31stSg このまま君だけを奪い去りたい/翼を広げて

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31stSg このまま君だけを奪い去りたい/翼を広げて

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2005年10月26日
2004年末のカウントダウンライブを最後に2005年は夏まで活動は無かった

8月に山根公路ソロミニアルバム「COZZY」がFC限定販売(一般入手不可)され、9月にFCツアー…とFC向けの活動が行われたのみで、秋が深まってきた頃になってようやくリリースされたのが今作。1st/2ndシングルの新録音バージョンの両A面シングル。初の全曲新録音ベストアルバム発売が告知されていてその先行シングル。

BMGファンハウス→BMG JAPANへと名称が変わり、”ファンハウス”が消滅した。

AOR路線は終了し、今作ではデビューから干支が1周したという事で、セルフカバー企画が展開した。帯には“DEEN屈指の名曲が最新録音のNew Versionでよみがえる!!”と書かれ、シールには“名曲新録音”と新録音である事は強調されている。背文字部分では両A面表記になっているものの、ジャケットには「このまま君だけを奪い去りたい」しか書かれていない、右下に小さく6行書いてあるのも曲目ではなくサビの歌詞である。CDと初回盤DVDのレーベル面にもひたすら円周状に「このまま君だけを奪い去りたい」の歌詞がフルで延々書かれている。MVも「このまま君だけを奪い去りたい」のみ…と「翼を広げて」の存在は極めて薄く、背文字のタイトル表記と公式のタイトル表記でかろうじて両A面だと分かるといった寸法。

1st~19thまではオリジナルカラオケ(ORIGINAL KARAOKE)、20thからはInstrumental、前々作でoff vocal version、前作ではInstrumentalに1度戻っていたが、今作で再度off vocal versionとなり、以後カラオケバージョンの名称はoff vocal versionで固定した。

初回盤もDVD付に再び戻り、シンプルにVIDEO CLIP&メイキング映像収録。メイキングはMV撮影、ジャケット撮影(同じ写真なのでアルバムジャケット撮影も兼ねていたと思われる)、そしてクリップ内では役者が出てくる物語とDEENの演奏シーンは完全に別々だったが、撮影スタジオ内で会っていたようで池森&主演の永岡佑が会話している様子も映し出されている。

一応そこそこ話題になり、初登場9位2003年以来のトップ10入りを果たした。売上もこの時期は1万を越える程度だったが、2万近くまで少し伸ばすなどやや好調な動きを見せた。

このまま君だけを奪い去りたい

作詞:上杉昇、作曲:織田哲郎、編曲:岩田雅之
Produced by 鎌田俊哉

ドラムはHIDE、ベースは同じcan/gooのKIYOを起用。キーを-1にして今の声に合わせて作り直したセルフカバー。AOR期に比べればもう少し声を張った歌い方に戻しているように聞こえる。またアレンジもガラッと変更。古くは近藤真彦や少年隊、そして90年代SMAPやその後に初期の嵐やKAT-TUN、Hey! Say! JUMPらも担当していてジャニーズと縁が深かった鎌田俊哉をプロデューサーに招いており、その繋がりで90年代SMAPにもよく参加していた岩田雅之がアレンジ。かなり意外性のある起用で90年代ビーイングの曲のアレンジを90年代SMAPの制作陣が担当する事になるとは…。古くは織田哲郎の曲を気に入った近藤真彦が曲提供を頼んでいたり、WANDS「もっと強く抱きしめたなら」、BAAD「君が好きだと叫びたい」やFIELD OF VIEWが多用していた作曲家の多々納好夫がビーイングで大ヒットを飛ばしていた時期にまだ本格ブレイク前のSMAPへも同時に曲提供を行っていたりはしたのでビーイングとジャニーズに全く繋がりが無かったわけではない。

王道バラードだった原曲に対してゆったり乗れるようなアレンジになっている上、定番だった1番静かに2番からバンドインみたいな構成でもなくなり、抑えめの平メロからサビで音数が増え、サビの後半でまた音数を減らし…とパートごとに緩急をつけた構成。かなり新しい、でも違和感はないいいセルフカバーだったと思う。何より原曲キー下げアレンジよりも下げたキーに対応した新アレンジとして良く出来ていた。

Break10で演奏しただけでBreak11からは元に戻した(原曲キー下げ)ので定着はしなかった(忘れた頃に時々このバージョンで演奏する事もある)。今作の頃はまだそうでもなかったが、ここから2017年にかけて(原曲キーを取り戻す前まで)は原曲キー下げのこの曲はとにかく苦しげ&声が出しきれていないようなクセの強い歌唱が目立つ事となるが、時々このアレンジで演奏すると途端にクセの強さが消えてうまく歌えるという効能(?)があり、もう少し定着しても良かったように思う。ちょっと大胆に変えすぎたところはあるので、オーディエンスが聞きたいのはこっちじゃなくてオリジナルアレンジだろうというメンバーサイドの思い込みも大きかったのかも。
★★★★☆
3rd(セルフカバー)ベスト『The Best キセキ
12thアルバム初回特典2ndバラードベスト『Ballads in BlueⅡ~The greatest hits of DEEN~
6thベスト『DEENAGE MEMORY
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~
20thアルバム初回生産限定盤のみDISC-2『DEEN WINTER SONG PLAYLIST mixed by ☆Taku Takahashi (m-flo)

翼を広げて

作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:島健
Sound Produced by 島健

アコースティックピアノは島健、ドラムは渡嘉敷祐一、ベースは松原秀樹、パーカッションは三沢またろう、ソプラノサックスはBOB ZANG、ストリングスは金原千恵子ストリングス。原曲のロックバラードっぽさを排してストリングスを前面に出したアレンジになっていて1番はほぼストリングスバージョン、2番からバンドも入るが抑えた演奏で影に徹していてギターもエレキを使わず静かにアコースティックギターが鳴っているので存在感が薄い。それでも最後の合唱バラード部分は残されていて今回はSHIMA KEN&Friendsとなっているので、DEENサイドではなく島健サイドが連れてきた面々が合唱している模様。アコースティックピアノも島健なのでかなり島健成分が強めのような…。ライブでは概ねギターソロに置き換えていたが、音源では間奏のソロはBOB ZANGによるサックスソロになっていてギターが目立つ場面が皆無なので、音源では田川さんの存在感がかなり薄め。

『The Best キセキ』店舗特典セルフライナーによれば今作のレコーディングではドラム、ベース、ピアノ、ギターを同時に録音しているという。アコースティックピアノは島健になっているので恐らくリーダーではなく島健、渡嘉敷祐一、松原秀樹、田川伸治の4人と思われる。

力強かった原曲と真逆の優しい仕上がりでこれはこれでまた違う魅力があると思う。両A面なのに「このまま~」をとにかく前面に出してジャケットから盤面にまで歌詞で埋め尽くしたため今作の存在感が薄れたのは否めず、せっかく両A面にしたのにもったいなさすぎた。

ライブではイントロのストリングス演奏部分のみ今作のオケを流してから原曲アレンジという合体バージョンでも演奏されるようになり、毎年武道館期の末期(2010年代後半)には毎回最後がこの曲というマンネリの極みのような扱いになっている中で、今作の存在は多少の変化として機能していた。
★★★★☆
3rd(セルフカバー)ベスト『The Best キセキ
11thアルバム『クロール』初回特典『ナツベスト~DEEN SUMMER TIME MELODIES~
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~

Bonus Track
Blue eyes(Live Take)

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN
2001年のバラードベスト『Ballads in Blue』収録曲のライブ音源。Live Takeと書いてあるだけでいつのライブなのかの記載が全くないが、直近でライブで演奏されたのが2004年8月28日の「ONE DAY LIVE ’04-END of SUMMER-」くらいしかないのでこの時の音源と思われる。当時『ONE DAY LIVE’04 END of SUMMER&6CLIPS』には2001年以前の曲は全てカットされる法則に従って収録されていなかったので初出音源。2006年に『LIVE JOY COMPLETE 2002-2004』で初めて映像化された。

原曲アレンジとなっているが、R&Bの軽めなチキタカだったリズムが生バンド演奏になり、前半はチキタカ(同期?)だが、後半以降は普通にバンドサウンドになり、原曲とは少し異なる雰囲気。野外ライブという絶好の機会でのレアな音源となった。しかし夏が終わったこのタイミングで1年以上前のライブ音源を蔵出ししてきたのは謎でもあり、やはり今回のセルフカバー企画を通してライブ映像/音源すら発売不可能になっていたビーイング時代の版権問題をクリアする何かが起こった…のかもしれない。
★★★★☆
ライブ音源アルバム未収録

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