9th 好きになってく 愛してく/KinKiのやる気まんまんソング
2000年3月8日
両A面シングル。最後の8センチCD。前作に続いて初回盤は「好きになってく 愛してく」仕様のKinKi Kids写真ジャケット、「KinKiのやる気まんまんソング」仕様のちびまる子ちゃんのキャラ仕様にイラスト化されてちびまる子ちゃんのキャラと一緒に描かれたイラストジャケットの2種、通常盤はマキシケース仕様(中身は8センチ)という仕様。前作のマキシ化再発から2年ほど遅れた2004年1月20日に単独マキシ化再発された。
初動36万で以前の累計60万台コースだったが、累計52.6万枚となりこの時点での最低を更新。
好きになってく 愛してく
作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:武部聡志
フジテレビ系バラエティ『LOVE LOVE あいしてる』新テーマソング。早くから番組内で吉田拓郎やTHE ALFEE坂崎幸之助らの指導でギターと曲作りの指南を受けていた2人は『B album』『C album』で自身のソロ曲を自ら作詞作曲していた。今回は「全部だきしめて」に代わる新番組テーマ曲を2人で共作するという企画で制作され、アイドルとしては前代未聞の自作曲シングル表題曲が実現した(バンド形態のTHE GOOD-BYE、男闘呼組が既にやっているのでJニーズ社史上初の自作シングルというわけではないが楽器を持っていないダンスグループでは初で、アイドルの自作曲1位獲得はJニーズに限らず史上初だったはず)。番組では春頃にはもう剛の歌詞がほぼほぼ仕上がっていたが光一の作曲が難航し、合宿企画などを経て、1999年10月頃に初OA、その後歌詞の一部変更やBメロ(番組では拓郎歌唱部分)をまるっきり作り直す等ブラッシュアップして初披露から半年近く経過してのCD化となった。
シングル版のプロデュースは吉田拓郎が担当しており、終盤のカマカマカマー♪のコーラスなど分かりやすく拓郎節で存在感を発揮している。作詞を剛、作曲を光一というのは拓郎の指名によるもの。後にシンガーソングライターとして日常的に曲を書くようになったのは剛の方で光一は舞台SHOCK中心となって以降は必要があれば曲も書くがシンガーソングライターとしての継続的なソロ活動はやらなかった。しかしKinKi Kidsにおいては作詞を剛、作曲を光一での共作というのが黄金パターンになった。
「全部だきしめて」に代わる新テーマ曲になった…はずだったが、気がついたら「全部だきしめて」に戻っていたような。この頃になると番組の存在がやや空気化してきてほとんど見る事はなくなってきていたのでどうなっていたのか把握してないんだけど、少なくとも最終回とか復活特番とかでは「全部だきしめて」だったしな…。
基本は「全部だきしめて」同様に番組ではAメロの長さがCDの半分で光一の歌い出しから剛がAメロ後半のメロディーで前半の歌詞を歌唱、Bメロ拓郎という踏襲した構成を意識して仕上げたようだったが(CDでは2番の部分)、CDと同じ構成で1番を歌った後に番組タイトルが出てそのまま2番を(Aメロ半分)歌うというパターン(拓郎のソロ歌唱無しで終始KinKi Kidsだけでメイン歌唱)もあり、CD発売が近づいて以降はこれが基本になったっぽい。また”重ねました”の部分が当初は“重ねていた”になっていたり、さらに最初期は拓郎のBメロが”臆病な風が吹く毎日だから”となっていて完成形とは全く違う言葉数が遥かに少なくメロディーもほぼ別物だったりもした(このパートを篠原ともえ他コーラス女性陣が歌う事も)。基本構成は同じでアレンジのバリエーションや篠原ソロがあるバージョン等をやっていた「全部だきしめて」と違って、そもそも平メロが2種類あったり、割とコロコロ構成を変えていたから定着しきれなかったのでは…。
CDでの完成形はイントロから前半はやや叫ぶように歌う平メロからサビに行き、2番は別の平メロが展開するという1番と2番の平メロが全く異なるメロディーという変わった構成。番組バージョンのアレンジで2人が練習していたエレキギターのイントロは一切使用されなかっ2番のBメロのみ間奏明けにもう1回出てくるが最後のサビは謎に4回もやるのでえ?まだサビやんの?と聞くたびに思ってしまうところがある。そんなにサビが強くないので4度も繰り返されるとちょっと飽きちゃうんだよな。
メンバー自作は人気曲が多い傾向にあるが、それは「愛のかたまり」以降の同系統の作風に限るというのがあるようで今作に関しては『39』投票でも公開39位までに入らず、『39 Very much』でも同様でファン選曲/メンバー選曲いずれもかすりもしないという不人気曲になってしまった。この頃とは決定的にファン層が違うというのもあると思うんだけど、まあこの時点で最低売上でもあったし、悪くはないけどまあ普通、好きな曲をあげていく時には積極的に選びに行くほどじゃないくらいな認識が多かったのかな…。
個人的には当時確か友人がカラオケでいち早く歌ったのを聞いて初めて冒頭の平メロを聞いてあれちょっと思ってたのと違って攻めてるじゃん…と思ってそのまま遅れて購入。なので3週目とか4週目とか5週目辺りの売上に貢献するという珍しい買い方をした。前作はそんなに遅れて買えば初回盤2種は売り切れていたんだけど、今作は余裕で初回盤(KinKiジャケ)買えたのでこりゃ今回売れてないんだなと思った。
★★★☆☆
1stベスト『KinKi Single Selection』
5thベスト『The BEST』
KinKiのやる気まんまんソング
作詞:さくらももこ、作曲:飯田建彦、編曲:長岡成貢
アニメ『ちびまる子ちゃん』OP。アニメは1990年~1992年までで一旦終了して『ツヨシしっかりしなさい』を放送、1995年から再開して現在に至っている。有名な「おどるポンポコリン」は初代エンディングで、初代OPは「ゆめいっぱい」。1995年の再開後のOPは新たなオリジナル曲で2作繋いだ後にManaKana&泉谷しげるの「おどるポンポコリン」カバーになり、続けて今作が起用された。1月~10月まで使用され、その後は長年に渡ってオリジナルのB.B.クィーンズ「おどるポンポコリン」に戻り、2010年以降はカバー版が数年おきに交代する形で使用されているので、ポンポコリン以外の新規のオリジナル曲でのOPが制作されたのは今作が最後である(エンディングは今でも新規の曲が制作されて時々交換している)。
サビのメロディーはポップで明るいノリで覚えやすいがそれ以外はラップ調で構成されている異色楽曲。それもかなり奇天烈でぶっ飛んだ歌詞になっており、なるほどこれは確かに「おどるポンポコリン」の作詞者が書いた歌詞だと妙に納得できてしまう。ラップと言ってもカッコいいものではなく、2人とも通常時より遥かにテンションをあげてハイになった状態(やる気まんまん)でのアイドルラップになっていて当時聞いてもいや~この曲2人ともマジ頑張ってんなぁ…やる気まんまんソ~ング♪伊達じゃないわぁ…と若干遠い目になってしまうほど。
どういう経緯で突然『ちびまる子ちゃん』主題歌なんてやる事になったのかはかなり謎。当時のKinKi Kidsは各自の主演ドラマと冠バラエティ、CM出演が立て込んでいたのでアニメタイアップを受けるメリットってほとんどなかったようには思う。ただJニーズとしては同枠『ツヨシしっかりしなさい』の最終OPがTOKIO「LOVE YOU ONLY」だったという繋がりはあった。
長い歴史の中でのほんのわずかな期間しか使用されていない上、直後の『KinKi Single Selection』にスルーされてしまい長年アルバム未収録のまま放置され、2017年『The BEST』でようやくアルバム初収録となった。なお堂島孝平は毎回ライブのセットリストの話し合いの際にこの曲を久々にやってほしいと意見しているが毎回外されていると証言している。
★★★☆☆
5thベスト『The BEST』
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