TOKIO 20周年レビュー〜ソニー前期 1994-1996〜

ジャニーズの中でも珍しいバンドとして94年にデビューしたTOKIO。前身はリーダー城島茂と山口達也で結成された「城島茂バンド」→「TOKIO BAND」→「TOKIO」という経緯をたどっている。メインボーカルの長瀬智也は最初はメンバーではなくサポート扱いだった。デビュー直前までメンバーだった小島啓がジャニーズ事務所そのものを辞めてしまったため長瀬が正式メンバーになったらしい。

このソニー前期とは最初のベスト盤までの時期だが、同じソニーでもここまでと以降では制作陣と路線がまるで異なる。この時期を一言でいうなら90年代中盤であったにも関わらず、時代に即さずに異常に古臭いという1点に尽きる。またサビ始まりで1番→間奏→2番で終了という構成の曲が多いため短い曲が多いのも特徴だ。

個人的にはリアルタイムでこの時期の楽曲を聞いたのは「うわさのキッス」のみ。あとは「ハレルヤゴーゴー」のフレーズ(「ありがとう…勇気」)だけアトランタオリンピックというワードと共におぼろげに記憶にある程度だった。

※『17』発売時の2012年にC/Wまで加えて全面的に書き直したものを2014年20周年の際にさらに追記修正しています。また現在の公式サイトは初期のC/Wか両A面曲なのかの扱いがかなり適当になっているため、当時の8センチシングルの表記に従ってC/WかA面かを分けています。

1stシングル LOVE YOU ONLY
94年9月21日
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:西脇辰弥
編曲:TOKIO&KAM(TOK Ver.)
アニメ「ツヨシしっかりしなさい」最終OP。このアニメは「ちびまる子ちゃん」が92年に1度終了し、95年に再開されるまでの間に放映されていた作品。1位を取れずに初登場3位でジャニー社長に怒られたとされているが、先輩のSMAPや後輩のV6もデビュー曲は3位であり、ジャニーズのデビュー曲1位の伝統芸が復活するのはKinKi Kids、嵐以降となる。売上52.0万枚は現在においてもTOKIOのダントツ最高売上。しかし当時全く知らず、個人的にこの曲を知ったのは後追いでベスト盤を聞いてからなので、21世紀になってからだったと思う。ソニー前期の中ではこれでも1番現代的な曲ではあるし、ヒット性も1番高いがそれにしても王子様的なキラキララブソングは94年という時代の中では明らかに時代遅れだったと思う。山口メイン気味の長瀬とのツインボーカルになっており、基本的にソロで聞こえる歌声は全部山口のもの。長瀬は城島とセットで歌っているようだが声が若すぎて誰がどの声なのかよく分からない。現在のライブにおいては長瀬メイン、山口サブボーカルといった感じになっている。10周年を迎えた『TOK10』ではTOKIO名義のアレンジにより、落ち着いたミディアム調にリメイクされている。グッと落ち着きを増した渋い味わいに生まれ変わりながらも、それぞれの演奏を生かした大人になったTOKIOを感じられる。サウンド的にはそちらが好きだが、依然として歌詞がキラキラなので落ち着いた曲調と合ってなくて若干違和感も。初期の曲はほぼライブのセットリストからも姿を消していった中で、今作に関しては大事なデビュー曲だし、初期の中では1番出来もいい曲だけに現在でもオリジナルバージョンで披露するのがライブの定番となっている。長瀬の歌い方は激変しているのでかなりCDとは異なる雰囲気で、個人的にはライブバージョンが1番好き。
★★★★☆
1stアルバム『TOKIO
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO
3rdベスト『
HEART
リミックスアルバム『
TOKIO REMIX』(3バージョン収録)
カバーアルバム『
TOK10』(セルフカバー)

C/W 時代をよろしく
作詞:城島茂&山田ひろし、作編曲:西脇辰弥
「時代」と書いて「TOKIO」と読ませる無理やりな楽曲。城島が作詞に参加しており、自作するようになってからもちょっとした言葉遊びを取り入れるのが城島の作風になっているのでその片鱗はこの時から見えている。基本的に曲名は「ときおをよろしく」と読むのが正しいはずだが、歌詞の中では「僕達の時代(TOKIO)を」を「ぼくたちのときおを」ではなく普通に「ぼくたちのときを」と歌っている。メンバー紹介するわけではないが、Ride on TOKIO Ship(TOKIO!)と繰り返しサビで歌われるので結果的にバンド名を連呼する事になり、挨拶代りのポップソングとなった。けっこうポップでキャッチーなのでこの時期のシングルの中ではこれ以降のいくつかのA面曲よりも耳に残る。また現在の公式では何故かA面扱いになっている。
★★★☆☆
1stアルバム『TOKIO
リミックスアルバム『
TOKIO REMIX』(JUNGLE MIX)
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO

LOVE YOU ONLY


2ndシングル 明日の君を守りたい-YAMATO2520-
94年12月12日
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:白井良明
1stアルバム『TOKIO』に最初からアルバムバージョンと表記して収録。1ヵ月後にシングルカットされた。ビデオアニメ「YAMATO2520」イメージソングとされており実は主題歌ではない。主題歌は別にあるという…。冒頭は何だかド派手な80年代&宇宙的なイメージ全開だがそれ以降はミディアム調のポップなキラキララブソングとなる。アルバムバージョンとシングルはぶっちゃけほとんど変わらない(ほとんど違いが分からない)が、アルバムの方がイントロ部分でエレキギターがちょっと前に出ている印象。恐らくアイドルなのでシングル用にマイルドにしたと思われるが、一応バンドとしてデビューしたのにちょっとだけカッコよくギターが鳴っている程度の部分をマイルドにしてしまうなんて当時のスタッフのセンスがいかに遅れていたかが良く分かる。いずれにせよちょっと時代錯誤にも程があるんじゃないかという仕上がり。またこの時期の楽曲としては異常な長尺で5分半もあるのもかなりかったるく、つんくが提供したソニー末期のシングルと並んでシングルではほぼワーストの曲。
★☆☆☆☆
1stアルバム『TOKIO』(Album Version)
リミックスアルバム『
TOKIO REMIX』(2バージョン収録)
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO』(サブタイトルが消滅したもののたぶんシングルと同じ)

C/W 永遠の星座〜YAMATO2520 愛のテーマ〜
作詞:山田ひろし、作曲:住吉中、編曲:重美徹
同じくビデオアニメ「YAMATO2520」イメージソング。長瀬と国分がメインで歌っている模様。アニメタイアップの多い初期においても完全に同一のアニメタイアップになっているのは今作だけだが、何故に主題歌でも挿入歌でも無く、"イメージソング"を2曲も用意する必要があったのか…。歌詞はこっちの方がより宇宙っぽい雰囲気。ややシリアスでロック色も強いが、やはり5分くらいあるのでかったるい。
★☆☆☆☆
アルバム未収録

明日の君を守りたい‐YAMAT


3rdシングル うわさのキッス/哀しみのBeliever
95年4月12日
発売当時は両A面シングルとして発売された。実際ジャケット背文字では両A面表記がされており、表裏にもC/Wの文字は無く、並列表記されている。しかし何故か現在の公式サイトでは単独A面扱いにされている。

うわさのキッス
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:白井良明
アニメ「キテレツ大百科」最終ED。長瀬・山口がリードボーカル。チャート的にもデビュー作を上回り、「メッセージ」が出るまでは最高である初登場2位を記録。売上39万枚もTOKIOの中では4番目の売上。初期TOKIOの代表曲といっていいじゃないだろうか。「キテレツ大百科」の主題歌自体は「はじめてのチュウ」「お料理行進曲」を筆頭に当時見ていれば耳に残っているような曲が多かった印象があるがこの曲もその中の1つであり、当時はTOKIOの曲という印象はあまり無かった。キテレツはTOKIOが担当した他のアニメタイアップよりも圧倒的に人気と知名度の高いタイアップ作品だったので、幼少の頃にキテレツを見てこの曲を覚えていたリスナーも多いんじゃないだろうか。加えてライブではかなり後年まで歌われ続けていたようなので(01年と04年のライブDVDまで収録されている)、ソニー前期ではデビュー作に次ぐ存在感があるんじゃないかと思う。01年、04年のライブバージョンでは長瀬がかなりがなり気味に歌っているがロック色が増していてかなりカッコいい。どこがコーラスでどこがメインボーカルなのか分かりにくいが歌詞カードで()でくくられている部分がコーラス扱い。サビ終りの「夢の中へ〜」の2番目ってコーラス扱いだったのかよ!と初めて歌詞カードを見て驚いた。ただインパクトはあるのだがやはり時代が明らかに違っており「イェイイェイイェイ」とか掛け声も95年のアイドルとは思えずレトロ感がある(01年のライブではこの掛け声をほぼ削ってロック色を強めて披露している)。シングルでは全体的に歌詞にあるような"夢の中"というかモヤがかかったようなボヤッとした音像だが、ベスト盤のBrighter Mixではその単語の意味通りに演奏がより鮮明に聞こえるようなミックスに変更されている。ただ音量自体はシングルの方が明らかに大きい。
★★★★☆
2ndアルバム『Bad Boys Bound〜TOKIOU
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO』(Brighter Mix)

哀しみのBeliever
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:白井良明
長瀬のリードボーカル曲。長瀬が完全にメインで歌っているシングル曲はこれが初となる。3連リズムの昭和夏歌謡みたいな味付けをしたGSサウンドオマージュみたいな曲。まさに若大将加山雄三とかあの辺の時代を意識してみたのか間奏では若大将風(?)の長瀬の台詞も入る。試み自体は面白いが、95年にGS風って…。当時たぶん時代錯誤という意識無く天然でやっていたと思われる。
★★☆☆☆
2ndアルバム『Bad Boys Bound〜TOKIOU

うわさのキッス / 哀しみのBeliever


4thシングル ハートを磨くっきゃない
95年6月21日
作詞:芹沢類、作曲:芹沢廣明、編曲:白井良明
リードボーカルは長瀬単独。アニメ「飛べ!イサミ」OP。何とデビューから4連続アニメタイアップ。どういうわけか当時のオリジナルアルバムにスルーされた不遇な1曲。「み〜がくっきゃない♪」のサビが1発インパクトな曲。「〜っきゃない」が1回のサビで4回も出てくるせいでもあるんだけど。古臭さは相変わらずとして、長瀬の声はまだ若く初々しさがあり、いかにも"初期"っぽい曲。
★★☆☆☆
1stベスト『Best E.P Selection of TOKIO

C/W ぼくの伯父さん〜My uncle is a nice guy〜
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:白井良明
松岡リードボーカル曲。A面がスルーされたのに何故かこっちはアルバムに収録された。ロックバンド色が強くなるにつれてドラムに専念するようになり、現在は4人が歌っていても1人だけ黙々とリズムを刻んでいる事が多い松岡だが、初期はリード曲がけっこう存在する。その中でも特に異色でキラキララブソングばかりの中、タイトル通りぼくの伯父さんのナイスガイっぷりが延々綴られているという珍曲。これを若き松岡が必死全開に歌い上げているので妙にインパクトがある。このちょっと自分の音域をオーバーしかけているような必死さが初々しくて思わずこっちも聞いているうちに力んできてしまう。現在の公式では何故かA面扱いになっている。
★★★☆☆
2ndアルバム『Bad Boys Bound〜TOKIOU

ハートを磨くっきゃない


未来派センス
95年という時代においては標準的なバンド風アイドルポップナンバー。古くも新しくも感じないが、当時のTOKIOの古臭い作風からすればこの作風はかなり未来派なセンスであり、それゆえにこういうタイトルになったんじゃないかと思えてくる。この古くも新しくもないポップソングを未来派呼ばわりしてしまうくらい当時のスタッフのセンスが時代遅れだったという事を象徴する楽曲…だとなんか勝手に思ってしまっている。ベスト盤にも選ばれただけあって適度には耳に残るし、ライブ映えもする曲だったようで本格的にロックバンド化するまで(00年台序盤頃)は定番曲だったようだ。
★★★☆☆
2ndアルバム『Bad Boys Bound〜TOKIOU
1stベスト『Best E.P Selection of TOKIO


5thシングル SoKoナシLOVE
95年8月21日
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:白井良明
山口が主演したドラマ「夏!デパート物語」主題歌。長瀬と山口のリードボーカル曲。この辺りから長瀬のボーカルに現在への片鱗が見え始める印象。徐々に作風が95年当時に追いついてきたような、前作を現代風にブラッシュアップした曲という印象。シングルではリゾートミュージック風アカペラ状態のスローサビから始まるが、New Sokonashi Mixではその部分がカットされていていきなり演奏から入る。
★★★☆☆
3rdアルバム『BLOWING
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO』(New Sokonashi Mix)

C/W JUST YOU TAKE YOU〜君の瞳に溶けていく〜
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:西脇辰弥
国分リードボーカル。コーラス表記が城島・山口になっているので長瀬・松岡はボーカル参加していないと思われる。何だか80年代のリゾートミュージック的なイメージの1曲。
★★☆☆☆
3rdアルバム『BLOWING

SoKoナシLOVE


6thシングル 好きさ〜Ticket To Love〜
95年10月21日
作詞:工藤哲雄、作曲:都志見隆、編曲:白井良明
バーモントカレーのCMタイアップ。カラオケも収録されない完全1トラックポッキリ500円で発売。徐々に時代が進んできていたのにまたザ・歌謡テイストとなり、古臭さが戻ってしまったような雰囲気。ベスト盤では何故かメインタイトル「好きさ」が廃棄され、サブタイトルの「Ticket To Love」がメインタイトルに変更されてしまった。その割に楽曲自体の変更はさほどなく、短いイントロが完全カットされた程度しか違いが分からない。
★★☆☆☆
3rdアルバム『BLOWING
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO』(「Ticket To Love〜Gimme Gimme Mix〜」)

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7thシングル 風になって
95年12月2日
作詞:工藤哲雄、作曲:白井良明、編曲:白井良明
ジャニーズ唯一の高校サッカーテーマ曲。この年4月から2ヶ月おきに怒涛の勢いでリリースしているが紅白には最新だったこの曲で出演している。長瀬と国分がメインで歌っているようだ。わりかしバンドっぽいシンプルなサウンドになっており、これまでのような古さは無くなっているのが特徴。淡々と前に進んでいく感じがする曲だが、淡々としすぎてサビでも盛り上がりに乏しくあまり印象には残らない。ベスト盤ではStudio Live Mixとされた通り、ドラムなどが特にクッキリ浮き出ていてバンド感を強調した仕上がりになっている。
★★★☆☆
3rdアルバム『BLOWING
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO』(Studio Live Mix)

C/W 涙のウェディングベル
作詞:山田ひろし、作曲:塙一郎、編曲:白井良明
極端な古さはないがこれまでとさほど変わらない歌謡ポップっぽい曲。山口と国分がメインで歌っている模様。ライブハウスのマスターが連れてきた新しいバイトの子に惚れた主人公が色々アプローチするが、最終的にマスターと結婚されてしまう様子がコミカルに描かれたストーリー性のある歌詞が面白い。
★★☆☆☆
3rdアルバム『BLOWING

風になって


8thシングル MAGIC CHANNEL
96年2月26日
作詞:ナガハタゼンジ・山田ひろし、作曲:ナガハタゼンジ、編曲:西脇辰弥
当時は深夜枠で放送されていた「鉄腕!DASH!!」の初代ED。ややインパクトは薄いものの、今までとは作家が違うことや少しギターを目立たせたりとロックっぽさは少しだけ出てきたか。ちょっとデジデジしているけど。何故かアルバム収録を外されてしまったのでシングルバージョンがアルバム未収録のままになっている。ベスト盤のSpecial Mixはイントロが早速異なるなどそこはかとなく変更されているが、他の変更楽曲のように明確な変更の方向性が無い。Special Mixという曖昧なネーミングもそのためか。
★★☆☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
1stベスト『Best E.P Selection of TOKIO』(Special Mix)

C/W じっと見つめて
シングル収録曲では初の本格バラード。ほぼ国分のピアノだけで1番サビ前まで長瀬が歌い、サビ以降でバンドが入ってくるがあくまで歌を主体にしている。徐々に盛り上がってはいくもののやはり印象は薄い。何故かA面を差し置いて1ヵ月後のアルバムに収録されている。
★★☆☆☆
3rdアルバム『BLOWING

MAGIC CHANNEL


Zettai!
当時としてはかなり珍しかったストレートなリスナー応援ソング。王子様アイドルラブソングばかりが並んでいたこの時期において「恋愛だけじゃ今の時代はつらいよ」と歌った今作が収録された3rdアルバムを持って初期路線が終了。初期作家陣を一掃して路線変更が図られ、サウンドだけでなくラブソングばかりだった歌詞の面でも大きな変化が起きた事は象徴的だ。「LOVE YOU ONLY」「うわさのキッス」と並び、10周年ライブ頃までは定番曲として生き残り続けたのも納得。20周年の『HEART』投票でも選出されたがソニー前期の楽曲は今作以外に「LOVE YOU ONLY」しか選ばれておらず、高い人気だった事が分かる。
★★★☆☆
3rdアルバム『BLOWING
1stベスト『
Best E.P Selection of TOKIO』(Special Mix)
3rdベスト『
HEART


9thシングル ありがとう…勇気
96年7月22日
作詞:赤坂泰彦、作曲:久保田利伸、編曲:土屋学
フジテレビのアトランタ五輪イメージソング&山口と安室奈美恵が主演したカンニングに命をかける大学生の姿を描いたコメディ映画「That's カンニング!史上最大の作戦?」OP(EDは安室)というWタイアップ。ソニー前期のTOKIOはとにかくリアルタイムで耳にした記憶が「うわさのキッス」以外は全く無かったんだけど、この曲に関しては「ハーレルヤゴーゴー♪」のサビがおぼろげに記憶に残っていた。作詞を担当したのが「夜もヒッパレ」などでMCを担当した赤坂泰彦、作曲は久保田利伸と、初めて有名タレント、有名シンガーが起用された。久保田にとっては最大のヒット作「LA・LA・LA LOVE SONG」が大ヒットしている真っ只中だったが、彼が得意とするブラック系の匂いは皆無。ごく普通のアイドルポップス。シングルでは普通にポップなバンドサウンドになっているのだが(それでもそんなにバンドっぽくはない)ベスト盤では何故かボーナストラック扱いになっている上に、何故かドラムが軽い打ち込みにガッツリ差し替えられており、バンド感ゼロ、完全なダンスポップになってしまっている。8センチなので入手がめんどいが、これは是非シングルバージョンを入手すべき。ようやく古臭さが抜けてきてキャッチーな楽曲だっただけにもっとバンドを意識したアレンジにしてほしかった。また当時のTVでは普通に長瀬が真ん中で歌っていたはずなのに、CDでは長瀬らしき声が一切聞こえず山口らしき声がメインで終始歌っている。今作の扱いには謎が多い。
★★★☆☆
オリジナルバージョンアルバム未収録
1stベスト『Best E.P Selection of TOKIO』(Hyper Energy Mix)

C/W 世界の屋根
作詞:山本成美、作曲:根本要、編曲:水島康貴
フジテレビのアトランタ五輪エンディング曲。エンディングって何!?テーマ曲をエンディングでかけるんじゃないの!?と今でこそ思うがこの当時はテーマ曲とEDを分けていたらしい。EDというだけあって予想通りのバラード曲。基本的には音数が少なくピアノの伴奏メインだが、盛り上がるところではバンドで盛り上げており、表題曲よりはバンドTOKIOが意識されている。こちらはスターダスト・レビューの根本要が作曲し、1ヶ月後にデビューしたSPEEDの編曲を解散まで一貫して手掛けた水島康貴をアレンジに起用している。ソニー前期の最後の最後にこの起用法の変更は何だったのだろうか…。また現在の公式では何故かA面扱いになっている。
★★☆☆☆
アルバム未収録

ありがとう・・・勇気  

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