜』初回盤と同じタイプのものとなっている。
完全生産限定盤はファンクラブ会員予約限定でメンバー2人の対談トーク「THE
FIRST TALK」を収録したDVD付、アナザーフォト・ブックレット封入。
初回盤、完全生産限定盤、通常盤、配信版の4種で全てボーナストラックのライブ音源が異なる。これは4月22,23日に開催されたばかりの「DEEN LIVE JOY-Break23〜POP IN CITY〜」の東京公演でのライブ音源で4曲とも『POP IN CITY〜for covers only〜』収録曲のライブバージョンとなる。アレンジはそのままだがライブ音源のみ編曲はDEEN名義に変更された。またこのライブは11月に『DEEN LIVE IN CITY 2021 〜City Pop Chronicle〜』として映像化され、同作品内で改めてまとめてライブCD化される事が発売翌月に判明した(要するに先行収録だった)。今回聞いたのは初回盤及び配信版(Amazon Music HDのハイレゾ音源)なので4つのボーナストラックのうち「埠頭を渡る風」と「悲しみがとまらない」のライブ音源は聞いた。
今作の方が先に制作されていた事もあり制作陣も『POP IN CITY〜for covers only〜』と同じ。アレンジは完全にアレンジャーに委ねられ、池森作曲撤退に続く山根編曲撤退も継続。基本バンド編成も侑音(ギター)、石田純(ベース)、矢野顕太郎(ドラム)で同じだが、ギターは「drive alone」では塩野洸一朗、「cosmic rendez-vous」では樋口直彦、「dawn patrol」では沢頭たかしが担当。またサポートドラマー矢野顕太郎は21年1月を最後に突如SNS、公式サイトの更新が停止、活動も停止、先のツアーBreak23ではドラムは北村望に交代になっていたが(ライブ音源のドラムは北村望)今作自体が2020年に制作が進んでいたためかアルバム本編は全て矢野顕太郎となっている。その後矢野顕太郎は8月29日にブログを更新して無事を報告。1月20日のライブ直前(DEENではない別のサポート)にくも膜下出血で倒れてそのまま入院していたとの事。なおDEENのツアーは1月22日から開始予定だったが新コロ延期とする事を1月7日に発表。恐らく当初は出演予定だったと思われるが、延期になっていなかった場合はライブ2日前に矢野氏が倒れて出演できなくなっていた事になる。
カバーアルバムでの方向性と同じオシャレなシティポップが全面展開する純然たるシティポップアルバム。02〜04年のAOR路線に接近したところもあり、2010年代のアンチエイジング路線からようやく年相応の大人の魅力や色気を発揮したようにも思える。AOR NIGHTのライブは定期的に行っていたのにAOR路線での新作を一向に作らないので不定期開催されるビルボードでのAOR NIGHTのライブは毎回同じ選曲ばかりになっていたという問題もようやく解消されそうだ。
総じて聞き心地のいい良質なシティポップアルバムではあるが、これまでDEEN's AOR、DEEN's ROCK、DEEN de SKA…などいろいろやっても必ずDEENらしさというのは滲み出ていてちゃんとDEEN's○○としてDEEN流になっていたが、今作はCITY POPではあるがDEEN's CITY POPではないように思う。いわゆるDEEN's的な要素というのはほぼ全部脱退した田川伸治のソロ作品に持っていかれてしまっているっぽいのは脱退後のソロアルバムを聴けば明確ではあるが、それにしてもここまでDEEN's要素が失われるとは…。これはやはり編曲丸投げの影響が大きいと思う。作曲できたはずの池森さんが作曲しなくなってほぼ10年、編曲できたはずの山根さんが編曲もしなくなってしまえばそれはDEEN's要素は当然無くなるだろう。ここまで来るとDEEN'sをマンネリと考えてあえて排除するのを狙っているのかもしれないが…。
アレンジ面はまあ複数人参加して幅も出せるし、なんとかなるといえばなるがここにきての作曲を山根さん全振りが地味にけっこう苦しくなってきている感じはあり、率直に今作はアレンジでなんとかいい感じに持っていけてはいるので雰囲気はいいんだけど1曲1曲で印象に残りにくいか、前もあったようなメロディーの感じがずっと続いている。山根さんはどちらかというとメロウな曲とかポップな曲とかストレートにメロディーの良さで勝負する曲を得意としている印象だが、今作のような時にメロディー以外のトータル感でオシャレに聞かせるような作風では池森さんの方が得意なんじゃね?と感じる部分も多かった。初期のC/Wを中心に見せていたR&B志向が強かった頃の池森さんの作風は今作にも通じるところがあったし、02〜04年のAOR路線以降は基本的に時乗浩一郎との共作だったが「太陽と花びら」を書いたのも池森さんである。シティポップ路線のアルバムを作るなら池森さんの作曲センスはマストだったのではないかと思う。3人時代末期というか時乗浩一郎がいなくなってからの池森さんは作曲者は2人(山根・田川)と言い放ち、2人になってからは作詞と作曲で完全分担してやっているからバランスがいいみたいな発言にまで至ってしまって最早全く作曲する気がないどころか作曲していたことすら忘れているかのような言動なのは残念。作曲も外部作家から募りつつアレンジには適宜参加するとか、分担にこだわらずに2人で曲を持ち寄るとか柔軟にやればいいのに、作詞作曲は分担で編曲は丸投げの一直線で自ら手札を減らして引き出しを狭めているというか…。
Blu-ray
「DEEN NEWJOURNEY TOUR “duo+”〜Ballads in
Love〜」は2019年晩秋『Ballads
in Love The greatest love songs of DEEN』リリース時に行ったツアーで、メンバー2人+バイオリンの加藤大貴の3人のみで東北を回ったツアー。演奏は同アルバムを再現したものとなっていて、タイトルにはNEWJOURNEYとあるがアルバム『NEWJOURNEY』はライブに関係が無く収録曲も一切披露されていない。このツアータイトルにおけるNEWJOURNEYとは文字通りの意味で今までにない新たな編成でのツアーである事からつけられたようだ。新コロがなければ東北編以外も2020年以降行うつもりだったのかもしれない。蕎麦森さんがこのタイミングで東北の蕎麦屋さんを集中的に攻めたかっただけという可能性もなくはない
ピアノ+ストリングス演奏のみのアルバムを完全再現したライブ…ではあるのだが、CDは基本的にカルテット(4人)編成であり、このライブではCDでは2nd Violinだった加藤氏が恐らくCDで下川美帆が担当していた1st Violinの生演奏を担当、残り3人分のパートは同期を流して混ぜるという手法を取っている。バイオリン1本にしては妙に複数感があって音が重なって聞こえたりヴィオラやチェロの音が混ざっているような気がするのは気のせいではない。これならメンバー2人+カルテット編成でライブすればいいのに…とも思うがそれだけ経済状態が厳しく、メインのバイオリン1本だけ生演奏にするのが限界だったという事だろう。かなり苦しげだが仕方ない…。
ピアノ+ストリングスでバラードというスタイルだがCDを原曲キーで頑張っていたので当然ライブも原曲キー。このためかなり体を動かしたり、超決死の表情での歌唱となっていて、声は出てはいるんだけどギリギリ感はある。ただ平メロよりサビの方が声が伸びていて「MY LOVE」では最後の部分も地声で歌唱するなど高音の伸びは引き続き好調で原曲キーを確かに取り戻したのが伝わる。しかし今までのキー下げしていたライブでの座り歌唱の時と違ってリラックス感やゆったり感は皆無で、終始力が入っているので、いくら原曲キーに戻せたからといってもこのようなシンプルなバラード編成なら普通に1つ2つ下げてもう少し余裕を持たせてリラックスして歌唱した方がスーッと聞けるんじゃないかとも思った。どうも長きにわたるキー下げ時代の池森さんの歌唱スタイルに慣れていると決死の表情が凄すぎて見ている方も力が入ってしまってリラックスできない。特に「夢であるように」と「君がいない夏」は過去のリメイクバージョンがアコースティック系のアレンジだった事もあり、こういうシンプルな編成ならキー下げの方がいいと思った。「このまま君だけを奪い去りたい」は下げると溜めたりズレたりサビでも声が伸びにくくなるというのを散々ファンは見てきているし、原曲キーになるとそれらが払拭されるので原曲キーの方がいい。このように曲によりけりだと感じた。
印象度★★★★☆
2021.8.28更新