ベスト!モーニング娘。20th Anniversary(初回盤B)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | みかん | つんく | つんく | 鈴木Daichi秀行 | 35thシングル 最高6位 売上3.9万枚 |
2 | リゾナント ブルー | つんく | つんく | 鈴木Daichi秀行 | 36thシングル 最高3位 売上5.6万枚 |
3 | ペッパー警部 | 阿久悠 | 都倉俊一 | 笹本安詞 | 37thシングル 最高4位 売上4.6万枚 ピンク・レディーのカバー |
4 | 泣いちゃうかも | つんく | つんく | 大久保薫 | 38thシングル 最高3位 売上5.0万枚 |
5 | しょうがない 夢追い人 | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 39thシングル 最高1位 売上5.4万枚 |
6 | なんちゃって恋愛 | つんく | つんく | 大久保薫 | 40thシングル 最高2位 売上7.0万枚 |
7 | 気まぐれプリンセス | つんく | つんく | 大久保薫 | 41stシングル 最高4位 売上4.5万枚 |
8 | 女が目立って なぜイケナイ | つんく | つんく | 鈴木Daichi秀行 | 42ndシングル 最高5位 売上4.4万枚 |
9 | 青春コレクション | つんく | つんく | 大久保薫 | 43rdシングル 最高3位 売上4.1万枚 |
10 | 女と男のララバイゲーム | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 44thシングル 最高6位 売上4.8万枚 |
11 | まじですかスカ! | つんく | つんく | 宅見将典 | 45thシングル 最高5位 売上4.1万枚 |
12 | Only you | つんく | つんく | 大久保薫 | 46thシングル 最高4位 売上4.1万枚 |
13 | この地球の平和を本気で願ってるんだよ! | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 47thシングル 最高2位 売上5.6万枚 |
14 | 彼と一緒にお店がしたい! | つんく | つんく | 大久保薫 | 47thシングル初回A,B,C,通常盤のみC/W |
15 | ピョコピョコ ウルトラ | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 48thシングル 最高3位 売上3.4万枚 |
16 | 恋愛ハンター | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 49thシングル 最高3位 売上4.9万枚 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | One・Two・Three | つんく | つんく | 大久保薫 | 50thシングル 最高3位 売上11.0万枚 |
2 | The 摩天楼ショー | つんく | つんく | 鈴木俊介 | 50thシングル両A面曲 |
3 | ワクテカ Take a chance | つんく | つんく | 大久保薫 | 51stシングル 最高3位 売上8.9万枚 |
4 | Help me!! | つんく | つんく | 大久保薫 | 52ndシングル 最高1位 売上10.4万枚 |
5 | ブレインストーミング | つんく | つんく | 大久保薫 | 53rdシングル 最高1位 売上10.7万枚 |
6 | 君さえ居れば何も要らない | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 53rdシングル両A面曲 |
7 | わがまま 気のまま 愛のジョーク | つんく | つんく | 大久保薫 | 54thシングル 最高1位 売上15.9万枚 |
8 | 愛の軍団 | つんく | つんく | 大久保薫 | 54thシングル両A面曲 |
9 | 笑顔の君は太陽さ | つんく | つんく | 大久保薫 | 55thシングル 最高1位 売上16.1万枚 |
10 | 君の代わりは居やしない | つんく | つんく | 大久保薫 | 55thシングル3A面曲 |
11 | What is LOVE? | つんく | つんく | 大久保薫 | 55thシングル3A面曲 |
12 | 時空を超え 宇宙を超え | つんく | つんく | 大久保薫 | 56thシングル 最高1位 売上13.2万枚 |
13 | Password is 0 | つんく | つんく | 大久保薫 | 56thシングル両A面曲 |
14 | TIKI BUN | つんく | つんく | 大久保薫 | 57thシングル 最高2位 売上14.2万枚 |
15 | シャバダバ ドゥ〜 | つんく | つんく | 大久保薫 | 57thシングル3A面曲 道重さゆみソロ |
16 | 見返り美人 | 石原信一 | 弦哲也 | 鈴木俊介 | 57thシングル3A面曲 道重以外の歌唱 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 青春小僧が泣いている | つんく | つんく | 江上浩太郎 | 58thシングル 最高2位 売上10.9万枚 |
2 | 夕暮れは雨上がり | つんく | つんく | 鈴木俊介 | 58thシングル3A面曲 |
3 | イマココカラ | 青木久美子 | 高取ヒデアキ | 大久保薫 | 58thシングル3A面曲 |
4 | Oh my wish! | つんく | つんく | 大久保薫 | 59thシングル 最高2位 売上14.9万枚 |
5 | スカッとMy Heart | つんく | つんく | 鈴木俊介 | 59thシングル3A面曲 |
6 | 今すぐ飛び込む勇気 | 児玉雨子/ 三浦徳子 |
泰成 | 浜田ピエール裕介 | 59thシングル3A面曲 |
7 | 冷たい風と片思い | つんく | つんく | 大久保薫 | 60thシングル 最高1位 売上15.3万枚 |
8 | ENDLESS SKY | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 60thシングル3A面曲 |
9 | One and Only | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 60thシングル3A面曲 |
10 | 泡沫サタデーナイト! | 津野米咲 | 津野米咲 | 鈴木俊介 | 61stシングル 最高2位 売上12.1万枚 |
11 | The Vision | つんく | つんく | 大久保薫 | 61stシングル3A面曲 |
12 | Tokyoという片隅 | つんく | つんく | 大久保薫 | 61stシングル3A面曲 |
13 | セクシーキャットの演説 | つんく | つんく | 大久保薫 | 62ndシングル 最高1位 売上10.5万枚 |
14 | ムキダシで向き合って | 星部ショウ | Jean Luc Ponpon &星部ショウ |
Jean Luc Ponpon | 62ndシングル3A面曲 |
15 | そうじゃない | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 62ndシングル3A面曲 |
英訳詞:ALISA(9)
ストリングスアレンジ:クラッシャー木村(10)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | BRAND NEW MORNING | 星部ショウ | Jean Luc Ponpon &星部ショウ |
Jean Luc Ponpon | 63rdシングル 最高2位 売上9.0万枚 |
2 | ジェラシー ジェラシー | つんく | つんく | 大久保薫 | 63rdシングル両A面曲 |
3 | モーニングみそ汁 | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 63rdシングル初回生産限定盤SPのみC/W 1stシングル「モーニングコーヒー」の替え歌リメイク |
4 | 邪魔しないで Here We Go! | つんく | つんく | 大久保薫 | 64thシングル 最高2位 売上12.0万枚 |
5 | 弩級のゴーサイン | 児玉雨子 | 星部ショウ | Yocke | 64thシングル3A面曲 |
6 | 若いんだし! | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 64thシングル3A面曲 |
7 | Are you Happy? | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 65thシングル 最高1位 売上13.0万枚 |
8 | A gonna | つんく | つんく | 大久保薫 | 65thシングル両A面曲 |
9 | フラリ銀座 | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 66thシングル 最高2位 売上12.2万枚 |
10 | 自由な国だから | つんく | つんく | 大久保薫 | 66thシングル両A面曲 |
11 | Y字路の途中 | 大橋莉子 | 大橋莉子 | 高橋修平 | 66thシングルC/W |
12 | 私のなんにもわかっちゃない (モーニング娘。'15 Ver.) |
つんく | つんく | 大久保薫 | 初回盤Bのみ収録 15thアルバム『N
Thank you, too』収録曲('17名義) '15名義(2015年メンバー)での未発売バージョン 初収録 |
13 | 冷たい風と片思い(TYPE B) | つんく | つんく | 前嶋康明 | 初回盤Bのみ収録 60thシングルアナログ盤限定C/W 別アレンジ 初CD化 |
14 | 憧れのStress-free (モーニング娘。'18 Ver.) |
つんく | つんく | 平田祥一郎 | 初回盤Bのみ収録 ハロプロ・オールスターズ シングル モーニング娘。'18のみのバージョン 初収録 |
15 | 自由な国だから(TV EDIT) | つんく | つんく | 大久保薫 | 初回盤Bのみ収録 別バージョン 初収録 |
16 | 恋してみたくて | つんく | つんく | 平田祥一郎 | 新曲('18名義) |
17 | I surrender 愛されど愛 | つんく | つんく | 大久保薫 | 新曲('19名義) |
Rapアレンジ:U.M.E.D.Y(2)
緑=初回盤Bのみ収録
リリースデータ
2019年3月20日 | 初登場1位 | 売上4.4万枚 | Produced by つんく♂(DISC1,2(「ペッパー警部」以外)) | Zetima |
メンバー表記なし
譜久村聖 | 9期 | 45th〜 |
生田衣梨奈 | 9期 | 45th〜 |
石田亜佑美 | 10期 | 48th〜 |
佐藤優樹 | 10期 | 48th〜 |
小田さくら | 11期 | 52nd〜 |
野中美希 | 12期 | 58th〜 |
牧野真莉愛 | 12期 | 58th〜 |
羽賀朱音 | 12期 | 58th〜 |
加賀楓 | 13期 | 63rd〜 |
横山玲奈 | 13期 | 63rd〜 |
森戸知沙希 | 14期 | 64th〜 |
卒業メンバー | ||
久住小春 | 7期 | 〜41st |
亀井絵里 | 6期 | 〜44th |
ジュンジュン | 8期留学生 | 〜44th |
リンリン | 8期留学生 | 〜44th |
高橋愛 | 5期 | 〜47th |
新垣里沙 | 5期 | 〜49th |
光井愛佳 | 8期 | 〜49th |
田中れいな | 6期 | 〜53rd |
道重さゆみ | 6期 | 〜57th(「見返り美人」は不参加) |
鞘師里保 | 9期 | 45th〜60th、DISC4-12 |
鈴木香音 | 9期 | 45th〜61st、DISC4-12 |
工藤遥 | 10期 | 48th〜64th、DISC4-12 |
尾形春水 | 12期 | 58th〜65th、DISC4-12,13 |
飯窪春菜 | 10期 | 48th〜66th、DISC4-12〜16 |
モーニング娘。7thベストアルバム。20周年記念作でシングルA面主体のベスト盤としては4作目、C/W集やリテイクベストを含めると通算7作目。01年の『ベスト!モーニング娘。1』、04年の『ベスト!モーニング娘。2』を踏襲したタイトル、ジャケット写真となっているがこの2作の続編ではなく、07年10周年を記念して発売した『ALL SINGLES COMPLETE〜10th ANNIVERSARY〜』の直接の続編で、「みかん」以降が収録範囲となっている。インディーズデビュー(97年)、メジャーデビュー(98年)いずれの20周年も過ぎ去り、メジャーデビューから21周年も過ぎ去って(19年1月)のリリースとなった。
初回盤A・通常盤はDISC-1冒頭に新曲「I
surrender 愛されど愛」「恋してみたくて」を配置し、以降は全シングルから1曲ずつリリース順に収録したCD2枚組。両A面のもう1曲、3A面の残り2曲はカットされ、基本的にはシングル1曲目が収録されているが、55th、63rdのように1曲目を選ばずに3曲目や2曲目が選ばれているシングルもある。初回盤Aは2018年8月12日に出演したフェス「rockin'on
presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」のライブ映像を収録したDVD付。
初回盤Bは全A面曲をリリース順に網羅した4枚組。こちらは新曲「恋してみたくて」「I
surrender 愛されど愛」は順番を変えてラストに配置された。また終盤には未発表の別バージョン4曲も追加収録されている。
「彼と一緒にお店がしたい!」はMVも作られ両A面のように扱われていたが、高橋愛卒業記念盤にこの曲の代わりに高橋愛のソロ曲を収録してしまったためC/W扱いになっていた(発売直前に変更になったとも言われている)。このためC/W集である『モーニング娘。'14 カップリングコレクション 2』に既に収録済みだったが、A面に準じる扱いとして今作初回盤Bにも収録されたため、唯一C/W集とA面集の両方に収録された曲となった。「モーニングみそ汁」は初回生産限定盤SPのみC/WながらもMVが作られた楽曲、「Y字路の途中」はシングルではAdditional Track扱いで全種共通のC/Wとして収録されていた楽曲だがこれらも例外的に収録された。C/W枠が『モーニング娘。'14 カップリングコレクション 2』リリース後に事実上消滅してほぼ全部をA面扱いしてきたため、アルバム未収録になっているC/Wはこれで「Password is 0(モリ娘。 ver.)」、AKB48のアルバムに収録されていた曲をシングルカットの形でそのままモーニング娘。のCDにも収録したサシニング娘。名義の「Get you!」の2曲のみとなり、通常の楽曲は全て収録された事になる。
ブックレットには何の記載も無いが、公式サイトに掲載された名義が異なっており、「恋してみたくて」は'18名義、「I surrender 愛されど愛」は'19名義となっていて録音時期が2018年か2019年かの違いがある模様。歌唱メンバーの記載が無いため詳細は不明だが、尾形春水が18年6月、飯窪春菜が18年12月で卒業しているため、少なくとも飯窪の参加の有無が2曲で異なる事になる。また「恋してみたくて」の録音が18年6月以前とかなり前なのであれば尾形春水の参加の有無も変わってくるが詳細は不明。
「私のなんにもわかっちゃない」は元々2015年にライブで披露されていた楽曲だが、シングルにはならずアルバム発売もしばらく無かったため未発売のままになり、2年後の2017年のアルバム『N Thank you, too』に'17名義で収録されたがこの際にはメンバーが変わっていた(鞘師里保のコーラスパートはそのまま使用していたがメインボーカルには不参加)。しかし2015年にも当時のメンバーでレコーディングしており、今回収録されたのは2015年録音の未発表音源。『N Thank you, too』時には卒業して不参加になっていた鞘師里保・鈴木香音の2名が参加している。「冷たい風と片思い(TYPE B)」は別アレンジバージョン。当時リリースされたアナログ盤限定で追加収録されていた音源で初CD化。「憧れのStress-free(モーニング娘。'18 Ver.)」は18年9月にハロプロ・オールスターズ名義でリリースした3A面シングル『YEAH YEAH YEAH/憧れのStress-free/花、闌の時』の2曲目。モーニング娘。'18のみで歌唱したバージョンで初収録。「自由な国だから (TV EDIT)」は現時点での最新シングルの別バージョンで初収録。
43rd、44thの間にリリースされたくら寿司との企業コラボでむてん娘。(モーニング娘。)名義でリリースされた「あっぱれ回転ずし!」はアルバム未収録のままとなった。2014年の『モーニング娘。'14
カップリングコレクション 2』にはC/Wの「くら寿司
ビッくらポン!」は普通に収録されていたため、A面だけ取り残される形となった。これに関しては本気で忘れられた可能性が…。
また2013年以降はアルバム未収録になってしまっていたシングルが多く大半の楽曲がアルバム初収録となった。これは『The Best!〜Updated モーニング娘。〜』時点でアルバム初収録のシングルは田中れいなを筆頭に直近で卒業したメンバー抜きの当時の現メンバーで再録音して収録していた事と、その後つんくが体調を崩してアルバム制作に至らなくなってしまったのと複数A面の連発により大量のアルバム未収録シングルが発生していたため。「ワクテカ Take a chance」〜「君さえ居れば何も要らない」の4曲は『The Best!〜Updated モーニング娘。〜』で新たなメンバー構成でボーカルリテイクされていたため、シングルバージョン(オリジナルメンバー歌唱)でアルバム初収録。アルバム収録時にアルバムバージョンになっていた「ジェラシー ジェラシー」もシングルバージョンではアルバム初収録。そして「愛の軍団」、「シャバダバドゥ〜」〜「そうじゃない」、「モーニングみそ汁」、最新オリジナルアルバム以降の「Are you Happy?」〜「Y字路の途中」が完全アルバム初収録となる。
大量のアルバム未収録シングルを含めて一気に聞くことができる便利アイテム。しかし複数A面の連発による弊害であまりに未収録シングルが溜まりすぎたため、膨大な4枚組となり、ベスト盤として楽しむというより、資料的価値の高いBOX作品集みたいになってしまった…。しかも今回は20周年を掲げたのに後半10年だけで広く知られたヒット曲も皆無、昔のベスト盤を踏襲しているのにその続編では無く、別タイトルのベスト盤の続編という分かりにくさなので事前の確認が必須だ。とりあえず『ALL SINGLES COMPLETE〜10th ANNIVERSARY〜』と今作初回盤B、2作揃えば20年分のシングルA面コンプリートという手っ取り早さなのに、ここまで分かりにくくできるのも逆に凄い。
残念だったのが今回ブックレットはただ歌詞が並んでいるだけ。参加メンバーの記載が無いのは『ALL SINGLES COMPLETE〜10th ANNIVERSARY〜』も同じだったが、前回は代わりに歴代メンバーのインタビューが一緒に掲載されるなど読み応えのある内容だっただけに今回何も無さすぎて本当に資料のようだ…。
個人的にちょうど前ベストが出たタイミングで「みかん」から再度聞き始めたので一応全曲リアルタイムではあり、聞けば思い出す曲も多かった。懐かしいというよりいつの間にかこんな大量に出ていたんだなと改めて驚いた。
今作の前の05年に久住、07年に光井、ジュン・リン加入し、この間に先輩たちが徐々に卒業していき、2011年に9期が入るまでは新メンバー加入もなかったがほぼメンバーが固定状態でパフォーマンスを磨いていた時期。いわゆる「プラチナ期」と呼ばれ、コアなファンが存在していた時期だ。明るく元気な「みかん」を最後に阿久悠が亡くなった翌年に阿久悠過剰賛美の流れに乗るかのように何故かピンク・レディーカバーに走るという謎展開もあったが、それ以外は大人っぽくてカッコいい雰囲気のアーティスト路線な楽曲がしばらく続く。どれも似たような感じがするつんく節全開だがこの時期はある程度の幅を見せながらも統一感がある。逆に久々に明るいアイドルポップに挑んだ「青春コレクション」は王道アイドルソングでAKB48が大ブレイクしてきた流れの中では悪手すぎたというか、これじゃ絶対勝てねぇ…と曲にしてもMVや衣装のダサさにしても思ったのを記憶している。「リゾナント ブルー」が個人的にはこの時期の最高峰。
9期加入以降は若返りを図り、「まじですかスカ!」でいきなり変にはじけたと思ったら、これまでのアーティスト路線とはじけたハイテンションな明るい路線を行ったり来たりするようになり、この間に歌唱面で引っ張っていた高橋愛、新垣里沙、田中れいななど6期以前のメンバーが次々いなくなっていき、残るは6期の道重さゆみと9期、そして10期という構成に変化。これがDISC-1終盤からDISC-2冒頭にかけて。連続で聞くと急に若返ったり、それ以前の感じに戻ったりするので過渡期的な印象を受ける。
DISC-2に入ると急に売上が10万を突破するようになり、長らく遠ざかっていた1位を連発、やがて"再ブレイク"としてメディアで紹介されるようになり、"EDM"、"フォーメーションダンス"という言葉と共に現在のモーニング娘。がいかに最新鋭で凄いのかがやたらアピールされるようになった。10万枚を突破するようになったのは複数商法を現代に合わせたシステム化を図ったのが最大の要因だったと思う。再ブレイク煽りには正直かなり違和感があった。後年つんくは複数商法に抵抗があった事を振り返っているが、このDISC-2の頃はC/W違いで全部別の新曲を用意するなど1人でかなり無謀な事をして1種ごとに価値を持たせようとしていたのも印象深い。
EDM期になるとチャッチャッチャチャッチャー♪という音符連打みたいなよりリズムに乗せた歌いまわしが増えたのでメロディアスさには著しく欠けるようになり、メロディーに関してはキメの部分やギミックなどのインパクトポイント以外はほとんど印象に残らなくなってしまった。完全にパフォーマンスとサウンド重視になっていて、CDにおいては完全にアレンジが軸になっているように思う。大連投となった大久保薫こそがこの時期最大の功労者じゃないかと思う。DISC-2の中ではピアノを切り刻む編集を施したアレンジが光る「時空を超え 宇宙を超え」はダントツで印象的。
DISC-3の時期になると再ブレイクを煽るようなメディア展開は無くなったのと、14年始めに『モーニング娘。'14 カップリングコレクション 2』リリースを機に無謀なC/W違い複数商法を終了させ、3A面や全種BOX売りなど商法をマイナーチェンジして固める事で上げた売上を維持したまま新曲制作の負担を減らす事に成功。さらにつんくの病気も重なり、つんくが総合プロデュースを降りたことで外部提供が入るようになった。チャッチャッチャチャッチャー♪なつんく曲が続く中だと「イマココカラ」が恐ろしくメロディアスに聞こえるし、「LOVEマシーン」聞いてた世代の津野米咲提供による「泡沫サタデーナイト!」はディスコなモーニング娘。が久々に帰ってきて今作の中で一際存在感を放っていると思う。
DISC-4の「BRAND NEW MORNING」は「愛の種」から20周年を迎える2017年にBRAND NEWを銘打った上で非つんくで挑むという意欲的な楽曲だったのでいよいよつんく以外が増えるのかと思ったがそこから後半にかけては普通につんく節が延々続くようになった。レア曲や新曲も概ね印象は変わらず。やはりチャッチャッチャチャッチャー♪なつんく曲が続く中だと「Y字路の途中」が恐ろしくメロディアスに聞こえる。ただ非つんくであるこの曲をAdditional扱いしていたところを見るに、やはり外部よりもつんくが本流という考えでやっていくつもりっぽい。最後まで大久保薫、そして平田祥一郎が多用されていて今後もあまり変化がなさそうなところは気になる。特に初回盤A・通常盤では「BRAND NEW MORNING」を外してつんく曲の「ジェラシー ジェラシー」の方を収録するなどけっこう露骨な事をしているし、つんく以外をメインにしてBRAND NEWな方向性に挑むつもりは無くなったっぽい。
そんなわけである程度の変化はあるけど、前半10年に比べれば独自の作風を完成度を上げながら狭く深堀りしていくといったような印象に落ち着く。同系統の方向性で連投に次ぐ連投といった印象が強く、なかなか1曲ごとに印象に残していく事は困難だが、ハマればハマるんだろうなとも思う。今作収録曲の大半を知らない場合はまずは通常盤の方を試し聞きして、気に入ったら保存版として初回盤Bの方を買う…とかそういう段階を踏んだ方がいいかもしれない。
初回盤B(4CD) 初回盤A(2CD+Blu-ray) 通常盤(2CD)
印象度★★★☆☆
2019.6.1更新