45thSg 記憶の影/遊びにいこう!

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45thSg 記憶の影/遊びにいこう!

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2016年11月2日
2016年の日本武道館ライブは「Ballad Night」と題されバラード中心となる事が発表されており、そこに向けた新作バラード「記憶の影」、そして5月にキャイ~ン天野ひろゆきのラジオ番組に池森がゲスト出演して意気投合して盛り上がってすぐに制作されたKYADEEN名義の新ユニット曲「遊びにいこう!」の正反対の両A面シングル。

初回生産限定盤A[DEEN盤]は「池森秀一 ぶら散歩 Vol.2~ワイン篇~」収録DVD付。
初回生産限定盤B[KYADEEN盤] 『遊びにいこう!/記憶の影』と曲順が逆になっており、DEEN off vocal versionKYAEEN off vocal versionという池森、天野それぞれの声を抜いたカラオケ2種が追加収録、「遊びにいこう!」MV&メイキング収録DVD付。
通常盤off vocal version抜き新曲「Let’s Show Time!」追加収録。通常盤のジャケットはDEEN盤ジャケットの引きの写真、裏ジャケはKYADEEN盤と同じ写真が使用されている。Sony Music Shop3枚同時購入特典として3枚収納BOXプレゼントだった(いつもの厚紙スリーブ)。
配信は通常盤準拠。

「池森秀一 ぶら散歩 Vol.2~ワイン篇~」ではワインについて語りまくるマニアックな内容。2012年に樹林伸とコラボした際に改めてワイン好きである事が前面に出され、以後ワイン通の池森さんとしてファンの間では認知されておりその集大成的な映像となった。この映像内では対談したソムリエの人にワインの本を出したいから共同で出しましょうと誘い始め、ワインと詞を絡める構想も具体的に語り、カメラの前でワイン本執筆宣言を行う一幕も記録されている。当時のインスタがワインメインだったり、コラボワイン(いわゆる池森ワイン)を発売したりもしていた事もあり、これまで同様に有言実行の男池森の事だからこれはマジでワイン本出すつもりだなと誰もが思ったのだが…あれ…?

どういうわけか1年後には突如として蕎麦通を前面に押し出すようになり、やがて一大ビジネス展開となったのは蕎麦だった。結局ワイン本を出すことは無かったが、蕎麦本は出した。華麗なる転身にして大成功となったが、ワインも切り捨てたわけではなくコラボワインは発売しているし、蕎麦での成功後は「蕎麦と合うワイン」として融合する試みも展開しているのでワインを捨てたわけではない。この映像からのあまりの変わり身には驚いたが、ワイン本企画を出版社に売り込もうとするも難色を示されて頓挫したとかワイン通では限界がある、蕎麦なら先駆者がいないGOOD-DAY社長は梅宮辰夫氏の漬物ブランド立ち上げに際して株式会社ナガノファクトリーを先に立ち上げており(現在は社長を後進に譲ったようだが梅宮辰夫氏の漬物販売のサイト情報では社長がGOOD-DAY社長と同じ神林氏になっている)、ナガノファクトリーで蕎麦ビジネスの展開をするメドは立てやすいというのは確実にあったわけで、GOOD-DAY社内ではワインは難しそうだなぁ…最近蕎麦にハマってるみたいだから蕎麦とかどう?的な色々な戦略的会議が繰り広げられていたのかもしれない。

記憶の影

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:古井弘人
「もう泣かないで」以来となる古井弘人に編曲を委託。シリアスな大失恋バラード。ここのところウキウキ陽気で若いラブソングばかりだったのでここまで手痛い大失恋バラードはかなり意外性があった。かつてのバラードのDEENが久々に帰ってきたと思える名バラード。高音の伸びが良くなってきていたのを生かしてかなり高音を張り上げるサビ部分も少し前までなら考えられなかった。久々に突き刺さる名バラード。

今回の日本武道館ライブを「Ballad Night」というのはたぶん早くに決まっていてそこに向けての1曲という位置づけであったんだろうけど、急遽話が進んだKYADEENコラボの方に注力したためか、なんかMVが異様に手抜き(ほぼ1カットで1人歩道橋で熱唱しているだけ)になってしまったり、続くバラード作品が無く、オリジナルアルバムにも収録されずに25周年ベストに機械的に1度収録されて終わってしまったので結果的にはちょっと埋もれてしまった感じもある。少し前ならバラードナイトに合わせてバラードアルバムとかバラードベスト企画になっていたんだろうけど、まさかこの後に出たのがC/W集とはなんか色々チグハグだったのでバラードナイトも急遽決まったのだろうか。。
★★★★☆
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~

遊びにいこう!

作詞:池森秀一・天野ひろゆき、作曲:山根公路、編曲:篠崎裕
キャイ~ン天野ひろゆきが当時やっていたTOKYO FMのラジオ『名車ソムリエsupported by NGP廃車王』5月28日放送回に池森がゲスト出演。ワインや後年の蕎麦は知られているものの、池森さんは車にも強いこだわりがあるらしく(愛車DBより2016年までで最少で9台。車関係でラジオやインタビューに出ているのも散見される。)、その流れで出演する事になった番組の1つだったと思われる。他と違ったのはこの際に1969年度の同学年である事が判明して意気投合(天野は3月生まれなので学年で同じ)した事で、テンション上がりまくって曲を作ると宣言。この手の話は社交辞令で終わる事が多いが、1ヶ月後には曲が出来たと連絡が入り天野も驚いたという。この経緯は2016年武道館公演での披露前に天野のナレーションで説明された。天野が在籍していたブラックビスケッツがBMG所属でキンモクセイに続いて担当がまたしてもあの山口さんだったという縁もあった。DEENとキャイ~ンでKYADEENというユニットになったため、ウド鈴木も参加する事になった。しかしウドは完全にオマケ扱いでChorus&Air Saxと表記され、吹けないサックスを謎に持たされてエアーサックス(吹いているマネ)というパフォーマンス担当になっている。さすがにポケットビスケッツ時代に会得したギターから離れて久しく弾けなくなっていたか、ウドがギターを弾いていた事までDEENサイドで把握していなかったか(ポケビはEMIなので当時の関係者ゼロ。山口さんは「Timing」での南原のサックスソロを間近で見ていた事からウドにサックス持たせる話になった可能性も?)。Gang ChorusはKYADEEN&浅井企画NANAGERSとなっているのでいつものGOOD-DAYS(DEEN側の事務所関係者)ではなく、キャイ~ンの事務所のマネージャー陣が最後のウォウウォウコーラスに参加しているようだ。

アレンジャーには初参加となる篠崎裕が起用された。ホーン隊4名(高橋早紀、浅田慶輔、宮野万里絵、竹村公孝)のうち高橋早紀、浅田慶輔、竹村公孝の3人は『バタフライ』に参加していたSKAFF-LINKSのメンバーだが、前述のように7月で活動休止という名の事実上の解散になってしまっていたためか今作にはSKAFF-LINKSの表記は無く、個人起用になっている。

アンチエイジング路線の明るくポップなお出かけソング。一応初めてハワイに出かける設定になっているものの、基本的にみんなで遊びに行こう的な楽しいノリになっていてワイワイ仲間と出かけるイメージ。ブラックビスケッツ時代にも歌のうまさは注目されていた天野ひろゆきのイケボも健在で変わらぬ美声を聞く事ができる。歌い出しも天野ひろゆきになっていてそれでも大丈夫だという信頼感があった事が伺える。一応コーラスクレジットもあるウドの声は全く聞こえないが…。

キャイ~ンはこの時点で既にブレイク期ほどのTV出演は無くなってきていて全国区地上波での最後のトップクレジットでのレギュラー番組『もしもツアーズ』(2002~2022)の印象が強くなっていたが、歌詞の内容は明らかに『もしもツアーズ』テーマ曲を狙っているかのようでもあった。残念ながら番組20年の歴史の中の後半10年(2011~)はKis-My-Ft2がレギュラー出演していたのでテーマ曲はKis-My-Ft2絶対固定で入り込める余地が無く、キャイ~ンが自ら参加したユニットであっても『もしもツアーズ』テーマ曲にするのは不可能であった。

他に紹介される媒体もほとんどなく、発売後何故か日テレの朝の情報番組「スッキリ!」には出演したものの、TV出演はかろうじてのこれ1本ポッキリ。慣れないTV出演で明らかに池森さんの方が声の伸びが良くない上に終始片手をポケットに突っこんだまま妙な角度で歌うという変にスカして見えるスタイルで歌唱していたので印象もあまり良くなかった。MC時に池森が天野の歌唱力を褒め、天野が自身の声域について聞くと山根が普通ですと答えるというくだりは武道館・スッキリと2回続けて行っていたので恐らくお約束ネタとして入念に打ち合わせていたっぽかった。

そんなわけでほとんど世間では話題にならずに終わってしまい、以後さほど交流があるような話も聞かなくなってしまった。ライブで第2弾の話も自ら出してそんなすぐには無い、まずはこの曲が出たばかりみたいな事を言っていたのでまんざらでもないというか目に見えて好評なら考えていたのかもしれないが…。その武道館もDEEN歴代武道館で最少動員なのが目に見えて分かるくらいスッカスカの武道半状態、最後のMCで「空席が目立ちますが…25周年は埋められるよう精進します」と池森さんがシリアスに口に出してしまうほど(Blu-ray/DVDでは編集カット)だったのもタイミングが良くなかった。

なおいつも上海ロックスターの定位置だったアンコールをKYADEENで使ったため上海ロックスターの出番は無し。呼ばれなかった事を恨んだ上海ロックスターはこの後のカウントダウンライブ(マニアックナイトVol.3)で当日限りの新曲「恨み節武道館ロッケンロール」を演奏した。
★★★★☆
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~

通常盤のみ
Let’s Show Time!

作詞:池森秀一、作編曲:田川伸治
公式サイトではBONUS TRACKと表記しているが、実際の通常盤パッケージにはボーナストラックの表記は一切ない。普通に3曲目として扱われているどころか、この曲が通常盤のみ収録というアピールも全くされていない。通常盤の最大のアピールポイントなんだから帯とかシールとかで通常盤のみの収録曲がある事はアピールするのが普通だが…。

サポートメンバー表記が無く、3人のみの制作。ピアノとギターと打ち込み中心で制作されているジャズっぽい大人のオシャレ感を醸し出した楽曲。本気でやるならビッグバンド風の編成にしてビルボード系のライブ(AOR NIGHT)くらいしか無さそうだけど特にこの路線で何かやろうという流れも無く、田川さん1人でジャズに傾倒しているような曲が続いた。ソロ曲の方向性も明らかに激変していたし、その時々の田川さんのやりたい音楽性と池森さんがあれやろうこれやろうと主導していく流れとで合わない部分が生まれた…など、音楽性を理由にした場合は脱退理由はその辺りにあったのかどうか…。

アンチエイジング路線よりも可能性がありそうな新たな方向性が見える1曲だが、この後のC/Wベストの新曲に続いた程度で終わってしまった。この路線はもう少し突き詰めてみてほしかった。
★★★★☆

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