16th treasure of the heart~キミとボクの奇跡~

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16th treasure of the heart~キミとボクの奇跡~

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12年6月6日
再結成後唯一のシングル。当初”10年後の8月”である2011年8月限定の活動の予定だったが、8月14,15日のライブにて年内延長を発表。しかし11年10月31日に当日付でTOMOKAが体調不良による脱退と芸能界引退を発表して離脱。12月にZepp Tokyoで行われたZONE/SCANDAL/ステレオポニーによる合同チャリティーライブ「SUPER GIRLS BAND”MESSAGE”」が最後の活動となるかに思われたが2人で来年以降も続けると会場で宣言。

それに伴い2012年MIYUとMAIKOに2人で永続的な活動継続を決めての最初のシングルとして今作が発売された。TOMOKA加入時にも使用された新生ZONEが今作でも使用されている。この後にはツアー『7年振りツアー「2人になりましたけど…NANIKA?」』も開催された。

…が、ツアーBlu-ray/DVDが発売される頃にはソニーのサイトの更新が滞り気味になりろくな告知もされない状態となっていた。

そして2013年2月MIYUの解雇が突如急告され、これを受けてMAIKOがZONE終了を発表、4月にファイナルイベントを開催してZONEを終わらせた。

よって再結成唯一にして今度こそ本当の最終作となった。

初回盤はMVとメイキング映像を収録したDVD付。現役時代の作品及び『ZONEトリビュート~君がくれたもの~』期間生産限定盤も含めてどれも新品入手は困難ではあるが(さすがにほぼ全部廃盤状態)、中古価格は底値であるが今作はそもそもあまり売れなかったため初回盤がプレミア化している。

treasure of the heart~キミとボクの奇跡~

作詞:MIYU、作編曲:丸山真由子
作編曲の丸山真由子はZONEには初関与。ZONEの現役時代大半はデビュー前でTOMOKAが加入した04年からHΛLのメンバーとして活動し、その後作家としても活躍していた。縁としては事務所ランタイムの後輩にしてZONE、MARIA亡き後のランタイムを支え続けているClariSに多数楽曲提供していたので、完全にClariS繋がりでの提供依頼だったと思われる。

初提供ではあるが、ZONEらしさは存分に意識されたバラードナンバー。加えて大人になった&2人になった新生ZONEに合わせた相応の落ち着きもあって真新しさは無いが正統に進化した7年ぶり新曲だと思う。

過去タイトルを詰め込みすぎ&ZONEの感覚を取り戻しきれずに急造感があった「約束~August,10years later~」に比べると今作の方が地に足がついていて“10年後の8月”を越えた先の今を生きる主人公の続編のようでもあるし、MIYUなりのZONE復活継続への思いにも読める。

AメロがMIYU、BメロがMAIKO、サビはMIYUメインでMAIKOがハモりという基本編成。現役時代にもシングル「glory colors~風のトビラ~」でサビでMAIKOがハモりを入れるのみで全編MIYUボーカルという編成があったため、2人になってしまったとはいえ聞いていてそこまでいなくなった感じはしない。まあ音源でメンバー演奏してないんだし、映像で見ない限りは「glory colors~風のトビラ~」とはメンバーの音源参加者が変わらないんだから当然ではあるか。またMIYUのボーカルは前年よりもZONEのMIYUを取り戻しつつある感じがする。

MVは悪天候の草むらの中に佇む机や椅子と高校生達をバックに2人が演奏しているというもの。確か当時埼玉県の上尾市で撮影されたとどこかで明かされていたと思うが、この光景は恐らく荒川の堤防の内側と思われる(いわゆる河川敷だがけっこう広いのでさらに北上した鴻巣には川幅日本一とかいう全然川幅に見えない堤防間が長いだけの場所もある)。なお悪天候なのは運が悪かっただけでそういう演出ではない。

現役時代のZONEはまさにバックにいる制服姿の高校生達の年代だったわけで、重ねた年月も感じられる仕上がり。2011年復活時は特にMIYUがやけにやさぐれ感漂っていてくたびれまくっていたが、今作ではくたびれた雰囲気が無くなり、若返ったというか年相応の若者の姿になり、ZONEのMIYUをちゃんと取り戻した感じが見た目からも感じられる。解散時からそのまま7年後のMIYUとして違和感が全く無い。歌声の張りもだいぶ戻してきていたが、メイキングでも終始ニコニコしていてあの頃のZONEのMIYUがそのまま大人になったような雰囲気になっているのが印象的。実際監督とカメラマンが現役時代と同じだったので、あの頃の自分に戻れたともコメントしていて本当に言葉通りにいい表情をしている。2011年のMIYUのくたびれっぷりは挫折続きの6年間を思ってこれはもう取り戻せないほど深い傷を負っているのではないかと心配になるほどだっただけに、MIYUがZONEのMIYUを取り戻したように見えるこの2012年のZONEは2人はなってしまったが、実は2011年よりはちゃんとZONEとして復活していたのではないかとも思う。

これはこの後のツアー『ZONE 7年振りツアー「2人になりましたけど…NANIKA?」』のライブBlu-ray/DVDを見てもそう思う。まあそれだけにもうこれの半年ちょいくらいしか未来じゃないわけなんだけど、急告のショックは余計深まるところもある。くたびれた感じのままだったら本当にやさぐれちまったんだなとも思えたんだけど、一旦はここまでZONEのMIYUを取り戻してからの急告は本当に何があったのか。

いや改めて見ても急告の破壊力凄いな。2021年まで消されずに残ってたんだもんな(2022年になって消されました)。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W ユメノカナタ

作詞:MAIKO、MIYU、作編曲:ha-j
「約束~August,10years later~」に続くha-j提供。再結成後唯一のアッパーな楽曲だが、かつてha-jが編曲を担当した「H・A・N・A・B・I~君がいた夏~」をオマージュしたようなアレンジになっているので、どうにもこうにも「H・A・N・A・B・I~君がいた夏~」の姉妹ソングというかパロディにも聞こえてしまう。似せるにしてももう少しふんわり似た感じに調整できなかったものか…。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Arigato

作詞:MIYU、MAIKO、作編曲:宮永治郎
初期にZONEの楽器指導を行っていた川上シゲとの共同編曲虎じろう名義で「secret base~君がくれたもの~」の編曲も担当していた宮永治郎提供。「夢ノカケラ・・・」「JET」「風のはじまる場所」といった02年年明けの同時発売作品に関与して以降は登場していなかったが、丸山真由子同様に後輩ClariSに多数楽曲提供していたので、初期のよしみ&ClariS繋がりでの提供依頼だったと思われる。

これまたZONEらしいミディアムナンバー。感謝を前面に出しているが舞台は学校となっていて、これは東日本大震災の復興支援活動での現地の子供たちの交流から生まれたからと説明されていた。説明の中で被災地には何度も足を運んでいると語っていたが、特に被災地支援活動をどれだけ行っているのかは公式には発表されていない。メンバーが二言目には支援のため支援のため再結成理由を連呼し続ける一方で、ファンが知るZONEの活動は数えるほどしか行われていないため、どうにもメンバーが抱いてる活動実感と見える活動実態に大きな隔たりがあったように思う。

今作も支援的な要素よりも普通に学生向けの教室が舞台の感謝ソングではあるんだけど、デビューから11年も経過しているのだから当然当時のファンも大半がとっくに学生を終えている事になるわけで、しかも教室舞台となると高校生以下なわけでちょっと世代を外れている感はあった。

「ユメノカナタ」も共通して復興支援と感謝は再結成後の二大キーワードであり、それが曲に反映されたという意味では意義深く、活動理由をちゃんと形に残せたとも言えるが…。

結果的にこれポッキリ、これが最後となってしまい、復興支援も感謝も何だったのかとはどうしても思ってしまった。
★★★☆☆
アルバム未収録

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