15thAL 全開恋心!!~Missing You~

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15thAL 全開恋心!!~Missing You~

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2015年7月29日
1年7ヶ月ぶりのオリジナルアルバム。ここのところ夏は47都道府県ツアーやリゾートライブが続いていたため、それに合わせた『クロール』や『マリアージュ』など企画的なアルバムが続いていたが、『ROAD CRUISIN’』以来の通常の編成でのオリジナルアルバム。さらにはリゾートや47ではない通常のBreakツアー「LIVE JOY-Break19~全開恋心~」を8~9月にかけて夏に久々開催。その後に10月に武道館ライブとなった。結果的に次の2作が通常と異なる制作体制でのオリジナルアルバムとなったため、宮野和也・HIDEがDEENのオリジナルアルバムのレコーディングに全面的に参加したのは今作が最後となった。

“すべてがLove Song 恋するあなたへ贈るDEENからのLove Letter”と銘打たれ、リスナーの夏の恋を盛り上げたいとも発言していて妙に若々しい作風となった。若々しさを意識しているというかインタビューによればベテランという意識が無いという事らしいが、出会いたてのような若いカップルを描いたような曲が多いためにどうにも浮かれた感じで深みが無く、そもそもファンの大半がもうけっこういい歳になっているのを失念しているかのようでもあった。

当サイト限定で勝手に呼んでいるこのアンチエイジング路線、ついていけなくなって聞かなくなったリスナーが多かったようで、当サイトの影響でDEENを聞き始めましたといった20周年頃まではちょくちょくあった反応がこの頃からめっきり途絶えた。武道館ライブ前に読者さんとちょっと会うみたいなのも最盛期は5,6人以上集まっていたが、20周年を境に無くなった。

初回盤は2014年12月31日の「LIVE JOY-COUNTDOWN SPECIAL~マニアックナイトW(‘0’)W~」ライブをフル収録したBlu-ray付。定番がどんどん増えていき、ルーティン化しつつあった活動内容にやや変化を見出そうとし始めたのがこの時期でこの2014年末のカウントダウンライブではシングル表題曲を除いたC/Wとアルバム曲の中からライブで1度も演奏していないか、久しく演奏していない楽曲のみを集めたマニアックナイトを開催。当初一夜限りとしていたが好評につきシリーズ化して3年連続カウントダウンライブで開催された。

またDVD付、Blu-ray付の同時発売を経ずにアルバム特典がいきなりBlu-rayのみへと切り替えられた。Blu-ray再生機器は意外と浸透が遅く、再生できないファンもまだまだ大量にいたと思われ、ここでの急な切り替えで特典映像難民が続出したとかしないとか…。

1.君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている<全開Mix>

42ndSg 君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている
42nd 君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている2014年10月1日10ヶ月ぶりのシングル。2014年の日本武道館公演直前のリリースとなり、ここから3年連続でこの時期に日本武道館公演を前提にして制作したシングルを発売、当日C/W含めて...
既出シングル3曲は全て全開Mixとなりミックス変更されているが、なんとなく響きが違うかな…程度。

2.千回恋心!<全開Mix>

43rdSg 千回恋心!
43rdSg 千回恋心!2015年6月24日1ヶ月後のアルバム『全開恋心!!~Missing You~』の先行シングル。キャッチコピー(初回盤シールと通常盤の帯に記載)は"恋したい、すべてのあなたへ…"。特に蕎麦森以降はYouTubeやTV...
今作もなんとなく響きが違うかな…程度。

3.スマイリン

作詞:池森秀一、作編曲:田川伸治
日テレ系旅番組「ぶらり途中下車の旅」テーマ曲。「Crossroad」から引き継いで7~9月に使用された。「Crossroad」が山根曲だったのに対してこちらは田川曲としっかり作曲者も交代。軽やかなポップナンバー。単曲で聞くといつもの王道ポップな感じだが、アルバム内で唯一のストリングス4名が参加しているのがこの曲。

全曲ラブソングのコンセプトもあり、歌詞は落ち込んでいる君を明るくポップに励ます内容。サビ頭に”ぶらりと出かけよう”と持ってくるタイアップ職人っぷりが炸裂。長い番組の歴史の中でもサビ頭に番組タイトル最初の3文字を持ってきた前例は意外となかったのではないか。

Break19ツアーではアルバムから全曲演奏して1ツアーポッキリとなった今作のアルバム曲の中では上海ロックスターと並んで2015年武道館でも演奏されたので「ぶらり途中下車の旅」効果もあってか、一応アルバム代表の1曲といえる。
★★★☆☆

4.君の笑顔を感じながら

作詞:池森秀一、作編曲:田川伸治
前向きな別れを選択した失恋ソング。夢のために別れを選んで違う場所へと旅立ったが心の中には君の笑顔がある…みたいな。恐らく夢を追って上京した時の心境を思い出しながら「FOR MY LIFE」とは別の視点で(いつか迎えに行くという気持ちは無い)構築した歌詞なのかなと。サビの広がりのあるメロディーはなかなかよく、今作の中では若々しすぎないので気にせずに聞ける1曲。
★★★★☆

5.雨道…

作詞:池森秀一、作編曲:山根公路
マイナー系でサビになると加速して夏の雷鳴的な勢いを轟かせる。別れそうな危機を描いており、とにかく直接会って話したい失いたくないと激しい感情のままに君の元へ向かうまでを描いている。サビでの狂おしいまでの愛情は果たして相手にとってはどうなのか…結末は描かれずに終わってしまうが、タイトルが「雨音」ではなく「雨音」というこの余韻が何を意味するのだろうか。
★★★☆☆

6.Emerald Ocean

作詞作曲編曲:田川伸治
田川ソロ。サポート無しの1人オケ制作打ち込みナンバー。メインはギターなんだけど歌うようなオシャレなギターに落ち着いた曲調。アルバム全体のバランスを考えて“ホッとできるお昼寝タイム”とも形容していた。ファルセットでの英語詞の歌詞もコーラス的に配置されており、前作はスキャットなので作詞表記が無かったが今作では作詞も田川伸治になっていて英語詞も記載されている。DEENでは初の田川作詞クレジットにもなった。

アレンジはさっぱりしているのに意外と延々と続いてなかなか曲が終わらず、6分を突破してしまうという今作ではダントツ最長楽曲。色々と新境地なソロ曲になったが、以降の田川ソロに通じていく作風の変化でもあった。ここからガラッとハードロックやらなくなったもんな…。
★★★☆☆

7.ジェットコースター

作詞:池森秀一、作編曲:山根公路
冒頭のシングル2曲だけで「スマイリン」以降はそんなにアンチエイジング路線じゃないじゃん…と思っていたところ、ここから全開アンチエイジング路線に振り切っていく。君に振り回され、ケンカしたり仲直りしたりやっぱり君が好き(超訳)という浮かれポンチ(死語)な感じのアップテンポなポップロックナンバー。なんとなくだけど「君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている」とも系統が近く、同時期とか同じような方向性でさらにはじけてもう1曲みたいな感じも。
★★★☆☆

8.ハイビスカス

作詞:池森秀一、作編曲:田川伸治
夏と恋に浮かれる男子を描いた全力で若々しくはじけたサマーポップナンバー。

“サーフィンが大好きで仕事はあまりしたくないっていう主人公で、夏は海と君がいればパラダイス……みたいな。桑田(佳祐)さんまでいけないけど、ああいうちょっとエロスな夏の歌を僕が表現したらどうなるんだろうっていうチャレンジでもありました”

とインタビューでコメントしていたが、桑田さんのエロ曲路線とはかけ離れていてやはり性格の違いは出る。池森さんが必死に頑張っても浮かれポンチ(死語)っぽくなって全く違うものになってしまう辺り、夏のお祭り系ナンバーを40代50代でも発表し続けていた桑田さんの凄さとある種の狂気も改めて感じる。

軽快なノリの曲だが何故か間奏ではブルースっぽくテンポダウンするところは面白いアクセントになっている。ただやっぱらしくない事はするもんではないとは思う。
★★★☆☆

9.ありのまま抱きしめよう<全開Mix>

42ndSg 君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている
42nd 君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている2014年10月1日10ヶ月ぶりのシングル。2014年の日本武道館公演直前のリリースとなり、ここから3年連続でこの時期に日本武道館公演を前提にして制作したシングルを発売、当日C/W含めて...
冒頭2曲に比べると音の響きがそこそこ変わっていて3曲の中では分かりやすい。

10.Wild Road Dreamers~上海ロックスター Episode 1.5(High School編)~

作詞:山根公路・上海ロックスター、作編曲:山根公路
前回に続いて作詞を共作名義、Additional Musician枠でVocal&Blues Harp:上海ロックスターとクレジット。初回盤BDのクレジットではサポートメンバーとは別枠でGuest Vocal&Guitar:上海ロックスターとして別人扱いを徹底している。

前作が外伝だったので再度Episodeへ戻ったが1ではなく1.5とここに来てシリーズ延命を図った?謎の0.5刻みとなった。高校時代の爽やかな恋愛を振り返る内容。タイトルに反して高校時代が遠くなりすぎたせいなのか高校生活っぽさは無いし、曲調も普通のフォーク風味のポップス。良くも悪くもインパクト重視だったシリーズの中では前作で完全に迷走したまま戻ってこれなくなった。今回は普通にメロウないい曲になってしまい、山根公路ソロで発表されても不思議ではないというかそっちの方が自然なくらい。

1に行かずに1.5としたものの、今作を最後に上海ロックスターシリーズの新曲制作は停止。この曲の演奏自体はBreak19と2015年武道館のみで終了。ツアー中に『有吉反省会』に爽やかなイメージのDEENで爽やかじゃないメンバーがいるというけっこう強引な理由でTV的な味付けをして山根さんが”反省”するという企画があったため、ツアー中に1度だけ“禊”として同じ回に出演していたPENICILLINのO-JIRO風のメイクにしてこの曲を演奏するという公演があった(ライブはOA前だったのでその場にいた観客はなぜこうなったのかを少し後のOAで正確に知るという流れ)。この模様は放送でも少し流されたが映像収録のない地方公演だったのでライブ映像化はされていない。

上海ロックスター本人のライブでの登場はもう少し続いていて、2016年の武道館ライブがバラードナイトだったので出番が無かった事をネタにしてカウントダウンライブで一夜限りの「恨み節武道館ロッケンロール」なんていう未発売曲を演奏した事はあったが映像化のみでそれっきり新曲は出ていない。次のアルバム2作が企画作で結果的に3人での通常のオリジナルアルバムは今作が最後となってしまい、2人になってからそこまでふざける余地がなかったりで普通に山根ボーカル曲として発表しているため、上海ロックスターを入れる余地もなくなってしまった。

初代で描かれた「上海ロックスター」は60歳くらいと設定されており、今作のインタビューでもその設定は生きていた。新作が止まっている間に山根さん本人にその年齢が迫っており、Episode1から現在に戻して区切りをつけるタイミングはそこしかないようには思うが…。でも1.5をこれにしてしまったのでEpisode 1となると中学時代以前を描かなくてはいけなくなり、初恋純情路線みたいになってますますロックから遠ざかってしまって物凄く難しそうだし、シリーズが止まった理由もたぶんそういった行き詰まりにありそう…。

ライブでは2022年のBreak24で「LOVERS COCERTO~上海ロックスター Episode2~」を演奏して久々に復活、30周年武道館では原点回帰の「上海ロックスター」を演奏するなどライブでは再度アンコールの定番に復活してきているのでEpisode1も近い…かも。池森さんが確かロックスターの初登場時は60歳くらいで今は72,3歳らしいという事を喋っていたが、2006年の初登場から17年も経っているのに干支1周くらしか経っていない感覚だったのだろうか。
★★★☆☆

11.With

作詞:池森秀一、作編曲:山根公路
アルバムラストを飾るバラード。サポートを入れない3人だけのアコースティック編成手紙という形式で君への思いを綴ったラブソング。平メロのインパクトは薄く、ストレートな愛の言葉が並んでいるのを手紙形式で一工夫している感じではあるが、高音で歌い上げるサビには力強さがある。高音の張り上げは明らかにここに来て2000年代よりも力強さが増していてその強みを生かしたメロディーだと思う。少し前は低くて歌いにくそうな曲もあったが、池森さんのボーカルが高音の方が好調になってきた変化も踏まえてメンバー2人もそこを意識して作曲するように変わってきた感じもあったのかも。少なくとも2002~2007年辺りにこのサビはちょっと無理だろうし。

このサビの高音続きな感じ、後に「Journey」でちょっと似たようなメロディーに転用している感じもある。
★★★☆☆

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