10th 夏の王様/もう君以外愛せない
2000年6月21日
両A面シングル。今作よりマキシシングルへ移行。ベスト盤『KinKi Single Selection』から1ヶ月でのリリース(このため当時一緒にレンタルしてきてCD-R保存の際に今作も一緒に収録した)。
これまでの両A面と異なり、何故か3種用意せず、「もう君以外愛せない」メインジャケ写を初回盤、「夏の王様」メインジャケ写を通常盤とした2種発売(曲順は今回も同じ)。マキシシングルに移行したので過渡期だったのだろうか。2人のそれぞれの主演ドラマ主題歌の両A面という初のパターンだったため、売上は好調で前作と同じ初動から前作を30万以上上回って87.5万枚まで引っ張る大ヒットとなった。しかしこれでもミリオンは遠かった…(改めて「フラワー」が凄ぇ…)。
夏の王様
作詞:康珍化、作曲:羽田一郎、編曲:船山基紀
堂本剛主演の2000年夏クールTBS系ドラマ『Summer Snow』主題歌。7月7日スタートだったので放送開始前の発売となった。『若葉のころ』『青の時代』『to Heart 〜恋して死にたい〜』に続く小松江里子脚本のドラマとなったが、今回は過去3作のようにバラード系ではなく陽気120%なアップテンポアイドルサマーポップナンバーとなり、全くの別系統。ドラマは別にそんなに明るい展開では無かった上に、相手役の広末涼子が心臓病を抱えているというあからさまなフラグが立っており、フラグ通りに終盤死にそうな展開となり最終回ではいよいよ移植しかないという展開になり、主人公の堂本剛が直前にバイクに轢かれそうな少年をかばうシーンが…と、唐突な別死亡フラグがぶち上げられる。広末は手術成功で生還。剛も何度か見舞いに登場するが剛以外の周囲の様子がおかしい。やがて完全回復した広末は周囲から剛が交通事故で死んだと聞かされ、今まで見舞いに来ていた剛は幻(亡霊)、移植された心臓は死んだ剛のものだったと発覚する…という世にも奇妙な超展開となり、視聴者が唖然とする中、陽気なブラス音がプァーーー♪テコンピコン…(略)テッテッテレッテッテッテーオッエオッエー!ワッツァッカモー!オッエオッエー!と悲しみを飛び越えすぎなオッエオッエーが鳴り響くというあんまりな結末で物議を醸したのだった…。
このようにドラマの当たり外れが激しくなってきた感じもあり、主演作が毎回面白いという時期は過ぎ去りつつあったように思う。今作はCMソングくらいが妥当で、ドラマ主題歌になるタイプの曲ではないと思う。明るいラブストーリーでハッピーに終わるならまだしも、亡霊ENDでオッエオッエーは無いって。
楽曲自体は限界ギリギリのキーの高さが印象的でサビはとにかく高音続き。サビ後半でダメ押しの如く高音を伸ばすという鬼のような構成でカラオケ殺しであったが、歌っている当人たちも相当きつかったようだ。サビはほとんど剛の突き抜ける声しか聞こえな
KinKi Kidsとしては当時としても明るすぎたため「フラワー」でも抵抗があったような2人にとっては当然こんな明るいキャラじゃない…という感覚があってか、ヒット作の割にライブではほぼ封印状態の曲となっていった。キーが高すぎるからという事も長年言われていたが、キーの高さについては2022年8月のYouTubeでの生演奏ライブ収録で散々語っており、(40代となった今でも)歌えないわけではないとして見事に歌いきっている。この際にキー下げしたバージョンも急遽演奏してもらうなど特別待遇で扱われた。光一によればこんな高いキーになったのは最初のブラス音(ド頭のプァーーー♪)が1番気持ちよく響くキー設定になっているからだという。
これが少し話題になった影響なのか翌2023年夏にはマクドナルド「スパイシーベーコンポテトパイ」CMソングに起用されてまさかの発売23年後の夏を彩る事となった。CMソングの方がやっぱり合ってた。
★★★★☆
4thアルバム『D album』
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
もう君以外愛せない
作詞作曲:周水(canna)、編曲:重実徹
堂本光一主演の2000年春クール日本テレビ系ドラマ『天使が消えた街』OP。こちらは既に放送中で最終回1週前のリリース。藤井フミヤが自閉症の兄という難役に挑み、エンディングは藤井フミヤ「INSIDE」だったが、何故かOP/ED両方とも大バラードというバラード被りだった。双方主題歌は条件だったと思われ、それでOP/ED両方枠を用意したんだと思うけど、まさか双方バラード用意してくるってけっこう内部がドタバタしてそうな…。最終回ではOP/EDをひっくり返して使用したのでドラマの締めは今作となった。今回はcannaではなく周水単独での提供。今作時点ではまだ周水(canna)という表記だったが、ブレイクに至らず活動休止に至って以降は周水は単独の作家として外部提供メインとなっていった。
光一が演じたのは殴られ屋をやって友人の肩代わりの借金を返済しているという青年。自閉症の兄に振り回されながら成長していく…というやりようによってはもっとハートフルな話になりそうなものだったが、拳銃、麻薬やら裏社会中心のきな臭い展開となり、終盤は同時に藤井フミヤ演じる兄が白血病になるという病気要素まで盛り込んでますます金策で裏仕事に走ろうとする…と追い込まれるばかり。ヒロインの内田有紀が殺されてしまい、直後に光一も撃たれて死んだBAD ENDに見せる演出もあり、そこから光一だけ実は生きてましたENDがとってつけたようだった記憶(内田有紀はマジ殺されてヒロイン死亡で終わったため消えた天使=内田有紀?)。王子様・好青年イメージが強かった当時の光一にチンピラみたいな役で新境地を…という事だったんだろうけどやはりどこか上品だった。この手の役はやはり当時尖った若者な雰囲気全開だった長瀬智也とか森田剛とかが合ってたよなぁと思った記憶。まあ境遇の割にはのほほんと明るい部分もあって暗いだけのドラマにはならなかったのは光一ゆえだったんだろうけど…。
曲自体はそういう要望があったのかというくらいに「青の時代2」みたいなcannaバラード。最初はまたも名バラードが来た!と思ったんだけどけっこう早い段階で飽きてしまいあまり聞かない曲になってしまった。
★★★☆☆
4thアルバム『D album』
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
14thアルバム『M album』side Memories(リメイク)
4th(バラード)ベスト『Ballad Selection』
5thベスト『The BEST』
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