2002年後半から2004年にかけてはDEEN’s AORを掲げての活動を展開。多数の外部作家やサポートミュージシャンを招いており、DEEN史上最も外部起用の多い時期だった。この時期のレコーディングにおいてメインで起用していた沼澤尚はライブには参加しておらず、CDは沼澤尚、ライブはHIDEと分かれていた。
10周年を迎えた2003年BERGレーベルマークがひっそりと消滅。完全に脱ビーイングとなった。配信においてはBERG消滅が明確な区切りとなっていて、消滅した26thシングル『太陽と花びら』以降の全作品が最も早くDL/ST配信されていた。
一方でB-Gramからの発売だったC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~』は「恋人よ、夢も嘘もすべて」までしか配信されておらず、「Break it!」以降は含まれていない。しかし『太陽と花びら』以降はシングルが配信されているためシングルで聞く事が可能となっており、結局『Another Side Memories~Precious Best~』収録曲の中で「Break it!」「桜の下で逢いましょう」の2曲だけが配信されていないという事になる。
セールス的には完全に閉じてしまった時期でアルバム『pray』の初登場12位→94位という超急落に象徴されるように固定ファンが買うだけという状況になってしまったが、この時期の評価は比較的高く、後年ほどアンチエイジング化が進んだこともあってか大人っぽかったこの時の路線を求めるファンの声も少なくなく、2010年にはすっかり通常ツアーでは御無沙汰になっていたこの時期の3枚のアルバムにスポットを当てた新シリーズライブ『AOR NIGHT CRUISIN’』がスタートし、以降不定期開催が続いている。
- 24thSg Birthday eve 誰よりも早い愛の歌
- 5thAl pray
- LIVE JOY-Break6~Birthday eve~
- 25thSg 翼を風に乗せて~fly away~
- LIVE JOY-Break7 ~10th Carnival~
- 26thSg 太陽と花びら
- 27thSg ユートピアは見えてるのに
- 6thAl UTOPIA
- LIVE JOY-Break8~Lookin' for Utopia~
- LIVE JOY-Break8~Lookin' for Utopia 2003→2004~
- LIVE JOY-Break8 at SEOUL~Lookin' for Utopia~
- 28thSg レールのない空へ
- GLOBAL GROOVE/田川伸治
- 29thSg STRONG SOUL
- 7thAl ROAD CRUISIN'
- ONE DAY LIVE '04-END of SUMMER-
- LIVE JOY-Break9~ROAD CRUISIN'~
- 30thSg 愛の鐘が世界に響きますように…/DEEN with 亀渕友香&The Voices of Japan
- COUNTDOWN LIVE 2004→2005~NIGHT CRUISIN'~
24thSg Birthday eve 誰よりも早い愛の歌
2002年10月2日
5thAl pray
2002年11月20日
LIVE JOY-Break6~Birthday eve~
2002年11月20日~12月29日 全16公演
収録作品:VHS/DVD『THE GREATEST CLIPS 1998-2002』(6曲抜粋)
25thシングル『翼を風に乗せて~fly away~』エンハンスドCD仕様(「Birthday eve 誰よりも早い愛の歌」ライブ映像)
DVD『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』DISC-1
ライブベスト『ALL TIME LIVE BEST』(「i…」ライブ音源)
DVD『DEEN LIVE HISTORY-20th ANNIVERSARY-』(「Birthday eve 誰よりも早い愛の歌」ライブ映像)
『pray』を引っ提げての2年ぶりのLIVE JOYツアー。『pray』収録曲をメインで演奏し、過去曲はアコースティックコーナーや後半メドレーでまとめるなど最小限まで削られており、「このまま君だけを奪い去りたい」が全公演通して一切演奏されない唯一のLIVE JOYツアーとなった。前ツアーではカバー曲を演奏していた山根・田川ソロコーナーは各自書き下ろしのオリジナル新曲となった。
映像化されたのは全て最終日12月29日渋谷公会堂公演。当初は『翼を風に乗せて~fly away~』エンハンスドCD仕様で「Birthday eve 誰よりも早い愛の歌」が収録され、同発のクリップ集『THE GREATEST CLIPS 1998-2002』の特典映像として6曲が抜粋収録されたのみだったが、2004年に『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』DISC-1にほぼ全て収録された。Wアンコールの「起き上がれよBOY」だけカットされている模様。
25thSg 翼を風に乗せて~fly away~
2003年4月2日
LIVE JOY-Break7 ~10th Carnival~
2003年4月19日~5月5日 全8公演
収録作品:なし
デビュー10周年を記念してのツアー。ここまでの全てのアルバムから最低1曲以上の楽曲を披露し、10年間を満遍なく総括したツアーとなった。
和音ツアーでは大胆なリアレンジを、Break6では極力過去の曲を演奏しておらず、声変わり・キー下げになってから初めて本格的に大量の楽曲をキー下げで演奏したため、声が変わった、声が出ていない、HIDEのドカドカドラムがデカすぎて声量の落ちたボーカルが埋もれてしまい聞こえない等の声の異変に対するファンの反応がネット上で多く見られるようになった。
10周年記念ツアーなのに一切の映像化がされていない。かろうじて歴代ツアーを紹介した冊子に当時のライブ写真数点が使用されているのみで、写真の存在しか確認されていない。当時ビーイング管轄の楽曲がライブ音源であっても発売出来ない状況になっていたっぽいので、どうせ出せないなら撮っても無駄だと最初から映像収録をしなかったのか、収録はしたものの前述のようにキー下げ対応に苦戦して出来が良くなかったのでお蔵入りしたのかは不明。一切の映像が出てこない事からも最初から撮影しなかったっぽいが…。
26thSg 太陽と花びら
2003年4月2日
27thSg ユートピアは見えてるのに
2003年10月1日
6thAl UTOPIA
2003年11月5日
LIVE JOY-Break8~Lookin’ for Utopia~
2003年11月15日~12月28日 全15公演
収録作品:なし
『UTOPIA』を引っ提げてのツアー。同時期にメンバーも出演した短編映画『君のままで』が制作されており、一部会場を除いてこのツアーでライブ前にライブチケットとは別料金(1000円)で映画が上映された。この映画は一般公開はなく、そのままDVD化された。田川は台詞なしチョイ役(主人公坂井真紀の友人の夫役で友人を駅に迎えに向こうの方にいる役)、山根は学生時代の先輩で本屋の店主役として1シーンのみ出演だが坂井真紀と会話する役、池森は坂井真紀の学生時代の恋人役でメインキャストの1人。田川・山根は出番も少なかったため、次があればもっと出番が欲しい的な感じで嫌がってはいなかったが、池森はメインキャストとして本格的に芝居に挑んだもののどうにも照れ臭かったらしくもう演技はやらないと公言、ネタ的に『君のままで2』なんて話題が2人から出ても一貫してもう演技はいい…と語っていた。
Break6同様に新作中心で過去曲はアコースティックコーナーや後半のメドレー、アンコールの中に1曲紛れる程度。またも「このまま君だけを奪い去りたい」を外していた。後述の韓国公演が映像化されたため、このツアー本編は映像化されていない。前ツアー同様に撮影もしていない?
LIVE JOY-Break8~Lookin’ for Utopia 2003→2004~
2003年12月31日 東京厚生年金会館
収録作品:なし
3度目のカウントダウンライブ。3度目にして東京公演、通常のホール会場となった。今回もツアー本編とは別タイトルで開催されたが、”2003→2004″が追記されただけ、ツアー本編が29日に終わって2日後なのでほぼこれがツアーFINALのようなものであった。ただし一部セットリストが変更され、ツアー本編に無かった「このまま君だけを奪い去りたい」「翼を広げて」が復活。
LIVE JOY-Break8 at SEOUL~Lookin’ for Utopia~
2004年1月17,18日 韓国・延世大学100周年記念館
収録作品:28thSg『レールのない空へ』初回盤DVD(ダイジェスト)
29thSg『STRONG SOUL』初回盤DVD(「空もハレルヤ」)
DVD『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』DISC-2
ライブベスト『ALL TIME LIVE BEST』(「瞳そらさないで」ライブ音源)
2004年1月1日の韓国での日本大衆文化の流入制限の第4次開放後、初の日本人単独コンサートとして2日間開催。2024年『DEEN 30周年公式ガイドブックALL SONGS STORIES 1993-2024』でメンバーが韓国での日本人初のライブと誤った情報を言っているが、第4次開放で解禁になったのは日本語のCD発売である。2000年の第3次開放時点で日本人のライブの席数制限撤廃が実現しており、実際CHAGE and ASKAが行った2000年の韓国ライブは有名。
Break8のセットリストを基にして過去ヒットシングルを追加、「瞳そらさないで」「ひとりじゃない」といった後半メドレーでまとめていた2曲を冒頭フルサイズ演奏したり、カウントダウンライブで復活した「このまま君だけを奪い去りたい」や「翼を広げて」も演奏、後半メドレーも全て過去曲で曲数を増やすなど90年代ヒット曲多めに変更している。またコーラスとしてko-saku,入日茜が帯同したのはこのライブが最後となった。
Break8の映像化はこの公演が対象となっている。韓国での歴史的公演だったため撮影はマストだったと思われるが、当初は追加した過去曲が商品化できないのか、『UTOPIA』期の曲のみのダイジェスト映像と、ライブ音源として出したいという意向で結果的に単曲フル映像化となった「空もハレルヤ」など一部しか映像化されていなかった。『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』DISC-2でフルサイズDVD化された。
28thSg レールのない空へ
2004年4月28日
GLOBAL GROOVE/田川伸治
2004年4月28日
ソロ2作目のアルバム。
29thSg STRONG SOUL
2004年6月30日
7thAl ROAD CRUISIN’
2004年8月18日
ONE DAY LIVE ’04-END of SUMMER-
2004年8月28日 よみうりランド オープンシアターEAST
収録作品:DVD『ONE DAY LIVE’04 END of SUMMER&6CLIPS』(抜粋)
31stSg『このまま君だけを奪い去りたい/翼を広げて』C/W(「Blue eyes」ライブ音源)
DVD『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』DISC-3
初の野外ライブ。初めて真夏にオリジナルアルバム発売になった事から企画された。会場の「よみうりランド オープンシアターEAST」は2013年に閉鎖となったが、アイドルの握手会イベントなんかで利用されることが多くなっていて(2012年のデビュー当初の乃木坂46もここでイベントをやっているが前述のように2013年閉鎖なので1期生しか知らない場所だと思う)、2001年に松浦亜弥「LOVE涙色」の封入特典(本格ブレイク前だったので抽選無しで全員参加可能)で生涯一度のアイドルの握手会に参加した時に当時の友人といった事があったがかなり遠かった記憶がある。駅からは少々山の上にあるのでゴンドラに乗って園内に突入して行ったりと(歩いて登れるし帰りは徒歩で下った)、地味に知らないと良く分からないしアクセスが面倒で、日比谷野外音楽堂ではなく何故ここを選んだのかは少々謎だった。
タイトルにあるように1日限り、夏休みの終わりの時期を狙って開催されたが当日は雨となり、気温が急降下。8月とは思えない寒さ、前に出て行ったら寒かった、息が白い人がいた…などとメンバーが寒さを振り返っており、当初はいつかリベンジと言っていたがその後野外ライブが2度と開催されることは無かった。2024年『DEEN 30周年公式ガイドブックALL SONGS STORIES 1993-2024』では雨だったのがトラウマになってあれからやってないと語られている。基本的に武道館もリゾートもビルボードも池森さんが好感触を抱いてまたやりたい!とならないと始まらないというかシリーズ化に至らないのが実際のところで、野外ライブに対してはその気にならなかったという事だろう。毎年武道館に強いこだわりを見せるよりも武道館は5年に1度、日比谷野外音楽堂を年に1度のスペシャル公演として恒例化すれば毎年満員に出来た気はするし、この野外ライブが好感触だったらそんな未来もあったかも
『ROAD CRUISIN’』からの選曲もあるが、基本的にはここまでの夏ソングをありったけセレクトしたようなサマーソングベスト的な選曲になっている。
12月にはDVD『ONE DAY LIVE’04 END of SUMMER&6CLIPS』として直近のMVと合わせた単独映像作品として発売されたが、ビーイング時代の楽曲のみ全てカットして、2003~2004年の直近の11曲のみに編集されていた。ビーイング時代の曲も含んだライブ映像はイベントで上映するなどしていたのでこの時点で編集も行われていたっぽい。
権利問題が解消されたのか、DVD『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』DISC-3として改めて完全版がリリースされた。
このライブよりコーラス隊(ko-saku、入日茜)が離脱し、基本ライブメンバーは3人+宮野和也、HIDEの5人バンド編成となった。
LIVE JOY-Break9~ROAD CRUISIN’~
2004年9月25日~11月14日 全14公演
収録作品:なし
『ONE DAY LIVE ’04-END of SUMMER-』から約1ヶ月後に始まった『ROAD CRUISIN’』を引っ提げての通常ツアー。数曲が日替わり枠となり、この日替わり枠の中に「このまま君だけを奪い去りたい」も含まれているなどまだ固定枠になっていない。後のインタビューで雨が降ったら「雨上がりの空、この道を行こう」をやろうという決まりもあったが、意外と天候が良かったのであまりやらなかったと語っている。最終日11月14日中野サンプラザ公演ではThe Voices of Japanがゲスト参加して発売1ヶ月前の新曲「愛の鐘が世界に響きますように…」が先行披露された。
野外ライブとはだいぶセットリストが異なり、「愛の鐘が世界に響きますように…」なんか唯一のチャンスだったのにまたも撮影をしなかったのか、Break7に続いて映像化一切無しのツアーとなった。Break7同様に写真は公開されている。
30thSg 愛の鐘が世界に響きますように…/DEEN with 亀渕友香&The Voices of Japan
2004年12月22日
COUNTDOWN LIVE 2004→2005~NIGHT CRUISIN’~
2004年12月31日 東京厚生年金会館
収録作品:なし
Break9は11月14日に終了しており、今回はBreak9は冠されずオリジナルタイトル・構成での完全な単発公演となった。構成がかなり変わっていて、オープニングアクトとして田川が結成したTHE SONIC TRICK、DEENライブ、山根ソロ、DEENライブとコーナーごとに進行したほか、SHUが登場して「ANOTHER LIFE」を歌うなど、独自の演出ばかりだったらしい。
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