49th DIAMOND SKIN/虹のポケット/CRAZY DANCE
2013年11月27日
前作に続く3A面シングル。今作は再度の佐久間正英プロデュースとセルフ2曲となっている。8月9日に末期がんである事を公表、翌年1月に亡くなり今作がGLAYでの最後の参加作となったが、インタビューでのニュアンスから最期にもう1度組んだのではなく、以前制作したものを取り置きしていたとされ、他の2曲も以前からあった曲を仕上げたもののようだ。
次のアルバムとは流れが違っていたためか3曲全て未収録となり、そのままアルバム未収録のまま放置されている。全曲アルバム未収録のままのシングルは今作が初となる。
DVD付にはMV&メイキング、ライブ映像やインタビューを収録。
DIAMOND SKIN
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
少し前に取り置きしていたという佐久間正英プロデュース最後の曲。いつかのためにとっておいたというけどこのタイミングで出したのは明らかに佐久間さんの病気公表を受けてだったとは思う。“2013年の今、佐久間プロデュースサウンドで日本中に響かせたい、届けたいって思った”、”大病に向き合っている佐久間さんにとっても何か励みになってくれれば”ともTAKUROがコメントしていたし。ただ正直アウトテイクのようなどうにも地味なロックナンバー。2枚同時発売の時のC/WのTAKURO曲の王道なんだけどシングルにはならない微妙なラインをそのまま行っているような…。
全体の雰囲気はGLAYらしいし、セルフよりも安心感があるいつものGLAYっぽさはあるんだけど、間奏にシンセのフレーズを混ぜ込んできたりと少々の違和感もある。「真夏の扉」ほど悪目立ちはしていないが、「真夏の扉」の土屋昌巳と久々に組んだと言われた方が納得できるような唐突な音使いのような…。
このまま佐久間さんが存命で続けていたとしてもこの時期のマンネリは不可避だったかもしれない。末期に録音ミックスを自ら手掛けたり、今作のようなアレンジを試したりしたところには少し変化を意識していた様子が伺える。理想はその時々で組んだり組まなかったり別の人とやったりがベストで、この後の亀田誠治1人に固定になるのはちょっと個人的には避けてほしいなとは思っていた。またこういったストックではなく、佐久間正英との本当の集大成的な1作は聞きたかったとは思う。それが『GUILTY』になってしまい、佐久間正英が最後の1曲として最後に一緒に作りたいミュージシャンを呼んで制作した「Last Days」にも関与しなかったし、最も長く付き合った佐久間正英とGLAYの最後が事実上のアウトテイク蔵出しというのはちょっとあっけなかった印象はある。
久々に聞いても何だかほとんど初めて聞くようなくらい覚えていない曲だったが、極めつけはその後アルバム未収録のまま放置されている事だろう。アルバムで聞く機会があればもう少し残っていたくらいにはそこそこいい曲であったとは思う。EPみたいなシングルが増えてきて1曲1曲の表題曲としての存在感は『G4』以降著しく低下してはいるんだけど、それでもアルバム未収録はデカい。次のアルバム『MUSIC LIFE』が全面的に亀田誠治プロデュースとなり、今作とセルフの2曲は制作過程が違っていて浮くという判断で全部外されたとは思うんだけど、ベスト盤もセレクト系のものしか無いので入る様子が無いまま10年以上が経過してしまった。2010年以降のシングルを網羅したベスト盤なんて今後出そうにないしなぁ…。
★★★☆☆
アルバム未収録
虹のポケット
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
セルフプロデュース曲。10年前には出来ていたとも語られており、楽曲自体は佐久間正英と作り上げたGLAYの集大成のような王道のポップロックナンバー。しかしサウンドがセルフプロデュースでは整理するプロデューサーがいない感じ(?)が出ている曲が多い『JUSTICE』の雰囲気そのままになっていて荒々しい音像になっているのがちょっともったいない。当時の公式インタビューで自身でもそういう「グロリアス」みたいな曲に飽きている、「4 ROSES」「MILESTONE~胸いっぱいの憂鬱~」など直近の同系統の曲も挙げて進化系ではない、“亜流とまでは言わないけど、まあ佳曲”とまで言ってしまっており、もう過去の曲を越えられないであろうことを認めてしまっているような言動が目立つ(ここからTAKUROメロディーを忘れてほしい発言や7割クソ曲でも許してね発言にも繋がっていく)。そういった事からあえて佐久間さん抜きで荒々しく仕上げたものと思われる。『FREEDOM ONLY』以降は過去の未完成曲をもっと素直に仕上げて出す事が増えており、このまま2020年頃まで寝かせておけば『FREEDOM ONLY』や『Back To The Pops』でもっとこれぞGLAYという最良の仕上がりになっていたかもしれない。
「DIAMOND SKIN」よりももっとGLAY×佐久間正英の集大成っぽい楽曲に仕上げるのに最良の1曲だったように思うが、この時期はそういう時期だったのだろう。惜しい。
★★★☆☆
アルバム未収録
CRAZY DANCE
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
3分にも届かない勢い1発なロックナンバー。実質1コーラス+サビの繰り返しのみで、歌詞の9割近くが”CRAZY DANCE”の羅列でひたすら埋まっているという字面が異様。実際CRAZY DANCEを連呼しまくっているだけで、10代のアマチュアバンドみたいなノリだが、実際GLAYを結成して初めて制作した伝説の楽曲だったらしい。結成10周年を記念して1998年に1度ライブで演奏、7月の函館野外ライブでも披露した際に何故かTERUが次のシングルにすると宣言したため、公約を果たす形となった。同ライブのDVD&Blu-rayの公式応援ソング(なんだそのセルフタイアップ)にも決定した。何も考えず勢いを楽しめばいい曲だとは思うけど、A面にまでしてしまうとは自由な…。
★★★☆☆
アルバム未収録
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