The Voice 2
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 原曲・備考 |
1 | 手紙〜拝啓 十五の君へ〜 | アンジェラ・アキ | アンジェラ・アキ | アンジェラ・アキ(08年) |
2 | in the sky | Я・K | Я・K | 工藤静香への提供曲(98年) 2度目のセルフカバー 1度目は2ndアルバム『深愛〜only one〜』収録(01年) |
3 | なごり雪 | 伊勢正三 | 伊勢正三 | かぐや姫(74年)、イルカ(75年) |
4 | リフレインが叫んでる | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実(88年) |
5 | 空と君のあいだに | 中島みゆき | 中島みゆき | 中島みゆき(94年) |
6 | Hello,Again〜昔からある場所〜 | KATE | 藤井謙二/小林武史 | MY LITTLE LOVER(95年) |
7 | こわれそうなこの夜に | 河村隆一 | 河村隆一 | 新曲 ライブでは披露されていた曲の初音源化 |
8 | 帰りたくなったよ | 水野良樹 | 水野良樹 | いきものがかり(08年) |
9 | 明日のために | 上木彩矢 | 大野愛果 | 上木彩矢(07年) |
10 | Searching for the light | 河村隆一 | 河村隆一 | 河村隆一 with 銀河英雄伝説 Choir 配信限定シングル 初CD化 |
リリースデータ
2012年8月8日 | 初登場40位 | 売上0.3万枚 | Produced by 河村隆一 | avex |
河村隆一4thカバーアルバム。2011年にリリースされた洋楽スタンダードの日本語カバーアルバム『THE VOICE』の第2弾として発売されたが、今回は女性ボーカルJ-POPヒットのカバーとなっており、06,07年にリリースした邦楽カバー『evergreen〜あなたの忘れ物〜』、『evergreen anniversary edition』に近いコンセプトになっている。「in the sky」は工藤静香のカバーという扱いで公式に表記されているが、自身の提供曲であり、既に1度セルフカバーもしているため、2度目のセルフカバーである。「こわれそうなこの夜に」はライブでは披露していた未CD化曲の初CD化。「Searching for the light」は自身が主演した舞台のテーマ曲として書き下ろして配信限定でリリースしていた楽曲の初CD化。アレンジャー表記が無いが、全曲固定のバンドメンバーによる生演奏になっており、鍵盤には今回も葉山拓亮が入っている。DVD付には「Searching for the light」のPVを収録。DVD付もCDのみも高音質のHQCDとしてリリースされた。これはSHM-CD、Blu-spec CDなどと同様の高級素材による通常プレイヤーで再生可能なCDの1種である。発売告知が公式サイトで行われたのみで、エイベックス側のサイトの更新は1年前の『Fantasia』の情報を最後に放置されたままだった。
レコード会社がサイト更新を放置するほどに全く宣伝しなかったのでさっぱり売れなかった上にレンタル屋でも入荷が見送られる始末だったが、選曲は有名曲の連発で宣伝次第では徳永英明並のヒットまでは行かなくてもオリジナルより売れて久々のヒット!というのも夢ではなかったと思う。前3作のカバーアルバムでは濃厚な歌唱が前面に出過ぎており、まったりこってり濃すぎて最後まで聞くのが辛い…というところがあったが、今作ではそこを大幅に改善。派手さは無いが確かな固定バンドによる生演奏でメロディーの良さを前面に出しつつも飽きさせない適度な味付けをしたのと、河村隆一にしては以前よりもスッキリした歌い方をしているので、かなり聞きやすくなっている。特にバンド演奏のライトさが良い。2度目のセルフカバーになった「in the sky」も明確に01年当時よりも今の方がいい!と言える勢いがある。ストリングスは数曲でしか使っていないがあくまでバンド演奏の補助的に使っており、ヒットシーンに見られるような演奏を覆い尽くすような濃厚な使い方はしていない(人数が少ないというのもあるけど)。「帰りたくなったよ」では原曲と同様にストリングスを使っているが、こっちの方がサウンドバランスがいいと思う。唯一残念なのは「Hello,Again〜昔からある場所〜」だけはピアノとベースだけのシンプルな編成になっているところで、この曲こそ今回の路線でのフルのバンド演奏で聞きたかった。JUJUもストバラ改変してしまっただけに、今回のバンドでカバーしていれば原曲準拠の名カバーが生まれていた可能性もあったと思うが…原曲のアレンジがあまりに完成され過ぎているので真っ向勝負は避けたのか?そして幅広く知られた曲が並んでいる中で、格段に知名度の低い「明日のために」が今作の中で最も勢いの溢れたアップテンポナンバーとして起爆剤になっているのがまた面白い。ていうか河村隆一もよくこの曲知ってたな…。何はともかく過去3作のカバーアルバムを聞いたことがあるけど苦手だった人もここ数年レンタルにすら入荷されないので聞かなくなってしまい河村隆一が何やってるのかさっぱり知らない人にもお勧めできる非常に外に開いたカバーアルバムだと思う。ただDVD付の方はPV1曲だけな上に、ほとんどスタジオリハの模様を編集しただけのやっつけPVだったので、CDのみで十分。そして滅多に発生しない近隣のレンタル屋入荷全滅という憂うべく状況だったので(LUNA SEAとしては現役でトップ10ヒットしている歌手なのに…)、たぶんよほどでかいレンタル屋が近所に無い限りは買うしかないかもしれないが、それだけの価値はあると思う。
印象度★★★★★