29thSg STRONG SOUL
2004年6月30日
前作から2ヶ月でのリリース。前作の発売は2月18日に告知されたが、3月になると「東京ヴェルディ1969」のイメージソングを担当すると発表、3月21日の試合会場で初披露され、関東ローカル深夜ながらも日本テレビでOAもされたので前作より先に今作の存在が知られていた。
ジャケ写にちょっとB’z稲葉み(?)があるような…無いような…。なんかこの勢いのままultra soulに続く新曲STRONG SOUL!ハァイ!!とかやりそ
『Power of Love』から「夢で逢えたら」を除いてカラオケバージョンの名称がInstrumentalになっていたが、今作ではoff vocal versionへと名称が変更された。
初回盤はNew ALBUMレコーディングドキュメンタリー&LIVE trackを収録したDVD付、1day staff応募券封入。
DVDは現在までも唯一となる各メンバー自宅スタジオ内でのデモ収録やスタジオでのレコーディングの模様が収録されている貴重映像となっている。田川・山根双方デモ段階ではフェイクイングリッシュ(英単語をそれっぽく並べただけで意味は通らないデタラメ英語)で歌唱しており、池森の元に届けられたデモをフェイクイングリッシュでデモ歌唱した後に徐々に本歌詞やタイトルが出来上がっていく。この映像では田川伸治のデモのクオリティが非常に高く、既にほとんどバンド演奏のように完成された状態で打ち込みされている様子が示され、池森さんも作りこみの凄さに感嘆していて性格が出ているとコメント。またデモの段階での田川歌唱映像も初めて公開されており、本人はヘタクソな歌と自称しているが、脱退後から歌いまくってシンガー路線になってしまった事を思うと元々歌いたかったものと思われ、何とも味わい深い自嘲気味な一言である。
また時乗浩一郎がディレクションしているレコーディング映像もあり、2012年以降この立場の人が不在になってしまったのはかなり大きかったのではないかと改めて感じる。デモが制作されているのは主に「ミラクルボーイ!」、「Good Good Time!!」というアルバム用の新曲。いずれも田川曲で、この2曲はデモ段階から完全に編曲:田川伸治状態である。『Diamonds』以降は編曲をDEEN名義にせずに個人名義に変えるようになるが、あれは作り方を変えたのではなく実態に即した表記に変えたという事なのだろう。
山根さんも1曲デモを制作している様子が出てくるがこの曲は…なんだ?手を横に振りながらタ~ララ~ラ・タ~ララ~ラみたいな手振りを交えてライブでの盛り上がり方を想定している事を説明しているがこれに該当する完成曲は見当たらない。直後にデモ歌唱っぽい「STRONG SOUL」のオーオオオーオオオラオラーララがBGMとして流れるため、タ~ララ~ラ・タ~ララ~ラがオーオオオーオオオラオラーララに発展・改変されて「STRONG SOUL」のパートになった…?だとしても変えすぎて面影が…。そもそも山根さんまずはサビだけ作るって言ってサビとしてタ~ララ~ラ・タ~ララ~ラを作ってたのに過程飛ばし過ぎでしょ…
その後に収録されているLIVE trackというのは前作初回盤DVDにダイジェストでサビのみ収録されていた1月の韓国公演から「空もハレルヤ」のライブ映像をフル収録。ライブ映像自体は『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』に収録されたが、今作には何故「空もハレルヤ」の収録理由を語った池森単独インタビューが加えられている。元々はライブ音源としてCDに入れたいと提案していた事、世相を踏まえて平和への祈りを込めたい(超訳)という思いが語られているがこれはイラク戦争が背景にあったためと思われる(「これだけ報道されている」としかコメントしておらず具体的な言及はしていない)。なおこの「空もハレルヤ」はアコースティックコーナーで演奏したため、CD音源とは異なるアコースティックバージョンである(3人だけではなくベースもドラムもコーラスも参加している)。間奏では池森ハーモニカソロが聞けるほか、間奏後のサビではko-saku,入日茜の単独ソロ歌唱も聞けたりとけっこう貴重な音源。
STRONG SOUL
作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN&時乗浩一郎
東京ヴェルディ1969創立35周年イメージソング。今作は久々のロック調でAOR路線ではないため、当時事務所グッデイに所属していたPICK2HANDからハゼ(Drums)、酒井勇也(Bass)をリズム隊に招いている。同年デビューした藍坊主にとっては音楽性や年齢的にもDEENよりも距離が近い先輩バンドであり、両バンド共に既にグッデイを離れているが2020年にドラマーが脱退した藍坊主はサポートドラマーにHAZE氏を迎えている。時乗浩一郎や入日茜なんかもそうだがグッデイ離脱者は離脱した後に当時の縁から離脱者同士で共演しがちの法則がある。
当時の東京ヴェルディ1969から三浦淳宏、高木義成、日テレ・ベレーザから小野寺志保、酒井與恵、小林弥生、日本テレビアナウンサー森麻季がオーオオオーオオオラオラーララ…の合唱部分のコーラスに参加。この模様は今作ではなく『ROAD CRUISIN’』初回盤DVDでレコーディングのメイキング映像が収録されている。
久々にドカドカっとしたドラムが響き渡る正統派のポップロック系ナンバー。これならライブメンバー(宮野和也とHIDE)をレコーディングに呼べば良かったようにも思うが、事務所のあれやこれやもあったのだろうか。前作より前から一応TVでも少しOAされていたのと、エレキギターが最初から最後まで引っ張っていくのもかなり久々だったし。当時はそろそろ爽快なロック系を聞きたいと思っていたので発売当時は聞きたかった感じの曲が久々に聞けてけっこう嬉しかった。結果的には2006年以降のDEEN’S ROCKを先取りしたような方向性となり、ライブでは主に後半メドレーでの登場を中心にしてAOR期終了後のライブでもそこそこの登場頻度となった。
普通に応援歌的な楽曲としても聞けるが、歌詞はかなりヴェルディを意識していて“緑の光”などチームカラーを取り入れていたりするので、知らずに聞くとここで何故緑の光が踊り出すのか、環境系の意味合いでも含まれているのかと謎になってしまうところもある。
なお東京ヴェルディ1969は1993年のJリーグ発足当初はヴェルディ川崎、読売グループがバックにいたので読売ヴェルディなどという呼び方も主に系列の日テレ・読売新聞等で使用されていて、2年連続優勝、カズやラモスを筆頭にスター選手も多く在籍していて野球で言うところの巨人軍みたいなポジションの印象だった。2ndシングル「翼を広げて」は日テレのJリーグ中継タイアップになっていたが、読売グループとの関連からデビュー当初に接点があったともいえる。そんなJリーグ開始当初No.1チームの印象だったヴェルディだが90年代後半以降は低迷していき、読売も離れ、拠点も変わって東京ヴェルディ1969に代わり、今作の頃は例年10位前後、2004年も1st/2nd/総合全て9位と変わらなかった。
しかしこの2004年天皇杯では突如1996年以来の優勝をぶちかますなど盛り上がりを見せた。DEENが応援歌担当しているシーズンにまさかの優勝ォォォ!!と思ったら翌2005年のリーグ戦では17位に終わってJ2落ちとなってしまうという天皇杯優勝の大反動が…。DEENの呪いとか言われなくてよかっ
★★★★☆
7thアルバム『ROAD CRUISIN’』
5thベスト『PERFECT SINGLES+』
6thベスト『DEENAGE MEMORY』
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~』
C/W Summer Breeze
作詞作曲:池森秀一、編曲:DEEN&時乗浩一郎
C/WではAOR路線を継続。既に池森&時乗の共作がメインになっていたが。前年の「Paradise」同様に2年連続で池森単独作曲によるサマーソングとなった。2004年は野外ライブが決まっていたので、それに向けて夏曲を増やそうとしていたのか、「Paradise」と同時期に作っていた曲だったのか。タイトルは「Summer Breeze」のみだが、サビではSummer Breeze、Summer Days、Summer Dreamと曲名になりそうなSummer ○○を惜しげもなく3連呼。しかも全部裏声で伸ばすという直球ストレートなので覚えやすくて1発インパクトはそれなりに強い。ただ爽やかさとは対極。「Summer Breeze」と言えば「瞳そらさないで」のサビのフレーズがやはりお馴染みなわけで、この裏声で伸ばすようなファンキーなノリとどうも合わない気がしてしまう。AORサウンド自体は聞き心地がいいので、オケは相変わらず聞き応えはあるんだけど…。
★★★☆☆
1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~』
11thアルバム『クロール』初回特典『ナツベスト~DEEN SUMMER TIME MELODIES~』
C/W STRONG SOUL(Stadium mix)
スタジアム風のワアアアアアアアという大歓声がイントロや間奏、エンディング部分に挿入されたミックスバージョン。それっぽい歓声を入れた以外に違いはなく、歓声の臨場感で若干疑似ライブっぽくも聞こえるがライブバージョンでもない。
前述のように今作は前作発売前から存在が公表され、実際に試合の前に披露もしていたので当初はその時収録された先行披露ライブ音源なのかなとも思っていた。いざ聞いてみればただ音源の一部に歓声足されている程度だったので正直なんでこのバージョンが制作されたのかも良く分からなかった。特に表記もないが歓声自体はスタジアムで収録してきたのだろうか…。よく考えれば試合会場で披露したのなんか普通にアテブリだろうしまともなライブ音源など存在しなかったはずではある…。
★★★★☆
アルバム未収録
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