33rdSg ダイヤモンド
2006年8月2日
1995年に1年だけロッテの監督を務めたボビー・バレンタイン氏は2004年に2度目のロッテ監督に就任。2005年はシーズン2位だったがプレーオフで勝利して日本シリーズへ進出するとストレート4連勝で球団としては31年ぶり4度目の日本一に輝いた。
ボビー・バレンタイン監督はDEENファンを公言していたため優勝時には池森秀一が詞を送るなど既に交流もあったが、2006年は一気にテーマソング依頼という形でガッツリと関わる事になった。前年日本一の話題もあってか、東京ヴェルディ1969の時よりもさらに全面的に乗っかったコラボが展開した。なお東京ヴェルディ1969の時は監督とのコラボは無く一部選手がコーラス参加という流れだったが、今回は逆に監督一直線で選手の参加は全く無かった。
初回盤はMV&TV SPOT3種を収録したDVD付。
通常盤はエンハンストCD仕様。前作「Starting Over」MV収録(通常バージョンとボビー・バレンタインがラストに出演したanother ending versionの2つ収録)。プロ野球カード風トレカ封入。
千葉ロッテマリーンズ Special EditionはエンハンストCD仕様。MV&監督のダンス映像(サビ部分をMVでも組んでいたダンサーの女性とMVのセットで踊っている短い映像)を収録。さらにCD本編に「ダイヤモンド(stadium version) featuring Bobby Valentine」追加収録。プロ野球カード風トレカはこちらにも収録。CDトレイの下には「CHA CHA CHA(AERICAN STYLE)」と題した踊り方の足跡表と簡単な解説が記載されている。チャチャのリズム、チャチャのリズムと連呼していて監督もCan you CHA CHA?とか言ってたのにCHA CHA CHAってCHAが1個多くね?と思うんだけど、3連呼せずに2連呼の時もあるという事で同じものらしい。あの監督ボイスで「Can you CHA CHA CHA?」だとなんとなく締まらない気はする…。
と、1種増やして特典を細かく変えた複数商法を展開した。
当時正直なところこの監督便乗展開に若干辟易していたのもあって初回盤のみの購入に留めたが、後年中古で格安で転がっていたので千葉ロッテマリーンズ Special Editionも入手した。
なお2006年のロッテは失速して4位でシーズンを終了。トピックに乏しいシーズンだったのかWikipediaのロッテの1年ごとの概要でも2006年だけわずか2行で片づけらている始末。全力で便乗したものの、タイアップ効果にも乏しく、珍しくMVで悪ノリに近いようなふざけたノリも見せたものの話題にならず、初登場26位。複数商法効果でわずかの累計売上が前作を上回った程度…と結局DEENファンしか動いてないんじゃないかという状態だった。
ダイヤモンド
作詞:池森秀一、作曲:山根公路,池森秀一、編曲:CHOKKAKU
ロッテの2006年のスローガンとなった“LET US DO IT AGAIN!”をテーマに制作は進行。皆でダンス(チャチャ)を踊りたいと、監督からのチャチャのリズムでというリクエストにより、『The Best キセキ』で関与した鎌田俊哉プロデュースでCHOKKAKUを再召喚してアレンジを任せる形でラテン風ダンス色を強くしたアレンジが完成した。リズム隊も打ち込み。ファンだという割にはDEENがやった事のないチャチャのリズムでなどと要求されたことで正直制作は難航したと思われ、それゆえのCHOKKAKU頼みになったところはあったんじゃないかと思う。ボビー・バレンタイン監督も冒頭の台詞と最後のラララ歌唱部分に参加している。
1番の歌詞はロッテの球場まで向かっていくロッテファンの心理を歌詞に落とし込んだものになっている。前年日本シリーズ優勝という実績があるため、もう1度あの夢を掴もうという正統派な応援歌としてロッテに寄せた歌詞だ。対してやはり曲調のクセが強い。ダンスナンバーと聞いてイメージされるみんなで踊ろう的なノリともなんか違うし、チャチャって聞き馴染みもないし…。後に振付路線になった後のライブでも特にこの曲に振付はつかないままだったしなぁ…踊る曲のイメージが無いんだよな。正直なところ、バレンタイン監督(と女性ダンサー)が踊っている印象しか無いという。
アルバム『Diamonds』は今作のタイトルを複数形にして英字表記にしたものとなったため、事実上タイトル曲とか象徴する曲となるところだがあまりに異色すぎるため、アルバムで最も浮いている謎の立ち位置の楽曲になってしまった。『Diamonds』というアルバム、正直この曲は飛ばしてしまった方が明らかにアルバムとしてまとまっている。
『Diamonds』初回盤DVDではフェイクイングリッシュによるデモ2曲を監督に提出して実際に訪れて聞いてもらい監督が「ダイヤモンド」(のデモ)を選択している様子も収録されている。決まった方の曲をプロデューサーやアレンジャーに委ねると言ってデモのアレンジはあくまでデモである事を説明しているのでこの段階で既に外部に任せる意向だった事が伺える。なおもう1曲の候補はアルバムラストを飾る事になった「扉」(のデモ)であった。まあ候補1(今作)の方が陽気なノリで監督も楽しそうに聞いていて当然こっちを選択するよなぁとは思った。
Break11ツアーの最後ではバレンタイン氏が来場しており、冒頭の台詞部分を生で行う予定でしっかり生コラボをDVD化する御膳立ても整っていた。しかしなんとマイクを忘れてステージに出ていってしまったため出てきて何か叫んでいるものの演奏にかき消されて何も聞こえないという大失敗に終わってしまう。仕方なくDVDのDISC-2メイキング映像送りとなり、ありのままがドキュメント映像として残された。
★★★☆☆
8thアルバム『Diamonds』
5thベスト『PERFECT SINGLES+』
6thベスト『DEENAGE MEMORY』(feat.Bobby Valentine表記だがオリジナルのまま)
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~』
21stアルバム初回生産限定盤のみDISC-2『DEEN DANCE MUSIC PLAYLIST mixed by Yosuke Sugiyama』
C/W 光の珠~The shining ball~
作詞:池森秀一、訳詞:ボビー・バレンタイン、作曲:山根公路,田川伸治、編曲:DEEN
2005年のロッテが日本一になった際に池森が寄稿した詩に後からメロディーをつけた楽曲。DEENは普段曲が先に出来ていてフェイクイングリッシュで仮歌を作ってアレンジを進めつつ本格的に作詞を開始しているので詞先は普段しない作り方だったようだ。新たにボビー・バレンタイン訳詞による英語詞が2番に加えられ、2番Aメロ冒頭と最後の1フレーズをボビー・バレンタイン氏が単独歌唱している。”訳詞”となっているように、新たにボビー・バレンタイン氏が歌詞を書いたのではなく、1番になった池森寄稿の歌詞を調整して英語にしたような内容。監督…日本語は超カタコトだったけど日本語の歌詞を英訳するとかそこまで日本語堪能だったの…?
なお今作は他に色々収録したためか、この曲のカラオケは収録されていない。
池森さんらしい前向き・ひたむきに夢を追う詞にDEENらしいポップな楽曲。ど真ん中すぎて逆に他に似たような曲が無かったりもするが、どうにも普通にいい曲以上の引っ掛かりがあまりない。2番Aメロド頭低音部分を英語で歌唱するボビー・バレンタイン氏は「ダイヤモンド」での歌唱パートと違いある程度声に余裕が感じられる。
ライブでは監督の声マネが得意な山根リーダーが監督の物真似をしながら該当パートを歌っていたが、普段の声が全く違うのに何故か声マネが激似過ぎて再現度高すぎるのが面白かった。
★★★☆☆
2ndC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best Ⅱ~』
C/W 太陽と花びら(acoustic version)
作詞:池森秀一、作曲:池森秀一,時乗浩一郎、編曲:DEEN
26thシングルのリメイク。前作の「君がいない夏」に続いてBreak10のアコースティックコーナーで演奏して好評だったという事で音源化された。この時のライブ映像は『BEST of DEEN キセキ LIVE COMPLETE』に収録されていた。同じライブで演奏した「遠い遠い未来へ」のアコースティックもレアで良かったのでそっちを音源化してほしかっ セルフカバーは基本的にB-Gram時代の曲ばかり集中してやっていたので、BMG移籍以降どころかBERGからも離脱してからの当時としては割と最近(3年前)の曲をセルフカバーするのは珍しかった。
「君がいない夏」同様に宮野・HIDEも参加しての5人編成(HIDEはパーカッション)。原曲がドラムやブラスアレンジなどアレンジ面での印象が強かっただけに、今作でのアコースティックアレンジは目立っていた音がごっそり無くなってアコースティックギターがリズミカルさも兼ねていて新鮮な仕上がり。原曲とはまた違った新たな魅力を打ち出したアコースティックコーナーならではのリアレンジだと思う。
このシングルで唯一監督と無関係の曲となったが、制作の経緯は前作の「君がいない夏(acoustic version)」同様でアコースティックコーナーからの音源化という事だったと思われる。ただこの企画が継続しなかった事もあってその後の扱いでは歴然とした差が生じ、『The Best クラシックス』にも『ナツベスト』にも一切選曲されず、アルバム未収録のままになってしまった。どうしてこうなった。
★★★☆☆
アルバム未収録バージョン
C/W 未来のために(English version)
作詞:池森秀一、訳詞:Romeo.V.Gonzaga、作曲:池森秀一,宇津本直紀、編曲:岩田雅之
1995年当時に野球中継のテーマ曲タイアップとしてかかっていたためにボビー・バレンタイン氏が1995年来日時に耳にしていてDEENファンになったきっかけとされている楽曲の英語バージョン。オリジナルではなく『The Best キセキ』収録のセルフカバーのオケそのままで英語詞で歌いなおした音源となっている。
英語詞のメロディーの乗せ方が少し変わっているところは聞きどころだが、まあボビー便乗企画といえば確実にそうである…としか…。
★★★☆☆
アルバム未収録バージョン
千葉ロッテマリーンズ Special Editionのみ
C/W ダイヤモンド(stadium version) featuring Bobby Valentine
5曲目カラオケ(off vocal version)の後の6曲目に追加収録。stadium versionのというのは「STRONG SOUL」以来だが今回はfeaturing Bobby Valentineとなっているように原曲では冒頭の掛け声と最後の合唱に声が被さっている程度だったボビー・バレンタイン氏の出番が大増量されたバージョン。「STRONG SOUL」のようなスタジアムを思わせる大歓声は冒頭に一瞬だけ入っているものの「STRONG SOUL」よりも弱めの歓声な上にすぐにフェードアウトしてしまいそれっきり入ってこない。
冒頭以外に1番と2番の合間にも再度の掛け声、ラストサビ前の間奏のギターソロ前に「Can you CHA CHA?」の一言、ギターソロ途中から最後のサビ突入寸前まで監督の掛け声が入ってきてそのまま続けてラストサビ頭1フレーズを一部単独歌唱、最後の合唱部分での声が大きめ、締めにMVの最後と同じCan you CHA CHA?の一言が再び入る…といった具合に監督の出番が増えまくっている。クレジット上のVoices&VocalのうちVoicesに該当する部分がほとんどではあるんだけどVocalとなる1フレーズ”ダイヤモンド光れ”がなかなかの破壊力で、正直なところボビー・バレンタイン氏、MVで華麗なるダンスを披露しているようにダンスは良かったものの歌に関してはドスレートにかなりの音痴。レコーディング時は池森さんが真横で歌唱指導してもなかなか音程を取れていない様子がアルバム『Diamonds』初回盤DVDのメイキング映像にも残されている。とりあえず間奏という間奏に一応監督の声を入れるように多めにレコーディングしたものの、これはさすがにやりすぎだという英断が下されて本採用では冒頭掛け声と最後の合唱に声を混ぜる程度まで抑えたというところはあると思う。
何故か『DEENAGE MEMORY』収録の際は「ダイヤモンド」がDISC-3のSpecial Memory枠に回されたため、他の曲に合わせたfeat.表記となり、「ダイヤモンド feat.Bobby Valentine」として収録されているがこのバージョンではなくオリジナルのままである。このバージョンは未配信、アルバム未収録のままとなっている。
★★★☆☆
アルバム未収録バージョン
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