36thSg Negai feat.ミズノマリ
2009年11月4日
BMG JAPANがソニーに完全買収されて2008年秋頃に完全子会社となったため、事務所運営の公式サイトとは別のソニーによる公式サイトが作られていた。前作まではそれでもBMG JAPANの社名は残されていたが、2009年10月にAriola Japanが発足してBMG JAPANは完全消滅。BMG JAPAN在籍者は自動移籍となり、Ariola Japan所属となった。BERGレーベルを作って移籍した1998年後半から社名がちょこちょこ変わったりはしていたがそれでも堅持していた“BMG”がついに消滅してしまい、品番もBVCRからBVCLへと変更となった。変更が末尾1文字に留まった事で品番にはBMGからの名残が残された(Vの部分は元々はVictorが関与してたからだし、意識して残してたのかも)。
今作ではゲストにparis matchのミズノマリを迎えていてC/Wでも共演、続くアルバム『LOVERS CONCERTO』でも共演した。どうやら池森さんがparis matchにハマってラジオのゲストにメンバーの杉山洋介を招いて以降親睦を深めたらしい。交流は以後も続いて時々コラボを行っている。
初回盤は7月に軽井沢と逗子で開催した初のリゾートライブ「DEEN Summer Resort Live’09」のダイジェスト&メイキングを収録した『DEEN SUMMER SPECIAL 2009~RESORT LIVE & DOCUMENT~』、同日発売のライブDVD/Blu-ray『DEEN at 武道館 2009~LIVE JOY SPECIAL~』の宣伝ダイジェスト『DEEN at 武道館 2009~SPECIAL DIGEST~』を収録したDVD付。スリーブケース仕様。
「DEEN Summer Resort Live’09」の模様は完全版が『LOVERS CONCERTO』初回盤DVDに収録された…が、それにて今作が完全用済みになったわけではなく、今作と完全版では同じ曲でも軽井沢と逗子の2つの公演からのチョイスに違いがあり、今作にしか収録されていない部分も残されている。
『DEEN at 武道館 2009~LIVE JOY SPECIAL~』との連動特典応募券封入。12月19日のZEPP FUKUOKAでの通算300回記念公演招待(2組4名)、プレミアムグッズ(100名)となっていた。また着うた全盛期だったためか、着うた・着うたフルを購入すると待ち受けFLASHプレゼントキャンペーンも宣伝。この待ち受けに隠しPASSが記載されていてCD封入のQRコードでサイトにアクセスしてPASSを入力するとDEENスペシャルDigital Photo Galleryが見れるという連動キャンペーンも展開した。
Negai feat.ミズノマリ from paris match
作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:山根公路&時乗浩一郎
風が冷たさを増していく秋~冬にかけてを思わせる切ない失恋ソング。2008年武道館直前に良きトレーナーと出会って調子を上げて以降もそのトレーナーの指導を受けて鍛えていたようで、2009年の武道館ライブでは全体に今までにない力強いシャウトが飛び出すなど歌い方に変化が見られていた。音源においても今作より本格的にトレーニングの成果が出てきていて声が明らかに力強い。同時にちょっとしゃがれ気味にもなっていて、徐々に低音カスカス問題に繋がっていく事にもなるが、今作のどうにもならない別れの切なさとマッチしていていい。良くも悪くもファン向け以上ではないようなライトなポップスっぽい作風が続いていたけど、今作は知らずにふいにかかっているのを耳にしても残る曲なんじゃないかと思った。
作編曲をした山根さんによればデュエットという形にはしたくなかったとコメントしており、結果的にfeat.の割にはミズノマリはバックコーラス扱い。なんか今回はバックに女性コーラスいるなぁくらいにしか聞こえない。大サビ部分で唯一メインパートもあるがこれも単独ではなくメンバーコーラスと重ねっているっぽいし、ライブでは山根さんが普通にハイトーンボイスで置き換えてもあまり変わらない感じになっている。目論見通りではあるが、名前を前面に出しての”feat.ミズノマリ”としてはちょっと物足りない扱い。paris matchサイドのリスナーだったらこの扱いはfeat?これでfeat?どこが?とちょっと戸惑うかも。
MVは水野美紀が主演。これまた池森さんが歌っている映像も出てくるが、水野美紀の森の中で失恋の哀しみに浸っている哀しみの涙の演技が光る。前作よりもストーリー性が無くイメージ映像的な内容ではあるが、石原さとみの嬉し泣き感謝の「ありがとう」で締めていた前作に対して、今作は水野美紀の別れの「ありがとう」になっているという演出の対比は『LOVERS CONCERTO』初回盤DVDやMV集で2作続けて見るとより引き立つ。
★★★★☆
10thアルバム『LOVERS CONCERTO』(Album Version)
2ndライブアルバム『ALL TIME LIVE BEST』(2010年Break14ライブ)
6thベスト『DEENAGE MEMORY』
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~』
20thアルバム初回生産限定盤のみDISC-2『DEEN WINTER SONG PLAYLIST mixed by ☆Taku Takahashi (m-flo)』
C/W Feel Like Makin’ Love feat.ミズノマリ from paris match
作詞&作曲:Eugene McDaniels、編曲:田川伸治
Roberta Flack(1974年)のカバー。原曲よりMarlena Shaw(1975年)バージョンがヒットしたとされる。邦題は「愛のためいき」として知られるが、今作では邦題は使用されていない。paris matchは2001年の2ndアルバム『PM2』で同曲をカバー済みで、2007年にはカバーアルバム『Our Favourite Pop』にも収録していた。池森さんはparis matchのファンで勧められて山根さんもparis matchを聞いたという証言はあったが、田川さんがどうなのか不明で、今作のアレンジは田川さんが担当。
表題曲ではコーラス扱いだったミズノマリがメインボーカルとなっていて今作では原田知世とデュエットした時のように池森さんがゲストみたいな扱いになっていてオクターブ下やハモりで支える。paris matchバージョンはもっと幻想的な雰囲気だが、今作ではバンド演奏主体。アコースティックギターがやや目立っているところは田川アレンジっぽいところか。長年原曲も聞いたこと無かったんだけど、そういやサブスクなら容易に既存音源聞けるじゃないかという事でこういう時に生かすべきだろうと聞いてみたがどれも違う味わいがある。派手さはないが原曲のメロディーに普遍性があるためだと思う
カバーはC/W集未収録の法則にしたがいアルバム未収録のまま放置されている。
★★★☆☆
アルバム未収録
C/W 瞳そらさないで 2009
作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:田川伸治
5thシングルのリメイク。原曲、Smooth Blue Mix、キセキVersionに続く4バージョン目3度目のリメイクとなる。この2009アレンジの派生形が複数存在する。7月18日に着うた限定発売されていたサビ部分3音源「頭サビ~Summer Breeze ver.」「1サビ~瞳そらさないで ver.」「2サビ~話そらさないで ver.」のフルバージョンCD化…と思いきや、「頭サビ~Summer Breeze ver.」で聞く事が出来た冒頭のアレンジを変更し、Summer Breeze部分から歌唱していた冒頭をアコースティックギターソロインストに差し替えている。以後の派生形でも「頭サビ~Summer Breeze ver.」の歌唱が復活することなく未CD化にして着うた衰退と共に滅びゆく幻の音源となっていく見込み(たぶんもうみんなほぼ使ってない過去の産物化しているとは思うけど着うた販売は継続している)。
更に遡るとこのアレンジは2007年の47都道府県ツアーで3人だけで演奏する用にアレンジされて演奏されていたバージョンが基になっていて47ツアー用に3人+簡易打ち込みの同期で演奏できるように用意したものだったようだ。続く2008年のBreak12ツアーでバンドバージョンにブラッシュアップしていてこの際は冒頭スローサビハーモニー歌唱バージョンであった。その後は原曲キー下げアレンジに戻していたが、2009年夏にリゾートライブを行う際にこのアレンジを復活・完成させて前述のサビ3つ分を着うた配信。DLしたのは「頭サビ~Summer Breeze ver.」のみ。
まだ改善の余地ありとしたのか今回のCD化に際して冒頭部分のサビメロをギターソロで奏でる形に変更したというのが今作である。2010年には’09+Ukulele Styleとなり冒頭スローサビが今度はウクレレに代わり、2014年には今作のオケに戻って英語詞で歌いなおしたバージョンも制作されるなどかなりお気に入りだったのは容易に分かるくらい足掛け7年に渡ってこのアレンジを擦りまくっていた。
アコースティックギターを中心にした爽やかな仕上がり。リゾートライブでも通常ライブでもアコースティックでも対応可能で汎用性の高いアレンジだと思う。Smooth Blueはコーラス隊が必要だし、キセキはブラス隊を入れるか同期で鳴らすかだが、今作は足りないギターやパーカッションを同期で足したり、場合によっては抜いてもそこまで目立たないし気にならない。アコースティックギターもそうだが自ら叩いてパーカッション入れまくる辺りも田川伸治らしい。この頃には常時パーカッションがクレジットされるようになっていてかなり傾倒していっている様子だった。
★★★★☆
このバージョンではアルバム未収録
11thアルバム『クロール』(’09+Ukulele Style)
2ndカバーアルバム『君がいる夏-Everlasting Summer-』(「Hitomi Sorasanaide-English Vesrion-」)
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