SMAP 25th Anniversary 1991-1993

過去曲回顧コーナーの第69回として05,6年頃に最初に書かれたSMAP全シングル感想を載せていったこのコーナーは20周年2011年に企画シングルやC/W、ソロシングルまで網羅して全面リメイク&分割した。

当初、これで網羅しきったので、25周年は微修正+その後のシングルを新たに追加する程度の予定だったが、独立失敗騒動によりマネージャーを失う事となったSMAPはどう転んだとしても今後これまで同様の活動を行えることが事実上不可能になってしまい、25周年を控えながら活動は不透明なまま、8月14日ついに解散が発表されるという最悪の事態を迎えた。迫る2016年9月9日のデビュー25周年記念日に向けて、一挙公開ではなく、シングル1作ずつじわじわ振り返っていき、新曲も出そうにないので勝手に盛り上がる事にした。

というわけで今回は全面修正と一部独断と偏見で勝手に選んだアルバム曲の追加を行い、さらに長くなったので更なる分割をしまくって盛大に水増しした25周年バージョンとして再リメイク。

 

SMAPの結成は前身のスケートボーイズから選抜される形で88年とされている。ジャニーズJr.内のユニットとしてそこから3年、バラエティやドラマ、舞台などを経験したのちに91年にCDデビューを果たした。

91年当時で小学校1年生だったのでデビュー当初の事はさすがに記憶にないのだが、記録だけ見てみると先輩の光GENJIは87年8月のデビュー曲『STAR LIGHT』からNo.1ヒットを飛ばし、8作連続1位獲得。2位を挟んで、2作連続1位、合計10作品の1位を90年までに獲得している。80年代のスーパーアイドルとなった光GENJIだったが、時代の急速な変化に伴い、90年代に入って以降は急速に陰りを見せ始める。91年からは2位や3位止まりが限界になり、トップ10ヒットで10万台がやっとというレベルにまでダウン。メンバーの脱退で光GENJI SUPER5などと改名するも95年に解散している。この解散時のラストシングルは初のトップ10圏外(13位)となっていて、まあ当時アイドル人気ってのはそういうもんだよね、みたいな。そしてSMAPのデビューは光GENJIが1位を取れなくなった最初の年であった。

※2016.7.8〜25まで随時更新、8.14解散を受けて序文修正

1st Can't Stop!!-Loving- 
91年9月9日
作詞:森浩美、作曲:Jimmy Johnson 、編曲:船山基紀 ※Jimmy Johnsonは馬飼野康二の変名。
13週連続1位を獲得していたCHAGE&ASKA「SAY YES」8週目に当たって2位。1位取れなくてジャニーさんに怒られたと言うのはSMAP、TOKIO、V6がよく語る話だが、光GENJIブーム終了後に90年代という時代の変化についていけずにいつまでも80年代ノリを引きずったジャニーズは、前年の忍者からSMAP、TOKIOも、V6と連続でデビュー曲で1位を逃しており、単に90年代になって時代に適応できてなかったともとれる。97年のKinKi Kids以降はKinKiデビュー時の旋風よもう1度とばかりにデビューを引っ張り過ぎてデビュー時には一般人気の旬がとっくに過ぎてしまったタキツバや単発グループなどの一部を除いて軒並みデビュー曲1位の伝統を再度守れるようになったので隙間世代だったともいえる。

キャ・キャ〜ン♪ストップ♪という掛け声(というか加工)と共に曲が始まり、すってっきっなっゆめっを♪と歌いだした後は「S・M・A・P SMAP!!」とグループ名をアピール。かなり80年代ちっくな恥ずかしいアイドルノリが炸裂した溢れんばかりの若さがひたすらまぶしい。まだJ-POPなんて言葉が浸透する以前の空気感に91年ながら80年代が見える1曲。年齢的にも声変わり前後の時期だったはずなので、6人揃っての歌声も別人のようだ。2番終了後は、童謡「きらきら星」のメロディーがいきなり登場。最後のサビでは「きらきら星」と同時進行するという離れ業もなかなかアクロバットだ。インパクトは抜群で楽曲自体の古びた雰囲気に慣れてくると、キャ・キャ〜ン♪ストップ♪と聞くと何かが始まるような気がしてきたり、素敵な夢が見れそうな気がしてくるから不思議だ。ジャニーズ的には自信作だったんだろうけど、91年のヒット曲を見渡すと「ラブ・ストーリーは突然に」とか「SAY YES」とか「愛は勝つ」とか「どんなときも。」と同じ年の曲にはやはりちょっと思えない。

1stアルバムでも1曲目を飾り文字通りのSMAP最初の1曲という印象を強めるがこちらでは2番終了直後の間奏でチャイルドコーラスがラララで「きらきら星」のメロディーを歌う部分が2回に増えたため(シングルだと1回)、全体の尺が10数秒長くなっているというさりげない改変がされているが、長年気づかなかった…。この1stアルバムでは何故か最後にもう1回収録されている。そちらはいきなり「キャンストッキャンストッキャキャキャキャキャンストッ!」と加工ボイスによるリミックス風な出だしで、全体にリミックスされたサウンドで曲が進行する。2ndシングルを未収録にしてまで最後にもう1回収録する必要あったのか謎だ。
★★★☆☆
1stアルバム『SMAP 001』(間奏が10数秒長い)
1stアルバム『
SMAP 001』(Bonus Track(リミックス))
3rdベスト『
Smap Vest
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W SMAP MEDLEY
作詞:森浩美(全曲)、作編曲:長岡成貢(4曲)、「つれないよ」のみ作曲:筒美京平、編曲:船山基紀
デビュー前の持ち歌「SMAP」〜「つれないよ」〜「踊り明かせば」〜「SMAP No.5」〜「BANG-BANG-BANG」5曲を1トラックにぶち込んだまさかのメドレー。デビュー前の持ち歌を何と一括処理。5曲もあったなら5thシングルまではC/Wを作る必要が無いはずだったが、もっといい曲どんどん用意できると言わんばかりの在庫一掃セールのようなまとめ方。前代未聞だ。しかも表記が「SMAP MEDLEY」なのか「SMAP・メドレー」なのかもハッキリしていない(歌詞カードでは「SMAP・メドレー」と表記)。

「SMAP」で軽快に始まり、サビ前に「つれないよ」へ移行、これ以降は概ねほぼサビ部分のみのおいしいとこ取りで繋いでいき、先ほどおあずけになった「SMAP」のサビメロを最後にくっつけて終了する。さすがに6分を越える長尺だが5曲もメドレーして6分程度で終わっているのだから短いといえる。「SMAP No.5」には中居と木村のソロパートがあり、リリース順ではこれが最初のソロパートである。木村より先に出てくるのでSMAP最初のソロパートはリーダー中居だった!表題曲同様に随所ででS・M・A・P SMAP!というグループ名アピールポイントが入っており、ひたすらグループ名の浸透を図ろうとする姿勢が潔い。

リミックスアルバム『BOO』では「SMAP #2」としてリミックスバージョンながら収録されていてこの曲のみ単独フルバージョンで聞くことができる。
★★☆☆☆
アルバム未収録
(「SMAP」のみリミックスアルバム『BOO』に収録(#2))

Can't Stop Loving

2016.7.9更新


2nd 正義の味方はあてにならない
91年12月6日
作詞:小倉めぐみ、作曲:馬飼野康二、編曲:新川博
売上ではもう少し低迷した曲もあるが順位では危うくトップ10落ちするギリギリの10位だった最低位シングル。1stアルバム直前のリリースだったが未収録になってしまい、『COOL』や『WOOL』では最初期の作品はほとんど選曲されなかったので、リミックスアルバムでのリミックスはあったものの『SMAP Vest』まで10年もの間アルバム未収録だった。しかし強烈な滑りまくりのインパクトは全シングルの中でもトップ級。

前作の若さ全開の勢いをさらにコミカルな方向性で打ち出した恥ずかしさMAXな珍作感が全体に漂う。冒頭チャイムの音と同時に「起立!礼!着陸!」という化石時代のギャグが炸裂。曲が始まる前に激しく滑りまくり、滑ったままで曲がスタート。"日直はすぐ逃げる"とか"塾は勉強するとこ"など学園ソングっぽい歌詞が目立つが"学校は恋のパヤパヤ"など意味不明なワードも。パヤパヤって何だパヤパヤって。全体にアホアホな歌詞なのかと思いきや、ママの言いなりになるパパの出世が遅い原因を"人はいいが要領わるいぞ"と的確に言及。「ぜーきんも土地も家賃も ぜんぜん 安くは ならないと ママわめく」と、幼い言葉で社会問題に切り込む鋭さも垣間見せる。意外と社会派なのかと思ったら、トドメは"お小遣い… もっとあげてよ あげてよもっと 2000円!!"。今いくらなんだ。最後にはパパこそが正義の味方で世界1だと締め家族愛に溢れた曲として感動的なフィナーレを迎える。あれ?学園ソングだったはずじゃ

このように歌詞だけでも凄いがあちこちにメンバーのガヤが挿入され、間奏では様々なセリフが乱発される。一応6人全員の単独の声を聞くことができる初めての曲ではあるんだけど、ソロパートとしてカウントされず、実際にちゃんと歌唱しているソロパートはラストサビ前の木村のみ。歌詞がある部分では他に最後に草gと香取が担当しているが、これは歌ではなく台詞というか叫びなのでノーカン扱い。メロ自体は普通にはじけたアイドルポップだが、このような随所のガヤがやったらとハイテンション、時代性の強めなアレンジなのでインパクトがありすぎてアルバム未収録だった割には異常に存在感のある楽曲だ。
★★★☆☆
3rdベスト『Smap Vest
リミックスアルバム『
BOO』(#2)

C/W KISS OF FIRE
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:船山基紀
A面を差し置いて1stアルバムにちゃっかり収録されたアイドル歌謡ナンバー。歌詞がやけにアダルティーでA面との落差が激しすぎるが、曲調は先輩たちが歌ってそうな80'sジャニーズ王道風。ただアルバムに「正義の味方〜」を入れてしまうとシングルが売れないインパクトが大きすぎるのでアルバムには今作が入っている方が合ってはいた。
★★☆☆☆
1stアルバム『SMAP 001

正義の味方はあてにならない

2016.7.10更新


DON'T CRY BABY
作詞:小倉めぐみ、作編曲:長岡成貢
『COOL』『WOOL』に初期のシングルを差し置いて2連続で収録され、さらには『ウラスマ』にも選曲され、ベストアルバムに3回も収録された最初期の代表作。古臭い曲が多い初期の曲の中では今作の明るく突き抜けたポップ感はあまり色あせてなくて圧倒的な勢いが感じられ、個人的にも発売当時に『WOOL』を聞いた時にいち早く印象に残った曲の1つだった。まさか1stアルバムなんて超初期の楽曲だと思わなかった。Bメロでは中居(1行)→香取→草g→稲垣(3人は1行を1フレーズずつ)→木村・森のデュオ(1行)となっているようで、木村・森の歌唱力2トップではなくそれ以外の4人にソロを与えているところが面白い。

『COOL』『WOOL』に収録されているのは『COOL』収録時にドラム、ギター、ベース、ピアノを外人バンドでリテイクしてストリングスアレンジも加えた豪華生演奏のテイク。ボーカルも4年弱の時を経て再録音され少し上手くなっている。冒頭がドンドンドンドンとリズムから入るのがオリジナル、チャラーンといきなりピアノで始まるのがリテイクバージョン。『ウラスマ』では再録音されずにオリジナルが収録されたが、オリジナルは初々しすぎて再録音バージョンに慣れてしまうとちょっとキツイところもある。いずれにせよ初期のシングルを聞くよりもマストな1曲。
★★★★☆
1stアルバム『SMAP 001
1stベスト『
COOL』(再録音)
2ndベスト『
WOOL』(『COOL』Ver.)
4thベスト『
ウラスマ

2016.7.12更新


さよならの恋人
作詞:真名杏樹、作曲:Joey Carbone、編曲:椎名和夫
草g・香取のユニット曲。メンバー同士の仲の良さに関してはそんなにアピールしないし、実際お互いへの信頼はあってもそんなにプライベートでの付き合いが無さそうなSMAPだが、草gと香取の仲の良さは古くから広く知られており、ファンの間では古くから「しんつよ」の愛称で親しまれていたようだ。全員のソロ曲を入れたのでユニット曲が無かった4thを除く1st〜6thまで毎回このコンビでの歌唱曲が入っていた事もあって最初期からおなじみのコンビだった。たどたどしいというよりはぶっちゃけまともに歌えてないような歌声が初々しく、単に声が幼い香取はともかくとして草gはソロ歌唱がマジで厳しかったのか妙にリバーブがかっていてソロで歌っている部分でもなんか加工感が漂いまくり。母性本能をくすぐるような効能はあるのかもしれない。友達の彼女への気持ちを抑えきれずに告白してしまい、後悔して自らもう会わない事を決めてさよならする主人公の切ない心情を歌った曲だが、曲調や歌声から全体にはほのぼのとした雰囲気が漂い、切ないというよりかわいらしい。

10年後の『ウラスマ』では2001 versionとして再録音。アレンジはそのまま(ミックス変更で修正したのかオケも打ち込みし直したのかは不明)で、歌声がすっかり大人になってしっかりしているので続けて聞くと時の流れと成長を感じられなんだか感動的な気分になる。
★★★☆☆
1stアルバム『SMAP 001
4thベスト『
ウラスマ』(2001 version)

2016.7.12更新


3rd 心の鏡
92年3月18日
作詞:福島優子、作曲:筒美京平、編曲:土方隆行
正統派バンドロック。初期の古臭い路線を抜けた後のTOKIOみたいな曲だが、92年でこういうサウンド試してたならTOKIOはこの路線で最初からいけば良かったのに…。80年代アイドル・歌謡界を支えた筒美京平によるメロディーもなんとなく筒美京平のド王道という印象がある。サビ前のウォウォウウォッウォウは同じく筒美京平が12年後に作曲したTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」のサビ前のI get a true loveとも重なる。作詞を担当した福島優子は一般公募で選ばれた当時中2の少女。まさに中学生目線なストレートな歌詞が初々しくて眩しい青春さわやか応援歌に仕上がった。音の響きは80年代を引きずっているんだけど、それでもこの時期の曲の中では古さが薄いのはストレートなバンドサウンドゆえか。

2ndアルバムのTV MIXでは曲構成が変更されており、何故かイントロから延々とインスト状態が続きなかなか歌が始まらないという謎仕様。ようやく始まったと思ったらいきなりサビで、その後は1番に入るが以降はサビを繰り返しまくって終わってしまうので2番がカットされている。何がTV MIXだったんだろうか。TV出演時はこのサイズだったんだろうか。
★★★☆☆
2ndアルバム『SMAP 002』(TV MIX)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W ZIGZAGバック・ストリート
作詞:森本抄夜子,作曲:羽田一郎,編曲:清水信之
まだ本格的にブラックミュージック路線へ向かう前の時期なのだがそっち方面を予感させるちょっと黒めの1曲。前後のシングル楽曲と比べるとどれも80年代を引きずった明るいアイドルポップで貫いているので当時としてはかなり異色だが、アルバムではラップを導入するわ、ハードロック導入するわとかなりとっちらかってなんでもやっていたのでそんな四方八方に散らした路線の1つだったのかも。
★★☆☆☆
アルバム未収録

心の鏡

2016.7.15更新


4th 負けるなBaby!〜Never give up 
92年7月8日
作詞:相田毅、作曲:筒美京平、編曲:CHOKKAKU Remixed by TETSUYA ISHIKAWA(3×3 MIX)
一応今作がシングル最低売上作(唯一の10万割れ)。前作に続いて筒美京平が作曲だが編曲は現在に至るまでJ-POP及びジャニーズソングに欠かせないCHOKKAKUが初参加。同じ筒美作品でも今作は比較的攻めたアレンジが印象的なのはCHOKKAKUの手腕だろうか。ただ歌詞やメロは前作とほぼ同じような感じで、前作以上に"君"を誉め殺しにして応援しているのもここまで来ると逆に嫌気が差してくる勢い。小学校の運動会のかけっこ系の競技の時にかけたらすごくハマる気はするけど。アレンジがストレートじゃなくてひねった感じなので、どうも剥離感が…。

3×3 MIXでは編曲がCHOKKAKUのままになってはいるが、ほぼ原形をとどめていない完全なリミックス(スタッフクレジットのエンジニアの表記中にこの曲のリミックス表記がある)。筒美大先生の曲をこんなにしていいのかよ?状態。なかなか歌が始まらずサビ終りの「絶対」と「降参」の部分を加工してループさせまくるという状態が2分近く続いた後にようやく曲が進行するが全体にリミックス感が漂う。3rdアルバムにシングル曲がこれしか入ってないっていうのも凄い。
★★☆☆☆
3rdアルバム『SMAP 003』(3×3 MIX)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W BEST FRIEND
作詞:福島優子・森浩美、作曲:筒美京平、編曲:土方隆行、2001 version編曲:河野伸
NHK「みんなのうた」。当時はさほど有名な曲でも無く、そもそも最低売上のシングルC/Wだけに影も薄かったが、森脱退の際に歌われ、『ウラスマ』で再録音され、直後の稲垣メンバー事件による稲垣の謹慎明けという重要な局面で歌われ、知名度が格段に上昇。森脱退の際はほとんど記憶に無いが、稲垣メンバー復帰の際はリアルタイムで見ていたので確かに感動的だった。文字通りの友情ソングとしてのイメージが強いが「みんなのうた」では母親へのメッセージソングという扱いだった。実際にメモを置いておくといったくだりなどは寮などでのルームメイトでもない限りは友情ではなく家庭内の雰囲気があり、母親をあえてベストフレンドと称するところがこの曲の大きなポイントだったと思われる。「心の鏡」に続いて作詞した当時中学3年の福島さんスゲェ!「みんなのうた」では最後にそのまま"ママはベストフレンド"と歌詞の意味を種明かしするフレーズも充てられていたらしい。しかしCD化にあたっては削除されてしまい、友情ソング扱いにしてしまったようで、しかしそれ以外のフレーズは変えなかったせいで友情ソングなのに家庭内っぽいというちょっと謎な歌詞になってしまったのは惜しい。

原曲はバンド風のポップアレンジだが、追っかけコーラスなどが何だかズレているように聞こえるなどアレンジとメロの剥離感がある印象。森脱退の際に歌われた際はまだこのバージョンしかなかったのでこのバージョンで歌われたが、長年アルバム未収録だったため、2001 versionが制作されてからは基本的にそっちが有名になり、8センチCD入手しないと聞けないこの原曲は聞いたことが無いという人も増えていった印象。ただ2016年『SMAP 25 YEARS』には原曲が収録されアルバム初収録を果たし、アルバム自体も『ウラスマ』を大幅に上回る大ヒットになったので以降は再び主従が逆転することが予想される。

『ウラスマ』の2001バージョンではアレンジャーが変わり、時代に即した形で完全にリアレンジ。5人でボーカルも再録音され、感動ポップバラード風に仕上げている。先に2001を聞いたのを抜きにしても普通に2001の方がいいと思う。『SMAP AID』の投票では17位にランクイン。2001で知った人が多いとはいえ、ベスト20の中では最古のランクイン曲だった。

前述の森脱退、稲垣メンバー復帰、さらに2013年に放送されたスマスマのメンバー5人旅ではカラオケで中居がこの曲が好きだと語り、メンバーに何度も歌わせた挙句についには号泣するという場面もあった。長く応援しているファンにとってもメンバーにとってもかなり思い出深い曲。
★★★☆☆
6thベスト『SMAP 25 YEARS
4thベスト『
ウラスマ』(2001 version)

C/W SMAPパーソナルメッセージ
曲ではなく、6人のメンバーがそれぞれ1人ずつリスナーにメッセージを言うというおまけトークトラック。めざまし時計という設定らしく中居は「中居ちゃん、だよ!ぴゅぅぅぅぅぅ!!!」という超高音ボイスでテンション高く始まる。ぴゅうううってなんだ、ぴゅうううって。"中居ちゃん、だよ!"という挨拶は当時の中居が多用していた決まり挨拶だったらしく、実は「正義の味方はあてにならない」に大量に入っているガヤ音声の中にも入っていた。聞いているこっちが恥ずかしくなるほどキラキラのアイドルを演じている感が今になってみると痛々しい。続く森、稲垣は礼儀正しい好青年担当らしく今回のシングルについて真面目に語っている。草gと香取はメルヘン担当なのか何かが決定的にズレており何を言っているのか意味が分からない。木村は留守電設定となっており完全な2枚目担当。中居のピエロっぷり、草g香取の末っ子的意味不明さ、キムタクの2枚目っぷりと鳥肌が立つようなクサい台詞が連発される辺り、当時のアイドル像というのものがいかに偶像だったかが分かる。時代は変わるものだ…。

負けるなBaby!/BEST FRIEND

2016.7.16更新


スマイル戦士 音レンジャー 
/音松くん
92年10月10日
作詞:MORI MORI、作曲:樫原伸彦、編曲:岩田雅之
当時やっていた冠バラエティ「夢がMORI MORI」のコントの1コーナーでSMAPが6人兄弟「音松くん」に扮しており、その「音松くん」スタイルでそのまま出したCDがこれ。SMAP名義ではなく、アルバム未収録のままの完全なシングルオンリー作品。6人それぞれに色とキャラ設定もされていた。赤いバラで過剰な2枚目木村と太眉ではじけるリーダー中居、真面目な森まではキャラがそれなりに明確だが、残り3人はキャラが定まってない感が全開で、設定カラーから無理やり連想させて草gはインドカレーを持ち、稲垣は桃+カマキャラを持ち、香取は盆栽を持っているという意味不明なジャケットだけでも話題がつきない。

ボケろ!ツッコめ!そこでオチだ!という叫びから歌が始まるというバラエティの基本を押さえながら(スマイル戦士といいながらギャグドル戦士とも歌っている)戦隊ヒーローモノと「おそ松くん」のWパロディという誰も考えないような超ハイセンスなパロコラ(パロディコラボ)。作曲を担当した樫原伸彦は90年代の戦隊モノを始めとする特撮主題歌を多く手掛けていた人物で、わざわざ特撮主題歌の専属作家を連れてきて妙なこだわりを発揮しているがその徹底っぷりが凄い。実にシュールかつこだわりのギャグなわけだが、果たしてこれが当時どう受け止められたのは謎だ。正直当時の流れを知らずに曲だけ聞くと寒すぎる。一応全員に台詞のようなソロパートがあるがこれもソロパートとしてはノーカウントのようだ。
★★☆☆☆
アルバム未収録

C/W 君の色が必要さ
作詞:MORI MORI、作曲:谷本新、編曲:CHOKKAKU
「真っ赤に燃〜えるぅ〜太陽がぁ〜♪」(真っ赤な太陽)と歌い出したくなるような雰囲気の歌謡ポップ。これまたイメージとしては80〜90年代当時までの特撮のエンディングっぽい。こちらは普段の作家陣で仕上げているが相変わらずこだわりが凄い。どう考えても黒歴史にしか思えないこの企画だが、06年になってスマスマで復活させたりしているので決して無かったことにはなっていない。
★★☆☆☆
アルバム未収録

スマイル戦士音レンジャー

2016.7.17更新


5th 笑顔のゲンキ
92年11月11日
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:船山基紀、『COOL』リメイク版編曲:長岡成貢
音松君に続いて発売日がゾロ目になっているが、6人時代が終わるまでは発売日ゾロ目リリースを徹底するという地味なこだわりが発動していた。草gが声優に挑戦したテレビ東京系アニメ「姫ちゃんのリボン」主題歌(OP)ということで歌詞にも主人公の重要アイテムである赤いリボンが登場するアニメに合わせた楽曲。内容としては少年目線で少女を応援する感じだがこれは主人公の姫ちゃんへのそのままの応援歌となっている。アニメを当時見ていたのでこの曲も記憶の片隅にうっすらと残っていた。そんなわけで覚えてた最初期のSMAPの曲はこれになる。この辺りが80年代と90年代の過渡期に感じられる。

後にクマムシがAメロの"君だとわかる"の部分のメロディーを引用し、自身のネタ「あったかいんだからぁ♪」でブレイクを果たしたが間もなく似ていると評判になり、スマスマへ出演。パクリ疑惑をそのままぶつけるという大胆な試みが行われたが、曲を作った長谷川は「光栄です」と謎の第一声。パクリ疑惑ということで来ているのに光栄という予測圏外なワードに場が一気に「!?」な空気に支配される中で、キムタクが「でも音符的には全部同じでしょ」とぶつけ、中居はコードだけじゃなくて音符も一緒だと畳みかけると、長谷川はカノン進行だからだと告げて全く動じず引用を認めない。音符とかコードとか言ってるけど具体的にカノンコードを持ち出せば歌うだけのアイドル(SMAP)には分からないだろうとでも言わんばかりに煙に巻こうとする強かさを見せた。SMAP相手にこんな態度を取るくらいなので長谷川は恐らく知らなかったと思うが、中居はN.マッピー名義で90年代後半からは作曲も手掛けていたため、ある程度は音楽理論も理解していると思われ、カノンコードに頼ると次の曲は苦しむんだよねなどとさらっとコメントするとこれまでスラスラ言い訳していた長谷川も中居が知ったかで最初に「コードも音符も同じ」とコメントしたわけではなく、自身と同等か下手したら同等以上の音楽の知識がある事にようやく気付いたのか何も言えなくなってしまった。すかさず相方の佐藤が無邪気に「中居さん音楽詳しいんですね」と言い放ち、中居がうるせーこの野郎と笑いにして終わり、そのまま2曲を合体コラボして披露するというオチがついたが…。中居の大人対応、オマケ扱いされがちな佐藤の無邪気(無意識?)なフォローに長谷川が救われた形だったが個人的にはこの態度で長谷川=ふてぇ野郎という認識が固まった。

『COOL』では「かなしいほど青い空」と一緒に長岡成貢によるアレンジ変更で全面リメイクされた。生演奏なのはOmar HakimによるドラムとPhil Woodsによるアルトサックスのみだが、テンポがゆったりしたものになっていて印象がまるで違う。若きアイドルソングがたった数年で大人っぽく落ち着いたという激変っぷりが面白い。上がつっかえたりしていないので永遠の若手扱いされる事も無く、このグングン成長していく感じは開拓者だったSMAPの特権かも。
★★★★☆
4thアルバム『SMAP 004
1stベスト『
COOL』(アレンジ変更)
3rdベスト『
Smap Vest
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W ブラブラさせて!
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:船山基紀
アニメ「姫ちゃんのリボン」ED。1ヵ月前の「スマイル戦士 音レンジャー」にはこの曲が姫ちゃんの主題歌で次のシングルとして記載されていた。1ヵ月前はA面候補だったのにC/Wに格下げされた挙句にそのままアルバム未収録になってしまうなんて不遇な…。「姫ちゃんのリボン」は当時何となく見ていたがOP覚えてたのにEDは全く記憶に無かった。後の「赤ずきんチャチャ」も同様なので当時の俺はEDを聞かずにチャンネルを変えていたのだろうか?アリギリス、カメウサギと言う斬新ワードが誕生するが、内容自体はアリとキリギリス、亀とウサギという有名な童話になぞらえて、どちからではなくその中間くらいがちょうどいいよねと考える今時(当時)の若者っぽい志向が描かれたお気楽ナンバー。王子様敵ラブソングと応援歌という二軸から若者の普通の生活感を出した若者の日常路線を007期に全面的に出すようになるがその萌芽?
★★★☆☆
アルバム未収録

笑顔のゲンキ

2016.7.18更新


6th 雪が降ってきた
92年12月12日
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:長岡成貢
前作からわずか1ヶ月でリリースされたウィンターソング。21世紀以降のジャニーズ若手がデビュー数作以内で出しても通用しそうな良メロジャニーズ王道ポップス。タイトル通りに今年最初の雪が降ってきて冬の訪れを感じる曲だが、過去の幸せな思い出を振り返り今は隣には君がいない…という孤独全開の失恋歌でもある。曲調が明るいし、SMAPの歌声も元気なのであまり悲しさを感じさせない。楽曲はともかくジャケットのセンスは現代に通じるとは言い難い謎のバスケスタイルになっており、テレビでもバスケのパフォーマンスをしながら歌われるという意味不明の振り付けが施されたらしい。何故冬の失恋ソングでバスケなのか?雪が降ってきたのにバスケなのか?バスケに打ち込んで悲しみを忘れたいのか?(しつこい)

前作に記載されていた今作の予告では"「心の鏡」「負けるなBaby」につづくSMAPからのメッセージソング"と書かれていたが今作は失恋ソングであり、全然2作に続いてない。むしろ「笑顔のゲンキ」の方がメッセージソングだったような…。1ヵ月しか経っていないが違う曲に変わったんだろうか…。次回予告アテにならねーな…。

4thアルバムのアルバムバージョンはイントロ部分に追加音があるものの基本的にあまり違いが感じられない。

『COOL』ではPoogie Bell(Dr.)、Victor Balley(Ba)、Eddie Martinez(Gt.)による生演奏に差し替えられ、さらにRobert Freedmanによるストリングススコアアレンジが施され海外ストリングス隊によるストリングス演奏が加えられた。アウトロ終了後にはストリングスだけの締めの演奏も含まれているがこれは若干とってつけ感がある(終わったと思ったらファ〜ファァァァァァ〜とか鳴るので)。基本アレンジはそのままだが丁寧な生音演奏により曲全体がゴージャスで柔らかくなった。個人的にはこのバージョンが1番好き。

01年の『ウラスマ』では1曲目に収録されたが、この時はスローバラードに大幅にアレンジされて1コーラスを5人のソロで歌い繋いでいくという構成に変更された。そっちのバージョンではメロディーの良さがより感じられ、さらに歌詞の悲しさに寄り添ったのはこのバージョンだと思う。当時の年末の歌番組では稲垣メンバー不在の中で4人だけでこの曲を歌唱していた。
★★★★☆
4thアルバム『SMAP 004』(アルバム・バージョン)
1stベスト『
COOL』(新録音)
リミックスアルバム『
BOO』(MOD Mix)
3rdベスト『
Smap Vest
4thベスト『
ウラスマ』(ballad version)

C/W 100万の言葉
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:森村献
ラテンテイストの歌謡ポップナンバー。A面が垢抜けてきたのに比べるとまだ初期の空気が多分に感じられる。ラテンテイストという程度でラテン全開ではないが間奏ではパーカッションがパカパカと乱打される。最後のサビの一部でスラスラスラスララ歌詞を放棄し始めるので一体どうしたのかと思ったが、これはワープロ(!?)のCMタイアップで商品名が「スララ」だったからだろう。
★★☆☆☆
アルバム未収録

雪が降ってきた

2016.7.19更新


If You Give Your Heart
/稲垣吾郎
93年2月3日
作詞作曲編曲:J.Carbone・D.Belfield
稲垣吾郎が主演した81年のアメリカ映画をリメイクした「プライベート・レッスン」主題歌。メンバー最初のソロデビューとなったが、この時点で最新の3rdアルバムまで稲垣にはソロ曲が無く、ソロデビューにして初のソロ曲となった。90年代後半以降、草gや香取にもヒットドラマが生まれていった一方で、稲垣ドラマはあまり大きなヒット作や話題作が無く、俳優としてやや影が薄くなるが、初期にドラマ出演で最も推されていたのは稲垣だった(草gに至っては97年まで主演ドラマが無い)。全英語詞のナンバーだけに最初から稲垣のソロとして制作したというよりもジャニーズの政治力で主演に歌わせたという形と思われる。このためかC/W曲は稲垣は一切関わっておらず、挿入歌のジョディ・ワトリーの楽曲「Ecstasy」が収録されていた。ソロシングルといっても実際には稲垣吾郎とジョディ・ワトリーのスプリットシングルである。ジョディは後のJ-FRIEDNSの「ALWAYS (A SONG FOR LOVE)」にコーラス参加しているのでこの時の縁があったのかもしれない。

当時は全く知らなかったし、『ウラスマ』にこの曲が収録されるまで存在すら知らなかった。当時のチャート成績も21位と振るわなかったが、洋楽テイストに合わせてジャケット表記が「Goro Inagaki」で分かりにくかった上に、SMAP本体さえまだファンにしか知られてないような時期だけに仕方ないか。曲は…あまり印象にも残らない洋楽テイストな曲だが、そもそもテイストというかまんま洋楽である。まだ声も若く少年のような歌声だが、それ以前に拙い歌唱力や英語力をごまかすかのようにコーラスがバッチリかかっているのでソロ作品という気さえあまりしない。
★★☆☆☆
4thベスト『ウラスマ

If You Give Your Heart

2016.7.20更新


7th ずっと忘れない
93年3月3日
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:長岡成貢
卒業ソング。初めて聴いたのが96、97年頃でたまたま小学校卒業と近かったので個人的に思い出深く、特にサビ後半のメロディーがたまらない。"そうサヨナラはきっと 終わりにすることじゃなくて 何かが始まってゆく スタートと同じさ"のフレーズは小学生当時の俺には響くフレーズだった。まあ小学校で楽しかったのは4年まで、5,6年は江戸幕府の縮図のような将軍制度が敷かれたクラスだったので、恐らく俺どころか大半のクラスメイトがさっさと忘れたいっていうのが本音だったと思うけどな(個人的)。前作に続いてジャニーズ王道のポップスという感じで、随分とサウンドが洗練されて路線も定まってきた感がある。今作で初の20万枚突破を達成した。

4thアルバムのアルバムバージョン(CD本体に表記は無いが公式サイトではアルバムバージョンと表記)はイントロ部分にSEが追加されているが、それ以外はほぼ同じ。『COOL』では基本演奏は打ち込みのままで他の曲ほどの変化はないがJim Beardによるアコースティックピアノが追加録音されており、終始ソロパートみたいなテクニカルな演奏をしているのが印象的。なんかあまりに自由に弾きすぎて曲に関係なくなっている気がしなくもないし、そのせいなのかやけにピアノが奥に引っ込められているので耳を傾けないとなんかバックで鳴ってる程度でしかないけど。
★★★★☆
4thアルバム『SMAP 004』(アルバム・バージョン)
1stベスト『
COOL』(新録音)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W 君を微笑みに変えて
作詞:久和カノン、作曲:田村信二、編曲:新川博
こちらは新生活スタートといった感じ。ワクワクしてくる希望に満ちた雰囲気はスタートソングとして非の打ち所が無い。ていうかこの曲、初めて聞く前から何かどこかで聞いたことがあった気がするんだけどどうしても思い出せないままだ。
★★★☆☆
アルバム未収録

ずっと忘れない

2016.7.21更新


8th はじめての夏
93年6月6日
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:長岡成貢
アニメ『姫ちゃんのリボン』ED。OP主題歌はそのままだったがEDは「ブラブラさせて」から交代となった。切なさをはらんだ青春さわやかなラブソング。初めて聴いたのは2ndベスト盤『WOOL』発売当時だったが…普通にアルバムの中の1曲だと思ってた。好印象ではあったんだけど、なんだかシングルっぽくはないかなと。背伸びしている少年の初々しい感じ、少年から青年へ成長していくような甘酸っぱさはこの時期にしか出せなかった色だろう。ただ当時はそれ以上の印象は無かった。その後しばらくしてアレンジがかなりオシャレで凝っている事に気づいてからはけっこう好きな1曲に。アレンジ面の凝りっぷりからして、地味なようでSMAPのシングル史上重要かつ革新的な1曲だったのかもしれない。ジャケットも今までに比べてちょっとカッコいいし。

4thアルバム1ヵ月前のリリースだったがオリジナルアルバムには未収録。シングルバージョンは『Smap Vest』まで長年アルバム未収録だった。『COOL』『WOOL』ではドラムがOmar Hakim、ギターがIra Siegel、トランペットがRandy Breckerの生演奏に差し替えられており、アレンジ自体は変わっていないが、アレンジの凝りっぷりがよりゴージャスな味わいになっていて悶絶モノ。
★★★★☆
1stベスト『COOL』(新録音)
リミックスアルバム『
BOO』(mc“AK”Mix)
2ndベスト『
WOOL』(『COOL』Ver.)
3rdベスト『
Smap Vest

C/W これから海へ行こうよ
作詞:真名杏樹、作曲:多々納好夫、編曲:重実徹
バンドテイストなポップロックナンバー。初期の古さは抜けてきたがそれでもまだ作家勢が2ndアルバム頃の人たちなので初期寄りの色も残されたような過渡期的な1曲。注目ポイントは間奏開けの大サビで登場する中居のソロパート。アルバム曲ではソロパートが多かったが、シングルではほぼオールユニゾンという中でソロパートは台詞を除くと「正義の味方〜」での木村ソロパート以来だったのでこれはなかなか珍しい。
★★★☆☆
アルバム未収録

はじめての夏

2016.7.22更新


ポケットに青春のFun Fun Fun
作詞:戸沢暢美、作編曲:CHOKKAKU
SMAPの音楽が明確にそれまでの80年代ノリを払拭して新たな路線を開拓し始めた過渡期に当たるのが4枚目のアルバム『SMAP 004』だ。このアルバムではジャケットがデザインになり、メンバーの笑顔の写真というアイドルの常識をあえて外した最初のアルバムでもあるがその1曲目もなかなか挑戦的。キレ味のいいカッティングギターややたらうねるベースなどサウンドがなかなかカッコいい。その一方でメロディーも聞きやすさ抜群。少年から青年へ静かに変わり始めた事を感じられる1曲。『WOOL』にも収録されたが生演奏への差し替えなどは行われずオリジナルのままのようだ。
★★★★☆
4thアルバム『SMAP 004
2ndベスト『WOOL


かなしいほど青い空
作詞:小倉めぐみ、作曲:多々納好夫、編曲:小野澤篤、『COOL』リメイク版編曲:長岡成貢
曲調はポップで明るいんだけど歌詞やサビメロなど随所に切なさが漂う失恋ソング。まさに悲しいんだけど空が青いっていうのを曲調でも表現したメロウな楽曲。当時WANDSの「もっと強く抱きしめたなら」をミリオンヒットさせるなどビーイングでの曲提供を頻繁に行っていた多々納好夫はSMAP初期にも作家として参加していたがその中でも今作は1つ抜けていると思う。

『COOL』においては「笑顔のゲンキ」同様にアレンジャーごと変更する完全なリメイクバージョンが制作され、長岡成貢の打ち込みアレンジを基本にしてWill Leeのベース、Jim Beardのフェンダーローズ(エレピ)、Dave Valentinのフルートといった生演奏を加えた編成に。テンポがゆったりした大人の色気も漂うようなミディアムナンバーへ変貌し、ややまったりした感じも否めないが、実に上質な味わい。
★★★★☆
4thアルバム『SMAP 004
1stベスト『COOL』(リメイク)
4thベスト『
ウラスマ


9th 君は君だよ
93年9月9日
作詞:小倉めぐみ,作曲:谷本新,編曲:重実徹
アニメ『姫ちゃんのリボン』3期ED。このアニメそんなに頻繁にEDだけ変わっていたのか…全く記憶が無い。もう9枚目ではあるけど前作以上にメロウに聞かせるいわゆる初期の名曲。スマスマに出演した際に小泉元総理aikoなどがそれぞれ好きだと言っていた記憶があるが、個人的にもかなり好きな1曲。これまでと違って極めてスタンダード性が高いのも長く愛されている理由だと思うが、君は君でいいと肯定してくれる優しさが心地いい。以前のようにひたすらがんばれ負けるな君はやれると歌う応援歌は、お前が頑張れとか無根拠すぎるとか勢いを除くと説得力皆無である事も多いが、今作の主人公は相手を励ましながらも"ホントまだたいして長く生きてないのにね"と自身の若さと未熟さを自覚している点が新しい。その上で"これでけっこういろいろとあるもんだよね"と歌われたら同世代の少年少女にとっては目線が同じに感じられて信頼感MAXである。あの頃、大人にはそんな大したことじゃないと思われるような事でも当人にとっては1つ1つが大きな事だったし色々あるもんだった、そこの気持ちを救い取ってくれるからこの曲は優しいんだなと大人になって改めて思ったりも。96〜7年頃、小6〜中1頃にこの曲に出会えたのもドンピシャだった。

5thアルバムには未収録。『COOL』ではリテイクされている。この曲に関してはシングルバージョンの時点でベースドラムトランペットが生演奏だったが、ベースはそのままにドラムを入れ替え、ギター、ピアノを生演奏に追加。ここまでは日本人で固めているが、トランペットは海外演奏者に交代し、Rpbert Freedmanによるストリングスアレンジも加わった。シングルを更に生音重視にしてブラッシュアップさせたような雰囲気で好印象。

また『SMAP AID』の投票では19位にランクインしていた(20位まで公開、15位まで収録)。『BEST FRIEND』に続くベスト20内で2番目に古い曲で、あちらが2001のリメイクで1度リバイバル的にピックアップされて知名度を向上させていたことを考えると、特に震災関連で歌われたわけでも、発売後にピックアップされる機会があったわけでもないので、こちらの方が純粋最古であり、根強い人気を示したといえる。
★★★★★
1stベスト『COOL』(新録音)
3rdベスト『
Smap Vest
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W どうしても君がいい
作詞:小倉めぐみ、作曲:馬飼野康二、編曲:CHOKKAKU
やや激しめの曲。今までよりも攻撃的で音がカッコいい。4thアルバムで見せ始めていた片鱗がいよいよ中心になっていくのを感じる1曲。歌詞はかなり一方的な愛情をぶつける若者の心情がひたすら描かれているのみ。詳しくは描かれていないが、主人公は彼女に会ってもらえず、家の近くの公衆電話でとにかく会いたい待ってるとだけ告げて真夜中に待っているが彼女はやってこない、という状況だと推察される。冒頭の"カードがもう無くなる"から電話を切ったというのは、公衆電話とテレフォンカードの事を示唆しており、携帯電話が無かった時代の情景描写には時代を感じる。テレフォンカードと公衆電話がピンと来ない世代がこの曲を深読みすると、(消費者金融がらみのクレジット)カードが(限度額いっぱいで)もう(使え)無くなるから待ってる、すなわち「いいからさっさと金持って来い」とたかりすぎて嫌われた最低野郎の歌だと誤解するかもしれないがそんなわけはない。該当時期の曲が多く取り扱われた『COOL』『WOOL』には収録されなかったが、メンバーに思い入れがあるのか『ウラスマ』に突如選曲され、ファン投票の『SMAP 25 YEARS』ではなんと並み居る人気シングルを軽く抑えつけて7位にランクインするなど非常に高い人気を見せた。いったいどうしたんだ…。
★★★☆☆
4thベスト『
ウラスマ
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

君は君だよ

2016.7.24更新


10th $10
93年11月11日
作詞:林田健司・森浩美、作曲:林田健司、編曲:CHOKKAKU
林田健司が92年に発表していたアルバム曲のカバー。最初はコンサートで森がソロで歌っていたらしい。一気に30万枚突破したブレイク作。王子様的なアイドル像とかけ離れた愛と金をテーマにした現実的な歌詞による攻めの1曲。徐々に片鱗は見せていたが今作ではCHOKKAKUが本領を発揮したのか一気に音が洗練された。これまでのシングル曲はほとんど6人全員での歌唱で押し通していたが今作はサビ以外を木村・森のソロ歌唱で繋いでいるのも新しい。

今作はバージョン最多楽曲でもあり、実に5バージョンものバージョン違いが存在する。5thアルバム収録のMOD Mixは冒頭1分間がリミックスになっていてなかなか曲が始まらないが、始まるとシングルとほぼ同じ。

『COOL』ではドラムにDennis Chambers、ベースにWill Lee、ギターにMichael Campbell、テナーサックスにBob Bergを迎えて生演奏によるさらにカッコいい仕上がりになっている。

『BOO』ではリミックスバージョンが制作され、#4というのはこの曲が4バージョン目であることを示している。

『WOOL』収録の際は『COOL』バージョンを基に再編集が行われていて、テナーサックスを全面カット、イントロが編集され最初のサビ始まりがカット(冒頭のLady♪などのフェイクもカット)された。これに伴い間奏で鳴りまくっていたサックスが消え去り、シンセの音も控えめでギター・ベース・ドラムのバンド演奏をメインに押し出したミックス変更が施されているようだ。『COOL』バージョンが1番豪華だが、カッコ良すぎなバンド演奏を前に出した『WOOL』版もなかなかしびれる仕上がり。
★★★★☆
5thアルバム『SMAP 005』(MOD Mix)
1stベスト『
COOL』(新録音)
リミックスアルバム『
BOO』(#4)
2ndベスト『
WOOL』(『COOL』Ver.の再編集バージョン)
3rdベスト『
Smap Vest
6thベスト『
SMAP 25 YEARS

C/W 話をしていたくて
作詞:小倉めぐみ、作編曲:長岡成貢
表題曲がカッコよすぎて普通にポップな曲に聞こえてしまうが、けっこう洗練されていて十分にカッコよさもある1曲。仲間たちと出かけた海でふいにずっと好きだった人気者の彼女と買い出し係になって思いが高まり告白していい感じになる(手を繋いで曲が終わる)という、友情が恋に変わる瞬間を描いた王道・定番のザ・青春ラブストーリーが展開する甘酸っぱさ120%ナンバー。

『COOL』ではドラムにOmar Hakim、ベースにWill Lee、ギターにEddie Martinez、クラビネットにJeff Bovaを迎えた生演奏への差し替えが行われている。基本アレンジはそのままだが洗練されすぎ。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
1stベスト『COOL』(新録音)

$10

 

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