ここにはないもの/乃木坂46

2022年12月7日
Type-A,B,C,D,通常盤
初登場1位 売上77.1万枚
初登場6位 売上1.0万DL(ここにはないもの)
初登場1位 売上0.56万DL(Special Edition、アルバム扱い)

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3ヶ月強ぶりのシングル。年内卒業、卒コンのみ2023年開催予定とする齋藤飛鳥の最終参加シングル31stシングルにして今作を最後に1stシングルからの参加メンバーはいなくなる。1期生としては秋元真夏が最後の1人となるが、秋元真夏は加入後即休業となっていたため、活動開始は4thシングル以降で、1st~3rdシングルまでの参加者は全員いなくなることになる。その次の鈴木絢音は11thシングルからの参加(楽曲参加は11th、特典映像では2期生紹介映像収録の7thが初登場)となり、その次は3期生の17th以降となる。

Type-A,B,C,D,通常盤で3曲目が異なる。
A~DのBlu-ray「真夏の全国ツアー2022 明治神宮野球場」3~4曲ずつとメイキング映像を4分割収録。行われたライブとメイキング映像のみのため特典映像用に新規に制作された映像は無い。

前作に続いてMV収録が廃止されている。発売までにYouTubeで公開されたMVは4本で今までより1本少なかったが、発売後にメンバー自作によるMVが1本公開された。また通常盤はCDのみのため通常盤のみC/WにMVは制作されないのが慣例だったが、今作では通常盤のみC/WのMVが制作された。

配信版は全曲を網羅したSpecial Edition。先行配信は無く、CDと同時配信。今作の配信と同時に前作の通常盤を配信するというのは今まで通り(Special Editionにはカラオケが無いので通常盤を配信する事で共通2曲と通常盤のみC/W1曲の合計3曲だけはカラオケが配信されるというくらいしか意味はない)。

体調不良による休業で前作不参加の早川聖来は10月に復帰して今作にも参加

今作のA~DのBlu-rayに収録されているのは8月29~31日の3日間開催された「真夏の全国ツアー2022 明治神宮野球場」からのライブ映像だが3日間の初日である29日公演アンコールにてステージから落下して救急搬送された掛橋沙耶香は治療のため休止としていたが一向に復帰せず、11月に完治はまだ先になると初めて本人コメントを発表

清宮レイは9月に体調不良のためグループ活動の一部を当面休止すると発表。

これに伴い、今作には掛橋沙耶香、清宮レイは不参加。清宮レイは完全休業ではなく一部出演は続けている。

5期生は2作連続で5期生曲のみの参加となった(前々作で中西アルノがいきなりセンターになったのみ)

1.ここにはないもの

柴田柚菜、岩本蓮加、阪口珠美、筒井あやめ、早川聖来、林瑠奈、弓木奈於
田村真佑、久保史緒里、梅澤美波、秋元真夏、鈴木絢音、金川紗耶
賀喜遥香、遠藤さくら、齋藤飛鳥、山下美月、与田祐希

齋藤飛鳥卒業センター。よって1期生が残り2人の状態では最初で最後のシングルとなった。字余り早口フォークソング風な平メロからサビは「サヨナラの意味」を筆頭に数々の乃木坂46王道な名曲を彷彿とさせるような別れと旅立ちの歌。ソロ曲がパッとしないものの、こっちはバッチリ合わせにいった感じで気合も入っている。齋藤飛鳥は橋本奈々未と仲が良かったというか慕っていたと記憶しているが、その橋本の卒業シングル「サヨナラの意味」のセンターを引き継ぎ、橋本と同じ24歳で卒業というのはなんとなく橋本が卒業した年齢までと決めていたのかなと思うところもある(橋本は23歳で卒業を発表し、「サヨナラの意味」も23歳でリリース、翌年2月20日の卒コンの日が24歳の誕生日だった)。「サヨナラの意味」は卒業ソングとして正直完璧すぎて、西野の「帰り道は遠回りしたくなる 」も生田の「最後のTight Hug」も系統が近い曲を出してもなかなか越えるどころか並ぶまでも行かないような強い1曲だけど、今回は越えるまでは行かなくても今までで最も匹敵するところまでは行ったんじゃないかという感覚はある。

4期の田村、弓木が同級生だし、3期には年上もいるし、和田まあやと齋藤飛鳥は15周年を28歳で迎えられるので年齢的にもそんなに無理ではなかった(真夏さんが現在29歳だし)だけに目指してほしかったなぁというのはどうしてもある。残念。
★★★★☆

2.悪い成分

伊藤理々杏、北川悠理、黒見明香、佐藤楓、佐藤璃果、中村麗乃、松尾美佑、向井葉月、矢久保美緒、吉田綾乃クリスティー

アンダー曲センターは中村麗乃。5期の参加が無く、1期2期のアンダー常連組は全員卒業し、3期4期のみとなったが、選抜メンバーの卒業も相次いだ事3期4期の選抜も増加した事で人数がジリ貧しており11名となった。

「インフルエンサー」系統のシリアスでカッコいいダンスナンバー。随所のフィン!フィン!音にはアーリー90’s感も…。歌い出しなど随所で聞ける中村麗乃のソロパートがなかなかな美声。そもそも歌唱力を見せる機会があまりなかったがここに来てようやく歌唱上位メンバーだった事が知られるようになってきた。この人に関しては初期のビジュアルが髪型ももっさりしてて若干ぽっちゃりに見えてしまうのもあって目立たなかったのと、初期の学力テストで和田まあや以上にヤバい成績になってしまった上に、本人が割と本気で嫌がる&テンパったのかバナナマンとの話が通じないといういわゆるおバカキャラとしては全く笑えない立ち振る舞いをしてしまったがために、極端な話「バナナマンとのやり取りががズレすぎて会話が成立しないほど頭の悪いヤバい奴」くらいなマイナスイメージになってしまったのがとにかく良くなかった。実際は凄くスタイルが良いし、普通にしていれば学力はバレないし、会話も盛り上がる普通にアイドルとして能力高めのいい子だったわけだけど、ようやくセンターで輝く時が来たかと思えば感慨深いものはある。
★★★☆☆

Type-Aのみ
3.これから

齋藤飛鳥ソロ曲。ソロは2017年3rdアルバムの「硬い殻のように抱きしめたい」に続く2曲目。外部参加を含めると2017年、2022年にMONDO GROSSOに単独ゲストボーカルとして参加した2曲があるので合計4曲目となる。2016年「裸足でSummer」で表題初センターになる少し前から少人数のユニット参加が増えていたが白石麻衣ラストの『しあわせの保護色』C/Wだった「ファンタスティック3色パン」(『映像研』主題歌ユニット)を最後にユニット参加がピタリ止まっていた。選抜での最前やセンターはやっていたものの急にユニット参加が無くなったこの時点で既に後進に道を譲る流れにはなっていたのかもしれない。

安定量産型の卒バラ。秋元康の興味の持ち具合(?)で本人の心情への寄せ具合にかなり差が出る事があるとはいえ、今回はまあ普通に寄せにいった感じではある。ただそろそろ旅立つ時だから行かなきゃ系(超訳)は正直ある程度長く在籍したメンバー誰にでも当てはまるものであり、それこそ生駒以降の1期2期生だったら誰が歌ってもその子に合わせて書かれた歌詞だと思えてしまいそうでもある。ヘロヘロ歌唱必至なメロディーラインといい、どうもちゃんと齋藤飛鳥に合わせに行っていないようにも思えてくる。歌い上げるタイプじゃないのは誰もが分かっているはずだし、もう少し低音域で余裕を持たせた方が齋藤飛鳥の歌声が生かせるだろうし、決意の強さも滲み出たと思うんだけど…。このメロディーでこのキーだと正直オーバー気味、ギリギリ過ぎてなぁ…。MONDO GROSSOの方がよっぽど齋藤飛鳥のボーカルの良さを理解していたのは確かだろう。

MVでは過去の映像も盛り込まれているが、表題初センターで最後の紅白でも歌う「裸足でSummer」ではなく、雨の演出と共にアンダーでの初センター「扇風機」の映像と重ねる演出を入れるなど他よりも「扇風機」を原典的な演出にしているところはグッとくる。そしてバラードなのに終盤そんなに踊るとは思わなかった。
★★★☆☆

Type-Bのみ
3.銭湯ラプソディー

梅澤美波、山下美月、与田祐希、金川紗耶、田村真佑

3期4期のユニット。
策士家秋元康は策士か手抜きか時々とんでもないアホ歌詞を出してくるが今回は久々に破壊力が凄いアホ歌詞。ただ風呂に入りに行く模様だけで歌詞にしてしまい、よりによってライブで歌う1番の歌詞に服を脱いで裸になるというくだりをそのままストレートに綴る始末。アイドルに何歌わせているんだ。しかも脱ぐくだりだけで“洋服を脱いで 下着も脱いで 真っ裸になったらGO! GO! 大事なとこ タオルで隠し”などとBメロ5行も浪費する始末。しかも脱いで桶で湯をかけるところまでなのでまだ湯船に入っておらず、サビの途中でようやく湯に浸かる。湯に浸かるまででこんなに文字数を費やせるのはさすがプロの作詞家と捉えるべきなのかどうなのか。2番では失恋の傷を風呂で癒そうみたいな主張に切り替わるだけに、1番の歌詞のアホさが加減が余計際立つ。乃木坂46のライブの特性上、シングル発売後のミニライブ以外で楽曲をフルサイズ披露する事はほぼ皆無で、特にこんなユニット曲がフル披露される機会は2度と無いと思われる。毎回ライブで”洋服を脱いで 下着も脱いで 真っ裸になったらGO! GO! 大事なとこ タオルで隠し”を歌わされるのか…酷い話だぜ…。曲はポップでいいだけに歌詞が酷すぎる。
★★★★☆

Type-Cのみ
3.アトノマツリ

遠藤さくら、賀喜遥香、北川悠理、林瑠奈、弓木奈於

緩めのHIP HOP風のトラックに北川・林がラップ、遠藤・賀喜・弓木がメロディーと完全に役割分担。メロディーパートもBメロ部分はソロパート回しになっているので5人全員のソロパートを聞く事ができる。アイドルとHIP HOPという点では現代よりも昔の雰囲気でそれこそSMAPが90年代のアルバムでやっていた「A Day in the Life」とか「Trouble」辺りを凄く思い出す

メンバー自作のMVが制作されたのは14thシングルC/W「遙かなるブータン」以来だろうか。今回は編集も林瑠奈(題字は北川)がやっているようでより手作り感が強い。
★★★★☆

Type-Dのみ
3.甘いエビデンス

伊藤理々杏、久保史緒里、中村麗乃、柴田柚菜、林瑠奈

歌唱力に定評のある3期4期の5人によるユニット。久保は加入当初から生田とデュエットに抜擢されるなど高い評価、柴田は4期の中でも埋もれ気味に思えたが『スター誕生』で明らかに歌唱力が発見された感があり躍進、林も加入前から軽音部在籍で加入当初から扱いが良かったが、今回アンダーセンターの中村、同じくアンダーの伊藤も選ばれていて本当に歌えるメンバーのみというのはこれはこれで珍しい。全員伸びやかで綺麗なソロパートが聞けるので安心して聞ける。爽やかなアイドルポップもいわゆるSMAP感、90年代的な王道アイドルソングで聞き心地がいい。ていうか今作、飛鳥ソロと5期曲以外はどれも90年代の王道アイドル感というメンバーにとっては昔の曲風な感じの曲が多いのではないか。
★★★★☆

通常盤のみ
3.17分間

五百城茉央、池田瑛紗、一ノ瀬美空、井上和、岡本姫奈、小川彩、奥田いろは、川﨑桜、菅原咲月、冨里奈央、中西アルノ

5期生曲。センターは川﨑桜。毎回違うメンバーをセンターに選んでいるが、一ノ瀨や池田より先に川﨑桜は意外だった。岡本・奥田・川﨑辺りは万年アンダーになりそうだなと思っ

どこか懐かしい要素の曲が並んだ今作においてはこちらはド王道48系アイドルポップ。坂道よりも全盛期AKB48のC/Wとか姉妹グループとかで量産されていたようなド王道タイプ。HKT48の次のシングルと言われればそのまま納得できる

元々通常盤はCDのみなので通常盤C/WのMVは制作されないのが慣例だったが、MV収録が無くなったためか最初からMVが制作された。時の止まった世界など独特の要素はあるもののの、これも量産型の王道的な学園モノ。
★★★☆☆

Blu-ray

Type-A

真夏の全国ツアー2022 明治神宮野球場
好きというのはロックだぜ!
ジコチューで行こう!
君に叱られた
Making of 真夏の全国ツアー2022 明治神宮球場 #1

3曲と少ないが、賀喜遥香の長い曲前MCも収録しているのでこれが1曲分に該当するような感じで収録時間自体は他と変わらず、10分弱のメイキング込みでどれも30分前後。夏のツアーは直近のシングル曲センターがそのままセンター的な扱いをされることが多く、今回は発売直後の「好きというのはロックだぜ!」が賀喜遥香センターだった。さらに前年にも賀喜遥香センター「君に叱られた」があったので最後の長いMCも任されたという形でこの2曲はまあこのツアーから抜粋するにはマストというかハイライトの1つだろう。「ジコチューで行こう!」は最近のライブBDでも毎回収録されていてもういいよ…って感じではあるんだけど、かつて初センター「裸足でSummer」で神宮に立った齋藤飛鳥が結果的にこれが最後の夏ツアーという事を考えると最後である事に価値があるといった寸法。「ジコチューで行こう!」は2年後の2度目のセンターで迎えた夏のシングルだが、間奏でのかくれんぼのような振付と与田との絡みがあったりもするし。

Type-B

真夏の全国ツアー2022 明治神宮野球場
Under’s Love
バンドエイド剥がすような別れ方
ジャンピングジョーカーフラッシュ
僕が手を叩く方へ
Making of 真夏の全国ツアー2022 明治神宮球場 #2

和田まあやのラストセンター曲→5期→4期→3期と『好きというのはロックだぜ!』収録の最新C/Wを一挙まとめて収録。アンダーライブの映像化はアルバム特典以外でされた事が無くいつされるのかも分からないので、ここで全体ライブでのラストステージ収録はまあ当然といっていい扱いだと思う。逆に選抜の樋口の最後の扱いが…というのはあるけど…。去る功労者ばかりピックアップしてもしょうがないので今後を担う3期4期5期曲という収録も分かりやすい。

Type-C

真夏の全国ツアー2022 明治神宮野球場
ごめんねFingers crossed
Actually…
深読み
好きになってみた
Making of 真夏の全国ツアー2022 明治神宮球場 #3

「ごめんねFingers crossed」は直近のドームBDでも1曲目を飾ったばかりだが、遠藤さくらも賀喜遥香と並ぶ4期生2度のセンター経験者なので今回全く収録しないというのもおかしいのでピックアップしておかないと…という感じか。問題作となった「Actually…」の中西アルノセンター復帰という雄姿も避けるわけにはいかない。ただ明らかに初披露の46時間、初期MV(シングル特典のみ収録)でのアルノ映しまくりな構成から一転してセンターなのにアルノがなんかあまり映らなくて元々はその他大勢扱いされていたメンバーを中心としたカメラワークにしているのは気のせいではなさそうだ。『Actually…』C/Wの2曲も初映像化。「深読み」は齋藤飛鳥センターだが正直卒コンでも披露するかどうかっていうくらい微妙な扱いになりそうだし、貴重な映像になるかも。山下美月センターの「好きになってみた」は冒頭に謎茶番があったり、曲が始まるとしれっと全員曲になっていたりするが、ソロパートでは山下センターの存在感を発揮。これもあんまり定着しそうにないので貴重な映像になるかも。

Type-D

真夏の全国ツアー2022 明治神宮野球場
孤独な青空
泣いたっていいじゃないか?
羽根の記憶
Sing Out!
Making of 真夏の全国ツアー2022 明治神宮球場 #4

こちらは趣向を変えて中盤アコースティックギターのみの伴奏でリアレンジし、ステージ中央でキャンプファイヤーしながら歌唱するコーナー日替わり3日分と続けて3日間固定披露されていた「Sing Out!」というキャンプファイヤーアコースティックバージョン4曲収録。「孤独な青空」は29日で掛橋沙耶香が転落する前の時間(アンコールで事故が起きた)、明確に掛橋沙耶香の元気そうな姿が映っているのを確認できる。「孤独な青空」は林瑠奈「泣いたっていいじゃないか?」は賀喜遥香「羽根の記憶」は久保史緒里がメインボーカルを担当し、曲前に神宮ライブ前日付のブログに綴った神宮ライブへの思いの朗読をしたVTRが流れ、歌い出し&ラストサビ頭をソロ歌唱、それ以外の部分はメンバーが数人ずつ回してサビは合唱というスタイル。

賀喜遥香は実質このツアーのセンター(最新シングルセンター)、久保は生田卒業後は選抜での筆頭歌唱メンバーで「46時間テレビ」では同曲のピアノ弾き語りに挑んだというトピックがある中で、林が大抜擢。これは新4期生は神宮でのライブが初(神宮より先に東京ドームを経験した唯一の存在が新4期生という事にも…)というトピックから新4期生の中では音楽的評価が高いという事での抜擢か。

アコースティックギターでの新規録音された伴奏は新鮮だが、ギター弾けるメンバーの中にこれくらいまでなら弾けるメンバーがいるなら生演奏の方が熱かったのになとは思う。「Sing Out!」は間奏ギターソロや2本以上重なった部分、ラストサビは簡易なバンドサウンドまで入ったので無理にしても向井葉月辺りならこのくらいまでの演奏力ありそうだけどな。

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