Quiet Life(30th Anniversary Edition)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム) | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 21stシングル(カット) 最高18位 売上10.2万枚 |
2 | マンハッタン・キス | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 20thシングル 最高11位 売上20.8万枚 |
3 | Forever Friends | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 22ndシングルC/W(カット) 94年再発盤シングル『本気でオンリー・ユー』C/W(カット) |
4 | COOL DOWN | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | |
5 | After Years | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 17thシングル 最高55位 売上2.6万枚 |
6 | THE CHRISTMAS SONG | M.Torme | R.Wells | 21stシングルC/W(カット)、 45thシングル『君の居場所(Have a Good Time Here)』C/W(カット) Nat King Coleのカバー |
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7 | 告白 | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 19thシングル 最高3位 売上38.5万枚 |
8 | コンビニ・ラヴァー | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | |
9 | ロンサム・シーズン | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 岡田有希子へ提供 セルフカバー |
10 | 幸せの探し方 | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 22ndシングル(カット) 最高42位 売上2.0万枚 |
11 | シングル・アゲイン | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | 18thシングル 最高2位 売上53.9万枚 |
12 | Quiet Life | 竹内まりや | 竹内まりや | 山下達郎 | |
<BONUS TRACKS>(30th Anniversary Edition追加収録) | |||||
13 | 家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)[Karaoke] | 竹内まりや | 山下達郎 | カラオケバージョン 3rdベスト『Expressions』初回盤収録 | |
14 | 告白[Karaoke] | 竹内まりや | 山下達郎 | カラオケバージョン 34thシングル『明日のない恋』C/W収録 | |
15 | シングル・アゲイン[Karaoke] | 竹内まりや | 山下達郎 | カラオケバージョン 9thアルバム『Bon
Appetit!』初回盤、 34thシングルC/W、3rdベスト初回盤収録 |
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16 | Hey! Baby[Karaoke] | 竹内まりや | 山下達郎 | カラオケバージョン初CD化 当時はカセットのみ収録 18thシングル『シングル・アゲイン』C/W 森下恵理へ提供 |
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17 | ミラクル・ラブ[Karaoke] | 竹内まりや | 山下達郎 | カラオケバージョン初CD化 当時はカセットのみ収録 20thシングルC/W 牧瀬里穂へ提供 |
French Lyrics by Jiro Terao(10)
Orchestra Arrangement:服部克久(6)
Strings Arrangement:服部克久(11)
リリースデータ
1992年10月22日 1999年6月2日(92年盤再発) 2022年8月31日(30th Anniversary Edition) |
初登場1位 - 初登場4位 |
売上115.5万枚 - 売上3.0万枚 |
Produced by 山下達郎 | MMG ワーナー ワーナー |
竹内まりや8thアルバム。5年2ヵ月ぶりのアルバム。前作以降91年以外は年1、2枚のシングルリリースは継続しており、「シングル・アゲイン」では「不思議なピーチパイ」を大きく上回る最高売上を記録し、続く「告白」でもピーチパイに並ぶ売上を記録した。91年にリリースが無く、92年5月にリリースされた「マンハッタン・キス」では一転してトップ10落ちとなっていた。しかし今作では問題なく1位を獲得して、2作連続のミリオンヒットを記録。11月10日には早くも「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」がシングルカットされ、C/Wには「THE CHRISTMAS SONG」がカットされた。93年には「幸せの探し方」がシングルカットされ、C/Wとして「Forever Friends」がカットされた。「Forever Friends」は94年にA面扱いで再シングル化された『本気でオンリー・ユー』C/Wとしても再度収録された。前作以降の5年間で完全にレコードからCDへの切り替えが完了していたためレコードでの発売は無かった。99年のレコード会社再編に伴い品番変更で再発された。
前2作に続いて2022年には発売30周年を記念してボーナストラック追加収録&リマスターで30th Anniversary Editionとして再発された。ボーナストラックは5曲全てがカラオケバージョンで、ボーナスがカラオケのみというのは山下達郎・竹内まりや夫妻が行ってきた歴代リマスター盤史上初となる。竹内まりやによる全体解説、山下達郎の全体解説と楽曲解説、ライターによる全体解説と楽曲解説が記載されている。ブックレットがやや厚くなったためか通常10oより厚い12oサイズケースが使用されており、リマスター盤での12oサイズケースの使用は初となる。また前2作と今作の間の2018年10月〜2019年3月にかけてはデビュー40周年記念で半年かけて1st〜6thアルバムもリマスター再発されたため、これにて1st〜8thのリマスター盤が出揃った事になり、90年代までのオリジナルアルバムのリマスターが完了した。残るは00年代以降の3作のみとなるが30周年を待つ場合は次が9年も先になるため00年代以降の作品にも改めてリマスター作業を行うかどうかは不透明である。
当時アナログ盤で発売されなかったが、2022年リマスター盤では初めてアナログ化もされた。アナログ盤ではボーナストラックは収録されない。配信はDLのみ。
「Hey! Baby」「ミラクル・ラブ」のカラオケバージョンは当時カセットのみ収録だったためCD初収録となるが、カラオケだけが収録される事態となった。この2曲は元々アルバム未収録で2007年『Denim』初回盤『Vintage Denim』としてアルバム初収録を果たし、それら全曲が2019年『Turntable』に再度収録されていた。『Turntable』で歌は聞けるという事でカラオケ音源のみの収録になったと思われる。
またこの後シングル2枚リリース後にベスト盤『Impressions』を発売したため「明日の私」「純愛ラプソディ」はオリジナルアルバムには未収録でベスト盤収録のみとなっているが、今回ボーナストラックに収録しなかったためこのままオリジナルアルバムリマスター盤に収録される見込みは無くなった(『Impressions(30th Anniversary Edition)』はさすがにやらないだろう)。「純愛ラプソディ」は2008年のベスト『Expressions』収録時が最新リマスター、「明日の私」は2019年『Turntable』収録時が最新リマスターとなる。
前作と異なり今作はセルフカバーではなくオリジナル曲中心となり発売当時は半数以上が新曲というオリジナルアルバムらしいオリジナルアルバム。シングルカットが4曲続いたので最終的にはシングル曲ばかりになってしまったが…。もうここまで来ると変わらぬ高値安定。聞き心地のいい竹内まりやらしい王道のポップスを次から次へと聞くことができる。「コンビニ・ラヴァー」のような少し遊び心を見せた曲が中盤過ぎで出てくるのもいいアクセントになっていると思う。
存在感においては『VARIETY』以降の自作メインになってからのアルバムでは最も地味な感じがする。当時はタイアップもそこそこあり、前2作と大差ないどころか、「シングル・アゲイン」「告白」というシングルヒットを収録しているだけむしろ前2作より明確にヒット曲がある状態だったわけだけど、後年になるほど竹内まりやの代表曲、有名曲において売上があまり関係しなくなっていってしまい、最大ヒットの「純愛ラプソディ」はともかく、シングル2番ヒットである「シングル・アゲイン」が筆頭の代表曲かというと最早そうではない。『VARIETY』には「プラスティック・ラブ」、『REQUEST』には「元気を出して」が収録されていて後年に再評価されて筆頭代表曲化していったこともあって、今作はそこまで広く親しまれている曲はないように思う。世代的に次の『Bon Appetit!』はタイアップ先に触れていた曲が多く馴染みがありすぎるので、どうも今作だけ馴染みが薄くなってしまったように感じている。ただそれでも『Impressions』『Souvenir〜Mariya Takeuchi Live』『Expressions』を通していつの間にか馴染んでいたので、実際に聞いてみると知らない間にけっこう聞き馴染みのあるアルバムになっていた。この辺りの普遍性はさすがだと思う。
当時はまだユーミンやチャゲアスがトップを争っていた時代で、ドリカムやB'zなどもミリオン戦線の最上位で争うようになっていたので過渡期ではあったけど、今より圧倒的にヒットチャート上位が20代のミュージシャンで賑わうようになってきて、たぶん今作のような落ち着いた音楽は今思う以上に大人の音楽に感じられたんじゃないかと思うんだけどどうなんだろう。
30th Anniversary
Edition
リマスターは山下達郎でもおなじみですっかり恒例の菊地功。2022年に事務所の社長が変わったため長年Exective
Producerとしてクレジットされていた小杉理宇造が退き、社長になった息子の小杉周水がExective
Producerとなっているのは『SOFTLY』と同様。ライナーで山下達郎が『ARTISAN』からの流れで機械による演奏が多いと書いていて、そんな印象は無かったけどなと思ってクレジットを見たらほとんどの曲で青山純がドラムを演奏していて、全面機械任せ(達郎1人オケ制作)になっているのは「After
Years」「告白」くらいしかない。ベースは打ち込みになっているものが多かったり、細かいところでプログラミングを駆使している曲が多いという事だとは思うけど、『ARTISAN』よりは生バンド感はあるように思う(実際そうだし)。
リマスターと楽曲解説が丁寧なのはいいんだけどボーナストラックがカラオケだけのは率直に残念。「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」「告白」「シングル・アゲイン」は過去に収録済みで今作を手に取るようなファンならとっくに手に取っているだろう。特に「シングル・アゲイン」なんか過去2度のカラオケ収録機会に2回とも収録された挙句にシングルC/Wにも収録された事があり、これが4度目のカラオケ収録である。確認せずともカラオケ4回収録は割と前代未聞、事あるごとに入れ過ぎである。
この既出カラオケ3曲の枠を使えば「Hey! Baby」「ミラクル・ラブ」の歌入りも収録できたし、何ならオリジナルアルバム未収録のこの後のシングル「明日の私」「純愛ラプソディ」を収録してくれた方がよっぽど良かった。「純愛ラプソディ」は『Expressions』に収録されたのが最後なので、最大のヒットシングルなのに最新リマスターが一昔前の2008年になってしまうのか…。
30th Anniversary Edition 30th Anniversary Editionアナログ盤
印象度★★★★☆
2018.1.13更新、2022.9.24リマスター盤仕様で追加更新