FC&ライブ会場限定 バンドワゴン
2005年6月1日
ファンクラブとライブ会場限定で販売された独立後最初の作品。マキシシングルのケースだがミニアルバムに近い4曲仕様のCD作品。
4曲のうち「面影ポーズ」のみそのまま『COLORS』へ収録されたが、「ボールの行方」「続・風と行きたかった」は今作でしか聞けず、表題曲「バンドワゴン」も今作ではスタジオライブ形式での録音だがアルバムではその表記は無い。
貴重な作品となったが、入手はかなり難しい。Amazonにカタログがあるタイプの商品ではないので高騰しているという意味で入手困難ではなくそもそも売っている場所がない(オークション系サイトでの出品待ち)。
今作に関しては発売した事すら把握していなかったが、後に今は亡き埼玉県大宮駅近くの某BOOK OFF(今あるやつの移転前)のシングルコーナーにて偶然発見(108円)できた。
バンドワゴン(Studio Live)
作詞作曲:今井千尋
頓挫したサブアーバンミュージック路線の仕切り直しのような1曲で、全国各地に歌を届けにいくよ的なテーマソングのような1曲。前向きなアップテンポで3人のコーラスワークと演奏を生かしたこれぞSomething ELseな王道曲。EMI末期はソロとカバー続きだったのでそれこそ「国道16」や「パーフェクトドリーム」以来となる久々の明るい曲だ。この曲をテーマソングとして末永く活動できるとファンも信じていたのだが…。終焉が目前に迫っていたとは思いもしなかった。
Studio Liveとなっているが、メンバー以外にはパーカッションの矢吹正則が参加した4人編成。全体に音がやや荒めで、ドラムではなく簡易なパーカッションという事もあって録音環境があまり良くないインディーズ感が漂ってしまっているのが少し惜しい。ライブ感があって勢いはあるんだけど生ドラムで普通にレコーディングできなかったものなのか。これなら打ち込みドラムでももう少ししっかりしたリズムの方がマシだった。アルバム『COLOR』収録時も編成は同じで、最後のサビ終わりのェエイッ!等の掛け声もそのままなので音源自体は同じでアルバムに合うようにミックスし直すなど修正を加えたくらいなんじゃないかと思う。
★★★★☆
Studio Liveアルバム未収録
7thアルバム『COLOR』
C/W ボールの行方
作詞:今井千尋、作曲:伊藤大介
伊藤はエレピ、今井はシンセも演奏している。安定の伊藤バラードといった感じの繊細な感じのバラードナンバー。伊藤のアコースティックギターサウンドへのこだわりは末期まで進化を続けていたと思うんだけど、作曲面に関しては覚醒した「ウソツキ」「いつか」がピークでどうも伸び悩んでしまった感がある。特に後半になるにつれて安定の繊細バラード担当みたいな感じになってきて…。それでもアコースティックギターサウンドへのこだわりというサウンド面での貢献で十分な活躍はしていたとは思う。
結果的に伊藤が作曲した歌モノの曲は今作が最後となり『COLOR』での伊藤は歌モノの曲は書かずに「RGB~InstrumentalⅠ~」「セルリアン ブルー~InstrumentalⅡ~」といったインスト曲を担当。今井のベースと自身のアコースティックギターのコード弾きをバックにしてアコースティックギターのソロ演奏が主旋律を奏でる(大久保は不参加)というインストで、新境地を切り開いた。当時話題になっていたDEPAPEPEみたいな事をやってみたと言えば身も蓋もないが、アコースティックギターサウンドにこだわり続けた伊藤の新たな可能性であり、こういうソロインスト曲はもっと聞きたかった。
★★★☆☆
C/W 面影ポーズ
作詞作曲:今井千尋
4曲の中で唯一サポートの矢吹正則がパーカッションではなくちゃんとドラムを担当しているバンド編成楽曲。結果的に『COLOR』での新曲は全部打ち込みドラムなので、『COLOR』で唯一にしてサムエル史上最後の生ドラム曲。今井はピアノとシンセも担当。やはり簡易なパーカッションではなくドラムになるだけでリズムががっしりとして他の3曲とはまるで異なるしっかりした仕上がりに。また『ギターマン』頃の親しみやすいキャッチーさが久々に戻ってきていて1回聞いただけでもとてもポップで馴染みやすい。アルバム『COLOR』の方向性を最も予告しているような1曲。実際今作はそのまま『COLOR』に収録された。
★★★★☆
7thアルバム『COLOR』
C/W 続・風と行きたかった
作詞作曲:今井千尋
3rdシングル「風と行きたかった」の続編。今作ではアコースティックギターは大久保のみで、伊藤はアコースティックピアノのみ、今井はピアニカのみを演奏。ピアノバラード的なアレンジでしっとり聞かせる。そこはかとなく「風と行きたかった」の要素を感じさせるメロディー展開だが、サビらしいサビが無く、全く印象に残らないメロディーのまましっとり過ぎ去っていってしまい、名バラード「風と行きたかった」の続編としてはあまりにも地味すぎる…。
歌詞の内容もド頭から“2年も経てば”とあるように2年しか経過していないが、リアルタイムには8年近くも経過しているのでどうもリスナーの体感と感覚が合わないのが決定的。しかも原曲は学生時代の初恋をテーマにしていたので2年しか経過していない続編となると学生時代がより遠ざかったリスナーが多いわけで距離が開いた感がハンパない。これはちょっと残念な続編だったかなぁ…。
★★☆☆☆
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