5thAl pray

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5thAl pray

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2002年11月20日
2年半ぶりのオリジナルアルバム。翌年3月にデビュー10周年を控えていたが前倒し“10th Anniversary Album”と帯に銘打たれている。キャッチコピーは“DEENの原点、そして未来がこの一枚に!”。ジャケット表記はタイトルに合わせて“deen”と全小文字表記だが帯の背文字のみ”DEEN”表記。

初回盤のみ「Christmas time<a capella>」追加収録。2013年のBOX『PERFECT ALBUMS+1 20th Anniversary』では通常盤準拠になっていたためカットされている。またアルバムでは今作までがビーイング管轄であるため、DL/ST共に配信されていない。2024年3月10日のB-Gram音源配信開始時もBERG移籍後でビーイング管轄となる今作までは取り残されたままとなった。

先行シングルと連動したプレミアムキャンペーン応募券、フォトカード付属。このフォトカードの裏面が「Christmas time<a capella>」の歌詞カードとなっている。
スリーブケースが付属した盤も出回っているが、これはCDショップの店舗特典

初登場12位を記録したが2週目に94位に超転落する驚異的な推移となり、残った固定ファンしか買っていない閉鎖的状況が一気に深刻化した。今作の通常盤がどの程度出回ったのかは不明。

1.magic

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN
Horn Arrangement:山根公路

80年代TOTOシャッフルと言われたリズムのこれぞAORな楽曲と当時紹介されていたが、何のことだかさっぱり分からなかった。当初から今作を絶賛していたのはそういった洋楽も嗜んでいていわゆる元ネタが分かって楽しめる系のリスナーが中心であったが、当サイトは全く分からないにわかJ-POPリスナーのままここまで来ているのでそういう”レビュー”は書けない。探せば今作以降の上質さを元ネタ洋楽も把握したうえでちゃんと音楽的に解説しているブログもあるんじゃないかと思うけど、当時出てきた筆頭格のAOR期限定のファンサイトなんかはAOR期終了間もなく消えてしまったのは覚えている。いずれにしても理解していたのは少数でかなりニッチだったのは12位→94位という超推移から明らかだろう。配信されれば再評価されそうな気もするんだが…。

当初はなんかとにかくワケの分からん事になったという衝撃に次ぐ衝撃というのがこのアルバムの印象。いくつかのポイントはあったが、この曲においてはまずイントロのジャラッ!ジャラッ!ジャッジャーラ♪のインパクトの強さ、分厚いホーン、ヒタヒタとした響きのドラム、そして何よりボーカルがやけに低くなり、しかもコーラスも厚くかかっていてまるで別人のようだ…とこれまでにない要素が大渋滞していてなんなんだこれはと。DEENなのかこれは?と。そんな感じだった。

とにかく聞いたことのない方向性だったので馴染むのに数年を費やしたが、ようやく今作の上質さ、良さが見えてきた頃にはAOR路線は過去になっていた。当時は戸惑っていて後になってからこの時期凄かったんだなと気づいたという案外そんなファンも多いのではないかと思うんだけどどうだろう。まあ今でも80年代TOTOシャッフルと言われてもTOTOをまだ聞いたことが無いので分からな

この曲ではベースもサポートが入っていて遠山無門が担当。生音を重視するようになったというのは『’need love』頃からインタビューでも発言するようになっていて、AOR期は特に外部サポートの参加が多く、ドラムの沼澤尚もほぼ全面参加しているものの、元々メンバーにベーシストがいた事が無く、初期からベースは打ち込みでやっていたためか、AOR期においてもベースは打ち込みが案外多かったりする

ライブではすっかりご無沙汰となったが、2011年の日本武道館公演ではアンコールでの上海ロックスターの登場トリック(「magic」でマジック)にイントロ部分ジャラッ!ジャラッ!ジャッジャーラ♪がオケで使用された。演出にメチャメチャハマってて笑った
★★★★☆
39thシングル『心から君が好き~マリアージュ』初回特典CD『“DEEN AOR NIGHT CRUISIN’~1st Groove~”』(at Billboard Live OSAKA 2012/3/17)

2.Birthday eve~誰よりも早い愛の歌~

24thSg Birthday eve 誰よりも早い愛の歌
24thSg Birthday eve 誰よりも早い愛の歌 2002年10月2日 5ヵ月ぶりのシングルだが、オリジナル曲としては約2年ぶり。今作の正式な表記は公式サイトでも発売告知の段階から現在でも「Birthday eve~誰よりも早い愛...
公式サイトではシングル発売前から一貫して”~”が入っていたが、シングル盤には一切表記が無かったのでCD表記において”~”が表記されたのはここが最初

3.i…

作詞:池森秀一、作曲:土田則行、編曲:DEEN&大平勉
公式ライナーによれば80年代のD.Foster/CHICAGOを思い起こさせるバラード、だそうだけど、洋楽っぽい感じの大人なサウンドのバラードだなくらいな印象だった。それでもサビの王道バラード的なメロディーの強さから、今作の中では真っ先にメロディーがいい曲だなと思った記憶がある。確か今作のキャンペーンハガキの中のアルバムで好きな曲というのに今作を書いて送ったな…。

その後他の曲のアレンジの面白さに気づき始めてからは気がつけば「Call your name」「I say to my love」と並んであまり聞かない今作の中では下の方の位置になってしまった…。ただファン人気は高く、ライブでも全く歌われなくなっていたが『ALL TIME LIVE BEST』でBreak6の音源が収録される事態となり、それを受けてBreak15で早速久々に演奏、『Ballads in BlueⅡ』にも選曲…と人気に気づいて慌てて連投したような実に分かりやすいリアクションが繰り広げられた。
★★★☆☆
2ndライブアルバム『ALL TIME LIVE BEST』(2002年Break6ライブ)
12thアルバム初回特典2ndバラードベスト『Ballads in BlueⅡ~The greatest hits of DEEN~

4.空もハレルヤ

作詞作曲:池森秀一、編曲:DEEN&時乗浩一郎
Horn Arrangement:&時乗浩一郎

音楽で世界を変えられるはずだと願う平和ソング。ブラックミュージック好きの池森さんの趣味性とAORの方向性を融合させ、Gospel,Soul,Jazz,Rock,Popと多数の音楽ジャンルがコーラスで言及され、様々な音楽要素が取り入られているような賑やかさもある。全体には明るくてポップな印象で親しみやすい。

歌詞の内容もあってか、Break8韓国公演ではアコースティックコーナーで演奏した際にサビ部分でみんなで手振り(上方向に掌をアゲアゲするよく考えたら割とな動き)をするよう呼びかけ、言葉の壁を越えて1つになろうとする様子が映像で残されている。印象深い場面だったのか、当初シングル『レールのない空へ』初回盤DVDのダイジェスト映像で収録されていたものを次のシングル『STRONG SOUL』初回盤DVDではこの曲のライブ映像のみフルで収録していた。その後韓国公演全体のDVD化に至っている。
★★★☆☆
39thシングル『心から君が好き~マリアージュ』初回特典CD『“DEEN AOR NIGHT CRUISIN’~1st Groove~”』(at Billboard Live OSAKA 2012/3/17)

5.We can change the world

作詞:池森秀一、作曲:田川伸治、編曲:DEEN
Horn Arrangement:田川伸治

「magic」と並んで最初に聞いた時にインパクトが強かった1曲。イントロのドゥンガドゥンガドゥンガドゥンガラーラージャッジャッジャッドゥンガドゥンガドゥンガドゥンガラーラージャッジャッジャッ♪おかしいよ♪っておかしいのはオマエだ!と思わず突っ込みたくなるほどヘンテコなイントロからの歌い出し「おかしいよ」がインパクト。実際にはおかしいのは最近考えられないようなニュースが出てくるようになってきている危機感を描写したもので、心配せずに世界は変えられる一緒に変えていこう!(超訳)というような内容の曲なんだけど、いや今作でのDEENの変貌ぶりがおかしいよ!っていう最初の印象が鮮烈だったなぁ…。

今作収録曲の中ではAOR期の数少ないライブ盛り上げナンバーとして定番化、キセキを経てDEEN’S ROCK路線に変わってAOR期の楽曲が一掃されていった中でもメドレーでBreak11までセットリスト入りしていた。Aメロの“各地方で異常気象”というフレーズに合わせたように田川さんがギターを捨てて踊り出して指差し棒を振りかざして一言叫んで1発ギャグという謎のパフォーマンスも行われていた…がハイセンスすぎて正直どういうギャグなのかは良く分からなかった(気象予報ギャグなんだろうけど田川さんのギャグセンスは突拍子が無さすぎて戸惑ってしまうところがあった。脱退以降はそのセンスが全開で発揮されていてあの作風となったのだろうきっとそうだろう)池森さん的にはツボらしく、続くフレーズで噴き出したまま引きずられることも。また2番の歌詞”BIGニュースを作ろう”に合わせて今度は山根さんにBIGニュースを作りましょうよリーダー!と振り、山根さんがBIG NEWS!とふざけてぶちかます…など妙に小ネタの多い曲だった。

またメンバーのライブ開演直前の気合入れにも使用されるようになり、メンバー3人+サポート(宮野和也、HIDE)が円陣を組んでオーーと言いながら絶対音感を持つ田川さんがキー合わせをして池森さん主導でそのままサビを5人で合唱してIt’s Alright!で締めというのが長年の恒例となっていたようで、その模様がライブのメイキング映像が収録されるようになってからは何度か映し出されている。ライブ本番で演奏しなくなっても恒例行事になっていたっぽいのでライブ前の皆勤曲でありメンバーにとっては相当馴染み深い1曲と思われる。池森・山根の2人体制になってから継続しているかどうかは不明(キー合わせする人がいなくなってしまったので廃止になったのかな…)。
★★★☆☆

6.Call your name

作詞:池森秀一、作曲:鈴木寛之、編曲:DEEN&鈴木寛之
Strings Arrangement:田川伸治

失恋バラード。最後の最後に”立ち止まらず歩き出そう I pray”と締めるまでほぼ未練がつらつら綴られているが、楽曲自体は生バンド、ストリングス、サックスも絡むアコースティック主体ながら豪華なアレンジで美しい雰囲気。ただ今作と「I say to my love」の2曲連続バラードの流れって『The DAY』の「Guilty~消えることのない罪~」→「逢いにゆくよ」を彷彿とさせるんだよな…。失恋と進行形ラブソングっていう並びも同じだし。
★★★☆☆
16thアルバム『バタフライ』初回盤B特典CD『DEEN AOR NIGHT CRUISIN’~3rd Groove~』(2016.3.4 Billboard Live TOKYO)
43rdシングル『千回恋心!』初回盤のみC/W(Live at Zepp Tokyo)

7.I say to my love

作詞:池森秀一、作曲:時乗浩一郎、編曲:DEEN&時乗浩一郎
初期はディレクター、アカペラ曲のアレンジャーとしてたまに登場していた時乗浩一郎だったがセルフプロデュース以降ストリングスやブラスアレンジ等に山根・田川と共に名前が出ることが増え、AOR期になると本格的に共同アレンジャーとして名前が出るようになった。作曲では池森&時乗コンビというのが増えるが今作では単独で作曲を手掛けている。

「Call your name」に続いてのバラードだが一転してウェディングソング結婚式当日の新郎の心境を歌った曲だが、収録されている位置が地味だったためかDEENのウェディングソングとしてファンの間では真っ先に上がるだろう後年のシングル「Celebrate」、「マリアージュ~心から君が好き~」と比べるととことん影が薄い。またゆったりしたバラード、前曲のサビが”I call your name1″で今作は”I say to my love”、共に裏声交じり…とどことなく似通ったところがあるが、実際には演奏形態が大幅に異なる。「Call your name」はサポートにベースドラムストリングスブラスの入った豪華生音編成だが、今作はサポートはドラムだけでベース打ち込みである。それでも似たような2連投という印象が強く、『The DAY』の「Guilty~消えることのない罪~」→「逢いにゆくよ」同様に完全に相殺してしまっている感じ。
★★★☆☆

8.Take your hands

作詞:池森秀一、作曲:鈴木寛之、編曲:DEEN
落ち込んでいる人を励まして笑顔にしてくれるようなポップな励まし寄り添い系楽曲。アレンジもそれなりにオシャレ、みんなでひとつになって盛り上がろうという弾んだノリの楽曲で当時のライナーに“きっと次のDEENのツアーでこの曲を会場全体で大合唱している時、それぞれの顔は幸せに満ちているだろう”と書かれており、直後のBreak6ではアンコールで演奏されるというポジションだったんだけど、それっきりとなりそのままレア曲化してしまったためどうにも影が薄い。

久々に聞くとけっこう良い曲だったなと思うんだけど、盛り上げには「We can change the world」があるし、ひとつになろう系だと「空もハレルヤ」の方が一体感があるので、今作には両方の要素があるにはあるんだけど中途半端な感じはある。ただ震災直後の2011年武道館ではそこまで大盛り上がりしにくい状況の中で久々に選曲され、歌詞のメッセージ性や曲調がうまくハマった。2014年のマニアックナイトではアンコール最終曲(Wアンコールがあったのでラスト2)で演奏され、2017年Break20のBest of マニアックナイトではついにアンコール最終曲として演奏されるなど、滅多に演奏されないが演奏された時はやたらと重要ポジだったりする。
★★★★☆

9.Tears on Earth

作詞:池森秀一、作曲:入日茜、編曲:DEEN
『和音』よりコーラス参加し、ツアーにもko-sakuと共に帯同していた当時同じ事務所に所属していた新人シンガーソングライター入日茜による唯一の提供曲。この時期に聞こえてくる印象的な女性コーラスって基本的に入日茜と太田美帆だが入日茜はライブにも帯同しておりけっこう存在感のある声だった。世界平和や環境問題を軸に自分たちに何ができるかを考えていこう(超訳)という壮大なテーマのシリアスなバラードナンバー。今作の中でも特にシリアス。平メロは低音で静かに進行するのとサビ終わりも低音なのでずっしりと響く重量感がある。AOR期の「Voyage」的な立ち位置の1曲ともいえるか。入日茜は程なくして事務所を辞めているが、時乗浩一郎よりも早くベルウッドレコードに移籍しており、時乗浩一郎とは後に再共演もしていた模様(事務所GOOD-DAY辞めた人たちこぞって時乗さんの元に集まってくる法則)

最初に聞いた時は暗くてあまり印象に残っていなかったんだけどじわじわ効いてきて、2011年武道館での本編最終曲で久々に演奏された時に初めて生で聞いてかなり感動した。2014年武道館では同事務所の後輩藤田麻衣子がゲスト参加していたため入日茜のコーラスパートを藤田麻衣子が代用する形で演奏された。原曲当時とは池森さんのボーカルもだいぶ変わっており、最後のサビ終わりの低音パートをオクターブ上で張り上げて熱唱したのも印象的だった。
★★★★★

10.Break it!

24thSg Birthday eve 誰よりも早い愛の歌
24thSg Birthday eve 誰よりも早い愛の歌 2002年10月2日 5ヵ月ぶりのシングルだが、オリジナル曲としては約2年ぶり。今作の正式な表記は公式サイトでも発売告知の段階から現在でも「Birthday eve~誰よりも早い愛...
今作の中では唯一ドラムがHIDE。一転してライブでは全部HIDEであった。

11.Bridge~愛の言葉 愛の力~

作詞:池森秀一、作曲:Kim-Hyungsuk、編曲:DEEN&Kim-Hyungsuk
Horn Arrangement:山根公路

ちょうど1年前の日韓コンピ盤『PROJECT 2002″The Monsters”』で発表されていた楽曲。オリジナルではKim-Hyungsukの単独編曲表記だったが、Boogie woogie Styleでは新たに編曲にDEENが加わり、沼澤尚のドラムと遠山無門のシンセベースを加え(公式ライナー明記)、ギターも弾き直した(当時の雑誌インタビューでの発言)リメイクバージョン。そもそも妙なアレンジで妙なノリの楽曲だったが、それにしても原曲の打ち込みオケがあまりにしょぼく、正直デモみたいな質感だったので、補強改修したような仕上がり。先にこっちを聞いてからオリジナルを聞くとKim-Hyungsuk氏が打ち込みしたリズム隊の足元がお留守感が凄い。デモだろあれ…。

ヘンテコな曲なんだけど地味にクセになるヘンテコさで時々聞きたくなる。
★★★☆☆
コンピ盤『PROJECT 2002″The Monsters”』(原曲)

12.もみの木の下で…

作詞:池森秀一、作曲:伊澤ビンコウ、編曲:DEEN
Strings Arrangement:山根公路

伊澤ビンコウというのは伊沢ビンコウの事だと思われるが、全国デビューが2006年とあるので全国デビュー前の新人時代に曲が採用されていたのだろうか。

本編を締めくくる3連のゆったりしたアコースティックナンバー。11月20日発売で「もみの木」とあるのと初回盤はこの次が「Christmas time<a capella>」なのでなんとなくクリスマス、年末に向かっていく時期の楽曲というイメージがあるが、雪が積もる季節である事以外はクリスマスに直接関係する言及は無く、クリスマスっぽい装飾もない。幼い頃にタイムカプセルを一緒に埋めた昔好きだった君の事を思い出すノスタルジックな歌詞と穏やかな曲調に心温まる

メンバーの演奏クレジットは一括クレジットのみだが今作の池森秀一の担当パートにはボーカルコーラス以外にBlue Harpが追記されていて、公式ライナーでも”彼のブルースハープのソロ”という言及があるので、間奏で聞けるのは池森演奏によるBlue Harpで確定している。
★★★★☆

初回盤Bonus Track
13.Christmas time<a capella>

作詞:池森秀一、作曲:山根公路
初回盤のみ収録の音源でこの曲だけ別に歌詞カードが封入されている。1番+サビもう1回というショートサイズの構成。アカペラバージョンも味わいがあっていいアレンジだ。声変わりしてキーが低くなったのでもう厳しいんじゃないかと思いきやこの曲は普通に歌えるのか、原曲当時とあまり雰囲気が変わらずに歌えているのがちょっと意外。2013年の20周年武道館のメドレーで演奏した際はオリジナルバージョンだったがこの時も原曲キーだったりする。
★★★★☆

コメント

  1. Angel don’t cry より:

    MagicのイントロはTOTOのPAMELAという曲のイントロを意識したのだと思われます!

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