ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜(初回盤A)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 真夏の夜の夢 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 24thシングル 最高1位 売上143.2万枚、25thアルバム『U-miz』収録曲 |
2 | 中央フリーウェイ | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 4thアルバム『14番目の月』収録曲 |
3 | ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 19thシングル 最高9位 売上17.1万枚、15thアルバム『VOYAGER』収録曲 |
4 | ひこうき雲 | Yuming | Yuming | 荒井由実& キャラメルママ |
2ndシングル『きっと言える』C/W、1stアルバム『ひこうき雲』収録曲 |
5 | 緑の町に舞い降りて | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 8thアルバム『悲しいほどお天気』収録曲 |
6 | 青春のリグレット | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 17thアルバム『DA・DI・DA』収録曲 |
7 | DOWNTOWN BOY | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 16thアルバム『NO SIDE』収録曲 |
8 | 瞳を閉じて | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 4thシングル『12月の雨』C/W(同発)、2ndアルバム『MISSLIM』収録曲 |
9 | 卒業写真 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 3rdアルバム『COBALT HOUR』収録曲 |
10 | 最後の春休み | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 7thアルバム『OLIVE』収録曲 |
11 | リフレインが叫んでる | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 20thアルバム『Delight Slight Light KISS』収録曲 |
12 | よそゆき顔で | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 9thアルバム『時のないホテル』収録曲、14thシングル『ESPER』C/W |
13 | 輪舞曲 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 27thシングル 最高2位 売上58.5万枚、27thアルバム『KATHMANDU』収録曲 |
14 | サーフ天国、スキー天国 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 10thアルバム『SURF&SNOW』収録曲 |
15 | 海を見ていた午後 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 2ndアルバム『MISSLIM』収録曲 |
16 | 情熱に届かない〜Don't Let Me Go | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 23rdアルバム『DAWN PURPLE』収録曲 |
17 | カンナ8号線 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 12thアルバム『昨晩お会いしましょう』収録曲 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Hello,my friend | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 25thシングル 最高1位 売上135.7万枚、26thアルバム『THE DANCING SUN』収録曲 |
2 | やさしさに包まれたなら | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 2ndアルバム『MISSLIM』収録アレンジ、3rdシングル 100位圏外 |
3 | 5cmの向う岸 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 9thアルバム『時のないホテル』収録曲 |
4 | ダイアモンドダストが消えぬまに | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 19thアルバム『ダイアモンドダストが消えぬまに』収録曲 |
5 | 恋人がサンタクロース | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 10thアルバム『SURF&SNOW』収録曲 |
6 | WANDERERS | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 21stアルバム『LOVE WARS』収録曲 |
7 | シンデレラ・エクスプレス | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 17thアルバム『DA・DI・DA』収録曲 |
8 | ノーサイド | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 16thアルバム『NO SIDE』収録曲 |
9 | ダンスのように抱き寄せたい | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 40thシングル 最高15位 売上1.4万枚、36thアルバム『Road Show』収録曲 |
10 | DESTINIY | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 8thアルバム『悲しいほどお天気』収録曲 |
11 | 満月のフォーチュン | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 22ndアルバム『天国のドア』収録曲 |
12 | 消灯飛行 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 8thシングル『潮風にちぎれて』C/W |
13 | ホライズンを追いかけて〜L'aventure au desert | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 18thアルバム『ALARM a la mode』収録曲 |
14 | 星空の誘惑 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 14thアルバム『REINCARNATION』収録曲 |
15 | セシルの週末 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 9thアルバム『時のないホテル』収録曲 |
16 | 花紀行 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 3rdアルバム『COBALT HOUR』収録曲 |
17 | 春よ、来い | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 26thシングル 最高1位 売上116.4万枚 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Valentine's RADIO | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 21stアルバム『LOVE WARS』収録曲 |
2 | 真珠のピアス | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 13thアルバム『PEARL PIERCE』収録曲 |
3 | 翳りゆく部屋 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 7thシングル 最高10位 売上25.6万枚、1stベスト『YUMING BRAND』収録曲 |
4 | SWEET DREAMS | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 22ndシングル 最高7位 売上7.6万枚、19thアルバム『ダイアモンドダストが消えぬまに』収録曲 |
5 | 潮風にちぎれて | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 8thシングル 最高31位 売上5.8万枚 |
6 | Forgiveness | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 34thアルバム『A GIRL IN SUMMER』収録曲 |
7 | 冬の終り | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 24thアルバム『TEARS AND REASONS』収録曲 |
8 | あの日にかえりたい | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 6thシングル 最高1位 売上61.5万枚、1stベスト『YUMING BRAND』収録曲 |
9 | ルージュの伝言 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 5thシングル 最高45位 売上6.9万枚、3rdアルバム『COBALT HOUR』収録曲 |
10 | 埠頭を渡る風 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 12thシングル 最高71位 売上1.9万枚、6thアルバム『流線形'80』収録曲 |
11 | ベルベット・イースター | Yuming | Yuming | 荒井由実& キャラメルママ |
1stアルバム『ひこうき雲』収録曲、7thシングルC/W(カット) |
12 | VOYAGER〜日付のない墓標〜 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 20thシングル 最高9位 売上15.8万枚 |
13 | 守ってあげたい | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 17thシングル 最高2位 売上69.5万枚、12thアルバム『昨晩お会いしましょう』収録曲 |
14 | 宇宙図書館 | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 38thアルバム『宇宙図書館』収録曲 |
15 | ANNIVERSARY | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 23rdシングル 最高2位 売上35.3万枚、21stアルバム『LOVE WARS』収録曲 |
16 | 青いエアメイル | Yuming | Yuming | 松任谷正隆 | 7thアルバム『OLIVE』収録曲 |
17 | Call me back | 松任谷由実 | 呉田軽穂 | 松任谷正隆 | 新曲 |
初回盤A(Blu-ray)/B(DVD)
"Call me back" Music Video
荒井由実×松任谷由実 ダイアローグ
リリースデータ
2022年10月4日 2024年6月26日(限定アナログBOX) |
初登場1位(2週連続) 初登場20位 |
売上49.1万枚 売上0.3万枚 |
All Songs Produced and Arranged by 松任谷由実 Produced by 村井邦彦(DISC1_4,8,15、,DISC2_2、DISC3_3,8,11) Produced by 村井邦彦/川添象郎/下河辺晴三(DISC1_9、DISC2_16、DISC3_9) |
ユニバーサル |
松任谷由実50周年記念ベストアルバム。10th公認ベストアルバム(ただし2nd『ALBUM』が公式から消されたので香港限定『Yuming The Greatest Hits』を除くと9作目となる)。『民放ラジオ99局“スピーカーでラジオを聴こう”キャンペーンWE LOVE RADIO 松任谷由実 50th ANNIVERSARY〜日本中、ユーミンに包まれたなら〜』企画の一環で「ユーミンリクエストWEEK」に寄せられたリスナーからのリクエストと約2万通のエピソードを元にして全国のラジオスタッフ、松任谷由実が選考、厳選した50曲+1980年の未発売曲に新たに歌詞をつけAI荒井由実と共演した新曲「Call me back」を収録。『ユーミンからの、恋のうた。』に続く1位を獲得、同作の売上を上回った。これにより1970年代から2020年代の史上初6年代での1位獲得を達成した。これに続くのが桑田佳祐の1980年代〜2020年代での5年代となるが、既に2020年代を達成しているため、桑田佳祐が追いつくには最短8年後、2030年代以降での1位獲得が条件となる。また1990年代からの4年代達成者は多いものの、6年代を突破するのは最短18年後、2040年代以降となる。このため越える事は当面不可能な前人未踏の記録となった。
初回盤は「Call
me back」MVと、AI荒井由実と現在の松任谷由実が時空を越えて対談する「荒井由実×松任谷由実
ダイアローグ」を収録。AがBlu-ray、BがDVD。
通常盤はCDのみ。
3種合わせてランダムに500セット「24K GOLD
DISC」(Gold Disc version)で出荷されており、さらにそのうち限定10枚には松任谷由実本人がプレス工場で直筆サインを入れている。Twitterではでこれに当たったファンのツイートを公式Twitterがピックアップしてリプライを送っていた。配信ではApple Music(の事実上スマホ版限定)で空間オーディオ用のミックスで配信されている。ハイレゾでも配信されており、Apple
Music、Amazon Musicではハイレゾでのストリーミング配信となる。
2024年6月26日には完全限定盤アナログボックスでも発売。新たに「ダイアモンドダストが消えぬまに-GOH
HOTODA 2024 remix 」「BLIZZARD」 「14番目の月」 「COBALT
HOUR」 「少しだけ片想い」 「12月の雨」 「Autumn
Park」の7曲が新規ミックスで追加収録され、「ダイアモンドダストが消えぬまに」は約6分に及ぶ新規の
long mix club versionとなる。全曲に新たにカッティング用マスタリングが施された。既に50周年ではないためかサブタイトルは外されている。
パッケージ上の曲目には表記は無いが、配信やCDデータベースでは新曲以外の全曲に2022 mixの表記があり、全曲GOH HOTODAがオリジナルマルチよりリミックス&リマスタリングとされ、クレジットにもThis album Mixed & Mastering by Goh Hotodaという記載がある。また一部楽曲は松任谷正隆がオリジナルマルチまで遡りエディットを施したとされているが、こちらに関してはブックレット上ではどの曲が該当するのかは表記されていない。この2022 mixは実際には全てリミックスではなく、3段階存在(リマスターのみ、リミックス、松任谷正隆による一部演奏差し替え)することが明かされている。何故か公式サイトよりもキョードー西日本のインフォページで詳しく解説されていた(1年ちょっとでページ消滅)。
新曲「Call me back」は1980年の未発表トラックを元に新たに歌詞を書き下ろしたと説明されているが、この曲のみ演奏クレジットがあり、ギターが2016年に亡くなった松原正樹となっている。よって演奏も1980年当時のバンドメンバーによる録音をそのまま使用している模様。またこの曲自体は完全な未発表のままではなく、1982年に白石まるみに「恋人がいても」という曲に改作して提供していた。この情報も公式サイトには載っていないがキョードー西日本のインフォページで詳しく解説されていた。今作は発表順では「恋人がいても」の歌詞違いセルフカバーという事にもなるが、「恋人がいても」になる前のあくまで1980年の未発表トラックを基にして制作されているためかセルフカバーという扱いにはなっていないようだ。
選曲だけ見ると『日本の恋とユーミンと。』と大半が重複。「緑の町に舞い降りて」「瞳を閉じて」「満月のフォーチュン」「セシルの週末」は前ベスト『ユーミンからの、恋のうた。』に続いての収録、「Forgiveness」「冬の終り」は『SEASONS COLOURS-秋冬撰曲集-』以来、「最後の春休み」「花紀行」「潮風にちぎれて」は『SEASONS COLOURS-春夏撰曲集-』以来、「よそゆき顔で」は『sweet,bitter sweet〜YUMING BALLAD BEST』以来、「サーフ天国、スキー天国」「Valentine's RADIO」「VOYAGER〜日付のない墓標〜」は『Neue Musik』以来の選曲となる。
ベスト初選曲は「情熱に届かない〜Don't Let Me Go」「5cmの向う岸」「ホライズンを追いかけて〜L'aventure au desert」「星空の誘惑」「宇宙図書館」の5曲、そしてアルバム初収録は「消灯飛行」で当時のシングルはレコード、1989年に8センチCD化されて以来のCD収録となる。
民放ラジオ99局で2万通とされているが募集期間は5月9日〜29日(OA期間はある程度募集が溜まった16日〜)。99局2万通となると1局あたり合計約202通、1日1局10通くらい。地方のローカル局も含むとはいえいくらなんでも1日に1局あたり10件しかリクエスト来ないのは少なすぎるが、"約2万通のエピソード"とあるように自身の思い出エピソード作文まで添えたリクエストは2万通という事だろう。それなら妥当なのかもしれない。正直それでも民放ラジオ99局総力を結集してエピソード募集してこの数字というのはちょっと少ないかなとは思うが、今はこんなものなのか(一昔前は人気番組への投稿は毎週数千枚とか普通に言われていた記憶があるだけに…)。選曲は作文なしのリクエストも考慮されているとは思うが、作文付2万通が選曲において優先されているのは確かでそうなるとけっこう対象が狭い感じもする。
とはいえ大半の選曲が今までと変わらず、代表曲ってもうだいぶ固まってきているなと思うような選曲だ。といっても「acasia[アカシア]」とか「BLIZZARD」など必須かと思われる曲がさらっと抜け落ちていたりと全てが全ていつもと同じような感じでも無く、前述のように初選曲や久々の選出もチラホラある。「サーフ天国、スキー天国」は「BLIZZARD」と入れ替わった感じだろうか。元々この辺りのゲレンデソングは映画『私をスキーに連れてって』の思い出があるリスナーが多そうで、この映画の主題歌は「サーフ天国、スキー天国」だったりするので、この辺りは2万通作文が効いたところかもしれない。
いずれにせよ選曲だけだと全体には今までのベスト盤で散々聞いた事のある曲にチラホラ馴染みが薄い曲が混ざっている程度ではあるんだけど今作のポイントはやはりGO HOTODAによりリミックス&リマスターだろう。これは松任谷正隆が長年固定でマスタリングを任せていたバーニー・グランドマンをあっさり切り捨ててGOH HOTODAをべた褒め心酔するほどの近年の様子から明らか。GO HOTODAによって過去の曲が新鮮に生まれ変わる感覚が素晴らしいものだった事から実現したのは明白だ。特に80年代特有の打ち込みサウンドに強い後悔を語っていた松任谷正隆はストリーミング配信の際のリマスターの時でもリマスターで少しでも何とかしてほしい旨を語っていたが、深まった信頼はついにマスタリングに留まらずにミックス変更にも及んだ。80's打ち込みサウンドが目立っていた「リフレインが叫んでる」「ダイアモンドダストが消えぬまに」なんかはごっそりドラムの音が差し替えになっていて対応が実に分かりやすい。思い出があるリスナーには余計な事かもしれないが、既存音源でのリマスターはストリーミング用全曲リマスターでもう済んでいるので、今作では新たな解釈として新鮮に聞けるのが最大の魅力だろう。全く変えていないリマスターだけの曲もあるようだけど、特に筆頭で有名で聞き慣れたような曲は軒並み何かしらの変更はされているように聞こえる。
アルバム単位でビートルズみたいに50thエディションを出していくには数が膨大過ぎるのであまり現実的ではない(毎年オリジナルアルバム発売50周年で出していくのは時間的に不可能で本人含めた関係者どころかリスナーも大半が途中であの世行きである)、既存音源のリマスターが完了している今、新たなベスト盤をただ出すのではなく、新規のミックス変更での編集盤は今後もありかもしれない。
ブックレットには1曲ごとにリスナー1人の作文が採用されていて様々な人生の側にユーミンの曲が会った事が改めて分かるが、内容自体は全て個人的なエピソードであって曲解説とかではないのでそこまで興味深い内容ではなく、個人的にはそれこそラジオで紹介するか別冊にしていただいてブックレット本編のページを割くのはちょっとしんどいなという感じではあった。
初回盤の「Call me back」はハイセンスな近未来合成映像が炸裂。これも珍妙と言えば珍妙だが、「荒井由実×松任谷由実 ダイアローグ」はAI荒井由実と現在の松任谷由実が画面を通じてのトークを繰り広げるというさらに斜め上を行くシュールな内容。まずもって両者の声が違い過ぎで現在のユーミンの声が低すぎるのか、AIが高すぎ&機械音声すぎるのか。荒井由実時代の普段の声なんて聞ける機会が無いのでさっぱり分からない。50年の加齢でここまで声変わったの…?
初回盤A(Blu-ray付) 初回盤B(DVD付) 通常盤 限定アナログBOX
印象度★★★★★
2022.11.27更新