8th 雨のMelody/to Heart
1999年10月6日
両A面シングル。堂本剛主演TBS系ドラマ『to Heart〜恋して死にたい〜』主題歌だった「to Heart」は『全部だきしめて/青の時代』をなぞって2曲目に回し、1曲目にはノンタイアップの「雨のMelody」を配置、初回盤は「雨のMelody」メインジャケ写と「to Heart」メインジャケ写の2種を用意、通常盤はマキシケース仕様(中身は8センチ)という仕様だった。初動47万枚で『全部だきしめて/青の時代』以降の初動を上回ったため、ミリオンが期待されるも伸び悩んで85万枚に留まった。8センチ時代のシングルの中では最も早く2002年2月20日に単独でマキシ化された。
雨のMelody
作詞:康珍化、作曲:武藤敏史,坂井秀陽、編曲:有賀啓雄
当時今作は聞かずに「to Heart」が良かったので初めてシングルを買ってきたんだけど、聞いてみたらこっちの方にドはまりしてしまった。哀愁全開でスピード感がありつつもレトロな雰囲気も漂う。“雨はギターの涙と叫び”という歌詞もよく見るとかなり意味不明なんだけど語感とメロディーのハマり具合がなんだか無性にカッコよく感じた。中学生心をくすぐりまくる1曲だったのかもしれない。いやしかし改めて歌詞を見ると本当に意味不明だな、なんだギターの涙って。叫んだり痛んだり迷ったりってなんだよそれ。当初「雨」が「ギターの涙」と(共に)叫んだり痛んだり迷ったりしていると思ってたんだけど、「雨」=「ギターの涙と叫び/痛み/迷い」っていうなんかそれっぽい比喩っぽいな。『GOLDFINGER ’99』とか『パピヨン〜papillon〜』とかトリッキーな歌詞も多く手掛けている人だしな。作曲で最初に名前が出ている坂井秀陽というのは他で名前を見た事が無く良く分からない。武藤敏史は元ザ・リガニーズのメンバーで2021年に亡くなっているっぽいし、有賀啓雄も2023年に病没しているので今作も少なくとも半分故人なのか…。
『39』投票で大ヒット期シングルがほとんど淘汰された中で堂々8位、『39 Very much』でも残っており、後年のカッコいいスタイリッシュなKinKi Kidsにも通じる作風のためか長年コアファンにも評価される1曲となった。
★★★★☆
1stベスト『KinKi Single Selection』
3rdベスト『39』
14thアルバム『M album』side Memories(リメイク)
5thベスト『The BEST』
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』
to Heart
作詞:久保田洋司・E.komatsu、作曲:宮崎歩、編曲:CHOKKAKU
堂本剛主演1999年夏クールTBS系ドラマ『to Heart〜恋して死にたい〜』主題歌。今作の発売は10月になってからだったので放送中は未発売で9月17日の最終回から半月程度経過してからの発売となった。1997年のアダルトゲーム『To Heart』とは無関係。同じTBS夏クールのドラマ『P.S. 元気です、俊平』には堂本光一が主演しており、そちらの主題歌はHysteric Blue「なぜ…」だった。同じ局で同じクールだったため、互いの役名で互いのドラマに1シーンだけゲスト出演するという試みがされた。
『若葉のころ』『青の時代』に続く小松江里子脚本のTBS金曜9時枠のドラマだったので、恋愛ドラマに見せかけてまた何か起こるんじゃないか…と不安を抱いた視聴者もいたかもしれないが、前2作とは一転して今回は悲劇の連鎖や衝撃展開ナシのドストレートな純愛ラブストーリー。剛はボクサーを目指す花屋店員という役回りで、『P.S. 元気です、俊平』にゲスト出演した際は花を届けに来る店員役で出ていたのを記憶している。当初から剛はずっと婚約者のいる店長(原沙知絵)にずっと片想いしていて、偶然出会った深田恭子が一方的に剛にベタ惚れしてその気の無い剛に好き好きオーラ全開で迫りまくり、次第に…という内容だった気がするが正直あまり覚えてない。深田恭子の好き好きモードが若干ストーカーじみていてかわいい事はカワイイんだけど少々引き気味になってしまい、最後がどうなったのかハッピーエンドだったのは覚えているがボクサーのドラマ定番の網膜剥離展開からどうなったのかなど細かい記憶がほとんどない…。
今作はE.komatsu名義で脚本の小松江里子が自ら歌詞にも関与。歌われている内容もそのまま片想いの熱い思いだが、ドラマの内容的には剛サイドではなく、明らかにヒロイン(深田恭子)側の心情のようでもあった。ただ最終的に両想いになった段階での主人公(剛)の熱い想いという受け取り方もできなくもない。そういう意味では放送中ではなく、ドラマ完結後にリリースされた事で意味が広がったともいえる。系譜としては「FRIENDS」「青の時代」に続くバラードとなるが、今回はサビになるとロックバラード風に盛り上がる熱量の高い構成が新鮮だった。
★★★★☆
1stベスト『KinKi Single Selection』
3rdベスト『39』
4th(バラード)ベスト『Ballad Selection』
5thベスト『The BEST』
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