30thSg 愛の鐘が世界に響きますように…/DEEN with 亀渕友香&The Voices of Japan
2004年12月22日
アルバムリリース後、8月28日の野外ライブを経て9月~11月にツアー「LIVE JOY-Break9 ~ROAD CRUISIN’~」を開催。このツアーはBreak7に続いて一切映像化されずに幻のままとなった。今作リリースの後にはカウントダウンライブも行われたが、2005年はセルフカバー展開となり、2年後のオリジナルアルバムでは制作体制が変わって方向性も違うので収録されずに飛ばされるという「遠い遠い未来へ」と同じような立ち位置のシングルとなった。AOR制作陣での最後のシングル。
亀渕友香&Voices of Japanとのコラボ作で“DEEN with 亀渕友香&Voices of Japan”になっているが全曲ではなく、表題曲とC/W「White Christmas」カバーの2曲に亀渕友香&The Voices of Japanが参加している。ジャケットもMVも共に撮影されているため、DEENジャケット史上最多人数となった。田川伸治の右にいるのが亀渕友香。当時占い師としてTVに出まくっていた細木数子と体格がちょっと似ていた。The Voices of Japanは主催者である亀渕友香抜きでも活動していたようで、例えば年末の『FNS歌謡祭』のバックコーラスとして登場していたり、色々なアーティストのコーラス、コンサート等幅広く活動している。亀渕友香は今作当時ちょうど還暦を迎えていた。70歳頃までは現役で活動を継続していたようだが10年後の2014年頃から闘病していて2017年に亡くなった。
クリスマスを意識した収録内容で、収録曲もかなり早期に音源解禁はされていた。11月14日のツアー最終公演で「愛の鐘が世界に響きますように…」を演奏したようだが、11月の間に「White Christmas」のMVもCS放送で流れ始めていた。12月22日の1ヶ月前には発売できるだけの準備が整っていたように思われるが、謎に引っ張りに引っ張ってクリスマス直前の発売となったため、発売数日で旬が過ぎてしまう事態に…。
カラオケバージョンの名称は前作でInstrumentalからoff vocal versionに変更されていたが今作では何故かInstrumentalに戻っている。
初回盤はDVD付ではなく2003年のエンハンスドCD仕様にこれも逆戻り。「OCEAN~The Korean Version~」VIDEO CLIPを日本初収録、未公開オリジナルフォト壁紙収録。「OCEAN~The Korean Version~」VIDEO CLIPは日本語バージョンのMVと撮影場所、見た目全く同じように見え、何が違うのかがさっぱり分からない。音源差し替えただけで映像同じじゃないの…?
DVD『ONE DAY LIVE’04 END of SUMMER&6CLIPS』と同時発売で連動特典としてプレミアムビデオコンサート招待応募券付属。このビデオコンサートでは例によってDVDではカットされていた2001年以前の楽曲のライブ映像が上映されたと言われており、やはりビーイング時代の映像が発売できなくなっているのではないか説がますます信憑性を増していた。
愛の鐘が世界に響きますように…
作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN&大平勉
Gospel Chorus Arrangement:亀渕友香,倉地恵子,時乗浩一郎
亀渕友香&The Voices of Japanとのコラボ曲でゴスペルコーラスを加えた壮大な年末バラード。ドラムは沼澤尚、ベースは松原秀樹とAOR期の演奏陣になっているもののストリングスはいつもと異なり”世界各国の女性ソリストで結成されたスーパー・ポップ・インストゥルタルユニット”とされていたUNISONのメンバー5名が参加。5人のうち2人がカタカナ名なので外人だった模様。
サビのインパクトは強く、当初凄い名曲なのではないかと期待していたらサビ以外はかなりおとなしく地味なのでなかなか印象に残らなかった。直接クリスマスを歌ったりはしていないんだけど、幸せや平和への祈りを捧げるような内容は年末感(なんとなく第九のイメージ?)が漂い、ゴスペルコーラスも壮観でゴージャスな仕上がり。それだけにクリスマスの時期を過ぎて年末年始へと向かっていく頃にはなんかシーズンオフになった感じがしてしまい、発売当時はそれまでで1番聞かずに次に季節が巡るまで棚に飾ったままになってしまった。よって発売数年間はサビ以外はうろ覚えのままだった。
全体におとなしく聞こえるのは気のせいではなく、今作は明らかに前後の作品よりも音が小さめ。『PERFECT SINGLES+』では最初期(95年頃まで)を除くとほとんどの曲が大幅に音量の落ちたリマスタリングになっていたが今作は元が小さかったので少ししか落ちておらず、逆に『DEENAGE MEMORY』『DEEN The Best FOREVER』では元に戻るどころかガッツリ上がって音がデカくなっている。
Break9終盤とこの後のカウントダウンライブと発売前後の時期のライブで演奏されるもどちらも映像化されず、それっきりに。2008年初の武道館のバラードメドレーでサビだけ演奏されるなどはあったが、学生コーラス隊を招いていた2016年武道館Ballad Nightでフル演奏されたのが唯一のライブ映像か。亀渕友香&The Voices of Japanとの共演ライブ映像は残せなかったがMVで共演映像が残せたのが結果的に良かった。
★★★★☆
5thベスト『PERFECT SINGLES+』
6thベスト『DEENAGE MEMORY』
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~』
20thアルバム『シュプール』(spur style)
20thアルバム初回生産限定盤のみDISC-2『DEEN WINTER SONG PLAYLIST mixed by ☆Taku Takahashi (m-flo)』
C/W Fine day
作詞:池森秀一、作曲:田川伸治、編曲:DEEN
今作はDEEN単独名義。表題同様にドラムは沼澤尚、ベースは松原秀樹が参加しているがAOR期の面々、大半の曲のドラムを演奏していた沼澤尚のシングルでの演奏もこれが最後。野外ライブ、Break9には帯同しなかったコーラスのko-saku,入日茜は今作にも参加していない。サビではメインボーカルとコーラスが少々掛け合いっぽくなる部分もあるので今までだったら当然2人のコーラスも重ねていたところだったと思うんだけど今作ではメンバーセルフでのコーラスのみになっているようだ。
表題曲同様に直接クリスマスという言葉は出てこないがプレゼントを買おうとしていたり、雪が降ってきたりと冬+プレゼント+Fine dayという事でクリスマス付近のとある晴れた休日といった装い。音圧の低さだけではないかなり地味な楽曲で、ッチャーラッチャーラッ♪と抑えめに鳴り続ける小音量のギター、抑えめのリズム隊、抑えめのキーボード、抑えめどころか低すぎ&ささやきに近い声を張らないボーカル…と全演奏が抑えに徹しているのでパッと聞きほとんど何も覚えてないくらい印象に残らない曲。ただAOR期らしいオシャレなサウンドが心地良く、馴染んでくると延々聞き続けられるところもある。数年どころか10年近く地味なC/Wという印象のままだったので心地よさに気づくまでかなりかかったな…。
典型的なマニアック送り曲でライブ初披露がたぶん2016年のマニアックナイト。『DEEN WINTER SONG PLAYLIST』にしっかり選曲されていたのはお目が深い。
★★★☆☆
1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~』
20thアルバム初回生産限定盤のみDISC-2『DEEN WINTER SONG PLAYLIST mixed by ☆Taku Takahashi (m-flo)』
C/W White Christmas
作詞作曲:IRVING BERLIN、編曲:DEEN&時乗浩一郎
Gospel Chorus Arrangement:時乗浩一郎
Bing Crosbyのカバー。日本では山下達郎「クリスマス・イブ」C/Wとして有名な1942年発売のクリスマススタンダードのカバー。ア~イドリーミンオブアワーイクリスマス♪のやつと書いた方が分かりやすいか。表題に続く亀渕友香&The Voices of Japanとのコラボ曲となっているが、林正樹によるRhodes&Acoustic Pianoくらいしか演奏は無く、リズムはThe Voices of JapanによるStomp&Hand Clapになっていてアカペラ色が強い。池森メインボーカルもかなり呑まれ気味になっていて、亀渕友香&The Voices of Japanの本領発揮といったゴスペルバージョン。山下達郎のイメージが強かったのでだいぶ異なる雰囲気で別の曲のようにも聞こえるほど。
今作もメンバーと共に歌うMVが(たぶん愛鐘の撮影と一緒にまとめて撮ったっぽいけど)制作され、11月下旬にはCS番組で頻繁に流されていた。そんな早く流せるくらいとっくに完成してたならとっとと発売しようぜ…。
★★★☆☆
アルバム未収録
Bonus Track
OCEAN~The Korean Version~
作詞:池森秀一、訳詞:IGUANA VOICE、作曲:鈴木寛之、編曲:DEEN&鈴木寛之
『ROAD CRUISIN’』リード曲の韓国語バージョン。『ROAD CRUISIN’』の韓国盤にボーナストラックとして追加収録していた音源を国内盤初収録。英語詞の部分は英語のままで日本語の部分をハングル変換して歌唱。歌詞カードには丁寧にハングルの上にカタカナで読みが書かれていてハングルさっぱりな国内リスナー向けの仕様。言語が変わった以外に違いはないので曲自体はいいんだけど韓国語で聞いてもね…というのが正直なところ。まあ韓国向けのボーナストラックまで丁寧に国内発売してくれたのはありがたい。
結局韓国盤が制作されたのは『ROAD CRUISIN’』のみで、再び韓国でライブを行う事も無かったところを見るに韓国で特に売れるという事は無かったという事だろう…。
★★★★☆
日本国内アルバム未収録
『ROAD CRUISIN’』韓国盤ボーナストラック
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