6th やめないで,PURE
1999年2月24日
作詞:伊達歩、作曲:筒美京平、編曲:WACKY KAKI
ジャケットにも思いっきり”C/W BABY LOVE”と書かれていたのに当初O社では何故か両A面表記にされていた(後に修正)。また“,”(カンマ)であり”、”(句読点)ではないという妙なこだわりも。前作を上回ったものの2作連続60万台となった。この時点でもけっこうなベテランだったのもあるが2020年に筒美京平、2023年に伊達歩(=伊集院静)が亡くなったため、最も早く作詞作曲者が故人となったシングルでもある。
堂本剛主演1999年冬クール日本テレビ系土曜9時ドラマ『君といた未来のために 〜I’ll be back〜』主題歌。ヒロインは遠藤久美子だったが、遠藤久美子は最後まで主人公が巻き込まれた時の繰り返しは知らず、中盤以降に一緒に時を繰り返す戦友のような存在として仲間由紀恵が出演していた(3番手というか正ヒロインとは別の3番手、ライバル的な役どころが続いていた時期)。放送は1999年になったばかりだったが、主人公の剛が1999年12月31日になると心臓発作で死亡してしまい、4年前の1995年から人生をやり直す事になるというタイムリープモノ。2度目の人生では4年間の未来の知識を生かして成金野郎となるも友人の自殺を止められず未来の知識を先取りした弊害でブームの終了も早まって破産し、全てを失ったところで遠藤久美子に救われたところで再度1999年12月31日に心臓発作で死亡。3度目の人生では2度目の反省を生かして誠実に生きようとするも実は他にも同じ繰り返しをしている者がいた(仲間由紀恵、佐野史郎)事が発覚。2度目での剛の振る舞いを見てどうせループするなら好き放題やってやるぜと覚醒した佐野史郎の暗躍に振り回されるも周囲との関係は全人生の中で最も良好なまま1999年12月31日を迎えて誠実に生きた事で突破できないかと賭けたものの結局心臓発作で死亡。4度目は何をしても2000年を迎えられない事を悟り、佐野史郎に罠を張って早期に逮捕させた後は仲間由紀恵と共に世捨て人となり周囲との関係を断ち切って静かに1999年12月31日を迎えて死亡。そして4度目の人生の際に獄中の佐野史郎が自殺した事で5度目以降は3人の戻ってくる時間軸が1995年起点ではなく各自バラバラとなり、混沌としていく中で、最終的に繰り返しの要因になっていた母の生存を知り手掛かりを求めて調査中に崖から落ちて意識不明のまま5度目は終了、6度目は12月31日の死の瞬間に一瞬だけ戻る形で終了したが(6度目が一瞬過ぎて分かりにくかったので「6度目」が飛ばされて「7度目」になったと勘違いする視聴者が続出)この際に1度目の人生で死んだ場所である映画館に仲間由紀恵、佐野史郎もいた事を目撃、そして7度目の人生まで行っての最終章。ハッピーエンドにはなったんだけど7度目は佐野史郎が最速で1994年には戻ってきていて剛と仲間由紀恵が戻ってくるのは最終年の1999年と非常に遅かったため、5年かけて佐野史郎に剛が洗脳されていて周囲との関係が悪化しているところからやり直すハメになったので、これが最終決定人生で大丈夫なのか(戻ってきた途端に剛の言っている事や行動が180度変わる事になり一応周囲は目を覚ましてくれた!と認識していたが戻ってくる前はアイツは変わり果てちまった…と仲間達に絶望視されていたほどなのでクリーンだった3度目と比較しても人生の黒歴史期間が正史に刻まれる事に…)とはちょっと思った記憶。『未満都市』はDVD化されたけど今作は放置されたままなのが哀しい(ていうか当時の土9ドラマ現状視聴不可作品多すぎィ!)。当時リアルタイム録画していたVHSは倉庫のどこかに眠っているはずだが再生環境がもうないし…。
よほど制作がタイトだったのか、ギリギリまで主題歌情報が出ていなかった。パートの振り分け作業もしないまま主題歌サイズを納品したのかソロパートが無しで終始2人でユニゾンしているなど主題歌としてOAされた音源と発売されたシングル音源にも違いがある。CD版ではAメロにソロパートがある。古き良きという感じが漂うのは大ベテランの筒美大先生の全盛期が昭和だった事からくるレトロさか。悪くはないけど前作同様に前以上のインパクトは残せないような少し難しい時期に突入していた感はあり、当時はあまり好きな曲ではなかった。
前述のようにかなり突貫で制作されたためか、シングルバージョンは実質早々に破棄されていて当時のTV出演から別アレンジで披露。『C album』収録時には表記は無いがアレンジが大幅ブラッシュアップされたアルバムバージョン。打ち込みドラム音のみだったイントロ部分でいきなりギュイーンとエレキギターが響き、全体にエレキギターを追加、リズムトラックも含めて全体に厚みが増し、間奏のアレンジは全く異なるHIP HOPっぽいダンス色の強いアレンジにまるっきり変更が施されている(間奏の尺自体は同じ)。このバージョンは前述のように元々「ミュージックステーション」「CDTV」「うたばん」等のシングル発売後のプロモーション活動で各種歌番組で披露した時には既に使用されていた。シングルバージョンが使用されているMVでは全く踊っていなかったが、TVでは完全なダンスナンバーとしてパフォーマンスしていてアレンジが変更された間奏部分では特に激しいダンスパフォーマンスをしていた。この歌番組仕様のアレンジを半年後の『C album』で音源化したという事だったようだ。当時はこの曲自体にそんなにハマっていなかったのであまり意識してTVで見ていなかったが、当時の熱心なファンはTVとCD音源が違い過ぎて混乱しなかったのだろうか。2023年の生バンドでのYouTube Original Liveでもこの『C album』バージョンを基にしたアレンジで演奏されている。
さらに『KinKi Single Selection』でも表記は無いが、更なる変更が施された。こちらはエレキギターの追加アレンジは『C album』準拠だが、リズムトラックや間奏のアレンジはシングルバージョンのアレンジに戻っているなどシングル(主にリズムトラックや間奏)と『C album』(主に追加されたエレキギター)のアレンジを合体させたようなアレンジ。相対的にエレキギターが『C album』より若干強めに聞こえるか。イントロやアウトロで繰り返されるフレーズの音色はシングルでは完全にシンセの音だが、『C album』『KinKi Single Selection』ではエレキギターでもユニゾンしているっぽい音色になっていて、この音色は『KinKi Single Selection』の方がよりエレキギター強めに聞こえる。
このように1度もバージョン名をつけずに無表記で変更されているので出るたびなんか変わってる!?と不思議な曲だった。シングルバージョンがアルバム収録になったのは2017年の『The BEST』が最初である。改めてシングルバージョンに戻ってみると、ギターの存在感が無いので音がスカスカでシンセが悪目立ちしていて未完成な印象を受けてしまう。ていうかこれシングルバージョンでパフォーマンスした事あるのか…?
そんなわけで複数のバージョンで聞いているうちに馴染んできて最終的にはけっこう好きな曲になっていた。C/W「BABY LOVE」は明るくもオシャレなポップナンバーで当時はそんなでもなかったがこれも後年印象が上がった。
なお『KinKi Single Selection』の2ヶ月後にリリースされたカラオケアルバム『KinKi KaraoKe Single Selection』に収録されている今作のカラオケはベストに収録された最終アレンジバージョンではなく普通にシングルバージョンとなっている。
★★★★☆
3rdアルバム『C album』(表記はないが別アレンジのアルバムバージョン1)
1stベスト『KinKi Single Selection』(表記はないが更に別アレンジのアルバムバージョン2)
5thベスト『The BEST』
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