3rd 煌めきの瞬間

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3rd 煌めきの瞬間

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2000年2月2日
1999年11月にピアノインストミニアルバム『Dear』という本人ピアノ演奏のみで歌わない謎ミニアルバムリリースを経て5ヵ月ぶりの歌の入った新作。1stアルバム『moon』1ヶ月前先行シングル。

サザンオールスターズ「TSUNAMI」、モーニング娘。「恋のダンスサイト」、椎名林檎「ギブス」「罪と罰」、鈴木あみ「Don’t need to say good bye」らが1~6位まで一挙初登場した異常な高レベル週の翌週でまだ余波が残っていて、「TSUNAMI」、「恋のダンスサイト」が1位2位のままで初登場勢のV6、野猿、SOPHIAも好調な売上を記録しながらいつもより順位が低くなってしまった週で、初動4.5万枚でもトップ10に届かない初登場16位となり、3作目にしてトップ10落ち。ドラマ主題歌とはいえドラマもコケてしまい、アルバム先行シングルだったのも響いて5週ランクイン、6.8万枚となり前作初動にも及ばなかった。

煌めきの瞬間

作詞:黒須チヒロ、作曲:ハルユキ、編曲:亀田誠治
自身主演ドラマ『イマジン』主題歌。黒木瞳と親娘役でのW主演。父親不在の母子家庭で育った恋に奥手な娘・深田恭子とキャリアウーマンでイケイケな母・黒木瞳がそれぞれ新たな恋をする…みたいな話だったが、17歳にして早くも学生役を脱却して新人OL役に挑んだものの、特に大きな出来事も起こらず、普通にいい人の中村俊介とのほのかな恋模様が描かれた…が、正直内容をほとんど覚えてないほど平坦なドラマで視聴率も当時のヒット基準15%を下回るコケっぷりであった。

1stアルバムの演奏クレジットによればドラムは河村”カースケ”智康、ギターは西川進、ベースは亀田誠治、シンセプログラミングに中山信彦という布陣。椎名林檎のアレンジで頭角を現した亀田誠治がその仕事っぷりをそのまま持ち込んだ感じのノイジーな破壊的爆音ロックサウンドが凄まじい超絶楽曲。歪みまくりのギターにドガシャンドガシャン鳴りまくるドラム、特にシンバル音は終始クラッシュし続けてサウンドを覆っており、そんな破壊的なサウンドでも全く変わらぬ棒歌唱トーンで歌い上げるボーカル。さすがにそのままだと埋もれてしまうためかややリバーブがかっているように聞こえるがこれが逆に破壊的なサウンドの中のエンジェルボイスのようにも聞こえてくる独特の効果を生んでいる(なお本人は2006年の映画『天使』で台詞無しの主演:天使役で文字通り天使になっている)。ドラマ主題歌でこれをやるのが凄いが、さすがに主題歌として聞いていた時はこんなやべぇ曲だとは思っていなかったので抑えられていたのかもしれない。いざCDで聞いたらなんか思ってたよりうるせぇやべぇ曲で驚いた記憶

このように亀田誠治の名が売れた頃は王道J-POPのストリングスアレンジャーではなく、オルタナティブなロック系でどちらかというと売れ線に対するカウンター狙いみたいなイメージのアレンジャーだったので数年後にはいつの間にか王道J-POPストリングスアレンジャーとしてど真ん中の存在になっているとは思わなかった。

Alternative Mixはよりオルタナティブにロックになったのかと思いきや、むしろ全力で抑えて整えに行ったようなミックス変更。ノイジーだった部分を徹底して抑え込んでおり、クラッシュしまくっていたシンバル音も消し去る勢いで薄れ、歪んでいたギターも遠くなり、その分ボーカルが普通に通るようになったためかエンジェルボイス感のあったリバーブも無くなり…と元がクレイジーなのでこれだけ聞けばまだまだクレイジーなんだけどシングル聞いた後だとあまりにもやりすぎた事で面白くなってた部分が全部無くなってしまった感じ。少し長くなりフェードアウトだったのが最後まで演奏されるようになったが、ミックスはシングルのままの完奏バージョンで聞きたかった。まあアルバムのバランスを考えるとシングルのままだとさすがに難しかったか。

以前の過去曲回顧ではシングルバージョンこそが真骨頂だからシングルCDで聞け!!と締めていたがそれは“廃盤でもうレンタル屋にも残ってない/そもそもレンタル屋が無いので中古を探して買ってきて聞け!”という意味になり地味にハードルの高い状態になっていたが、配信解禁に伴いシングルバージョンも破壊サウンドだけ楽しめるインストバージョンもAlternative Mixも全部聞けるようになった。シングル音源を聞け!!
★★★★★
シングルバージョンアルバム未収録
1stアルバム『moon』(Alternative Mix)

C/W アトム ハート マザー

作詞:黒須チヒロ、作曲:DOREMI、編曲:有賀啓雄
壮大なシンセっぽいストリングスラインとリズムで淡々と進行する打ち込みナンバー。サビで頭が跳ね上がったり、最後に裏声ギリギリまで上がっていく部分などなんだかかなり歌いにくそうなメロディーラインと高音にちょっとギリギリ感があり、あまり上手に聞こえない。これまでどんな曲でも一定のトーンで棒歌唱していたのが今作ばかりはちょっと頑張って張り上げてます感が出ているような…。制作陣もなんでもかんでも一本調子に歌いこなす(?)のでちょっとギリギリを攻めて揺さぶってみたかったのかもしれないがこれは普通に合ってない
★★★☆☆
アルバム未収録

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