ANOTHER LIFE/SHU

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ANOTHER LIFE/SHU

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2001年5月9日
R&B系期待の大型新人と銘打ち、DEEN池森秀一のソロではなく、新人シンガーとして一般音楽誌に載るくらいには宣伝してのデビュー作。ジャケットこそイラストだったが、アーティスト写真のグラサンヒゲ姿の男性はどこかで見覚えが…?そして歌声も誰かに似ているような…?と一部ファンがざわついていたものの、公式にしばらくダンマリを決め込んでいた。

その後、池森秀一ソロプロジェクトだったと明かされ、公式サイトにはしばらく「SHU」というコーナーも置かれるようになっていた。正体を隠していたというより特に公表せずに出したという感じに近く、何も言わなかっただけで隠してはいなかったというのが実際のところだったと思われ、むしろアー写は普通に出していた事からも口コミで話題になるのを狙っていたようなフシもあるような…無いような…。

いくらR&Bブームだったからといってもさすがにほぼゼロから人気を得るには難しく、DEENリスナーも大半は知らなかったためか初登場68位、1週ポッキリのランクイン0.3万枚と低迷。ソロリリースはこれっきりとなった。

演奏クレジットを良く見ると(英字表記だが)、作編曲がKim-Hyungsukなので韓国制作陣が多いが、それ以外では他の作品や媒体で以後見かける名前が散見されてなかなか面白い。実姉の池森美雪、ROMEO V. GONZAGA、Gary Scottなどアマチュア時代の音楽仲間らしき名前が出ているほか、田川伸治もしれっといるし、AOR期のアレンジャー大平勉も参加している。

Mixed by SHU&SHOとなっており、ミックスにも本人関与していた模様。

ANOTHER LIFE

作詞:SHU、作編曲:Kim-Hyungsuk
Vocal Arrangement by JK(Johan Kim)&SHU
Chorus Arrangement by Kim-Hyungsuk&K.T

韓国の作家Kim-Hyungsukによる楽曲にSHUの日本語詞という編成。概ね韓国制作陣によるものだが日本からもAdditional Keyboard&SynthesizerとしてAOR期以降のアレンジャーの1人となる大平勉が初参加している。サックス演奏はGary Scott。当時の時流R&Bに完全に乗っかったR&B系バラード。声を張らずに優しく歌い上げるAメロ、そしてBメロから早くもファルセットに移行してサビの大半がファルセットという裏声率MAXな楽曲。随所で池森さん感(?)は隠しきれていないもののほとんど裏声なサビだけさらっと聞いて当時のR&B系期待の大型新人の宣伝文句だけ見れば本当に無名の新人シンガーのデビュー作だと思っても不思議ではないし、そもそも90年代のヒット曲でDEENのイメージが止まっているなら最初から最後まで分からないかもしれない。

Kim-Hyungsukというのがどれほどの大物プロデューサーなのかはイマイチ実感がないが、今作に関しては非常に美しく綺麗なバラードだと思う。DEENバージョンも実は同時期に制作されていたようで(そちらは韓国盤のドラマサントラ限定収録で日本未発売、2008年に日本初公開となった)、DEENバージョンは地声で歌えるキーでなんだかんだそちらの方が味わい深い。SHUの日本語詞でのDEENバージョンのオケっていうのを音源化しておいてほしかった。

一応TBS『オフレコ!』テーマ曲タイアップがついていた事から2004年のビーイングのコンピ盤『It’s TV SHOW!!~TBSテレビ&フジテレビ 主題歌&テーマ曲BEST』の選曲対象となっていて収録されるも長年アルバム収録はそれだけだった。15周年2008年にDEENバージョンがベスト盤ボーナストラックで初めて国内発売され、2018年にSHUバージョンがベスト盤ボーナストラックで収録された。
★★★☆☆
5thベスト『PERFECT SINGLES+』(DEENバージョン、全英語詞)
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~

C/W SHA LA LA LA LOVE YOU featuring JK

作詞作曲:SHU、編曲:Kim-Hyungsuk
Chorus Arrangement by SHU

クレジットをよく見るとAdditional Guitar:Shinji Tagawaと書かれており、DEENギター田川伸治がひっそりサポートしていた。JKによるラップもフューチャーしたクールなR&B。なおJKとはJohan Kimの事であり、女子高校生のことではない。初期の池森ナンバーっぽいノリで久々に趣味全開といったイメージ。

30周年ベスト初回盤Premium Discに「SHA LA LA LA LOVE YOU ~DJ Kaz Fly MIX~」という今作の未発表リミックス音源が収録されるが、どうも限定生産(なんらかのプレゼント企画?)された今作のアナログ盤が存在していてそこにだけ収録していた音源のようだ。
★★★☆☆
アルバム未収録
9thベスト『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』初回盤のみPremium Disc(DJ Kaz Fly MIX)

C/W YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW

作詞:LINDA CREED、作曲:THOMAS BELL、編曲:Kim-Hyungsuk
Vocal Arrangement by JK(Johan Kim)&SHU
Chorus Arrangement by SHU&Kim-Hyungsuk

The Stylisticsのカバー。原曲は1974年のシングル(下記)。山下達郎が1986年に『ON THE STREET CORNER 2』でアカペラカバーした事がある。後年「RIDE ON TIME」をカバーして歌ったのは山根さんだが、池森ボーカルでも「DOWN TOWN」のカバーもしていたし、原曲当時だと5歳くらいで山下達郎バージョンは高校生くらいで直撃している事になる。ただけっこう親森や姉森の影響で洋楽がかかっている家だったようなので達郎バージョンで知って原曲に遡ったというよりも、原曲を幼い頃から聞いていた可能性が高い。またよく見るとコーラスにMiyuki Ikemoriの名前が記されており、実姉がコーラス参加していた事が判明している(英語詞のサポートで時々クレジットされているROMEO V. GONZAGAも姉森さんの同僚だったりする)。

序盤の平メロこそ地声だがサビ以降は全面ファルセットを駆使しての歌唱&コーラス重ねになっていてソウルシンガー全開(?)で歌い上げる。今作の流れに沿った本格洋楽R&Bといった趣きな1曲。ゆったり聞けるメロディーは心地良くこの持ち味は原曲の良さそのままだ。リズム周りのチキタカアレンジは当時としては最新サウンドでのカバーみたいな感じだったんだろうけど、改めて聞くと原曲の方が普遍的な味わいがあって、今作のチキタカリズムの方がいかにも2000年前後の流行りの音色といった時代を感じる響きになってきた感じも。この時期だからこうなったものの今改めてカバーするんだったらもう少し柔らかい音の響きにするんじゃないかなとは思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W ANOTHER LIFE~Reprise~

作詞:SHU、作曲:Kim-Hyungsuk
「秋桜~more&more~」のRepriseと同じような構成でサビ部分が収録されている30秒弱のトラック。コンセプトマキシシングルというわけでもないのにここで一旦リプライズした意味は良く分からないが、リミックスとの線引きのためなのだろうか。

C/W ANOTHER LIFE~GROOVE THAT SOUL MIX~

remixedby SATOSHI HIDAKA from GTS
エイベックス所属のGTSの日高智によるリミックス。今作の帯にもGTSのSATOSHI HIDAKAのリミックスも収録されている事がわざわざ記載されていたのでクラブ界隈向けにはネームバリューがあるという判断だったようだ。エイベックス所属のリミキサーをビーイング(一応まだBERGレーベル)が起用するとは珍しい人選となったが、これまた当時流行っていた典型的リミックスといった装い。リミックスによりダンサブルにアップテンポ化しているがほぼトラックメインで歌のパートはオマケ。終盤は延々とダンストラックが続くのみで8分半を越える。4分届かない元曲をテンポアップしたのに2倍以上に引き延ばしているわけでほとんどの時間をトラックに費やしている事になり、完全にフロアでパーリナイ仕様。
★★☆☆☆
アルバム未収録

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