16th まだ生きてるよ

1996年11月18日
1996年、MAKIHARA名義でのシングル2作、アルバム1作、リミックス1作から、通常体制に戻ってシングル1作、アルバム1作とほとんど毎月のように怒涛のリリースが続いた1996年の最後にリリースされ、結果的に第1次ワーナーでの最後の置き土産にもなったシングル。River Way立ち上げたばかりだったのに急に移籍を決めるなんてソニーからの好条件引き抜き話でもあったのだろうか
C/Wなしでカラオケのみの2トラック仕様。初めてC/Wが無く、カラオケ収録のみだったため、定価800円は歴代シングルで最安となる(税抜き価格では同じ777円で同じ1曲+カラオケの『足音』があるが、『足音』発売時は消費税5%で定価は816円に上がっていた)。
1995年がリリースゼロとなり一時活動していなかったせいかこの当時死亡説が流れたらしく、それを逆手に取り、ジャケットは通常の紙ではなく、8センチジャケットの仕様のまま通常は紙の部分が透明クリアケースになっていてスポーツ新聞の見出し風のデザインになっており楽曲タイトルよりもデカく“槇原生還”と書かれていた(公式等のジャケ写だと透明になっていないが、実際には中のCDやトレイが透けて見える)。またカラオケの最初に謎寸劇が入っていたりと、曲本体だけでなく、全てにおいて遊び倒したシングルとなっている。
初動5.8万枚は前作から1万減程度だったが初登場10位とトップ10ギリギリにランクイン。2週目以降は24位→35位とあっという間に落ちていってしまい、40位前後で3週ほど粘ったため登場週数は9週まで持たせたものの累計14.8万枚と圏外2作と「COWBOY」に続く低さとなってしまった。
というわけでここのところ毎年今年も無事に「まだ生きてるよ」投稿をしていたが2025年は「まだ生きてるよ」過去曲回顧投稿となり、逆算しての並行連載であった。
それでは行ってみよう、2025年も無事に…

まだ生きてるよ
史上最低のクリスマスソングとも称された怪曲で、年末に彼女にフラれ、高熱なのに残業でボロボロになる独身1人暮らし男の魂の叫びが綴られた歌詞はインパクト絶大。”うちだって電器屋だ!”とかしれっと実話(槇原の実家は電気屋)を盛り込んでいたり、大サビでようやくポップソングらしくお星さまにお願いをしようとしたら洗濯物で見えないという散々なオチだったりと徹底して遊びまくっている。直後のラストサビ前には歌詞カードにはない”ウォエッ!吐きそう!けど飲んじゃったーー!”というトンデモ歌詞が炸裂する。ここだけ歌詞に載らなかったのはさすがにキツイので自重したのか…。
目立ったヒットシングルを除くとアルバム単位で話が進むため、シングルは個別で触れられないものもあるんだけど、それにしても『槇原敬之の本』でも『歌の履歴書』でも今作には触れられていない。今作が実話なのか含めてどういう立ち位置のシングルとして本人の中に残っているのかは良く分からない。たぶんアルバムの遊び曲ポジションで制作するもこれはさすがに『UNDERWEAR』に入れても目立ちすぎるし、史上最低のクリスマスソングとしてシングルに取っておこうぜ!くらいなノリと勢いでシングル発売されたんだとは思うんだけど…。
アルバムでは「困っちゃうんだよなぁ。」「恋はめんどくさい?」など遊び心を発揮した曲もこれまであるにはあったが、今作は遥かに上に突き抜けてしまっているし、シングルヒットしか知らない多くの人は唖然とすることは間違いないしはじけっぷりだ。
このまま移籍してしまったのでオリジナルアルバム未収録となり、最初のアルバム収録は『SMILINGⅢ』だったが、『SMILINGⅢ』ではの’98 NEW VERSIONとしてまさかのNY豪華ミュージシャンによる生演奏差し替えが行われた。Bass:Will Lee、Drums:Omar Hakim、Piano:Philille Saisseら参加メンバーは当時のSMAPのアルバムのバック演奏をしていたSmappiesメインメンバーであり、パーカッションやホーンセクションも現地メンバーによる生演奏で、槇原本人のキーボードとギターの佐橋佳幸はそのまま残されている(なのでギタリストの現地メンバー参加は無しで100%佐橋佳幸)。無駄にゴージャスすぎて余計に虚しくなるぜ!シングル発売当時のネタ的な話題性でタイトルくらいは目にした記憶はあるけどヒット曲としては記憶していなかったので『SMILINGⅢ』で聞いたのが実質初めてだったかなと思う。
シングルバージョンは逮捕謹慎時の2000年『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』でようやくアルバム初収録となったが、何故か’98 NEW VERSIONが『Completely Recorded』にも未表記で収録されているため、シングルバージョンは8センチシングルか『10.Y.O』でしか聞けない。アレンジはまったく同じなのでよく聞かないと違いは分からないが、生音バージョンの方が全体的に温かみがあり、特にドラム周辺に集中して聞いていると違いが分かる。
★★★★☆
3rdベスト『SMILINGⅢ~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA~』(’98 NEW VERSION)
5thベスト『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』
8thベスト『Completely Recorded』(表記は無いが’98 NEW VERSION)
C/W まだ生きてるよ[オリジナルカラオケ・歌謡教室編]
C/W無しでカラオケだけかと思いきや、単なるオリジナルカラオケではなく、“歌謡教室編”と謎のサブタイトルが付け加えられており、ただのカラオケではなかった。これは冒頭30秒ほどと演奏終了後にコーラス隊(?)がコンサートに備えてこの曲のコーラス練習をしていて先生(槇原)に指導を仰ぐという謎の寸劇が入っているというもの。先生(槇原)の喋り方は何故かおネェ風であるが、別にここでいきなり素を出したわけではなくマジでふざけているだけだと思う。オケが始まってからは普通のカラオケとなり、演奏終了後に先生に挨拶して終わる。
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