オリンピックで1回放送が無かったのもあってか、全9話となったが、最終回は2時間SPで実質2話分を使った。終始視聴率7%前後だったのによく2時間SPなんてやれたな…とも思ったが、今のフジテレビでは7%前後確実に取り続けられるだけでも高値安定なのかもしれな
小河原祥太にチャットでそそのかされた若葉(橋本環奈)は自作自演で自らの腹部にナイフを突き刺し、慶介(亀梨和也)を逮捕させる。黙秘を貫く慶介に、さすがの歴代カッターズ(?)一行も喜々として報じようとしたりはせず様子見を決め込む。むしろ慶介の家が家宅捜索されてデータまで押収された場合、歴代FINAL CUT映像が押収されてしまうのではないかというところに危機感を抱くところが…実にカッターズ。
しかし若葉の工作は激甘で、刺し傷の不自然さから自作自演だとあっさり医師に見破られてしまい、慶介の容疑も晴れた。しかし慶介はこれを逆手に取り、高田(佐々木蔵之介)経由で百々瀬(藤木直人)に自分が逮捕されたフェイクニュースを作らせ、小河原家のTVをジャックして偽ニュースを流し、新聞も逮捕記事を差し込んだものに差し替え、小河原家を一家全員騙した。
これを受けて若葉から知らせを聞いた祥太は帰国。今まで名前しか出てこなかった祥太がついに姿を見せ(山崎育三郎)、そこにすかさず慶介(と高田)が駆けつけ、任意同行へ引っ張ろうとする。しかしとりあえず帰国させるのに全力を使いすぎてそこから先の策を練っていたなかったため、井出(杉本哲太)、真崎(水野美紀)がカメラ持って(何故かカメラマンは別の奴だった)乱入してくるわ、達夫(升毅)が駆けつけてとっとと回収していくわで取り逃がした。
予告でもカッコよく使われていた「ようやく会えたな!」のシーンが取り逃がしの前フリって。
渋々許可していた上層部はこれ以上の捜査はしないと慶介を謹慎にしてしまい、高田が再鑑定を独自で行うも何ら証拠は出てこない。謹慎されて暇なのでまだ調べていなかった百々瀬の妻の件について調べたところ、本当の妻はアルツハイマーで入院中。イマイチ意志がハッキリしなかったが、百々瀬には冷たい態度で接している事が判明。
メディアを利用するしかないという高田の助言と、自信満々の祥太がやる気だったことも重なり、慶介は『ザ・プレミアワイド』立会いの下での2人の直接対決対談企画へ賛同。ノコノコ現れた祥太は自信満々の態度で自身の犯行を否定し続け、慶介を挑発し続けるインテリっぷりを見せつける。耐えに耐え抜いた慶介は冷静に事実を突きつけ続け、祥太は挑発を続けたが、遺留品のハンカチが外で発見されたという報道されていない事実を祥太がうっかり口走ったことでこれがFINAL CUT。あっという間に顔面蒼白になり、ダメ押しで雪子(栗山千明)が若葉からずっと一緒にいたわけではないという証言を引き出して登場。実の妹2人にも見捨てられた祥太は崩れ落ち、一緒にやってきた高田が逮捕。
番組的にはスペシャルすぎる対談どころか、身内にまで見限られた挙句、高田による逮捕シーンまで提供していただき万々歳。盛り上がるカッターズ御一行だったが慶介は約束通り真犯人を見つけたから番組内で謝罪しろと要求。百々瀬は当時は正しい事をした!と信念を主張して拒否。さらに真に迫って報道の在り方と未来を語った慶介は去っていった。
当初から慶介の演説に心打たれていた様子だった小池(林遣都)はいち早く謝罪すべきだ!と訴えかけ、聞く耳を持たない百々瀬に対して辞めてやる!と宣言。他の面々はそのまま乗っかるつもりだったが、いざ本番を迎えた放送当日。百々瀬は途中で方針を変えて正式に謝罪。これにて慶介の復讐は全て終了。
『ザ・プレミアワイド』はザ・打ち切りになり、百々瀬は降板し、立場上は責任者であった井出は左遷させられたが、真崎、皆川(やついいちろう)は残留し、小池はちゃっかり復帰。その小池が最も張り切って新たな番組作りに着手していた。
百々瀬は謝罪映像を見ていた妻の態度が軟化して微笑みかけてくれるというシーンもあったが、この妻どの程度まで現状を把握しているのか良く分からないので(そもそも代理妻を使っていたのも妻の要望だったらしいがその真意は百々瀬にも分からないって言うし)、いつしか歪んでしまった百々瀬を良く思っていなかったのだろうか…。百々瀬は高田に対して1度辞めたのは復帰した時に話題になるからだと最後にらしさを見せた。
最後まで職業不詳だった大地(髙木雄也)はメディアの報道被害対策のサイトを続けて責任者となった(慶介が手伝っているかは不明)。このサイト、プレミアワイド関係の相談しか来ない上に金もらっている様子も無かったけど仕事として成立するのか…。
慶介は雪子に違う形で会えていたら…と未練を残しつつ別れを告げていたが、ラストシーンでは「早川慶介」として雪子が働く美術館に登場。再会して終わった。この再会はラストシーンとしてあまりに余計な事すぎるというか、切ないけど別れて終わっておくべきケジメの部分じゃなかったか…。改めて先に知り合っていた若葉とどこでこんなに思い入れに差がついてしまったのか。その若葉は立ち直って両親を支えると宣言していたが、この両親は息子の犯行を知っていながら隠し通そうとしたわけで、「背負っていくしかないんだ」とか言ってる程度で終わりってのも放置気味だったなと。
まあ色々雑なところもあったが、とりあえず最後まで盛り上がった。最終回まで登場を引っ張って人物像が全く見えず、ただ幼女を襲い続けている危険人物という情報しか出てこなかった祥太がインテリ系の自信過剰なクズ野郎だったというのはラスボスとしてはグッド。少しも悪びれずにインタビューに応じてしまうあたりのネジの飛びっぷりもそりゃ両親も(当時)頭抱えるわなっていう。
カッターズの連中に関しては犯人に金を握らせ嘘の情報を黙認しようとした真崎、子供を執拗に追いかけまわして転落させてなお無理やり嘘の自白をさせた皆川の2人が断トツでマズイ行動取ってFINAL CUT抑えられていたと思うんだけど、どうもこの2人に関してはあまり反省している様子も無く、立場を失う事も無くなんの報いも受けていなかったような…。小池は結局復帰したものの心を入れ替えた様子や反省している様子が終始描かれていたし、井出に関しては現状での問題行動が出てこなかったため無理やり捏造したものであり、今はそんなにまずいことしてないのに左遷という。当初はもっと話も通じないような問題人物っぽかった百々瀬が結局藤木直人のいつものパターン(そんなに悪役にならない)だったのは…まあ…うん…。