空の飛び方 30th Anniversary Edition
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | たまご | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
2 | スパイダー | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | 10thシングル(カット) 最高34位 売上3.3万枚 |
3 | 空も飛べるはず(Album Version) | 草野正宗 | 草野正宗 | 土方隆行&スピッツ | 8thシングル 最高1位 売上148.0万枚 |
4 | 迷子の兵隊 | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
5 | 恋は夕暮れ | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | 10thシングルC/W(カット) |
6 | 不死身のビーナス | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
7 | ラズベリー | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
8 | ヘチマの花 | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
9 | ベビーフェイス(Album Version) | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | 8thシングルC/W |
10 | 青い車(Album Version) | 草野正宗 | 草野正宗 | 土方隆行&スピッツ | 9thシングル 最高27位 売上5.1万枚 |
11 | サンシャイン | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
-Bonus Track- | |||||
12 | 青い車(Live from SPITZ JAMBOREE TOUR 2021 “NEW MIKKE”) | ライブ音源 12thライブ映像『SPITZ JAMBOREE TOUR 2021 “NEW MIKKE”』と同一音源? |
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13 | サンシャイン(Live from SPITZ JAMBOREE TOUR '23-'24 “HIMITSU STUDIO”) | 未発表ライブ音源 | |||
14 | 不死身のビーナス(Live from SPITZ JAMBOREE TOUR '23-'24 “HIMITSU STUDIO”) | 未発表ライブ音源 |
No | タイトル | 備考 |
1 | 空も飛べるはず(Music Video HD Remaster) | 8thシングル Music Video |
2 | 青い車(Music Video HD Remaster) | 9thシングル Music Video |
3 | スパイダー(Music Video HD Remaster) | 10thシングル Music Video |
4 | 恋は夕暮れ(Live at 渋谷公会堂 on 28th Nov.1994 from スピッツ “空飛び” JAMBOREE TOUR '94) | 未発表ライブ映像 |
5 | 迷子の兵隊(Live at 渋谷公会堂 on 28th Nov.1994 from スピッツ “空飛び” JAMBOREE TOUR '94) | 未発表ライブ映像 |
リリースデータ
1994年9月21日 1997年3月3日(LP) 2002年10月16日(リマスター盤) 2008年12月17日(SHM-CD) 2017年7月5日(LP) 2024年9月18日(30th Anniversary Edition) 2024年11月27日(30th Anniversary Editionアナログ盤) |
初登場14位、最高4位 - - - 初登場43位 初登場7位 - |
初動2.5万枚、売上86.0万枚 - - - 売上0.14万枚 売上1.9万枚 - |
Produced by 笹路正徳&スピッツ 3,10 Produced by 土方隆行&スピッツ |
ポリドール ユニバーサル ユニバーサル ユニバーサル ユニバーサル ユニバーサル ユニバーサル |
メンバー
Vocals | 草野マサムネ |
Guitars、Electric Sitar、Backing Vocal | 三輪テツヤ |
Bass Guitar、Backing Vocal | 田村明浩 |
Drums、Simmons、Percussion、Backing Vocal | 崎山龍男 |
スピッツ5thアルバム30周年記念盤。発売から30周年を記念しての期間生産限定盤。7月7日発売告知時はボーナストラック3曲とBlu-ray付属のみが発表されており、Music Video HD Remasterは公表されていたが肝心のアルバム本編のリマスターの有無が公表されていなかった。そのまま1ヶ月ほど経過した8月6日になってアルバム本編のリマスタリング音源収録決定(とアナログ盤の曲目変更)が改めて告知された。リマスターはEmily Lazarが担当。
期間限定生産盤SHM-CD+Blu-ray、完全限定生産カセットテープ、完全限定生産アナログ盤(2LP重量盤/カラーヴァイナル)の3種での発売でいずれも限定盤となり、永続販売はされない。
CDは『醒めない』『見っけ』『ひみつスタジオ』の初回盤を踏襲した三方背ケース入り紙トレイ仕様。
今作のリマスターはCDでは2002年のStephen Marcussenによるリマスターに続く2度目となる(アナログ盤発売時にもリマスターされていたようだ)。『ハヤブサ』でStephen Marcussenを起用して以降、1st〜8thアルバムまでをStephen Marcussenのリマスターで2002年に再発、以降『醒めない』以外の全てのアルバムのマスタリング、リマスターをStephen Marcussenが担当していた(Stephen Marcussen起用前の『RECYCLE』とアナログ盤再発時のリマスターは小鐵徹)。Emily Lazarは初起用となる。
1曲目「たまご」の1994年オリジナル、2002年Stephen Marcussenリマスター、2024年Emily Lazarリマスター(今作)はこんな感じ。Emily Lazarは直近でASIAN KUNG-FU GENERATIONを担当していて『Single Collection』は以前の音源と比べてもかなりガッツリ下げていたが(今作の1994年オリジナル並?)、今作は2002年リマスターよりは若干隙間が増えているものの、ガッツリ下げにはなっていない。Emily Lazarの芸風が音圧激下げというわけではなく、最近のアジカンの異様な音の小ささはアジカン側の意向が強かったという事か。
というわけでオリジナルはガッツリ音が小さく迫力が無かったのが、2002年リマスターで力強いサウンドになり、今作では力強さもありつつさらに綺麗に仕上げて細かい部分も聞こえやすくなったような印象。とりあえず1曲目「たまご」のドラムからサビに入る最初の部分をボリューム調整無しのまま順番に聞くだけでもどう違うかはともかくとしても3音源とも違うのが分かるくらいには違いはあると思う。同じStephen Marcussenリマスターの『CYCLE HIT』2006年初出と2017年再リマスターとか正直良く分からないがそれに比べれば"確かに違う"。
この傾向なら音圧が過剰過ぎた『スーベニア』筆頭に今後はEmily Lazarに任せていく方向でも良さそうだ。90年代から名匠扱いのエンジニア達はさすがにみんな高齢になってきている。Ted Jensenが2024年で70歳、Stephen Marcussenは生年月日がいつなのか不明だが1979年頃から活動しているので(サザンオールスターズとほぼ同じくらい)やはり70前後に達しているだろう。エンジニアも世代交代していく時期になってきていると思うし、今後はEmily Lazarでもいいかもしれない。
内容の名盤さは保証されている中で、さらにいい音で聞けたので2度目のリマスター盤としても十分に満足できる内容だった。しかしスタッフサイドが周年記念盤に慣れていないのか、追加収録がとんでもなく中途半端。ボーナストラックがここ数年のライブ音源なのは意図が分からない。わざわざ「青い車」「サンシャイン」を並べている事からも当時と現在(ほぼ)で同じ曲を連続で聞かせる意図があるのかもしれないが、並べてしまうと単独で聞けば全く変わっていないと思われたボーカルの線が細くなっていて、これを今も変わらぬ歌声だとか深みが増したと捉えるのはなかなか難しいんじゃないかと思う。これなら「めざめ」を再収録するとか、シングルバージョン3曲、C/W「猫になりたい」などの同時期の当時の音源追加の方が良かった。
Blu-rayの方には未発表だった当時のレアなライブ映像が収録されている。90年代のスピッツのライブ映像は『ジャンボリー・デラックス LIVE CHRONICLE 1991-2000』に収録されているのが全てで、初ビデオが1996年だったのでそれより前の映像はメインで発売されていない。DVD化された際の追加収録で1991〜1994年から1曲ずつの4曲しかなく、今回収録された「スピッツ “空飛び” JAMBOREE TOUR '94」の映像は初収録となる。商品化できる映像あったのかよ…。これが最大の価値となるが何故か2曲だけの小出しで終わるってどうしてこうなった。Blu-rayに関してはかつて『放浪隼純情双六 Live 2000-2003』を再発した際に"Blu-rayでリリースする意味が、クオリティ的にはほとんど無いという判断"と廉価で提供したいという理由からDVDにしたと説明していただけに、今回のSD画質時代の映像をBlu-rayにした意味が全く分からない。HD RemasterしたというMV3曲も4:3はそのままでいいんだけど、額縁映像のものがそのまま(16:9の周囲全てが黒枠)で拡大処理もしていないし…。
『ハチミツ』以降続くのかは不明だが、今回の不評を生かして次はもう少し内容が練られるか、こんな中途半端な追加で値段やパッケージが無駄装丁にするくらいなら2002年盤に代わるシンプルなリマスター盤になる事を願う。
印象度★★★★☆(リマスター自体は★5)
2024.11.3更新