流れ弾/櫻坂46

2021年10月13日
Type-A,B,C,D,通常盤
初登場1位 売上43.4万枚
初登場10位 売上0.5万DL(流れ弾)
初登場2位 売上0.5万DL(Special Edition、アルバム扱い)

B09CB48XV3

半年ぶり改名後3作目。

櫻エイトのシステムは継続し、固定の2列8名、曲によって入れ替わる3列目8名という編成だが、センター3人が同じだった前2作から今作では田村保乃、森田ひかる、渡邉理佐の3人となったほか、田村以外の森田、理佐センター曲は1曲ずつとなり、残りはユニット2曲櫻エイト以外の3列目メンバー全員(BACKSメンバー)楽曲が初めて収録された。

また櫻エイトシステム楽曲においては1列目の3人は前2作のセンターの1人であった山﨑天、前2作の表題曲センター森田は固定、田村は理佐センターの「無言の宇宙」では2列目、理佐はセンター曲以外は2列目。山﨑天は3人のセンターから外れたが1列目固定で扱いが良く、Type-Bジャケット写真ではセンターとなっている一方で前2作でのセンター3人のもう1人藤吉夏鈴は櫻エイトにも残れずにBACKSメンバーへと一気に後退した。

発売1ヶ月以上前の9月9日に小林由依が活動休止を発表したがレコーディング、MV撮影は終了しており普通に参加している。メディアプロモーションやライブは小林抜きとなったため、櫻エイトは1人欠けた7人での稼働となった。

10月22日に守屋茜、渡辺梨加が卒業を発表。今作が最終参加となった。守屋茜は欅坂46時代は副キャプテンだったが改名後は解任され3作連続3列目(表題参加は1作目のみ)渡辺梨加は2作連続3列目(2作目は表題参加)だったが今作では櫻エイト入りを果たしていた。

Type-A,B,C,D,通常盤で3曲目が異なる。
A,B,C,DのBlu-rayは表題曲のみ共通、A,Bは2曲目のMVなし、C,Dは2曲目のMVが異なる、特典映像は3,4人での撮り下ろしロケ映像「SAKURA MEGURI」と6月16~18日に行われた3列メンバーによる「BACKS LIVE!!」を「Sakurazaka46 BACKS LIVE!!~Center Performance Collections~」として4分割収録。このライブにおけるBACKSメンバーは前作時のメンバーで今作のBACKSメンバーとは異なる

1.流れ弾

大園玲、松田里奈、小池美波、藤吉夏鈴、守屋麗奈、武元唯衣
菅井友香、渡辺梨加、渡邉理佐、小林由依、土生瑞穂
山﨑天、田村保乃、森田ひかる

前々作以来の謎の作家デレク・ターナー作曲、編曲は武藤星児。ド迫力で忙しないファンクサウンドに乗せて相変わらずSNS社会を皮肉ったような歌詞を並べ立てて世間に突きつけるストロングなスタイル。歌詞だけ見ると欅坂時代から全く変わっていないが重厚なホーンセクションが一定の明るさとノリの良さを醸し出しているのでダークにはならない、という確かに改名後な感のある仕上がり。制作陣としては欅坂で出来なかった事の続きを発展形をやりたいんだろうなという気もするが、やる方は毎回疲れそうだなという気もする。早口でまくし立てるメロディーもインパクトはあるが忙しなさすぎて何言ってんだかよく分からないところもあり、カラオケバージョンを聞いてサウンドだけに特化して聞いた方が案外しっくりきた
★★★★☆

2.Dead end

齋藤冬優花、増本綺良、井上梨名、原田葵、大沼晶保、遠藤光莉
菅井友香、渡辺梨加、渡邉理佐、小林由依、土生瑞穂
山﨑天、森田ひかる、田村保乃

前2作センターの森田ひかるのセンター曲。今回はユニット曲を入れたのでこの編成の曲は1曲のみ(理佐センターも同様)。

準A面っぽい雰囲気の曲で忙しなさやホーンセクションを取り入れている点も同様だが、今作の方が歌詞が絶望的で完全に行き詰って追い詰められた心情をストレートに表現。行き止まり(Dead)行き止まり(end)♪の連呼が耳に残る。ただDead Endでやけくそになっているのではなくあくまでここからどう生きるかという内容になっているのでDead Endというよりはその目前で次へ行こうとしているところに希望もある。表題ほどではないがホーン風のサウンドを取り入れる事で行き止まり(Dead)行き止まり(end)♪と歌詞の内容が絶望的に終わっていてもどこか明るさもある。もうダメだおしまいだァという旧ブロリー映画のベジータみたいなDean end感ではなく、オワタオワタ茶化した言い方をするくらいはまだ余裕がある感じのDead endって感じ。
★★★☆☆

3.ソニア

Type-Aのみ

上村莉菜、尾関梨香、小池美波、齋藤冬優花、原田葵、守屋茜、井上梨名、遠藤光莉、大園玲、大沼晶保、幸阪茉里乃、関有美子、武元唯衣、藤吉夏鈴、増本綺良、松田里奈、守屋麗奈

初のBACKSメンバー楽曲。櫻井エイトシステムはC/W含めた3人のセンター曲の3列目だけ完全入れ替え制での3パターンなので大園玲、松田里奈、小池美波、藤吉夏鈴、守屋麗奈、武元唯衣は「流れ弾」にも参加しているという点が乃木坂46の選抜、アンダーの関係と決定的に異なる。

幼少期に母の化粧道具にあこがれた心情を描いたっぽい内容だが「ソニア」自体に意味はなく、単なる響きのいい女性名として記号に近い形で使われているように思う。還暦越えの策士家がひねり出した歌詞と考えると若干ビミョーな気分にもなるが、メンバーにとっては幼少期の感覚と共鳴するところもあるのかもしれない。とはいえソニアソニアソニアの連呼が耳に残りすぎるのでそれ以外の歌詞はそんなに気にならなかったりもする。

BACKSメンバー曲という事だが策士家お得意のドキュメント歌詞(この場所にいる存在意義を自問自答するようなメンタル削るやつ)ではなく、無駄にメンバーのメンタルに影響を与えない、むしろ方向性が違っててこっちはこっちでいい曲じゃね?となるような曲を用意したのは英断。
★★★☆☆

3.ジャマイカビール

Type-Bのみ

小林由依、遠藤光莉、藤吉夏鈴

1期生で3作連続櫻エイトで2作は1列目というエース格の小林、新2期生で3連続BACKSの遠藤、2期生で前2作ではセンター3人のうちの1人(C/Wセンター)だったのに今作で一気にBACKS送りになった藤吉と3人とも立場が異なり、特に仲がいいという事でもないような不思議な組み合わせのユニット曲。しかも小林が発売前に休養したので復帰するまではオリジナル編成で披露も出来ないという…。ランダムな組み合わせは立ち位置に関係なく全員に平等にチャンスを与えるというスタンスを象徴しているのだろうか。

キーボード主体の比較的スッキリしたサウンドのクール系ナンバー。去っていた彼氏が冷蔵庫に入れていたのがジャマイカビールという事で冒頭に登場するが賞味期限が切れていると言っているのに最後のサビ前に“ジャマイカビール飲みましょう 飲みましょう”と賞味期限切れのビールを飲み始めてしまう。クールにキメているが主人公の体調が心配だ
★★★☆☆

3.On my way

Type-Cのみ

井上梨名、松田里奈

2期生2名によるデュオ歌唱。2人ともBACKSメンバーだが、前2作での懸念事項として櫻エイトシステムだけで全曲やると櫻エイトはシングル全曲出ずっぱりになってしまう、櫻エイトも1作ごとに若干のメンバー入れ替えはあるだろうけどエース格の4,5名は常に全曲参加になってしまうのは確定的でどうするんだというのがあったが、その解決策がこういったユニット編成で今後も増えると思われる。

明るめのポップナンバー。2人の明るいイメージにも合っていて、冠番組でのイメージと一致する貴重な1曲(この2人は1期生でお通夜状態だった番組を立て直した2期生の筆頭格)。しかし2人で歌うにはパート割が忙しすぎる感じで、サビでも思いっきりメロディーと被るYeah Yeahが歌詞にも書かれているがメインメロディーを2人で歌っているのでYeah Yeahは歌えるわけもなく、2人では再現不可能。4,5人で歌った方がいいような明らかに1人や2人で歌えないような曲をソロやデュオにしてしまう(乃木坂白石の「オフショアガール」なんか最たる例)とかたまにあるけど、どういうつもりでこういう編成にしてしまうのだろう。
★★★☆☆

3.無言の宇宙

Type-Dのみ

関有美子、守屋茜、上村莉菜、尾関梨香、幸阪茉里乃
菅井友香、渡辺梨加、田村保乃、小林由依、土生瑞穂
山﨑天、渡邉理佐、森田ひかる

櫻エイトシステム3組のうちの3つ目となる渡邉理佐センター曲。前2作で小林と共に全曲フロントだった渡邉理佐はこれが初センター。今作では山﨑天と森田ひかるがフロント固定になっているので、他の2曲では渡邉理佐は2列目、また表題曲センター田村が唯一2列目でもある)

穏やかながら広がりのある楽曲で、他の2曲と違って攻撃性や忙しなさと対極にあってスーッと聞ける1曲。「二人セゾン」の方向性を伸ばしたような雰囲気もあるので、けっこうな人気曲になりそうでもある。
★★★☆☆

3.美しきNervous

通常盤のみ

大園玲、松田里奈、小池美波、藤吉夏鈴、守屋麗奈、武元唯衣
菅井友香、渡辺梨加、渡邉理佐、小林由依、土生瑞穂
山﨑天、田村保乃、森田ひかる

「流れ弾」と同じ編成。今回ユニット曲があるので、森田と理佐のセンターは1曲のみだが、表題曲編成の田村センターのみ2曲となった。

恋に落ちた少女の思いを歌ったラブソングでちょいちょい変な歌いまわし(なんちゃってラップ調)があったり、サビのYes!の掛け声が意図的にかわいい感じに叫んでいるところが割としっとりしているメロディーラインと雰囲気が異なっていて変なギャップがあったり、独特の味わいな部分や歌謡曲っぽい部分もあるダンスナンバー。
★★★☆☆

Blu-ray

1.流れ弾-MUSIC VIDEO-

相変わらずというかむしろ前2作よりも欅坂46時代に近いハチャメチャな空間でハチャメチャに踊り狂うメンバー達というハチャメチャオブハチャメチャな内容。ちょっとついていけない感じだが、結局あの振付師がなんか1番欅坂46を引きずっているのかと思ってしまうほど。最後には笑顔も見せて踊り狂うメンバーたちの姿からはどうも平手が壊れなかった世界線の延長を求めているみたいな感じで…。

以下Type-Aのみ

1.SAKURA MEGURI 齋藤冬優花×菅井友香×守屋茜

3人(もしくは4人)で、自撮りでロケに出向くという内容。一応「さくら」に関連した場所や行動をするというグループ名に引っかけた内容にも。この3人は「馬のさくら」と触れ合う内容だが、馬となれば菅井が主役同然となり、流鏑馬に挑んでいる時なんか完全に2人は添え物状態に…。

3.SAKURA MEGURI 渡辺梨加×渡邉理佐×増本綺良

「桜窪で陶芸」。喋れないのとヤバいのに挟まれているので理佐が進行役をやるしかないが、クールそうでやるときはちゃんとやるところがいいなと。ていうかマジで素行不良だったS田さんとクールコンビみたいにまとめられていたのが誤解を招いていたのか。経験者だったというのもあるが梨加が陶芸の才能を発揮したりと意外な一面も。

Sakurazaka46 BACKS LIVE!!~Center Performance Collections~

1.オープニングVTR
2.Nobody’s fault(井上)
3.Plastic regret(原田)
4.半信半疑(松田)
5.BAN -Day1-(大沼)

2021年6月16,17,18日に舞浜アンフィシアターで行われた「櫻坂46 BACKS LIVE!!」3日目18日公演を中心に分割収録。このライブでは全員センターというのをやったらしく1人1センター(土生だけ何故か2曲ある)ずつ収録している。シングル表題2曲は1日目と2日目の異なるセンター分も含めて3日分収録。

「櫻エイト」システムは1列目2列目の8人が全曲固定、3列目が3パターンあってセンター3人に合わせて入れ替わるというもので、この3列目を正式に「BACKS」メンバーと定義。アンダーメンバーとは異なり、表題曲に参加していても3列目ならBACKメンバーとなる。簡単にまとめると森田ひかる、藤吉夏鈴、山﨑天、田村保乃、小林由依、渡邉理佐、小池美波、菅井友香の8人以外のメンバーが全員参加している。

普段目立たないかどこにいるか分からないメンバーがセンターに立って歌っているのはなかなか感慨深いものがある。全員バックダンサー状態だった前グループ時代を思うとちゃんと全員目立つ機会を与えようと考えられているのではないかと思う。

以下Type-Bのみ

1.SAKURA MEGURI 井上梨名×幸阪茉里乃×関有美子×守屋麗奈

人数の関係でここだけ4人。「桜山でハイキング」という事で群馬県の桜山森林公園をちょっと登って持参した弁当を食べるという内容だが、これ真夏の撮影と思われるが気温は大丈夫だったのだろうかといういらん心配が…。そこまで深刻に暑そうには見えないので本格的に猛暑が来る前か気温が引いたタイミングだったのかもしれない。

2.SAKURA MEGURI 遠藤光莉×藤吉夏鈴×山﨑天

「さくら坂でキャンドルづくり」。誰も仕切らなそうな3人だが一応最年少の山﨑天が引っ張っている感じか。本当に闇落ちから帰還出来て良かったよな…。そして同期といると意外と藤吉も明るい

Sakurazaka46 BACKS LIVE!!~Center Performance Collections~

1.Nobody’s fault-Day1-(土生)
2.Microscope(幸坂)
3.偶然の答え(関)
4.君と僕と洗濯物(渡辺)
5.インタビューVTR

幸坂さんけっこういい存在感。渡辺梨加が寝そべって抱えられた状態から始まるのはお神輿状態で担がれて登場する最初期のオマージュなのか…?

以下Type-Cのみ

2.Dead end-MUSIC VIDEO-

Type-C,Dはライブの方を1曲減らして、C/WのMVを1曲ずつ収録。こちらは前2作表題センターだった森田のセンター曲。雰囲気的に表題に近いところもあり、あそこまでハチャメチャではないがやはり激しい感じの内容。抑圧されてきたものを爆発させるような…あの振付師には何かそういうイメージがこのグループに対してあるのだろうか。

3.SAKURA MEGURI 小池美波×小林由依×大園玲

「さくらラテアート」。最早場所が関係ない。会話の中で小林が普通にツアーに参加する予定のようなコメントをしているので休止は急に決まったのだろうか。

4.SAKURA MEGURI 大沼晶保×武元唯衣×田村保乃

日光猿軍団の「サルのさくら」。サルと触れ合うメンバー3人がサルのかわいさにメロメロになるという内容。今作のセンター田村さんはやはりニコニコしている健康的な明るさが魅力的だと思うのだが何故曲で生かせなかったのか。

Sakurazaka46 BACKS LIVE!!~Center Performance Collections~

5.ブルームーンキス(守屋麗奈)
6.最終の地下鉄に乗って(上村)
7.思ったよりも寂しくない(守屋茜)
8.BAN -Day2-(齋藤)

上村はつくづく乃木坂46に入っていればもっとアイドルとして輝けたのではないかと思う。守屋茜は卒業をこの時点で決めていたかは不明だがなんかやりきった感がある。

以下Type-Dのみ

2.無言の宇宙 -MUSIC VIDEO-

夜の街を着物で歩くセンター渡邉理佐に独特の美しさが感じられる内容。他の2曲に比べれば激しい要素が無いので見やすい。スタジオ白バックのダンスシーンも合成で減ったり増えたりさせていたりと面白い演出もあって3曲の中では1番良かった。良かったというか疲れなかった

3.SAKURA MEGURI 上村莉菜×尾関梨香×原田葵

「さくら柄江戸切子グラス」。3人とものんびりしていて、欅坂より乃木坂に入っていればもっとアイドルできただろうに惜しい人材という印象が個人的にはあるが、メンバー愛を語るトークっぷりにはこれはこれで良かったのかもしれないという気にもなった。

4.SAKURA MEGURI 土生瑞穂×松田里奈×森田ひかる

「アザラシのさくら」。水族館で一通り観光した後にアザラシと触れ合うという内容。天然イケメン発言の土生、明るい松田に対して森田がどうなるかと思ったけど(冠番組で最近ほとんど目立たないので)、けっこうテンション高めに騒いでいたので安心した。

Sakurazaka46 BACKS LIVE!!~Center Performance Collections~

5.Nobody’s fault -Day2-(遠藤)
6.それが愛なのね(土生)
7.なぜ 恋をして来なかったんだろう?(大園)
8.Buddies(増本)
9.BAN(武元)

何故唐突に土生だけ2曲収録されたのか…。「Nobody’s fault」と「BAN」は3日分収録するってことで合わせたのか。

櫻坂46になってからの最大の特徴が非常にソロパートが多くなったことで曲によってはサビ以外全員のソロパートリレーなんて曲もあるほどで、48/46系の中では過去無かったくらいソロパートまみれになった。これは平手唯一絶対神教だった欅坂を反省して残ったメンバー全員をなるべく個々に目立たせるというか全員が主役だという事で運営が意識的に行っているのかは不明だがたぶん近い理由なんじゃないかと思う。

そんなソロパート多めの編成だがBACKSメンバーライブでは当然CDと違う歌割になるわけで、ユニゾンならぶっちゃけCD音源流してても分からない(2,3人だと熱心なリスナーにはすぐバレるが)けど、ほとんどソロとなると全部生で歌うか、全部事前収録するしかない。ソロ歌唱がダンスや動きの割には誰1人ブレが無く、誰1人外す奴もいないし、場合によってはさほど口が動いてないのに妙にハキハキソロ歌唱が聞こえるパートなんかもあったりするので、これは全面的に事前録音した上での口パク(リップシンク)なのかなとは思った。

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