自己ベスト-3

初回生産限定盤
自己ベスト自己ベスト-2

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 すべて去りがたき日々 小田和正 小田和正 小田和正 6th配信シングル 初CD化
2 哀しいくらい 小田和正 小田和正 小田和正 24thシングルC/W収録Ver.
オフコース 9thアルバム『over』収録曲セルフカバー
3 I LOVE YOU 小田和正 小田和正 小田和正 21stシングル『キラキラ』C/W収録Ver.
オフコース 21stシングル
4 Little Tokyo 小田和正 小田和正 小田和正 3rdシングル 最高3位 売上22.0万枚
5 またたく星に願いを 小田和正 小田和正 小田和正 5thアルバム『MY HOME TOWN』収録曲
6 遠い海辺 小田和正 小田和正 小田和正 15thシングル 最高24位 売上2.7万枚
7 とくべつなこと 小田和正 小田和正 小田和正 6thアルバム『個人主義』収録曲
8 東京の空 小田和正 小田和正 小田和正 8thアルバム『どーも』収録曲
9 やさしい風が吹いたら 小田和正 小田和正 小田和正 29thシングル両A面曲
10 愛になる 小田和正 小田和正 小田和正 9thアルバム『小田日和』収録曲
11 mata-ne 小田和正 小田和正 小田和正 9thアルバム『小田日和』収録曲
Nathan Eastへ提供「Finally Home」日本語詞セルフカバー
12 風を待って 小田和正 小田和正 小田和正 1st配信シングル、10thアルバム『early summer 2022』収録曲
13 こんど、君と 小田和正 小田和正 小田和正 2nd配信シングル、10thアルバム『early summer 2022』収録曲
14 so far so good 小田和正 小田和正 小田和正 3rd配信シングル、10thアルバム『early summer 2022』収録曲
15 what's your message? 小田和正 小田和正 小田和正 4th配信シングル 初CD化
16 その先にあるもの 小田和正 小田和正 小田和正 5th配信シングル 初CD化

Horn Arrangement by 小田和正 with 村田陽一(11)

リリースデータ

2024年11月27日 初登場2位 売上8.8万枚 Produced by 小田和正 Little Tokyo(Ariola JAPAN)

小田和正6thベストアルバム。『early summer 2022』から2年5ヵ月ぶりのアルバム。2002年『自己ベスト』、2007年『自己ベスト-2』の第3弾。前2作に収録されていない前2作の収録範囲からの更なる選曲(2〜7)『2』以降から選曲(1,8〜16)されている。『early summer 2022』以降にリリースされていた配信3曲「すべて去りがたき日々」what's your message?」「その先にあるもの」はアルバム初収録・初CD化となる。またアルバム未収録のまま取り残されていたC/Wでのオフコースのセルフカバー2曲のうち「哀しいくらい」がアルバム初収録となった。残すは「ワインの匂い」(25th『こころ』C/W)のみとなった。2016年オールタイムベストとしてリリースされていたあの日 あの時』とは「I LOVE YOU」「東京の空」「愛になる」は重複している。リマスターは阿部充泰一部楽曲はこれまで同様にリミックスされていると明言されているがどの曲がリミックスされたかは明かされていない。

初回盤はデジパック仕様で前2作自己ベスト』、『自己ベスト-2』の初回盤デジパック仕様を復刻して今作と同じ阿部充泰によるリマスターで3枚セットにしたBOX仕様。前2作は品番の表記変更や『2』の曲目にも2作と同じオリジナル発売年の表記追加、スタッフクレジットの後半に阿部充泰によるリマスター表記の一文を新たに加えた以外は当時のマスタリングエンジニアの表記もそのまま残されている。
通常盤は『自己ベスト-3』1枚のみ。
自己ベスト』、『自己ベスト-2』のリマスター盤単品CD発売は無いが、DL/STで元の音源とは別に2024Ver.として2作とも単独配信された。

『2』と今作の間に『あの日 あの時』があるのでこの存在はかなり意識したと思われ結果的に選曲がやや偏った。特にシングル曲は前2作及び『あの日 あの時』にも収録されなかった「Little Tokyo」「遠い海辺」「やさしい風が吹いたら」を選曲した一方で、自己ベスト-2』〜『あの日 あの時』(DISC-3の7曲目以降)の間の26〜29thシングルは全て外されており、なんと「今日も どこかで」まで外されてしまった

あの日 あの時』の発売理由として当時スタッフが説明した理由は"当初考えた『自己ベスト3』では内容が薄くなる事と、ライブのCD物販で「言葉にできない」「ラブ・ストーリーは突然に」「たしかなこと」「今日も どこかで」が入ったアルバムはありますか?などライブ定番人気曲を求める客が多かったが、これら4曲が入ったアルバムは最低でも3枚(『自己ベスト』2作と『どーも』)が必要なため、1つにまとめたい"といものであった。例として挙げられていたほどの人気曲「今日も どこかで」がこの『自己ベスト』シリーズ3作を全部聞いてもこぼれてしまうというのは致命的な欠陥だ。今作はシリーズ第3弾であると同時にあの日 あの時』のモアベスト的な内容も兼ねようとしたっぽいが…。前2作に収録されなかった2〜7は実際には1作目の収録範囲(『自己ベスト』と『自己ベスト-2』の間にそもそもシングル2作と『そうかな 相対性の彼方』しか無く、今作の選曲可能対象となるのは8曲しか残ってなくて、この8曲は選ばれていないため)自己ベスト』収録範囲からのモアベストだけで『2』の8曲+『3』の6曲の合計14曲に達した事になる。どうしたってこれでは三番煎じでベストアルバムとしては弱いのは否めないし、2008年以降の選曲は前述のように『あの日 あの時』に収録したシングル曲を全て外してしまい、『この道を/会いに行く/坂道を上って/小さな風景』4曲全ても外して、その後の配信シングルのみを欠かさず6曲全て選曲(半分は『early summer 2022』収録済み)というのは自選とは思えないほどあまりにも機械的な選曲で面白味がない。2016年時点で『自己ベスト3』では内容が薄くなってしまうと断念した時とさほど変わらないか、もっと内容薄くなってしまったのではないか。

またベスト盤が多い印象の小田和正だが一応これまで戦略的には意味のあるタイミングでリリースしており、『あの日 あの時』の時は直近でシングルが何も無かった代わりにオールタイムベストを銘打ち、それ以前の歴代のベスト盤は『Oh! Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に』、『伝えたいことがあるんだ』、『キラキラ』、『こころ』といずれもドラマタイアップで通常時よりシングルがヒットしたタイミングですかさずリリース、該当する曲を最初か最後に置くというやり方だった。今作では名刺安田生命CMタイアップの「すべて去りがたき日々」、ドラマ『ブラックペアン シーズン2』主題歌の「その先にあるもの」がそれに該当するが、どちらも平時よりヒットしたとは言い難く、ベストアルバムの目玉になる曲は全く無いような印象。似たようなミディアム〜バラードが延々並ぶ。配信シングル以降6曲では最早70半ば過ぎて変わらぬ歌声と透明感を維持しているという恐らく後に続く者はなかなか出てこないんじゃないかという偉業、同時に偉大なるマンネリをどう捉えるかというところか。

さすがにこれだけ似たような感じが続くと頻出ワードである"空""風""時"も気になってきてしまい、また風が吹いて時が過ぎて流れまくるな…空も…という印象だけが残ってきてしまうようになってしまった。これまではそれでもそこを突き抜けて残る曲が出てきていたんだけど、今作には過去曲(『自己ベスト』範囲内である2000年以前)は完全に三番煎じ、『2』以降の曲は安定のいつもの1曲の積み重ね以上でも以下でもなく…。2025年5〜9月に「みんなで自己ベスト!!」と題したツアーを開催する事が発表されたが、ツアーそんな先なのに何故こんな時期に今作が…。『early summer 2022』以降の配信3曲からオリジナルアルバム制作へ向かってほしかったのが正直なところだが、それではツアーに間に合わないか。もうタイアップ依頼ごとの単曲での書き下ろしのみで最後のオリジナルアルバムをじっくり制作しようという考えは無いのかもしれないな…。

自己ベスト』、『自己ベスト-2』の2024年リマスターは近年では逆に珍しい音圧上げリマスター。『自己ベスト』発売時の最新シングルだった「キラキラ」で比較すると2016年の『あの日 あの時』よりもさらに波形が一回り大きくなっている。小田和正の曲は演奏がギャンギャン鳴り響くよりもシンプルな歌メインのアレンジが多いので、聴感的に音がデカいとかギンギンに聞こえるという事は無いんだけど、意外な方向性だった。低音が少し出て良くなったと聞こえる感じのリマスターではあるのかなとは思う。ただ前のでも十分でここで改めてリマスターする意味合いは正直あまり感じなかった。

B0DJ2QQVV7初回盤3枚セット  B0DJ2R5RX2通常盤 

印象度★★★☆☆

2024.12.22更新

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