EARLY 7 ALBUMS
タイトル | 区分 | オリジナル発売日 |
君が笑うとき 君の胸が痛まないように | 1stアルバム | 1990年10月25日 |
君は誰と幸せなあくびをしますか。 | 2ndアルバム | 1991年9月25日 |
君は僕の宝物 | 3rdアルバム | 1992年6月25日 |
SELF PORTRAIT | 4thアルバム | 1993年10月31日 |
PHARMACY | 5thアルバム | 1994年10月25日 |
Ver.1.OE LOVE LETTER FROM THE DIGITAL COWBOY | 6thアルバム | 1996年7月25日 |
UNDERWEAR | 7thアルバム | 1996年10月25日 |
リリースデータ
2012年9月19日 | 通販限定 | ワーナー |
槇原敬之、初期7作品アルバムBOX。1st〜7thまでのアルバムを24bit デジタルリマスター、SHM-CD仕様となっている。紙ジャケ仕様となっており、このデザインは98年の紙ジャケ発売時と同様だが、リマスターは初となる。再度ワーナーへ移籍した際の10th「太陽」、11th「Home Sweet Home」、12th「本日ハ晴天ナリ」の3作品も含めた10作品が11月に各2000円でバラ売りされる。BOXのみの特典はSHM-CDである事と14ページの対談ブックレットが付属することのみである。
デザイン
BOXとしてはかなり小さい。縦にやや長いのでラックには入らないが、BOXの厚みとCD7枚、対談ブックレット収納にも関わらずおおむね普通のアルバム3.5枚分程度の厚さしか無いのでBOXという割にはコンパクトである。各ジャケットは帯はついているものの見開きにすらなっていない厚紙。半透明シートに入ったCDと、1枚の紙にまとめられた歌詞カードが入っている。当時のブックレットは再現されていないので注意が必要だ。歌詞カードには演奏クレジットと作詞作曲編曲の表記までは1曲ごとに書かれているが、それ以上のスタッフクレジットは全てカットされている。また全英語詞の6thアルバムに関しては、改行も無くぎっしりと英語詞で埋められているのみで、訳詞はカットされている。個人的にはビーイングみたいにレコードサイズにした無駄にデカいのは正直扱いに困るし、開けるのも手間でなかなか聞かなくなってしまうので、これくらいの方がお手軽だし、場所も取らないので良い。ただそれで14700円もするのはコストパフォーマンスが悪いどころか、バラ売りの方が安くなってしまうのは問題だと思うけど。
音質
リマスターを担当しているのはワーナーの田中龍一というエンジニア。ワーナーの中では少なくともトップクラスのエンジニアのようだ。パッと聞きで分かるくらい音は大きく派手になっている。単にでかくなっただけではなく、各楽器が立体的になって聞こえるのでそれなりに音質が向上したと実感できる。シングル曲に関してはベスト盤等でリマスターされた曲もあるけど、それと比べても個人的には好印象である。ただ音圧競争の賛否はずっと言われている事でもあり(最近はマシになったとされているが)、旧盤に親しみがあるオールドファンは、うるさすぎると感じるかもしれないし、波形分析官には音圧上げ過ぎと言われそうな上げっぷりではある。なおSHM-CDに関しては音質をいじっているわけではなく、高級な素材を使っているのでよりCDが読み取りやすくなっているというものである(曲のデータ自体は同じ)。ゆえにi
podなど別のプレイヤーに移した時点でもう「SHM-CDによる高音質」は無関係となる。当然リマスターの方が音の違いは圧倒的に分かりやいし、さらにCDを聞くスピーカー、ヘッドフォン、イヤホンによる違いの方がこれまた圧倒的に分かりやすい。ゆえにSHM-CDの恩恵は未だ実感できていない。とりあえず何となく高級と言われるから高級なんだろうなというレベル。
対談ブックレット
以前からCDにライナーがある時には執筆を担当したり、02年には「うたう槇原敬之」という本も出版している槇原とは旧知のライターの1人である小貫信昭がインタビュアーという形式で、7作品を振り返っていく。バラ売りで買うと14000円なので700円分はSHM-CD化とこのブックレットにあるわけだけど、14ページは少ない印象。それなりに興味深い話も出てくるけど、値段を考えるとどうもなぁ…。曲が書けない時期を抜け出して「MILK」が書けて復活した時に一緒にいたライターというのはここでは名前は出ていないが、松野ひと実のことでこの人は04年に「槇原敬之の本。」を出版していてそこで自分の視点でこの時のことを振り返っていた。今回は槇原が自分の目線で当時を語っているんだけど、神様にお願いして歌手になれたのに文句を言ったから神様がもう歌わせないと感じるためのフィルターを抜き取ったから曲が書けなくなり、反省したから書けるようになったとしている。また車で迷った先に横浜ベイブリッジの夜景に感動して家に帰って書いたのが「MILK」「彼女の恋人」とされている。しかし、当時の松野さん視点では悩みを相談し合っているうちに槇原は「MILK」という曲が出来たと宣言しており、その後で車で迷って夜景を見て感動して完全復活し、家に帰って「MILK」を形にして寝る前にもう1曲浮かんで「彼女の恋人」を書き上げたとされていた。この一連の流れにおいて神様について槇原が語っている描写は無かった。以前から神様に祈るような曲はあったけど、なんでもかんでも神様神様言い出したのはどうも近年のように感じている。描写の食い違いもそこから来ているのだろうか。
というわけで安く済ませたいならバラ売りの方が良い。コンパクトにまとめたくてSHM-CDという高級感ある言葉の響き、そして14ページ対談ブックレットが欲しいなら700円上乗せしてBOXというのがいいと思う。個人的にはリマスターが聞きたいのが前提で、収納スペースのコンパクト化が最大の目的だったので、コンパクトなBOXでそれなりに満足である。ただ顧客のメルアド流出、公式予約特典のライブとやらが単なるスペースシャワーTVの収録の観覧抽選枠と後で判明(スペシャHPで応募可能)、発売告知が2週間前、公式限定と思いきやさらに発売直前でAmazonや新星堂のWebショップで買えると判明(公式では1000円送料が上乗せされる)するなど発売前後の事務所対応がグダグダだったのは今後大丈夫なのかちょっと不安だ。
印象度★★★★☆